最終更新: 2026-07-20
介護休暇とは?介護休業との違いを比較!日数・給与・取得単位を解説
介護休暇とは、要介護状態の家族の通院付き添いや介護サービスの手続きなどのために、対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日、1時間単位でも取得できる短期の休みです。通算93日まで取れる介護休業との違いを、比較表でやさしく解説します。
この記事の要点
- 介護休暇は対象家族が1人なら年5日、2人以上なら年10日取得できる短期の休みで、通院の付き添いなどに使えます
- 2021年1月の法改正で1時間単位の取得が可能になり、当日の申出・口頭の申出でも取得できます
- 介護休業は通算93日まで・3回に分けて取得できる長期の休みで、対象日数や給与保障の仕組みが介護休暇とは異なります
- 介護休暇は法律上無給が原則ですが、2025年4月の改正で勤続6か月未満を理由に対象外にできる仕組みが廃止されました
- 数時間で終わる用事は介護休暇、数週間以上かかる体制づくりには介護休業(通算93日)を使い分けるのが基本です
介護休暇とはどのような制度ですか?
結論介護休暇とは、要介護状態にある対象家族の通院の付き添いや介護サービスの手続きなどのために、対象家族1人につき年5日(2人以上なら年10日)取得できる短期の休みです。育児・介護休業法にもとづく制度で、正社員だけでなくパートや契約社員も対象になります。
介護休暇とは、育児・介護休業法にもとづき、要介護状態にある家族を介護する労働者が、通院の付き添いやケアマネジャーとの面談、介護サービスの契約手続きなど、日常の中で発生する短時間の用事のために取得できる休暇制度です。まとまった期間仕事を離れて介護の体制を整える介護休業とは異なり、単発の用事にそのつど対応するための仕組みという位置づけになります。
「介護休業」と名前が似ているため、はじめて制度を調べる方の多くが混同してしまいます。しかし休める日数も、給与の扱いも、会社への申し出のルールも、実際にはかなり違います。この記事では、介護休暇の日数や取得単位の考え方、介護休業との比較表、有給か無給かの扱い、パートや契約社員が取得する場合の要件までを整理し、どちらの制度を使えばよいかの判断材料をお伝えします。
- 通院の付き添いや、医師からの説明を一緒に聞く
- ケアマネジャーとの面談や、ケアプランの相談
- 要介護認定の申請や、認定調査の立ち会い
- 訪問介護・デイサービスなど介護サービスの契約手続き
- 急な体調不良時の対応や、病院・施設への付き添い
介護休暇は年何日、どんな単位で取得できますか?
結論介護休暇の年間日数は、対象家族が1人なら年5日、2人以上なら年10日が上限です。1日単位に加えて、2021年1月の法改正から1時間単位でも取得できます。
介護休暇の日数は、介護する対象家族の人数によって2段階に分かれています。対象家族が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日が上限です。「2人以上」とは3人でも4人でも日数が10日から増えるわけではなく、2人以上であれば一律で年10日という枠になる点に注意が必要です。
「年」の数え方は、会社が就業規則で独自の期間を定めていればその期間、定めがなければ4月1日から翌年3月31日までの1年間が基準になります。この日数は繰り越しができないのが基本で、使い切らずに年度が変わると、その時点でリセットされて新しい年度分の日数に切り替わります。
取得できる単位も柔軟です。従来は1日単位が基本でしたが、2021年1月施行の育児・介護休業法の改正により、すべての労働者が1時間単位でも介護休暇を取得できるようになりました。時間単位で取得した分は所定労働時間をもとに日数へ換算され、年間の上限(5日または10日)に達すると、その年度はそれ以上取得できなくなります。半日単位で取得できるかどうかは会社の規定によります。
| 対象家族の人数 | 年間の上限日数 | 取得できる単位 |
|---|---|---|
| 対象家族が1人の場合 | 年5日 | 1日単位・1時間単位(半日単位は会社による) |
| 対象家族が2人以上の場合 | 年10日 | 1日単位・1時間単位(半日単位は会社による) |
出典: 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」。1時間単位での取得は2021年1月施行の改正で義務化されました(2026年7月時点の情報)。年度の区切り方や半日単位を選べるかどうかは、会社の就業規則によって異なります。
介護休暇と介護休業はどう違いますか?
結論介護休暇と介護休業は、対象日数や給与保障、申出期限など8つの項目で比較すると違いがはっきりします。介護休暇は年5日(2人以上で10日)の短期対応、介護休業は通算93日の長期対応という役割分担です。
介護休暇と介護休業は、どちらも育児・介護休業法にもとづく休みの制度で、要介護状態の家族がいる労働者が対象になる点は共通しています。ただし想定している使い方が異なるため、対象日数から申出の方法まで、比較すると多くの違いが見えてきます。
対象になる家族の範囲(配偶者や父母、子など)も、介護休暇と介護休業で共通です。詳しい範囲は「介護休業とは」の記事でご確認ください。
大まかな傾向として、介護休暇は「その日・その時間だけ対応する短期の休み」、介護休業は「介護の体制を数週間かけて整えるための長期の休み」と捉えると分かりやすくなります。次の表で、主な項目ごとの違いを整理しました。
| 比較項目 | 介護休暇 | 介護休業 |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 通院の付き添いなど単発の用事に対応する | 介護の体制を整えるためのまとまった休み |
| 対象家族1人あたりの上限 | 年5日(2人以上なら年10日) | 通算93日まで |
| 分割の考え方 | 年度内の残日数の範囲で何度でも | 3回まで分割して取得可能 |
| 取得できる単位 | 1日・1時間単位(半日は会社による) | 原則1日単位 |
| 申出の期限 | 当日の申出でも取得可能 | 原則として2週間前まで |
| 申出の方法 | 口頭でも可能(書面は不要) | 書面等での事前の申出が必要 |
| 休業中の給与 | 法律上は無給が原則(会社規定により有給の場合あり) | 法律上は無給が原則(会社規定により有給の場合あり) |
| 公的な給付金 | なし | 雇用保険の介護休業給付金(賃金の67%相当) |
出典: 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」「介護休業制度 特設サイト」。2021年1月・2025年4月施行の改正内容を反映した2026年7月時点の情報です。実際の運用は勤務先の就業規則によって異なる場合があるため、あわせてご確認ください。
介護休暇の申出はいつまでにすればよいですか?
結論介護休暇の申出は、当日の申出でも取得が認められており、事前の届出期限は法律上定められていません。原則2週間前までの申出が必要な介護休業とは対照的です。
介護休暇は、育児・介護休業法上、取得の何日前までに申し出るという期限が定められていません。朝になって急に発熱の連絡が入った、通院先の予約が急に決まったといった、前もって予定を立てにくい用事にも対応できるように、当日の申出でも取得できる仕組みになっています。
これは、原則として休業を開始したい日の2週間前までに申し出る必要がある介護休業とは対照的です。介護休業は体制づくりのためにある程度の準備期間を前提にした制度である一方、介護休暇はその日その時間の急なニーズに応えるための制度だからです。
ただし、法律上期限がないからといって、会社への連絡なしに休んでよいわけではありません。多くの会社では、始業前までに連絡する、分かった時点でできるだけ早く伝えるといった社内ルールを就業規則で定めています。実際の連絡方法やタイミングは、勤務先の就業規則や上司への確認をおすすめします。
介護休暇を取得すると給与は支給されますか?
結論介護休暇中の給与は、法律上は無給が原則(0円)で、賃金の支払いは会社に義務付けられていません。介護休業のような67%相当の給付金制度もないため、就業規則の確認が欠かせません。
育児・介護休業法は、介護休暇を取得する権利を保障していますが、その間の賃金の支払いまでは義務付けていません。そのため、働いていない時間の賃金は支払わないという考え方にもとづき、無給として扱う会社が一般的です。
一方で、法律はあくまで最低限のルールであり、就業規則や労働協約で介護休暇を有給としている会社も実際にあります。給与が出るかどうか、出る場合は通常の何割になるのかは会社ごとに規定が異なるため、断定はできません。まずは勤務先の就業規則(介護休暇の項目)を確認するか、人事労務担当に問い合わせることをおすすめします。
介護休業には、雇用保険から休業開始時賃金の67%相当が支給される介護休業給付金がありますが、介護休暇には同じような公的な給付金の仕組みはありません。収入面の支えという意味では、介護休暇よりも介護休業のほうが手厚いといえます。
| 休みの種類 | 法律上の賃金支払い義務 | 実際の取り扱いの例 | 公的な給付金 |
|---|---|---|---|
| 介護休暇 | なし(無給が原則) | 会社の規定により有給としている場合がある | なし |
| 介護休業 | なし(無給が原則) | 会社の規定により有給としている場合がある | 介護休業給付金(賃金の67%相当・通算93日分) |
出典: 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」「雇用保険制度(介護休業給付金)」。給付率67%は2026年7月時点の制度内容です。有給か無給かの実際の扱いは会社の就業規則によって異なるため、個別の判断は勤務先にご確認ください。
パートや契約社員でも介護休暇を取得できますか?
結論パートや契約社員も、日々雇用される方を除き原則として介護休暇の対象です。2025年4月の改正で「勤続6か月未満」を理由に対象外にできる仕組みが廃止されました。
介護休暇は、正社員に限らずパートやアルバイト、契約社員といった有期雇用の方も、日々雇用される方(いわゆる日雇い)を除いて、原則として取得できる制度です。継続雇用期間の長さを理由に対象から外されることは、2025年4月の改正後はほとんどなくなりました。
2025年3月までは、労使協定を結ぶことで「入社から6か月未満の労働者」を介護休暇の対象外にできる仕組みがありました。しかし2025年4月1日施行の改正育児・介護休業法により、この仕組みは廃止されています。入社したばかりの方でも、要件を満たせば介護休暇を取得できるようになったということです。
改正後も、労使協定によって「1週間の所定労働日数が2日以下の労働者」を対象外にすることは引き続き認められています。自分の会社にこうした労使協定があるかどうかは、就業規則や労働条件通知書、あるいは人事労務担当への確認で分かります。
| 労働者の区分 | 2025年3月まで | 2025年4月以降 |
|---|---|---|
| 入社6か月未満の労働者 | 労使協定により対象外にできた | 対象外にできなくなった(取得可能) |
| 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者 | 労使協定により対象外にできる | 引き続き対象外にできる |
| 日々雇用される労働者 | 法律上、そもそも対象外 | 変更なし(引き続き対象外) |
出典: 厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」。2025年4月1日施行の改正内容にもとづく整理です(2026年7月時点)。実際に労使協定を結んでいるかどうかは会社によって異なるため、就業規則で確認することをおすすめします。
介護休暇と介護休業はどちらを選べばよいですか?
結論数時間から1日で終わる用事には介護休暇、数週間以上かかる体制づくりには介護休業(通算93日)を選ぶのが基本的な使い分けです。両方を組み合わせて使うこともできます。
通院の付き添い、ケアマネジャーとの面談、役所での手続き、短時間のケア会議への出席など、数時間から1日で終わる用事には介護休暇が向いています。1時間単位で取得できるため、半日だけ、あるいは面談の1〜2時間だけといった使い方もできます。
一方、要介護認定の申請から結果が出るまでの対応、ケアマネジャーとの契約やサービス調整、施設入居を検討する場合の情報収集や申し込みなど、数週間から数か月にわたる体制づくりが必要な場面では、通算93日まで・3回に分けて取得できる介護休業が向いています。介護休暇を使い切ったあとに介護休業へ切り替える、急な入院時にまず介護休暇で対応し、退院に向けた準備から介護休業に切り替えるといった組み合わせ方も可能です。
介護の窓口の相談現場では、介護休業を取得したものの、その間に何を進めればよいか分からなかったというご相談を数多くお受けします。93日という期間は、在宅での介護体制を整えるだけでなく、特別養護老人ホーム(特養/原則要介護3以上)への申し込みや、認知症の方であればグループホーム(認知症対応型共同生活介護/要支援2以上・認知症の診断・原則同一市区町村)の見学、在宅復帰を目指しながら介護老人保健施設(老健/要介護1以上)を利用するかどうかの相談など、施設という選択肢を検討するための時間としても活用できます。
施設探しを含めた長期的な体制づくりでお悩みの場合は、介護の窓口(関西4府県対応)の相談員が無料でご相談に応じています。対応エリア外にお住まいの方は、お住まいの地域包括支援センターにご相談ください。
介護休暇はどうやって申請すればよいですか?
結論介護休暇の申請は、書面の提出が法律上義務付けられておらず、口頭でも当日中に取得できます。介護休業のように2週間前までの書面申出を求められることはありません。
介護休暇を取得したいときは、対象家族の状況と休みたい日時(または時間)を、上司や人事労務担当に伝えるところから始まります。育児・介護休業法上、書面での申出は義務付けられておらず、口頭での申出でも取得できる点が、介護休業との大きな違いです。
会社によっては、対象家族が要介護状態にあることや続柄を確認するため、申出書への記入や、介護保険被保険者証の写しなど参考になる資料の提出を求める場合があります。これは法律上の義務ではなく会社ごとの運用にあたるため、必要な書類や様式は勤務先の就業規則で確認しておくと、いざという時にあわてずに済みます。
介護休暇や介護休業の申出・取得を理由に、解雇や不利益な配置転換をすることは育児・介護休業法で禁止されています。2025年4月からは、介護に直面した社員への制度の個別説明や意向確認も会社の義務になっているため、遠慮せずに勤務先へ相談することが、両立への第一歩になります。
よくある質問
一言でいうと、介護休暇とは何ですか?
一言でいうと、介護休暇とは、要介護状態の家族の通院付き添いや手続きのために、対象家族1人なら年5日(2人以上なら年10日)取得できる短期の休みです。1時間単位でも取得でき、当日の申出でも認められます。
介護休暇と介護休業はどちらを先に使うべきですか?
通院の付き添いや役所・ケアマネジャーとの面談など数時間から1日で終わる用事には介護休暇を、要介護認定の申請やサービス調整などまとまった対応が必要な場面では介護休業(通算93日まで)を使うのが基本です。両方を組み合わせて使うこともできます。
介護休暇を取得した日の給与はどうなりますか?
育児・介護休業法では介護休暇中の賃金支払いは義務付けられておらず、無給とする会社が一般的です。ただし就業規則で有給としている会社もあるため、勤務先の規定を確認することをおすすめします。
パートやアルバイトでも介護休暇を取得できますか?
日々雇用される方を除き、パートや有期雇用の方も原則として介護休暇を取得できます。2025年4月の改正で「勤続6か月未満」を理由に対象外にする仕組みが廃止されたため、入社直後でも取得しやすくなりました。ただし労使協定により、1週間の所定労働日数が2日以下の方は対象外になる場合があります。
介護休暇の取得に証明書は必要ですか?
法律上、介護休暇の取得に書面の提出は義務付けられておらず、口頭での申出でも取得できます。ただし会社によっては対象家族の状況を確認する資料の提出を求める場合があるため、勤務先の就業規則を確認しておくと安心です。
介護休暇の年5日を使い切らなかった場合、翌年に繰り越せますか?
繰り越しはできず、年度が変わるとその年度の日数(対象家族1人なら5日、2人以上なら10日)にリセットされるのが基本です。会社によって独自の繰越規定を設けている場合もあるため、就業規則を確認しておくと安心です。
参考(一次情報)
- 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」
- 厚生労働省「介護休業制度 特設サイト」
- 厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内(2025年4月施行)」
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