介護の窓口ひとりで悩まない、施設探しを。

最終更新: 2026-07-19

親の介護は何から始める?

親の介護の始め方とは、異変に気づいた時点から地域包括支援センターへの相談、要介護認定の申請、家族の役割分担とお金の確認を経て、在宅か施設かを考えるまでの一連の初動のことです。気づいてから結果が出るまで約1ヶ月の動き方を時系列で整理します。

この記事の要点

  • 親の介護は、異変に気づいてから地域包括支援センターへの相談→要介護認定の申請→家族の役割分担とお金の確認という順番で進めると、初動に迷いにくくなります(結果通知は申請から原則30日以内)
  • 地域包括支援センターは市区町村が設置する総合相談窓口で、全国に約5,500か所(2025年4月末時点)。要介護認定を受けていない段階でも無料で、家族だけでも相談できます
  • 要介護認定の申請窓口は市区町村の介護保険担当課(地域包括支援センター経由も可)。結果通知は原則30日以内で、効力は申請日にさかのぼるため、待たずに暫定利用や施設探しを始められます
  • 在宅サービスの月の限度額は要支援1で約5万円分〜要介護5で約36.2万円分(自己負担1〜3割)。高額介護サービス費の一般的な世帯の上限は月44,400円です
  • 気づいてから認定結果が出るまでは約1ヶ月が目安。家族の役割分担とお金の確認は申請と並行して進めておくと、あとで慌てずにすみます

親の介護は何から始めればいいですか?

結論親の介護の始め方とは、異変に気づいた時点から、地域包括支援センターへの相談、要介護認定の申請、家族の役割分担とお金の確認を経て、在宅か施設かを考えるまでの一連の初動のことです。認定結果の通知は申請から原則30日以内が目安で、全体の流れを知っておくだけで、当日からの動き方が決めやすくなります。

「親の様子がおかしい」「入院をきっかけに歩けなくなった」——そう感じた瞬間、多くのご家族が「何から手をつければいいのか分からない」という不安に襲われます。介護は病気の治療と違って決まった手順を学校で教わる機会がなく、家庭ごとに手探りで始まることがほとんどです。

実は、最初の動き方には一定の型があります。異変に気づいたら記録を残し、地域包括支援センターに相談し、要介護認定を申請する。その間に家族で情報を共有し、使えるお金の制度を確認しながら、在宅で続けるか施設も検討するかをゆっくり考えていく、という順番です。それぞれのテーマの詳しい解説は個別の記事にも用意していますので、この記事でまず全体地図をつかみ、気になるところから読み進めてください。

具体的には、次のような流れで進みます。

  • ① 異変に気づく・記録する(気づいた当日から)
  • ② 地域包括支援センターに相談する(数日以内が目安)
  • ③ 要介護認定を申請する(相談後1〜2週間以内が目安)
  • ④ 家族で情報共有・役割分担を進める(申請と並行)
  • ⑤ 使えるお金の制度を確認し、在宅か施設かの方向性を考える(申請と並行)
  • ⑥ 認定結果を受け取り、ケアプラン作成へ進む(申請から原則30日以内)

異変に気づいたとき、最初にすることは何ですか?

結論異変に気づいたときに最初にすることは、「いつ・何が・どのくらい」を記録することと、ひとりで抱え込まずに相談窓口へ連絡することの2つです。診断や認定の結果を待たなくても、この2つは気づいた当日から始められます。

物忘れが増えた、同じ話を繰り返す、転びやすくなった、入院や手術をきっかけに急に体力が落ちた——きっかけは家庭によってさまざまですが、共通するのは「いつもと違う」という違和感です。この違和感は、あとで振り返るととても大切な手がかりになります。

気になる変化に気づいたら、次の2つを意識してみてください。

  • 記録する: いつから、どんな場面で、どのくらいの頻度で気になる様子があったかを、簡単なメモでよいので残します。あとで要介護認定の申請や認定調査を受けるときに、そのまま使える資料になります。
  • ひとりで抱え込まず連絡する: 自宅で気づいた場合は地域包括支援センターへ、入院や手術をきっかけに気づいた場合は病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)や退院支援の担当者へ、まずは電話で状況を伝えます。

物忘れや歩行の不安定さの背景には、治療によって改善が見込める病気が隠れていることもあるとされています。持病や症状についての判断は、必ず主治医にご確認ください。

地域包括支援センターには、どう相談すればいいですか?

結論地域包括支援センターとは、市区町村が設置する高齢者の総合相談窓口です。全国に約5,500か所(2025年4月末時点)あり、要介護認定を受けていない段階でも、ご家族だけで、何度でも無料で相談できます。

地域包括支援センターは、介護保険法にもとづいて市区町村が設置する公的な窓口で、保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーなどの専門職が、介護・医療・お金・権利に関することまで幅広く相談を受け止めてくれます。担当のセンターは本人の住所地によって決まるため、離れて暮らすご家族は、親御さんが住んでいる市区町村のセンターを調べる必要があります。

相談は電話でも来所でも構いません。まずは電話で状況を伝えれば、必要に応じて職員が自宅を訪問して様子を確認してくれることもあります。電話をかける前に、次の3点をメモしておくと話がスムーズに進みます。

  • 本人の年齢と、最近の体調や生活の変化(いつからどんな様子か)
  • いま一番困っていること(転倒が心配、物忘れが増えた、介護保険を申請したいなど)
  • 介護保険の被保険者証の有無、かかりつけ医の情報

地域包括支援センターの4つの業務やケアマネジャー・市役所との役割の違いは、別記事でくわしく整理しています(2026年7月時点の制度にもとづく内容です)。

要介護認定は、どこでどう申請すればいいですか?

結論要介護認定の申請窓口は市区町村の介護保険担当課で、地域包括支援センター経由でも申請できます。申請→認定調査→判定→結果通知の4つの流れで進み、結果の通知は申請から原則30日以内です。

介護保険のサービス(訪問介護やデイサービス、施設入居など)は、原則としてこの認定を受けてはじめて利用できます。申請自体は無料で、必要なもの(要介護・要支援認定申請書、介護保険被保険者証、本人確認書類など)がそろっていれば当日で終わります。65歳以上の方は原因を問わず申請できますが、40〜64歳の方は、脳血管疾患や初老期の認知症など国が定める特定疾病(16疾病)が原因の場合に限り申請できます。

入院中の方は、病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)に「介護保険を申請したい」と伝えれば、院内で段取りを整えてくれます。在宅の方で申請先に迷う場合は、地域包括支援センターに相談すれば、代行も含めて一緒に進めてもらえます。

流れ内容期間の目安
① 申請市区町村の窓口(または地域包括支援センター)に申請書類を提出当日で完了
② 認定調査調査員が自宅や入院先を訪問し、心身の状態を74項目で聞き取り申請から1〜2週間後が目安
③ 主治医意見書・判定市区町村がかかりつけ医に意見書を依頼し、コンピュータ判定と介護認定審査会で判定本人・家族の手続きは不要
④ 結果通知認定結果通知書と被保険者証が郵送で届く申請から原則30日以内

標準的な流れの目安です(2026年7月時点、厚生労働省の制度資料をもとに作成)。認定の効力は申請日にさかのぼるため、結果が出る前でも暫定的にサービスを利用できます。申請の詳しい進め方や認定調査で実態を伝えるコツは、別記事でくわしく解説しています。

家族間では、何をどう分担すればいいですか?

結論家族間の役割分担は、情報のとりまとめ・お金の管理・同行や立会い・緊急時の連絡という4つの役割に分けて考えると、特定の人に負担が集中しにくくなります。同居していない家族も、早い段階から同じ情報を共有しておくことが大切です。

介護は、同居している人や近くに住んでいる人に負担が偏りやすいのが実情です。最初の段階で「誰が何をするか」をなんとなくでも決めておくと、あとになって「知らなかった」「聞いていない」というすれ違いを防げます。情報共有には、家族用のLINEグループやノート、簡単な共有シートなど、使い慣れた方法で構いません。

役割の決め方に迷ったら、次の4つに分けて考えてみてください。

  • 情報のとりまとめ役: 地域包括支援センターやケアマネジャーとのやり取り、要介護認定の結果など、情報の窓口を1人か2人に決めておく
  • お金の管理役: 年金や貯蓄の状況、通帳や印鑑の保管場所、介護費用の支払い方法を把握しておく
  • 同行・立会い役: 通院や認定調査、施設見学などに同席できる人を決めておく(平日に動ける人が向いています)
  • 緊急連絡役: 入院や急変など緊急時に、誰が誰にどの順番で連絡するかを決めておく

認定調査に誰が同席するか、通帳や重要書類がどこにあるかは、元気なうちに家族で確認しておくと安心です。意見が割れたときは、実際に通う人と費用を負担する人の意見を少し優先すると、現実的な着地点が見つかりやすくなります。

在宅と施設は、何を基準に考え始めればいいですか?

結論在宅か施設かを見極める初期の目安は、見守りの必要度・医療的ケアの有無・家族の負担・住まいの安全性という4つの視点で整理することです。この段階で結論を急ぐ必要はなく、要介護度が分かってから改めて考えても遅くありません。

「施設に入れるのはかわいそう」「でも家族だけで見るのは限界かもしれない」——この段階で答えを出そうとして、立ち止まってしまうご家族は少なくありません。ですが実際には、在宅か施設かは一度きりの選択ではなく、状況に応じて見直していくものです。まずは次の4つの視点で、今の状態を整理してみましょう。

  • 見守りの必要度: ひとりで過ごせる時間はどのくらいか、火の始末や外出時の安全は保てるか
  • 医療的ケアの有無: たんの吸引やインスリン注射など、日常的な医療処置が必要か
  • 家族の負担: 介護にあたる家族の仕事・体力・心身の状態は、今の負担に耐えられそうか
  • 住まいの安全性: 自宅に手すりや段差解消などの改修が必要か、階段の上り下りに無理がないか
要介護度の目安検討しやすい住まいの例
自立〜要支援サービス付き高齢者向け住宅(サ高住・原則60歳以上の方などが対象)
要支援2〜(認知症の診断がある場合)グループホーム(認知症対応型共同生活介護・要支援2以上+認知症の診断+原則同一市区町村が対象)
要介護1〜介護付有料老人ホーム(施設の職員が介護を提供し、要介護度が上がっても住み続けやすい)
要介護3〜特別養護老人ホーム(特養・原則要介護3以上が対象、要介護1・2はやむを得ない事情がある場合の特例入所)

2026年7月時点の一般的な目安です。在宅を続けながら施設の情報だけ先に集めておく並行した進め方も現実的で、施設の種類や選び方の詳しい手順は別記事で整理しています。

介護のお金は、何を確認しておけばいいですか?

結論介護のお金は、介護保険・高額介護サービス費・高額療養費制度・補足給付という4つの制度の存在をまず知っておくだけで、見通しの立て方が大きく変わります。細かい金額はあとから確認しても間に合います。

介護費用への不安は、多くのご家族が最初に抱く心配ごとです。ただ、いきなり細部まで計算しようとすると気持ちが疲れてしまいます。最初の段階では、次の4つの制度の名前と大まかな役割だけ押さえておけば十分です。

このうち介護保険は、要介護度ごとに1ヶ月あたりの支給限度額が決まっています。限度額の範囲内であれば自己負担は1〜3割、超えた分は原則全額自己負担になる点に注意してください。1単位=10円で概算した月の限度額の目安は次のとおりです。

  • 介護保険: サービス費用のうち自己負担は所得に応じて1〜3割で済みます(相談先: ケアマネジャー・地域包括支援センター)
  • 高額介護サービス費: 1ヶ月の自己負担が上限(一般的な所得の世帯で月44,400円)を超えた分が払い戻されます(相談先: 市区町村)
  • 高額療養費制度: 1ヶ月の医療費の自己負担が所得区分ごとの上限を超えた分が払い戻されます(相談先: 加入する医療保険)
  • 補足給付(特定入所者介護サービス費): 住民税非課税世帯の施設の食費・居住費が軽減されます、資産要件あり(相談先: 市区町村)
区分在宅サービスの月の限度額(目安)
要支援1約5万円分
要支援2約10.5万円分
要介護1約16.8万円分
要介護2約19.7万円分
要介護3約27万円分
要介護4約30.9万円分
要介護5約36.2万円分

厚生労働省の区分支給限度基準額(2019年10月改定の単位数)をもとに、1単位=10円で概算した2026年7月時点の目安です。地域によって単価が異なり、自己負担は所得に応じて1〜3割です。補足給付(特定入所者介護サービス費)の対象は特別養護老人ホーム(特養)・介護老人保健施設(老健)・介護医療院・ショートステイで、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、グループホームは対象外です。

認定結果が出るまでの間、何をすればいいですか?

結論認定結果が出るまでの約1ヶ月は、暫定ケアプランでのサービス利用や施設の情報収集を並行して進められる期間です。結果を待つだけの、何もできない期間にする必要はありません。

認定の効力は申請日にさかのぼるため、結果通知を待たずに、見込みの区分でケアプランを組んでサービスを使い始める「暫定利用」という方法があります。退院直後で介護ベッドがすぐ必要、といった場面でよく使われる仕組みです。ただし、想定より軽い区分や非該当になった場合、限度額を超えた分は全額自己負担になることがあるため、ケアマネジャーや地域包括支援センターと相談しながら、控えめな内容から始めるのが安心です。

認定を待つ間にできることを整理すると、次のとおりです。

  • 暫定ケアプランでサービス利用を始める(想定される区分をもとに、ケアマネジャーが計画を作成)
  • 退院が近い場合は、施設の情報収集や見学の予約も並行して始める
  • 認定調査に向けて、日頃の様子の記録を続ける
  • 家族間の役割分担とお金の確認を、この期間に済ませておく

退院の期日が決まっているケースでは、結果を待ってから動くと間に合わないことがあります。申請中の段階から入居の相談を進められる住まいも多くありますので、心配な場合は早めに情報収集を始めておくと安心です。

全体のスケジュールは、どれくらいを見ておけばいいですか?

結論全体のスケジュールは、気づいてから認定結果が出るまでが約1ヶ月、その後ケアプラン作成やサービス利用の開始までを含めると約1〜2ヶ月が目安です。焦らず、しかし先延ばしにしすぎないペースで進めましょう。

ここまで解説してきた流れを、時期ごとに整理すると次のとおりです。実際には家庭ごとに前後しますが、大まかなペース感をつかむ参考にしてください。

介護の窓口の相談現場では、「もっと早く相談すればよかった」よりも「早めに動いたおかげで慌てずにすんだ」というお声のほうが多く聞かれます。完璧な準備を整えてから動く必要はなく、分からないことを抱えたまま相談してくださって構いません。

関西エリア(大阪・兵庫・京都・奈良)にお住まいの方は、介護の窓口の相談員が、要介護認定の申請から施設選びまで無料でサポートします。エリア外にお住まいの方は、お住まいの地域包括支援センターやケアマネジャーが同じように力になってくれますので、まずは一本の電話から始めてみてください。

時期すること
気づいた当日〜気になる様子を記録する。入院中なら病院の相談窓口、在宅なら地域包括支援センターの連絡先を確認する
数日以内地域包括支援センターに電話で相談する
1〜2週間以内要介護認定を申請する。家族での情報共有と役割分担も並行して始める
申請から1〜2週間後認定調査を受ける(できるだけ家族が同席する)
申請から約1ヶ月認定結果通知が届く。ケアプラン作成へ進む
1〜2ヶ月目安サービス利用を開始する。施設も検討する場合は情報収集・見学を本格化する

2026年7月時点の一般的な目安です。入院や退院の予定がある場合は、期日から逆算して早めに動くことをおすすめします。

よくある質問

親の介護は、一言でいうと何から始めればいいですか?

一言でいうと、気になる様子を記録し、地域包括支援センターに電話することです。そこから要介護認定の申請、家族の役割分担、お金の確認へと順番に進めていけば、迷わず最初の一歩を踏み出せます。

地域包括支援センターには何を伝えればいいですか?

本人の年齢、最近の体調や生活の変化、いま困っていることの3点を伝えれば十分です。うまく整理できていなくても、分かる範囲をそのまま話せば、職員が必要な質問をしながら状況を聞き取ってくれます。

要介護認定の申請は家族が代わりにできますか?

できます。本人のほか家族・親族、地域包括支援センター、ケアマネジャー、入院中なら病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)などが代行でき、費用もかかりません。ただし40〜64歳の方は、国が定める特定疾病(16疾病)が原因の場合に限られます。

認定結果が出るまでは何もできませんか?

何もできないわけではありません。認定の効力は申請日にさかのぼるため、結果を待たずに暫定ケアプランでサービスを利用したり、退院が近い場合は施設の情報収集を始めたりできます。結果通知までは原則30日以内が目安です。

在宅にするか施設にするかは、いつまでに決めればいいですか?

今すぐ結論を出す必要はありません。見守りの必要度や医療的ケアの有無、家族の負担といった視点で今の状態を整理しながら、要介護認定の結果が分かってから改めて考えても遅くないケースがほとんどです。

きょうだいが遠方に住んでいる場合、最初に何を優先すればいいですか?

情報共有を最優先にしてください。地域包括支援センターとのやり取りや認定結果を家族全員で共有できる方法を決めておくと、緊急時の連絡や役割分担もスムーズになります。帰省のタイミングに合わせて、面談や認定調査に同席するのも有効です。

参考(一次情報)

  • 厚生労働省「介護保険制度の概要」
  • 厚生労働省「地域包括支援センターの手引き」
  • 厚生労働省「要介護認定における認定調査及び主治医意見書作成の手引き」
  • 厚生労働省「区分支給限度基準額について」

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