最終更新: 2026-07-20
介護休業給付金はいくらもらえる?支給条件・計算方法・申請手続き
介護休業給付金とは、介護休業を取得した際に雇用保険から休業開始時賃金日額の67%相当が支給される給付金です。対象家族1人につき通算93日を上限に3回まで分割取得でき、それぞれが支給対象になります。月収別のシミュレーションと申請の流れを解説します。
この記事の要点
- 介護休業給付金とは、介護休業を取得した際に、雇用保険から休業開始時賃金の67%相当が支給される給付金です(対象家族1人につき通算93日が上限)
- 支給額は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で計算します。月収30万円程度の方が30日休業した場合の目安は約201,000円、月収20万円程度の方は約134,000円です
- 受給には、雇用保険の被保険者であることに加え、休業前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あることなどの要件を満たす必要があります
- 対象家族1人につき通算93日の範囲内で3回まで分割取得でき、それぞれの休業期間ごとに支給申請が必要です
- 申請はハローワークへ休業終了後にまとめて行い、支給までは1〜2か月程度かかります。給付金自体は非課税ですが、社会保険料は原則免除されません
介護休業給付金とは、どのような制度ですか?
結論介護休業給付金とは、介護休業を取得した労働者に対して、雇用保険から休業開始時賃金の67%相当が支給される給付金です。対象家族1人につき、通算93日を上限に受け取れます。
介護休業給付金とは、要介護状態にある家族を介護するために介護休業を取得した労働者に対し、休業中の収入を補う目的で雇用保険から支給される給付金です。育児・介護休業法にもとづく介護休業そのものは無給が原則ですが、この給付金によって、休業開始前の賃金のおよそ67%相当が補われる仕組みになっています。
介護休業を取ろうかどうか迷う理由の多くは、「休んだら収入がどうなるか分からない」という不安です。介護休業給付金の仕組みと金額の目安を先に知っておくことで、実際に休業を申し出るかどうかを判断しやすくなります。
この記事では、支給額の計算方法と月収別のシミュレーション、受け取るための要件、対象家族1人につき3回まで分割できる仕組み、申請の流れと必要書類、支給までにかかる期間、税金・社会保険料の扱いまでを、はじめて介護休業給付金について調べる方にも分かるように順番に解説します。対象家族の範囲や介護休業そのものの取得ルールについては、別記事の介護休業の解説であわせてご確認ください。
介護休業給付金の支給額は、どのように計算しますか?
結論介護休業給付金の支給額は、休業開始時賃金日額×支給日数×67%という計算式で決まります。休業開始時賃金日額は、休業前6か月間の賃金合計を180で割って求めます。
支給額の計算は、大きく2つのステップに分かれます。まず、介護休業を開始する日の直前6か月間に支払われた賃金(残業代や各種手当を含む総支給額)の合計を180で割り、「休業開始時賃金日額」を求めます。次に、この日額に実際に休業した日数(支給日数)と67%を掛け合わせると、支給額が算出されます。
たとえば休業開始前6か月間の賃金合計が180万円であれば、休業開始時賃金日額は180万円を180で割った10,000円です。この日額をもとに、実際に休んだ日数分だけ67%を掛けて支給額を計算します。
なお、休業開始時賃金日額には雇用保険の制度上、上限額と下限額が設けられています。上限・下限額は毎年8月1日に見直されるため、賃金水準が高い方や低い方は、67%をそのまま掛けた金額と実際の支給額が異なる場合があります。正確な金額は、勤務先の担当部署またはハローワークにご確認ください。
月収別にシミュレーションすると、支給額はいくらになりますか?
結論月収別にシミュレーションすると、月収30万円程度なら30日の休業で約201,000円が支給額の目安です。月収20万円・25万円の方も、同じ計算式で試算できます。
ここでは、休業開始前6か月間の月収がほぼ一定だったと仮定し、30日間(1か月分)休業した場合と、対象家族1人につき上限となる93日間すべてを休業にあてた場合の支給額を、3つの月収パターンで試算します。実際の金額は、賞与の有無や残業代の変動、実際に休業した日数によって変わるため、あくまで目安としてご覧ください。
表のとおり、93日をすべて休業にあてた場合でも、支給額はおよそ月収の3.1か月分×67%が目安になります。まとまった金額に見えますが、これは93日間の生活費すべてをまかなえる金額とは限りません。休業中も住居費や医療費など通常の支出は続くため、貯蓄や家族の協力とあわせて資金計画を立てる材料としてご活用ください。
| 月収(休業開始前6か月平均) | 休業開始時賃金日額の目安 | 30日休業した場合の支給額目安 | 93日(上限)休業した場合の支給額目安 |
|---|---|---|---|
| 月30万円程度 | 10,000円程度 | 約201,000円 | 約623,100円 |
| 月25万円程度 | 8,333円程度 | 約167,500円 | 約519,250円 |
| 月20万円程度 | 6,667円程度 | 約134,000円 | 約415,400円 |
上記は「休業開始前6か月間の賃金合計÷180×支給日数×67%」の計算式にもとづく試算例です(2026年7月時点の制度にもとづく計算)。賃金日額には上限・下限額があり毎年8月1日に見直されるため、実際の支給額は勤務先またはハローワークにご確認ください。
介護休業給付金を受け取るには、どのような要件を満たす必要がありますか?
結論介護休業給付金を受け取るには、雇用保険の被保険者であることに加え、休業前2年間に賃金支払基礎日数11日以上の月が12か月以上あることなどの要件を満たす必要があります。パートや契約社員の方も対象になり得ます。
介護休業給付金は、介護休業を取得すれば自動的に支給されるわけではなく、いくつかの要件を満たしていることが前提になります。次の5つのチェックポイントで、ご自身が対象になりそうか確認してみましょう。
- 雇用保険の被保険者であること(会社独自の共済制度のみに加入している場合などは対象外になることがあります)
- 休業を開始した日より前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あること(足りない場合、就業した時間数で判定されることもあります)
- 対象家族が要介護状態にあり、実際に介護休業を取得していること
- 有期雇用の方は、休業開始時点から93日を経過する日から6か月を経過する日までに、労働契約の期間が満了することが明らかでないこと
- 同じ対象家族について、これまでに3回の介護休業をすでに取得し終えていないこと
対象家族1人につき、受け取れる回数・日数の上限はどうなっていますか?
結論介護休業給付金は、対象家族1人につき通算93日を上限に、3回まで分割して取得した休業のそれぞれについて支給対象になります。
介護休業そのものが対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割取得できる制度であるのと同じように、介護休業給付金もこの93日・3回という枠の中で、休業した期間ごとに支給されます。1回の休業が終わるたびに申請し、要件を満たしていれば、2回目・3回目の休業についてもそれぞれ支給される仕組みです。
なお、この93日・3回という上限は、対象家族1人につき適用されます。対象家族が複数人いる場合は家族ごとに別枠となるため、たとえば配偶者の介護で93日を使い切ったあとでも、別居の親など別の対象家族の介護が必要になれば、その対象家族についてあらためて通算93日・3回までの範囲で受け取れます。
たとえば入院直後に1回目の休業を取得し、退院後に在宅介護の体制づくりのために2回目、症状が急変した時期に3回目を取得するというように、介護の節目に合わせて分けて使うことができます。日数の内訳の一例は、次の表のとおりです。
| 取得のタイミング(例) | 休業日数(例) | 支給申請の考え方 |
|---|---|---|
| 1回目: 入院・急な発症直後 | 30日 | 1回目の休業が終わった時点で支給申請の対象になります |
| 2回目: 在宅介護の体制づくり | 40日 | 2回目の休業が終わった時点で、あらためて支給申請の対象になります |
| 3回目: 症状の変化・看取り期など | 23日 | 合計93日に達するまで、3回目の休業についても支給申請の対象になります |
上記は93日の使い方の一例です(2026年7月時点の制度にもとづく整理)。実際の分割の仕方や日数の配分は自由に決められ、1回でまとめて取得することもできます。
申請の手続きは、どのように進めればよいですか?
結論介護休業給付金の申請は、ハローワークへ、休業が終わったあとにまとめて行うのが基本です。対象家族1人につき93日の範囲内で3回に分けた休業も、それぞれ申請の対象になります。
介護休業給付金は、休業中に毎月申請するのではなく、1回分の休業が終わったあとに、まとめて申請するのが基本的な流れです。申請の期限は、休業終了日の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日までとされているのが一般的です。期限を過ぎると受け付けられなくなるため、休業が終わったら早めに手続きを進めましょう。
申請の窓口はハローワークですが、実務上は勤務先の会社が労働者に代わって手続きを行うケースが多く見られます。会社を通じて申請する場合は、休業が終わったら早めに人事労務担当へ申し出て、必要な書類の準備を進めてもらいましょう。要件を満たせば、自分自身で申請することも可能です。
申請に必要な主な書類は、次のとおりです。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 介護休業給付金支給申請書 | 支給を申請するための所定の様式です |
| 休業開始時賃金証明書 | 休業を開始する前の賃金の状況を証明する書類です(雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書) |
| 休業終了後の賃金台帳・出勤簿(タイムカード等) | 休業期間中に実際に休んだ日数や、支払われた賃金を確認するための書類です |
| 介護休業申出書の写し・対象家族の続柄が確認できる書類 | 会社に提出した介護休業の申出内容や、対象家族との続柄を確認するための書類です(住民票記載事項証明書等) |
出典: ハローワーク(厚生労働省)「介護休業給付金の内容及び手続き」にもとづく必要書類の一般的な整理(2026年7月時点)。実際に求められる書類の詳細や様式は、管轄のハローワークや勤務先の案内にあわせてご確認ください。
申請してから振り込まれるまで、どれくらいかかりますか?
結論介護休業給付金は、申請してから実際に振り込まれるまで、1〜2か月程度かかるのが目安です。休業中の生活費は、この期間も見込んで準備しておくと安心です。
申請書類がハローワークに提出されたあと、内容の審査を経て支給・不支給が決定され、支給が決定した場合は指定した金融機関口座に振り込まれます。申請から振込までの期間は、書類の内容や窓口の混雑状況によって前後しますが、おおむね1〜2か月程度を見込んでおくとよいでしょう。
介護休業中は無給とする会社が多いため、休業を開始してから給付金が振り込まれるまでの期間は、貯蓄や配偶者の収入などでいったん家計を支える必要があります。休業を申し出る前に、この「振り込まれるまでの空白期間」も含めて資金計画を立てておくことが、収入面の不安を減らす具体的な備えになります。
介護休業給付金は、税金・社会保険料の面でどのような扱いになりますか?
結論介護休業給付金そのもの(休業開始時賃金の67%相当)は所得税・住民税がかからない非課税の給付金として扱われる一方、休業中の社会保険料は原則として免除されません。
雇用保険から支給される介護休業給付金は、他の雇用保険の給付金と同様に、所得税・住民税の対象にならない非課税の給付金として扱われるのが一般的です。確定申告の際にも、原則としてこの給付金を収入として申告する必要はありません。ただし、ご自身の状況によって扱いが異なるケースもあるため、不明な点があれば税務署や市区町村の税務担当にご確認ください。
一方で注意したいのが、休業中の健康保険・厚生年金保険料の扱いです。育児休業には、申出により保険料の支払いが免除される法定の制度がありますが、介護休業には同様の法定の免除制度がありません。そのため、介護休業中も健康保険・厚生年金保険料の支払いは原則として続くことになります。
給与から天引きする形で保険料を納めている方は、休業中は給与の支払いがない(または少ない)ため、天引きができなくなります。休業前後にまとめて徴収する、口座振替に切り替えるなど、具体的な納め方は会社ごとに取り扱いが異なるのが一般的ですので、休業を申し出る際にあわせて勤務先の給与・保険担当に確認しておくと、休業後に慌てずに済みます。
| 項目 | 休業中の扱い |
|---|---|
| 所得税・住民税 | 非課税として扱われるのが一般的です(原則、確定申告での収入計上は不要です) |
| 健康保険・厚生年金保険料 | 育児休業のような法定の免除制度がなく、原則として支払いが続きます |
所得税が非課税になる扱いは雇用保険法にもとづく一般的な取り扱いです(2026年7月時点)。社会保険料の具体的な納付方法は会社の給与規定により異なるため、個別の判断は勤務先の給与担当または年金事務所・加入する健康保険組合等にご確認ください。
収入面の不安をふまえて、休業を申し出るかどうかはどう判断すればよいですか?
結論休業を申し出るかどうかは、支給額の試算・受給要件・分割の計画・資金計画・社会保険料の5つを事前に確認できているかどうかで判断しやすくなります。
介護の窓口の相談現場では、介護休業給付金の試算を終えて休業に踏み切ったものの、93日の間に何を進めればよいか分からなかったというご家族のお話もよく伺います。在宅介護の体制を整えるだけでなく、特別養護老人ホーム(特養、原則要介護3以上)への申し込み、認知症の症状がある方であればグループホーム(認知症対応型共同生活介護、要支援2以上・認知症の診断・原則同一市区町村が条件)の見学、在宅復帰を目指しながら介護老人保健施設(老健、要介護1以上が対象)を利用するかどうかの相談など、収入の見通しが立った段階で施設という選択肢もあわせて情報収集しておくと、いざというときに落ち着いて判断できます。関西4府県(大阪・京都・兵庫・奈良)にお住まいの方は、介護の窓口の相談員が費用の目安や空き状況を無料でお調べします。エリア外にお住まいの方は、お近くの地域包括支援センターにご相談ください。
収入面や施設探しの見通しが立ったら、あらためて休業を申し出るかどうかを判断しましょう。休業を申し出る前に確認しておきたいポイントは、次の5つです。
- 支給額の試算: 自分の月収であれば、休業開始時賃金日額と支給額の目安がどれくらいになるか
- 受給要件: 雇用保険の被保険者であること、賃金支払基礎日数などの要件を満たしているか
- 分割の計画: 対象家族の状態をふまえて、93日をどう配分するか(1回でまとめる、3回に分けるなど)
- 資金計画: 申請から振り込まれるまでの1〜2か月程度、何で生活費をまかなうか
- 社会保険料: 休業中の保険料をどう納めるか、勤務先にどう確認しておくか
よくある質問
一言でいうと、介護休業給付金とはどのような制度ですか?
一言でいうと、介護休業給付金とは、介護休業を取得した際に、雇用保険から休業開始時賃金の67%相当が支給される給付金です。対象家族1人につき通算93日を上限に、3回まで分割して取得した休業についても、それぞれ支給対象になります。
介護休業給付金はいくらもらえますか?
介護休業給付金は、休業開始時賃金日額×支給日数×67%で計算されます。目安として、月収30万円程度の方が30日休業した場合は約201,000円、月収20万円程度の方なら約134,000円が支給額の目安です。
介護休業給付金を受け取るための条件は何ですか?
介護休業給付金を受け取るには、雇用保険の被保険者であることに加え、休業を開始した日より前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あることなどの要件を満たす必要があります。パートや契約社員の方も、要件を満たせば対象になります。
介護休業給付金は何回まで受け取れますか?
介護休業給付金は、対象家族1人につき通算93日を上限に、3回まで分割して取得した休業のそれぞれについて支給対象になります。1回目の休業が終わった時点でいったん申請し、2回目以降の休業についても、そのつど申請するのが基本です。
申請はいつ、どこに行えばよいですか?
申請先はハローワークで、休業が終わったあとにまとめて行うのが基本です。多くの場合、勤務先の会社を通じて申請書類を提出します。申請から実際に振り込まれるまでは、1〜2か月程度かかるのが目安です。
介護休業給付金に税金や社会保険料はかかりますか?
介護休業給付金そのものには所得税・住民税がかからず、非課税として扱われるのが一般的です。ただし休業中の健康保険・厚生年金保険料は原則として免除されないため、納め方について勤務先の給与担当にご確認ください。
参考(一次情報)
- ハローワーク(厚生労働省)「介護休業給付金の内容及び手続き」
- 厚生労働省「雇用保険法」(介護休業給付金関連規定)
- 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」(介護休業給付金の解説部分)
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