介護の窓口ひとりで悩まない、施設探しを。

最終更新: 2026-07-04

地域包括支援センターとは

地域包括支援センターとは、市区町村が設置する高齢者の総合相談窓口です。対象や費用、保健師など3職種、4つの業務、相談できる内容の具体例、利用の流れ、ケアマネジャーや市役所との違いまで、介護がはじめてのご家族向けにわかりやすく解説します。

この記事の要点

  • 地域包括支援センターは、市区町村が設置する高齢者のための総合相談窓口です。おおむね65歳以上の方とそのご家族が、何度でも無料で相談できます。
  • 保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)の3職種がチームで、介護・健康・お金・権利に関する相談に対応します。
  • 業務は総合相談支援・権利擁護・介護予防ケアマネジメント・包括的継続的ケアマネジメント支援の4つで、要支援1・2の方のケアプラン作成も担当します。
  • 担当センターは本人の住所地で決まります。全国に約5,500か所(2025年4月末時点・厚生労働省)あり、ほぼすべての市区町村をカバーしています。
  • 特定の施設のあっせん・紹介は行わないのが一般的です。施設入居を具体的に検討する段階では、民間の紹介窓口を併用する方法が現実的です。

地域包括支援センターとは?どんなところ?

結論地域包括支援センターとは、市区町村が設置する、高齢者のための総合相談窓口です。介護・医療・健康・お金の心配ごとを、ご本人だけでなくご家族も無料で相談できます。

地域包括支援センターは、介護保険法(第115条の46)に基づいて市区町村が設置する公的な機関です。運営は市区町村が直接行う場合と、社会福祉法人や医療法人などに委託する場合がありますが、どちらであっても公的な相談窓口であることに変わりはありません。厚生労働省の資料では、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるための体制(地域包括ケアシステム)の中核機関と位置づけられており、高齢者に関する悩みであれば、相談の内容がはっきり決まっていない段階でも受け止めてもらえるのが大きな特徴です。

厚生労働省「地域包括支援センターについて」によると、全国に約5,500か所(2025年4月末時点で5,487か所)が設置されており、ブランチと呼ばれる支所などを含めると約7,400か所にのぼります。おおむね中学校区(人口2〜3万人)にひとつが設置の目安とされ、全国のほぼすべての市区町村がカバーされています。

自治体によっては「あんしんすこやかセンター」(神戸市)や「高齢者あんしん相談センター」など、親しみやすい愛称が付けられていることもあります。名称が違っても、役割と業務は共通です。まずは、介護がはじまりそうなときに最初にノックする公的な窓口、と覚えておくとよいでしょう。

誰が利用できる?費用はかかる?

結論対象はおおむね65歳以上の方と、その介護や生活に関わるご家族・地域の方で、相談は何度でも無料です。介護認定を受けていない段階でも利用できます。

対象は原則として、そのセンターの担当地域に住む65歳以上の方です。ただしご本人が同席する必要はなく、ご家族だけの相談も一般的に受け付けてもらえます。また、40〜64歳の方の介護保険(特定疾病による申請)や、若い世代の介護の悩みについても、多くのセンターで案内や橋渡しを受けられます。実際の窓口では、高齢の親を心配する子ども世代からの相談がとても多いのが特徴です。

相談方法は、電話・来所(窓口)・自宅への訪問が基本です。ご本人が外出できない場合や、ご家族が遠方に住んでいる場合は、まず電話で状況を伝えると、必要に応じて職員が自宅を訪問して様子を確認してくれることもあります。

費用は、介護保険制度の地域支援事業として運営されているため、何度相談しても利用料はかかりません。職員には守秘義務があり、相談した内容が本人の同意なく外部へ伝わることは原則ありませんので、家庭内の込み入った事情も安心して話せます。

地域包括支援センターの4つの業務

結論業務は、総合相談支援・権利擁護・介護予防ケアマネジメント・包括的継続的ケアマネジメント支援の4つに整理されています。ご家族に関わりが深いのは、主に最初の3つです。

このうちご家族が直接お世話になることが多いのは、総合相談支援と権利擁護、そして要支援1・2と認定された方のケアプラン作成(介護予防ケアマネジメント)です。なお要支援の方のケアプランは、市区町村の指定を受けた居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)が担当する場合もあります。どちらが担当しても、利用者の自己負担は発生しません。

業務内容ご家族に関わる場面の例
総合相談支援介護・医療・福祉・生活全般の困りごとを最初に受け止め、必要な制度やサービスにつなぐ何から始めればよいか分からないとき
権利擁護高齢者虐待の相談・対応、成年後見制度の利用支援、消費者被害の防止虐待が心配なとき、お金の管理が不安なとき
介護予防ケアマネジメント要支援1・2の方などを対象にした介護予防ケアプランの作成、介護予防教室などの案内要支援と認定されたとき、体力の衰えが気になるとき
包括的・継続的ケアマネジメント支援地域のケアマネジャーへの助言・支援、医療機関や地域団体とのネットワークづくり主に専門職を支える後方支援のため、直接の接点は少なめ

出典: 厚生労働省「地域包括支援センターの設置運営について」などをもとに作成(2026年時点)。

どんな専門職がいる?3職種の役割

結論保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)の3職種が原則として配置され、チームで相談に対応する体制がとられています。

医療・福祉・介護それぞれの専門家がひとつの窓口にそろっているため、相談の入り口を間違える心配がいりません。最初に対応した職員が、内容に応じて適切な担当へ引き継いでくれるので、誰に相談すればよいか迷う必要はない仕組みになっています。

たとえば、認知症の心配から相談を始めたところ、健康面は保健師、財産管理の不安は社会福祉士、介護サービスの調整は主任ケアマネジャーが関わる、というように、ひとつの家庭の課題を複数の専門職が分担して支える形が一般的です。

職種主な担当分野相談の例
保健師(経験のある看護師が担う場合もあり)健康・医療・介護予防体力の衰え、持病との付き合い方、認知症の心配
社会福祉士総合相談・権利擁護高齢者虐待、成年後見制度、経済的な不安、家族関係の悩み
主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)ケアマネジメント支援介護サービスの使い方、ケアマネジャー探し、ケアプランの悩み

3職種の配置は厚生労働省の基準に基づきます。地域の実情に応じて、これに準ずる職員が配置される場合もあります(2026年時点)。

地域包括支援センターに相談できることの具体例

結論介護保険の申請から、認知症・見守り・お金・虐待の心配まで、高齢期の暮らしに関わる悩み全般を相談できます。

どこに相談すればよいか分からない、という段階の悩みこそ、最初に持ち込んでよい窓口です。内容がセンターの担当外であっても、医療機関・法テラス・消費生活センターなど適切な相談先を案内してもらえるのが一般的で、たらい回しになりにくいのが強みです。

実際の窓口には、たとえば次のような相談が寄せられています。ご自身の状況に近いものがあるか、確かめてみてください。

  • 親の物忘れが増えてきた。認知症かどうか心配
  • 要介護認定(要支援・要介護)の申請方法を知りたい。申請を手伝ってほしい
  • 退院が決まったが、自宅に戻ってからの生活が不安
  • 離れて暮らす親の見守りをどうすればよいか相談したい
  • 介護保険でどんなサービスが使えるのか、費用も含めて知りたい
  • 手すりの設置や住宅改修、介護用品のレンタルについて知りたい
  • 介護予防教室や体操など、地域の通いの場を探したい
  • 近所の高齢者が虐待を受けているかもしれない
  • 通帳や財産の管理が不安。成年後見制度や日常生活自立支援事業について知りたい
  • 悪質な訪問販売や特殊詐欺の被害にあわないか心配
  • 介護疲れがたまっている。介護と仕事の両立がつらい

相談例は厚生労働省の資料や自治体の案内をもとにした代表的なものです。これ以外の内容でも相談できます。

利用の流れは?担当センターの探し方から面談まで

結論担当センターを調べて電話し、来所または訪問で面談する、という3ステップが基本です。担当センターは、ご本人の住所地によって自動的に決まります

電話の前に、ご本人の年齢、最近の様子(食事・歩行・物忘れなど)、持病や通院先、介護保険証の有無を簡単にメモしておくと、話がスムーズに進みます。うまく整理できていなくても、分からないことをそのまま伝えれば大丈夫です。

多くのセンターは土日祝が休みで、平日9時〜17時ごろの受付が目安です。虐待など緊急性が高い場合は、市区町村の高齢者福祉窓口や、状況によっては警察への連絡も選択肢になります。

手順することポイント
1. 担当センターを探す市区町村のホームページや介護保険担当課への電話で、ご本人の住所地を担当するセンターを確認する担当はご本人の住所地(住民票のある地域)で決まる
2. 電話で相談するご本人の状況(年齢・体調・困りごと)を伝え、来所か訪問かを相談するご家族だけの相談や、遠方からの電話相談も可能
3. 面談・訪問を受ける職員が状況を聞き取り、介護保険の申請や使えるサービス、地域の資源を提案してくれる要介護認定の申請の代行も依頼できる
4. 継続的な支援を受ける要支援なら介護予防ケアプランの作成へ、要介護ならケアマネ事業所の紹介へつながるその後も何度でも無料で相談できる

受付は平日の日中が中心です。名称・受付時間・体制は市区町村により異なります(2026年時点)。

ケアマネジャー・市役所との違いは?

結論地域包括支援センターは相談先が決まる前の総合窓口、ケアマネジャーは要介護の方の担当者、市役所は申請・手続きの窓口、という役割分担が一般的です。

実際にはこの三者は日常的に連携しており、どこに相談しても、必要に応じて適切な窓口へつないでもらえます。とはいえ、まだ要介護認定を受けていない段階や、何に困っているのか整理できていない段階では、迷ったらまず地域包括支援センターと覚えておくと動きやすくなります。

相談先主な役割向いている段階
地域包括支援センター高齢者に関する総合相談、要支援1・2の方のケアプラン、権利擁護何から始めるか決まっていない段階
ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)要介護1〜5の方のケアプラン作成と、サービス事業者との調整要介護認定を受けて在宅サービスを使う段階
市役所・区役所の介護保険窓口要介護認定の申請受付、介護保険料や給付の手続き申請・手続きそのものを行う段階

制度上の一般的な役割分担です。介護予防支援(要支援の方のケアプラン)は、指定を受けた居宅介護支援事業所が担う場合もあります(2026年時点)。

こんなときは、まず地域包括支援センターへ

結論親の衰えに気づいたとき、遠距離介護、虐待の心配、お金の管理の不安は、いずれも地域包括支援センターが最初の相談先として適しています。

共通するのは、問題がまだ形になっていない段階で相談してよい、という点です。深刻になってから駆け込むのではなく、気になった時点で一度電話しておくと、いざというときに支援が早く動きます。センターは民生委員やかかりつけ医、地域の事業者とも日常的に連携しているため、早めにつながっておくことで地域の見守りの目が増える、という安心感もあります。

  • 親が弱ってきたと感じたとき: 転びやすくなった、食事の量が減った、物忘れが増えたといった変化は、要介護認定や介護予防サービスにつなぐタイミングです。早めの相談が重症化の予防につながります。
  • 遠距離介護のとき: 親御さんの住所地の担当センターに電話すれば、遠方からでも相談できます。必要に応じて職員が自宅を訪問し、様子を確認して連絡をくれることもあります。
  • 虐待が疑われるとき: 地域包括支援センターは高齢者虐待の通報・相談窓口のひとつです。通報は匿名でもでき、通報した人の情報は守られます。介護がつらくて手を上げてしまいそう、というご家族自身のSOSも受け止めてもらえます。
  • お金の管理が不安なとき: 判断力の低下による契約トラブルや財産管理の心配は、成年後見制度や日常生活自立支援事業(社会福祉協議会が実施)の利用支援につないでもらえます。

施設探しと地域包括支援センターの関係は?

結論地域包括支援センターの支援は在宅生活と介護予防が中心で、特定の施設のあっせんや紹介は行わないのが一般的です。施設入居を具体的に検討する段階では、民間の紹介窓口を併用する方法が現実的です。

公的で中立な機関という性質上、センターで受けられるのは、特別養護老人ホーム(特養)の申込方法や、介護老人保健施設(老健)の位置づけといった制度の説明、施設一覧の提供までが基本的な範囲です。どの施設が良いか、空きがあるかといった個別の比較やあっせんは担っていません。

一方、介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の中から具体的に選ぶ段階では、空き状況・費用・入居条件の最新情報を持つ民間の紹介窓口を併用すると、比較検討が進めやすくなります。公的窓口と民間窓口は対立するものではなく、役割の違う両輪として使い分けるイメージです。

相談現場では、地域包括支援センターで要介護認定や在宅サービスの体制を整えながら、並行して施設の情報収集を始めたご家族ほど、急な入院や介護度の変化にもあわてずに対応できている印象があります。在宅の相談は包括へ、施設の比較は紹介窓口へ、と入り口を分けておくことが、結果的にご本人の選択肢を広げます。

関西(大阪・兵庫・京都・奈良)で施設探しをお考えの場合は、介護の窓口の相談員が、ご予算やご本人の状態に合う施設を無料でお調べします。地域包括支援センターへの相談と並行して、お気軽にご活用ください。

このテーマの詳しいガイド

よくある質問

地域包括支援センターには誰でも相談できますか?

対象はおおむね65歳以上の方と、そのご家族や支援に関わる方です。ご本人が同席しなくても、ご家族だけで相談できます。介護認定を受けていない段階でも利用でき、費用はかかりません。

土日や夜間でも相談できますか?

平日の日中(おおむね9時〜17時台)の受付が中心で、土日祝は閉まっていることが多いです。開所時間は市区町村や運営法人によって異なるため、事前の確認が安心です。虐待など緊急性が高い場合は、市区町村の窓口や警察への連絡も選択肢になります。

担当の地域包括支援センターはどうやって調べればよいですか?

市区町村のホームページで地域包括支援センターの一覧を確認するか、役所の介護保険担当課に電話すると、住所地の担当センターを教えてもらえます。担当はご本人の住所地で決まるため、離れて暮らすご家族は親御さんの住所地のセンターを調べてください。

地域包括支援センターとケアマネジャーはどう違いますか?

地域包括支援センターは高齢者全般の総合相談窓口で、要支援1・2の方のケアプランも担当します。ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)は、主に要介護1〜5の方のケアプラン作成とサービス調整を行う担当者です。まだ認定を受けていない段階なら、先に地域包括支援センターへ相談する流れが一般的です。

地域包括支援センターで老人ホームを紹介してもらえますか?

特別養護老人ホーム(特養)の申込方法など、公的な制度の案内は受けられますが、特定の施設のあっせんや紹介は行わないのが一般的です。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を具体的に比較したい場合は、空き状況や費用に詳しい民間の紹介窓口を併用するとスムーズです。

親と離れて暮らしています。どちらの住所地のセンターに相談すればよいですか?

相談先は、支援を受けるご本人(親御さん)の住所地を担当するセンターです。遠方からの電話相談もでき、必要に応じて職員が自宅を訪問して様子を確認してくれる場合もあります。帰省のタイミングに合わせて一緒に面談を受けると、その後の連携がスムーズになります。

参考(一次情報)

  • 厚生労働省「地域包括支援センターについて」
  • 厚生労働省「地域包括支援センターの設置運営について」
  • 厚生労働省「地域包括ケアシステム」
  • 介護保険法

記事を読んでも迷ったら、相談できます

ご家族の状況に当てはめてどうなのかは、相談員が一緒に整理します。無料です。

無料相談はこちら

関連する施設を探す

あわせて読みたい

📍 近くで探す無料で相談