介護の窓口ひとりで悩まない、施設探しを。

最終更新: 2026-07-20

介護休業とは?

介護休業とは、要介護状態にある家族を介護するために取得できる、育児・介護休業法にもとづく休業制度です。対象家族の範囲や通算93日・3回まで分割できる仕組み、申請の流れ、介護休暇や介護休業給付金との違いまでわかりやすく解説します。

この記事の要点

  • 介護休業とは、要介護状態にある対象家族を介護するために、育児・介護休業法にもとづき取得できる休業制度です。対象家族1人につき通算93日まで、3回に分けて取得できます
  • 対象家族の範囲は、配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫の7つの関係です。祖父母・兄弟姉妹・孫についても、2017年の法改正以降は同居や扶養の要件がありません
  • 申出は原則として、休業を開始したい日の2週間前までに、会社所定の書面で行います。有期雇用の方も、契約期間などの要件を満たせば取得できます
  • 休業中の給与は無給が原則ですが、雇用保険から休業開始時賃金の67%相当の介護休業給付金が支給されるのが一般的です
  • 介護休業の申出や取得を理由とする解雇などの不利益取扱いは法律で禁止されており、2025年4月からは会社側の相談体制の整備なども義務化されています

介護休業とは、どのような制度ですか?

結論介護休業とは、要介護状態にある対象家族を介護するために、通算93日まで取得できる、育児・介護休業法にもとづく休業制度です。

介護休業とは、配偶者や父母など要介護状態にある対象家族を介護するために、勤務先を一定期間休むことができる制度です。育児・介護休業法という法律にもとづく権利であり、会社が独自に用意する福利厚生ではなく、要件を満たせば全国どの会社に勤めていても利用できます。

ここでいう「要介護状態」とは、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたって常時介護を必要とする状態を指します。介護保険の要介護認定を受けていなくても、この状態にあてはまれば介護休業の対象になり得ますが、実際に取得できるかどうかは、申出の内容をもとに勤務先が判断します。

この記事では、対象家族の範囲や取得できる日数、有期雇用の方の要件、申請の流れ、休業中の収入、そして名前が似ている介護休暇・介護休業給付金との違いまで、はじめて制度を調べる方にもわかるように順番に解説します。

介護休業は、女性だけでなく男性も、正社員だけでなく要件を満たす有期雇用の方も利用できる、性別や雇用形態を問わない権利です。「自分の働き方では使えないかもしれない」と決めつけず、まずは対象になるかどうかを確認してみることが大切です。

介護休業の対象になる「対象家族」の範囲はどこまでですか?

結論介護休業の対象家族は、配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫の7つの関係にあたる方です。祖父母・兄弟姉妹・孫についても、同居や扶養は条件になっていません。

対象家族というと、まず父母を思い浮かべる方が多いのですが、範囲はそれよりも広く定められています。配偶者には、法律上の婚姻関係だけでなく、事実婚(いわゆる内縁関係)の相手も含まれます。子や父母には、養子・養父母も含まれます。

以前は祖父母・兄弟姉妹・孫について「同居し、かつ扶養していること」という条件がありましたが、2017年施行の法改正でこの条件は撤廃されました。そのため現在は、離れて暮らす祖父母やきょうだいの介護であっても、要介護状態にあるなど他の要件を満たせば、介護休業の対象になります。

対象家族主な範囲・注意点
配偶者法律上の配偶者のほか、事実婚(内縁関係)の相手も含みます
父母実父母のほか、養父母を含みます
実子のほか、養子を含みます
配偶者の父母配偶者の実父母・養父母を含みます
祖父母同居・扶養の要件はありません(2017年の改正で撤廃)
兄弟姉妹同居・扶養の要件はありません(2017年の改正で撤廃)
同居・扶養の要件はありません(2017年の改正で撤廃)

出典: 厚生労働省「育児・介護休業法」にもとづく対象家族の範囲(2026年7月時点)。祖父母・兄弟姉妹・孫の同居・扶養要件は2017年1月の改正で撤廃されました。

介護休業は通算93日を何回に分けて取得できますか?

結論介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できます。1回でまとめて取ることも、節目ごとに分けて取ることもできます。

93日という日数は、対象家族1人ごとに数えられる点がポイントです。たとえば父親と母親のそれぞれが要介護状態になった場合、父親について93日、母親について93日と、対象家族ごとに別枠で取得できます。

また93日は、1回でまとめて取得する必要はなく、最大3回まで分けて利用できます。入院や退院のタイミング、在宅介護の体制が整うまでの期間、症状が急変したタイミングなど、介護の節目ごとに分けて使うことで、限られた日数を無駄なく活用できます。

介護休業は、家族が一人で介護をやり遂げるための期間ではなく、仕事を続けながら介護の体制を整えるための準備期間として使うのが実務的な考え方です。要介護認定の申請、ケアマネジャー選びやサービスの手配など、休業中に取り組むことを事前に整理しておくと、限られた日数を有効に使えます。

有期雇用のパートや契約社員でも介護休業を取得できますか?

結論有期雇用の方でも、要件を満たせば正社員と同じように介護休業を取得できるのが基本です。2022年4月の法改正で、勤続年数に関する要件は原則撤廃されました。

以前は、有期雇用の方が介護休業を取得するには「引き続き雇用された期間が1年以上であること」という要件がありましたが、2022年4月の法改正でこの要件は撤廃されました。そのため、入社から日が浅いパートや契約社員の方でも、取得できる可能性があります。

ただし、介護休業の申出時点から93日を経過する日から6か月を経過する日までの間に、労働契約の期間が満了することが明らかではないという要件は残っています。契約の残り期間が短い場合は対象外になることがあるため、契約書の期間や更新の見込みとあわせて確認しておくと安心です。

また会社によっては、労使協定によって、入社1年未満の労働者を対象外にしている場合もあります。取得できるかどうかの判断は、勤務先の就業規則や労使協定の内容によって異なるのが一般的なので、まずは勤務先の人事労務担当に確認してみましょう。

なお、同様の要件緩和は育児休業でも行われており、介護休業と育児休業は、有期雇用の方への適用要件について共通の考え方で整理されています。育児と介護のダブルケアに直面している方は、あわせて育児休業の要件も確認しておくと安心です。

介護休業を申請するには、いつまでに何をすればよいですか?

結論介護休業の申出は、原則として休業を開始したい日の2週間前までに、会社所定の申出書などを提出して行います。

介護休業を取得するには、まず対象家族が要介護状態にあることや、休業の開始・終了予定日などを、会社に書面で申し出ます。法律上、申出は原則として休業を開始する日の2週間前までに行うこととされています。

会社によっては、対象家族の状況を確認するための書類(状況を記載した書類や、場合によっては診断書など)の提出を求められることがあります。何を・いつまでに提出すればよいかは会社ごとに様式や運用が異なるため、まずは人事労務や総務の担当窓口に、介護が必要になった旨を伝えて確認するところから始めるとスムーズです。

手順内容
1. 要介護状態の確認対象家族が要介護状態にあることを確認します(要介護認定を受けていなくても対象になり得ます)
2. 会社への相談人事労務・総務の担当窓口に相談し、申出に必要な書式や添付書類を確認します
3. 書面での申出休業の開始・終了予定日を決め、原則2週間前までに会社所定の書面で申し出ます
4. 休業開始の通知・引き継ぎ会社から休業開始の通知を受け取り、業務の引き継ぎを行います

出典: 厚生労働省「育児・介護休業法」にもとづく一般的な手続きの流れ(2026年7月時点)。必要書類や様式は会社ごとに異なるため、詳細は勤務先にご確認ください。

介護休業中の給料はどうなりますか?

結論介護休業中の給与は無給とする会社が多いものの、雇用保険から休業開始時賃金の67%相当の介護休業給付金が支給されるのが一般的です。

介護休業は法律で「有給にすること」までは義務付けられていないため、休業中の給与を無給とする会社が多いのが実情です。ただし収入が完全になくなるわけではなく、雇用保険の被保険者であるなど一定の要件を満たせば、介護休業給付金として休業開始時賃金の67%相当が支給されます。

支給額は、休業開始時の賃金日額に支給日数と67%を掛けて計算されるのが基本です。目安のイメージは下の表のとおりですが、実際の支給には上限額があり、上限は毎年8月に見直されます。正確な金額や自分のケースでの試算は、勤務先の担当部署やハローワークにご確認ください。

申請は休業が終わったあとにまとめて行うのが基本で、多くの場合、会社を通じてハローワークに申請します。介護休業給付金の支給要件や必要書類、申請の具体的な流れは、別記事の介護休業給付金の解説で詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。

休業開始時の賃金(月額目安)支給額の目安(67%相当)
月30万円程度月20万円程度
月25万円程度月17万円程度
月20万円程度月13万円程度

出典: 厚生労働省の介護休業給付金の計算方法(休業開始時賃金日額×支給日数×67%)にもとづく概算(2026年7月時点)。支給の上限額は毎年8月に見直されるため、正確な金額は勤務先またはハローワークにご確認ください。

介護休業を取得すると、解雇など不利益な扱いを受けませんか?

結論介護休業の申出や取得を理由とする解雇などの不利益取扱いは、育児・介護休業法で禁止されており、2025年4月からは相談窓口の整備なども企業の義務になっています。

介護休業を取りたいと伝えることで、解雇、雇止め、降格、減給、不利益な配置転換といった扱いを受けることは、法律によって禁止されています。介護のことを会社に伝えるのをためらう方も多いですが、申し出ること自体が不利益な扱いにつながることは、制度上あってはならないことになっています。

2025年4月に施行された改正育児・介護休業法では、企業側の対応も強化されました。40歳到達時など早い段階での情報提供、介護に直面したと申し出た従業員への制度の個別説明と利用意向の確認、相談窓口の整備などが、企業規模を問わず義務になっています。

とはいえ、実際に不利益な扱いを受けた、あるいは受けそうだと感じた場合にどう対応するかは、状況によって異なります。まずは社内の相談窓口や人事労務に事実関係を伝え、解決しない場合は、勤務先を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ相談する方法もあります。個別の状況の判断は、労働局や社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

社内の相談だけでは解決しないと感じる場合は、都道府県労働局が無料で行っている個別労働紛争解決制度(助言・指導やあっせん)を利用する方法もあります。会社と直接やり取りしにくいときの選択肢として、あわせて知っておくと安心です。

介護休業・介護休暇・介護休業給付金は何が違いますか?

結論介護休業・介護休暇・介護休業給付金は、休める期間の長さと収入の支え方が異なる3つの制度です。まとまった体制づくりには介護休業、単発の用事には介護休暇が向いています。

3つの制度は名前が似ているため混同しやすいのですが、役割は明確に分かれています。介護休業は「まとまった期間、介護の体制を整えるための休み」、介護休暇は「通院の付き添いなど単発の用事のための休み」、介護休業給付金は「介護休業を取得したときに収入を支える雇用保険の給付金」です。

比較項目介護休業介護休暇介護休業給付金
目的介護の体制づくりのための、まとまった休み通院の付き添いなど、単発の用事のための休み介護休業中の収入を雇用保険から支える給付金
取得できる日数対象家族1人につき通算93日まで対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日介護休業と同じく、対象家族1人につき通算93日分が対象
分割・単位3回まで分割可能(1日単位)1日単位のほか、時間単位でも取得可能介護休業の分割取得に合わせて、原則3回まで申請可能
休業中の給与無給が原則(介護休業給付金で67%相当を補う)法律上は無給が原則(会社規定により有給の場合あり)休業開始時賃金日額の67%相当を支給(上限あり)
申出のタイミング原則、開始予定日の2週間前まで当日の申出でも取得できるのが一般的です原則、休業終了後に会社を通じてハローワークへ申請

出典: 厚生労働省「育児・介護休業法」および介護休業給付金の制度概要(2026年7月時点)。介護休暇は2025年4月から、勤続6か月未満を対象外にする労使協定の仕組みが廃止されました。

介護休業と介護休暇、どちらを使えばよいか迷ったときはどうすればよいですか?

結論介護休業と介護休暇の使い分けは、体制づくりに時間がかかる場面では介護休業、年5日(対象家族2人以上なら年10日)で対応できる用事では介護休暇を使うのが基本的な考え方です。

介護休業と介護休暇は、どちらも育児・介護休業法にもとづく制度ですが、向いている場面が異なります。数日から数か月かけて要介護認定の申請やケアマネジャー探し、施設の情報収集など体制そのものを整えたいときは介護休業、通院の付き添いやケアマネジャーとの面談など、数時間から1日で済む単発の用事には介護休暇が向いています。

介護休暇の具体的な取得単位や有給・無給の扱い、パート・契約社員の要件については、別記事の介護休暇の解説で詳しく取り上げています。介護休業給付金の支給要件や申請の流れをさらに詳しく知りたい方は、この記事の前半でも触れた別記事の介護休業給付金の解説をあわせてご覧ください。

介護休業の期間は、当面の対応だけでなく、今後の生活の見通しを考える機会にもなります。在宅介護だけでは難しいと感じた場合の選択肢として、特別養護老人ホーム(原則要介護3以上、要介護1・2でも特例入所が認められる場合があります)、介護老人保健施設(要介護1以上で在宅復帰を目指す方向け)、グループホーム(要支援2以上かつ認知症の診断、原則同一市区町村在住が条件)があることも、あわせて知っておくと安心です。

このテーマの詳しいガイド

よくある質問

一言でいうと、介護休業とはどのような制度ですか?

介護休業とは、要介護状態にある対象家族を介護するために、対象家族1人につき通算93日まで、3回に分けて取得できる休業制度です。育児・介護休業法にもとづき、要件を満たせば正社員だけでなくパートや契約社員も取得できます。

介護休業の対象になる家族の範囲を教えてください。

介護休業の対象家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。2017年の法改正以降、祖父母・兄弟姉妹・孫についても同居や扶養の要件はありません。

介護休業は何回まで分けて取得できますか?

介護休業は、対象家族1人につき通算93日の範囲内で、3回を上限に分割して取得できます。入院・退院、在宅介護の体制づくり、看取りなど、介護の節目に合わせて使うのが一般的です。

介護休業中の収入はどうなりますか?

介護休業中は勤務先からの給与が無給になる会社が多いものの、雇用保険から介護休業給付金として、休業開始時賃金の67%相当が支給されるのが一般的です。手続きの詳細や支給要件は、介護休業給付金に関する記事や勤務先の人事労務、ハローワークにご確認ください。

パートや契約社員でも介護休業を取得できますか?

パートや契約社員の方も、要件を満たせば取得できます。2022年4月の法改正で「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件は撤廃されましたが、休業開始から93日を経過する日から6か月を経過する日までに契約が満了することが明らかな場合は対象外となるなど、条件が残っています。労使協定の有無によっても扱いが変わるため、勤務先に確認することをおすすめします。

介護休業を申し出たことで会社から不利に扱われることはありませんか?

介護休業の申出や取得を理由とした解雇・降格・減給などの不利益取扱いは、育児・介護休業法で禁止されています。2025年4月からは、介護に直面した従業員への制度の個別説明や意向確認も企業の義務になっていますので、まずは人事労務や相談窓口に相談してみましょう。

参考(一次情報)

  • 厚生労働省「育児・介護休業法」(介護休業制度の概要)
  • 厚生労働省「介護休業制度」特設サイト
  • 厚生労働省「育児・介護休業法 改正のご案内」(2022年4月・2025年4月施行分)
  • ハローワーク(厚生労働省)「介護休業給付金の内容及び手続き」

記事を読んでも迷ったら、相談できます

ご家族の状況に当てはめてどうなのかは、相談員が一緒に整理します。無料です。

無料相談はこちら

関連する施設を探す

あわせて読みたい

📍 近くで探す無料で相談