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最終更新: 2026-07-04

認知症の種類と特徴|4大認知症と症状別の施設選びガイド

認知症の種類はアルツハイマー型など4つが代表的です。各型の特徴・初期症状を一覧表で比較し、中核症状とBPSDの違い、徘徊や身体症状など症状別の施設選び、グループホーム・特養など認知症の方が入れる施設、受診の入口までやさしく解説します。

この記事の要点

  • 認知症の原因で多いのはアルツハイマー型・血管性・レビー小体型・前頭側頭型の4つで、アルツハイマー型が約6〜7割を占めるとされています(厚生労働省研究班報告)
  • 症状は、記憶障害などの中核症状と、徘徊・妄想などのBPSD(行動・心理症状)に分けて整理すると、施設選びの条件がはっきりします
  • グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、医師による認知症の診断と要支援2以上の認定、原則として同一市区町村の住民票が入居条件です
  • 特別養護老人ホーム(特養)や介護付有料老人ホームなど、グループホーム以外にも認知症の方を受け入れる施設は幅広くあります
  • 受診はかかりつけ医・もの忘れ外来・認知症疾患医療センターが入口です。早めの診断と介護保険の申請が、施設選びの余裕につながります

認知症とは?原因となる病気は何種類あるの?

結論認知症とは、いったん正常に発達した記憶力や判断力などの認知機能が、脳の病気などによって低下し、日常生活に支障が出ている状態の総称です。原因となる病気は数十種類あるとされ、なかでも代表的な4つが4大認知症と呼ばれています。

認知症は、それ自体がひとつの病名ではありません。アルツハイマー病や脳血管障害など、原因となる病気によって症状の出方や経過、有効なかかわり方が変わります。そのため、種類を知ることは治療だけでなく、ご本人に合った施設選びにも直結します。

厚生労働省研究班の推計(2024年公表)では、65歳以上の認知症の人は2022年時点で約443万人、2040年には約584万人へ増える見込みとされています。高齢者のおよそ8人に1人にあたる数字で、認知症は特別なことではなく、誰にとっても身近な状態です。認知症の一歩手前とされる軽度認知障害(MCI)の人も、同じ調査で同規模以上と推計されています。

この記事では、4大認知症の特徴、中核症状とBPSDの違い、症状別の施設選びの観点、認知症の方が入居できる施設の種類、受診の入口、ご家族が使える支援までを順に解説します。レビー小体型認知症や若年性認知症については、さらに詳しい個別の記事も用意していますので、まずは全体像からつかんでいきましょう。

4大認知症の特徴・初期症状・経過を一覧で比較

結論4大認知症とは、アルツハイマー型認知症・血管性認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭型認知症の4つを指します。アルツハイマー型認知症だけで全体の約6〜7割を占めるとされています(厚生労働省研究班報告・2026年時点)。

厚生労働省研究班の調査(2013年公表)では、認知症の原因の内訳はアルツハイマー型が約67%、血管性が約20%、レビー小体型が約4%、その他が約8%と報告されています。前頭側頭型は全体の1%前後と少ないものの、比較的若い世代でも発症しやすい点が特徴とされています。まずは4つの違いを表で見比べてみましょう。

種類主な特徴初期に目立ちやすい症状経過の傾向
アルツハイマー型認知症(全体の約6〜7割)記憶をつかさどる海馬を中心に脳の萎縮が進むとされ、認知症の中で最も多いタイプです同じことを何度も言う・聞く、物のしまい忘れ、日付や約束があいまいになる年単位でゆるやかに進行し、少しずつできないことが増えていくのが一般的です
血管性認知症(約2割)脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因で、症状にむらが出やすい(まだら認知症)とされています意欲の低下、感情の起伏が激しくなる、できることとできないことの差が大きい脳血管障害の再発のたびに段階的に進むことがあり、血圧などの管理が重要とされています
レビー小体型認知症(約4%)レビー小体という特殊なたんぱく質が脳にたまるとされ、認知機能の変動が大きいのが特徴です実際にはいない人や虫が見える幻視、睡眠中の大声や体の動き、小刻みな歩行調子の良い時と悪い時の波をくり返しながら進行し、転倒や薬への過敏さに注意が必要とされています
前頭側頭型認知症(1%前後)前頭葉・側頭葉の萎縮により、記憶よりも人格や行動の変化が前面に出るとされています同じ時間に同じ行動をくり返す、身だしなみに無頓着になる、社会のルールを守れなくなる比較的ゆっくり進行するとされますが、行動面の症状に専門的な対応が必要になりやすいタイプです

割合は厚生労働省研究班「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」(2013年公表)による目安です。症状の現れ方や進行には大きな個人差があります(2026年時点)。

中核症状とBPSD(行動・心理症状)の違いとは?

結論中核症状は、記憶障害や見当識障害など脳の障害から直接起こる症状です。一方のBPSD(行動・心理症状)は、不安や環境の変化などが引き金となって二次的に現れる徘徊・妄想などの症状で、BPSDは環境やかかわり方の工夫で和らぐ可能性があるとされています

中核症状は、程度の差はあっても進行とともに多くの方に現れます。これに対してBPSD(行動・心理症状)は、出る人と出ない人がいて、体調不良・環境の変化・周囲の対応などが影響するとされています。施設選びでは、このBPSDにどれだけ丁寧に対応してもらえるかが大きな分かれ目になります。

区分主な症状の例特徴と対応の考え方
中核症状記憶障害、見当識障害(日時・場所が分からない)、判断力の低下、失語・失認・失行脳の障害から直接起こり、進行とともに多くの方に現れます。薬やリハビリで進行をゆるやかにする治療が行われるのが一般的です
BPSD(行動・心理症状)徘徊(ひとり歩き)、物盗られ妄想、幻覚、暴言・介護拒否、抑うつ・不安、昼夜逆転不安・体調不良・環境変化などが引き金となる二次的な症状で、原因への配慮やケアの工夫で軽くなる可能性があるとされています

政府広報オンライン「知っておきたい認知症の基本」などを参考にした一般的な整理です(2026年時点)。

症状別にみる施設選びの観点は?

結論施設選びでは、診断名そのものよりも、いま困っている症状に施設の体制が合っているかを確かめることが大切です。徘徊には見守り体制、身体症状には医療・リハビリ体制というように、症状から逆引きで考えると候補を絞りやすくなります。

同じアルツハイマー型認知症でも、症状の組み合わせは一人ひとり違います。見学や問い合わせの際は、同じような症状の方の受け入れ実績があるか、夜間の人員体制はどうなっているかを具体的に聞いてみると、施設の実力が見えやすくなります。

気になる症状・状態施設選びで重視したい体制候補になりやすい施設の例
徘徊(ひとり歩き)・外に出たがる出入口の見守りやセンサー、職員の声かけの頻度、日中の活動プログラムグループホーム(認知症対応型共同生活介護)、認知症ケアに力を入れる介護付有料老人ホーム
幻視や転倒が心配(レビー小体型に多いとされます)夜間の見守り体制、照明や段差への配慮、薬の調整に協力的な協力医療機関介護付有料老人ホーム、特別養護老人ホーム(特養)
暴言・介護拒否などBPSDが強い認知症ケアの研修状況、精神科や認知症専門医との連携、同様の症状の受け入れ実績グループホーム、受け入れ実績のある介護付有料老人ホーム
麻痺や嚥下障害など身体症状が強い(血管性で目立つことがあります)看護職員の配置、リハビリ専門職の有無、きざみ食・とろみ食など食事形態の対応力特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院
たんの吸引・経管栄養など医療的ケアが必要看護体制が24時間か日中のみか、対応できる医療的ケアの範囲介護医療院、看護体制の手厚い介護付有料老人ホーム、特別養護老人ホーム(特養)

一般的な目安です。同じ種別でも施設ごとに受け入れ体制や得意分野は大きく異なるため、必ず個別にご確認ください(2026年時点)。

認知症の方が入居できる施設にはどんな種類がある?

結論認知症の方が暮らせる施設には、認知症ケアに特化したグループホーム(認知症対応型共同生活介護)のほか、介護付有料老人ホーム、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院などがあります。多くの施設種別で、認知症の方の受け入れは一般的です。

なかでもグループホームは認知症の方専用の施設で、5〜9人の少人数ユニットで、料理や掃除などの役割を持ちながら家庭に近い環境で暮らせるのが特徴です。入居には、医師による認知症の診断、要支援2以上の認定、原則として施設と同じ市区町村に住民票があることの3つがそろう必要があります。市区町村単位で利用者を限定する地域密着型サービスに位置づけられているためです。

施設の種類認知症の受け入れ主な入居条件月額費用の目安
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)認知症の方専用(医師の診断が必須)要支援2以上+認知症の診断+原則同一市区町村の住民票約12万〜20万円
介護付有料老人ホーム受け入れが一般的(認知症専用フロアを持つ施設もあります)施設により自立〜要介護(要介護専用の施設もあります)約15万〜30万円
住宅型有料老人ホーム軽度〜中度なら受け入れる施設が多い(体制の差が大きい)施設により自立〜要介護約12万〜25万円
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)軽度なら可の住宅が多い(進行すると住み替えの可能性)原則60歳以上の高齢者など約10万〜25万円
特別養護老人ホーム(特養)受け入れが一般的(重度の方も多い)原則要介護3以上約8万〜15万円
介護老人保健施設(老健)受け入れが一般的(在宅復帰を目指す中間施設)要介護1以上約9万〜15万円
介護医療院受け入れが一般的(長期の医療と介護に対応)要介護1以上で医療的ケアが必要な方約9万〜17万円

月額費用は介護保険の自己負担(1割の場合)に家賃・食費・管理費等を加えた概算目安です(2026年時点、厚生労働省の介護保険制度資料と関西エリアの相談事例をもとにした概算)。所得段階・居室タイプ・地域により変わります。

どこを受診すればいい?もの忘れ外来と認知症疾患医療センター

結論受診の入口は、かかりつけ医、もの忘れ外来、認知症疾患医療センターの3つが代表的です。認知症疾患医療センターは全国に約500か所整備されており(2026年時点)、専門的な診断だけでなくご家族の相談にも対応しています。

かかりつけ医がいる場合は、まず日ごろの様子を相談し、必要に応じて専門医療機関を紹介してもらうのがスムーズです。もの忘れ外来は、脳神経内科・精神科・脳神経外科などが設ける認知症専門の外来です。認知症疾患医療センターは都道府県や政令指定都市が指定する専門医療機関で、原因を見分ける鑑別診断のほか、BPSDへの対応、医療と介護をつなぐ相談窓口の役割も担っています。

早めの受診は、治療の選択肢を広げるだけでなく、介護保険の申請や施設探しに使える時間の余裕にもつながります。正常圧水頭症など、治療で改善が見込める病気を見つけるきっかけにもなるとされています。受診から施設検討までの一般的な流れは、次の表のとおりです。

ステップすることポイント
1. 変化をメモするいつから・どんな様子の変化があるかを記録する同じ話のくり返し、料理の失敗、支払いのミスなど具体例が診断の助けになります
2. 相談先を決めるかかりつけ医、地域包括支援センター、認知症疾患医療センターのいずれかに相談するご本人が受診を嫌がる場合、家族だけの事前相談に応じてくれる窓口が一般的です
3. 専門外来を受診するもの忘れ外来などで問診・認知機能検査・画像検査を受ける長谷川式やMMSEなどの検査とMRIなどの画像を組み合わせて原因を調べるのが一般的です
4. 診断と方針を確認する認知症の種類、進行の見通し、治療とケアの方針を聞くグループホーム入居などに必要な診断情報にもつながります
5. 介護保険を申請する市区町村の窓口や地域包括支援センターで要介護認定を申請する認定結果まで1か月程度が目安のため、受診と並行した早めの申請が安心です

一般的な流れの目安です。地域の医療体制により窓口や順序が異なる場合があります(2026年時点)。

家族の心構えと使える支援は?

結論認知症の介護は、家族だけで抱え込まないことが何より大切です。認知症カフェや家族会、地域包括支援センターなど、無料で利用できる相談先や交流の場が各地域に用意されています。

2024年1月には共生社会の実現を推進するための認知症基本法が施行され、認知症のご本人の意思を尊重し、家族を支えることが国の施策として明確になりました。かかわり方の基本としては、間違いを正面から否定しない、できることまで取り上げない、介護する人自身の休息を後回しにしない、の3つがよく挙げられます。

  • 地域包括支援センター: 高齢者の総合相談窓口。介護保険の申請支援から施設の情報提供まで無料で相談できます
  • 認知症カフェ: ご本人と家族、地域の人が気軽に集える場で、多くの市区町村で開催されています(厚生労働省の施策として普及が進められています)
  • 家族会(公益社団法人認知症の人と家族の会など): 同じ立場の家族と悩みを分かち合えます。電話相談を行っている団体もあります
  • 認知症疾患医療センターの相談窓口: 受診の相談や医療機関との調整に、精神保健福祉士などの専門職が対応しています
  • 若年性認知症支援コーディネーター: 65歳未満で発症した方の就労や制度利用を支援する専門職で、各都道府県に配置が進められています

まとめ: 種類がわからなくても施設選びは始められます

結論診断名が確定していなくても、症状と困りごとを整理すれば施設選びは進められます。受診と介護保険の申請、施設の情報収集を並行して進めるのが一般的です。

相談現場では、診断はこれからだけれど夜間のひとり歩きが始まって在宅の限界を感じる、というご相談が少なくありません。実際には、診断を待つ間に介護保険の申請と施設見学を並行して進めたご家族のほうが、いざというときに慌てず選べています。とくにグループホームは1施設の定員が9〜18人程度と少なく空きが出にくいため、候補となる地域の施設に早めに見学の予約を入れておくことをおすすめしています。

介護の窓口では、認知症の症状・ご予算・ご希望エリアをうかがい、関西4府県で受け入れ実績のある施設を相談員が無料でお調べします。空き状況の確認や見学の手配も代行できますので、情報収集の段階からお気軽にご相談ください。

認知症の進行そのものを止めることは難しくても、ご本人に合った環境とかかわり方で、穏やかに過ごせる時間を増やすことはできるとされています。種類と症状の正しい知識を、これからの選択に役立てていただければ幸いです。

このテーマの詳しいガイド

よくある質問

認知症で最も多い種類は何ですか?

アルツハイマー型認知症です。厚生労働省研究班の調査では、認知症全体の約67%を占めると報告されています。次いで血管性認知症が約20%、レビー小体型認知症が約4%とされ、複数のタイプを併せ持つ混合型の方もみられます。

認知症と診断されたら、すぐに施設に入る必要がありますか?

いいえ、診断されたらすぐ入居というわけではありません。初期はデイサービスや訪問介護などの在宅サービスで暮らしを続ける方が多くいらっしゃいます。一方で、施設の情報収集や見学は早めに始めておくと、症状が進んだときに慌てずにすみます。

グループホームは要介護認定がなくても入れますか?

入れません。グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、要支援2以上の認定と医師による認知症の診断が必要です。さらに地域密着型サービスのため、原則として施設と同じ市区町村に住民票があることも条件になります。

徘徊がある場合、施設への入居を断られることはありますか?

施設の体制によっては、受け入れが難しいと言われる場合があります。一方で、グループホームや認知症ケアに力を入れる介護付有料老人ホームなど、徘徊(ひとり歩き)を前提にした見守り体制を持つ施設もあります。事前に症状を正直に伝え、同じような方の受け入れ実績を確認することが大切です。

本人が病院に行きたがらないときはどうすればいいですか?

まずはご家族だけで地域包括支援センターや認知症疾患医療センターに相談する方法があります。健康診断や血圧の相談など、ご本人が受け入れやすい理由で受診につなげる工夫も一般的です。かかりつけ医から専門外来へつないでもらう方法もあります。

若年性認知症でも入居できる施設はありますか?

あります。65歳未満で発症した若年性認知症の方も、40歳以上で介護保険の特定疾病に該当すれば要介護認定を受けられ、グループホームなどの入居対象になります。各都道府県の若年性認知症支援コーディネーターに相談すると、制度や施設の情報を得られます。

参考(一次情報)

  • 厚生労働省研究班「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」(2013年公表)
  • 厚生労働省研究班「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」(2024年公表)
  • 厚生労働省「認知症施策推進基本計画」(2024年12月)
  • 政府広報オンライン「知っておきたい認知症の基本」

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