最終更新: 2026-07-19
ペット可の老人ホームの探し方
ペット可の老人ホームとは、入居後も飼育中の犬や猫などと同じ居室で一緒に暮らせる老人ホームのことです。全国的に数が少なく探しにくいのが実態で、よくある入居条件や探し方、追加費用の目安、見つからない場合の代替案までやさしく整理します。
この記事の要点
- ペット可の老人ホームは、老人ホームの主な9種類のうち対応が多いのは一部の種類にとどまり、地方では候補が1件も見つからない地域も珍しくありません
- ペット可の老人ホームでよくある入居条件は主に4つで、動物の種類・頭数、飼い主本人の飼育能力、ワクチン接種等の証明、飼育継続が難しくなった場合の取り決めです
- 現地見学で確認したいポイントは6つあり、飼育スペースやにおい対策、緊急時の預け先ルールなどを事前にチェックすると入居後のミスマッチを防ぎやすくなります
- 近くにペット可の施設が見つからない場合は、一時預かりサービスの利用や通いで会える近隣施設への入居など3つの代替案があります
- ペット飼育に伴う追加費用は、入居時の申込金・保証金が3万円〜10万円程度、月額の飼育費が3,000円〜8,000円程度上乗せされる施設が多いとされています
ペット可の老人ホームとは?
結論ペット可の老人ホームとは、入居後も飼育中の犬や猫などのペットと同じ居室で一緒に暮らせる老人ホームのことです。老人ホームの主な9種類のうち、ペット可に対応しやすいのは住宅型やサ高住など一部の種類にとどまります。
長年一緒に暮らしてきた犬や猫を、老人ホームへの入居をきっかけに手放さなければならないのはつらいものです。近年は、こうした声に応える形でペットとの同居を認める老人ホームも少しずつ見られるようになりました。ただし全国的に見ればまだ数は限られており、自宅の近くで必ず見つかるとは限らないという前提で探し始めることが大切です。
ペット可の老人ホームの多くは、住宅型有料老人ホーム(住宅型)やサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)など、入居者本人の生活の自由度が比較的高い施設に集まりやすい傾向があります。住宅型は自立〜要介護5程度が目安ですが対応できる範囲は施設ごとに異なり、サ高住は60歳以上(または要介護・要支援認定を受けた60歳未満の方)で自立〜軽度の要介護の方が中心です。介護付き有料老人ホーム(介護付)でもペット可の施設はありますが、施設ごとに要介護度を設定し自立〜要介護5まで幅広く受け入れる分、ペット可となると数はさらに限られます。
ペット可の老人ホームが少ない背景には、ほかの入居者への配慮(アレルギー・鳴き声・においなど)や衛生管理、飼い主本人が急に対応できなくなった場合のリスクなど、施設側が調整すべき点が多いという事情があるとされています。数が少ない分野だからこそ、早めに情報収集を始めることが結果的に選択肢を広げることにつながります。
この記事では、ペット可老人ホームの現状から、よくある入居条件、探し方、見学で確認したいポイント、見つからない場合の代替案、追加費用の目安まで、順を追って解説します。
ペット可の老人ホームは都市部と地方でどう違いますか?
結論ペット可の老人ホームは、施設数の多い都市部のほうが選択肢を見つけやすい傾向があります。地方や郊外では対応施設が少なく、近隣に1件も見つからない地域も珍しくありません。
老人ホーム全体の施設数が多い都市部ほど、その中にペット可の施設が含まれる可能性も高くなるため、選択肢を見つけやすい傾向があります。一方、施設数自体が少ない郊外や地方では、ペット可という条件をさらに絞り込むと、候補がまったく見つからない地域も珍しくありません。
都市部と地方では、費用の傾向にも違いが出やすいとされています。都市部は地価や人件費の影響で月額費用が高めになりやすく、地方は費用を抑えやすい一方、そもそもの選択肢が少ない分、比較検討がしにくいという悩みが出てきます。
| 比較する観点 | 都市部 | 郊外・地方 |
|---|---|---|
| 施設の見つかりやすさ | ペット可の施設を含め選択肢が比較的多い | 対応施設が少なく、近隣に1件もない地域もある |
| 月額費用の傾向 | 高めになりやすい | 都市部より抑えられる場合がある |
| 探し方の工夫 | 複数施設を比較検討しやすい | 近隣の市区町村まで範囲を広げて探す必要が生じやすい |
施設の立地や運営状況によって傾向は異なります。2026年7月時点の一般的な傾向としてご参照ください。
ペット可の老人ホームでよくある入居条件は何ですか?
結論ペット可の老人ホームでよくある入居条件は、主に4つです。対応できる動物の種類・頭数、飼い主本人の飼育能力、健康管理の証明書類、飼育継続が難しくなった場合の取り決めが中心になります。
「ペット可」と一口に言っても、条件は施設によって大きく異なります。契約前に重要事項説明書やペット飼育に関する規定を必ず確認し、入居後に思っていた内容と違ったということがないようにしましょう。
なお、ほかの入居者の中には動物アレルギーや動物が苦手な方がいる場合もあるとされ、共用スペースでの同伴を制限するなど配慮している施設もあります。持病により動物との接触に注意が必要な場合は、事前にかかりつけ医に相談しておくと安心です。
| 確認する項目 | よくある内容 |
|---|---|
| 対応できる動物の種類・頭数 | 小型犬・猫が中心で、体重やサイズに上限を設ける施設が多く、頭数も1匹までとする施設が多いとされています |
| 飼い主本人の飼育能力 | 食事・排せつの世話、通院、散歩などを入居者本人が行えることを前提とする施設がほとんどです |
| 健康管理・証明書類 | 狂犬病予防やワクチンの接種証明、去勢・避妊手術の証明、ノミ・ダニの予防などの提出を求める施設があります |
| 飼育継続が難しくなった場合の対応 | 本人の体調悪化などで世話が続けられなくなった場合の取り決めをあらかじめ確認しておく施設が多いとされています |
各施設のペット飼育規定・重要事項説明書をもとにした一般的な傾向です(2026年7月時点)。条件は施設ごとに異なるため、契約前の個別確認が必要です。
自分でペットの世話が難しくなったらどうなりますか?
結論自分でペットの世話が難しくなった場合の対応は、施設によってあらかじめ3つのパターンで取り決められていることが多いとされています。家族が引き取る方法が中心で、施設側が世話を全面的に代行することは基本的に想定されていません。
ペット可の老人ホームの多くは入居者本人が世話をすることを前提としているため、体調の変化などで世話が難しくなった場合の対応をあらかじめ確認しておくことが欠かせません。曖昧なまま入居すると、いざというときに困ってしまいます。
介護の窓口の相談現場では、ペットのために施設入居をためらっているというご相談を少なからずお聞きします。入居前に、世話が難しくなったときの対応を施設と具体的に取り決めておくことで、こうした不安をやわらげられることもあります。
- 家族や親族が新しい飼い主になる — もっとも多いとされる対応で、入居前から家族内で話し合っておくと安心です
- 施設のスタッフが一時的に世話を手伝う — 短期間や一部の作業に限られることが多く、恒常的な肩代わりを前提にしないほうが無難です
- 動物愛護団体や知人などを通じて新しい飼い主を探す — 家族が引き取れない場合の選択肢として案内している施設もあります
ペット可の老人ホームはどうやって探せばいいですか?
結論ペット可の老人ホームの探し方は、主に3つの窓口があります。市区町村の高齢福祉の窓口、老人ホームの紹介・仲介サービス、施設検索サイトを組み合わせて使うと、候補を見つけやすくなります。
ペット可という条件は、一般的な老人ホーム検索サイトの絞り込み項目に含まれていないことも多く、通常の施設探しよりも情報収集に手間がかかりやすい分野です。複数の窓口を並行して使うことをおすすめします。
| 探し方 | 特徴・進め方 |
|---|---|
| ① 自治体(市区町村)の高齢福祉の窓口に相談する | 地域内のペット可施設の情報を把握している場合があり、窓口や地域包括支援センターで確認できます |
| ② 老人ホームの紹介・仲介サービスに相談する | 希望するエリアや動物の種類・頭数などの条件を伝えると、対応施設を絞り込んで紹介してもらえます |
| ③ 施設検索サイトや重要事項説明書で確認する | 「ペット可」などのキーワードで検索し、気になる施設は重要事項説明書のペット飼育規定を取り寄せて確認します |
紹介・仲介サービスは無料で利用できるものが多く、ペット可という条件が細かい分、活用すると探す手間を減らしやすくなります(2026年7月時点)。
現地見学では何を確認すればいいですか?
結論現地見学では、6つのポイントを確認しておくと、入居後に思っていたのと違うと感じるミスマッチを防ぎやすくなります。飼育スペースや緊急時の対応ルールなど、資料だけではわからない点を中心にチェックしましょう。
重要事項説明書やパンフレットだけでは、実際の飼育環境まではわかりません。可能であればペットを連れて見学し、施設の雰囲気やほかの入居者の反応も確認しておくと安心です。
同じ施設でも、対応してくれた職員によって説明の内容が微妙に異なることがあります。特に頭数の上限や体調が悪化した場合の対応、追加費用の金額といった、後々の生活やお金に関わる部分は、口頭の説明だけで終わらせず、重要事項説明書や覚書などの書面に残してもらうよう依頼しておくと、入居後の「言った・言わない」のトラブルを防ぎやすくなります。
- 飼育できるスペース(専用の庭・共用の散歩スペース・ケージの設置場所など)があるか
- 鳴き声やにおいへの対策(換気・消臭・防音などの設備)が取られているか
- ほかの入居者やスタッフへの配慮(アレルギーがある方への対応など)がルール化されているか
- 入院や外出などで一時的に世話ができないときの預け先ルールが決まっているか
- 飼育に関するルールが重要事項説明書などの書面に明文化されているか
- 実際にペットを飼育している入居者がいれば、暮らしぶりやペットの様子を確認できるか
近くにペット可の施設が見つからない場合はどうすればいいですか?
結論近くにペット可の施設が見つからない場合、主に3つの代替案があります。一時預かりサービスの利用、通いで会える近隣施設への入居、家族や知人への一時的な預け先の確保です。
希望のエリアにペット可の施設がどうしても見つからない場合も、選択肢がゼロになるわけではありません。ペットと施設を両方あきらめる前に、次のような代替案を検討してみましょう。
ペット可の施設探しは通常の老人ホーム探しより情報が少なく、比較検討に時間がかかりやすい分野です。関西4府県(大阪・兵庫・京都・奈良)にお住まいの場合は、ご希望のエリアやペットの種類・頭数をお伝えいただければ、対応可能な施設や預け先の情報を相談員が無料でお調べします。エリア外にお住まいの方は、お近くの地域包括支援センターや市区町村の高齢福祉窓口にご相談ください。
| 代替案 | 内容 |
|---|---|
| ① ペットの一時預かりサービスを利用する | ペットホテルや動物病院の一時預かり、NPOなどの高齢者向けペット預かり支援を使い、環境が整うまで預ける方法です |
| ② 通いで会える近隣施設に入居する | ペットは自宅や家族のもとに残し、面会や外泊のときに会う方法です。ペット可にこだわらない分、施設の選択肢が広がります |
| ③ 家族や知人に一時的に預かってもらう | 本人の体調が落ち着いた段階で、再び一緒に暮らせないか改めて検討する方法です |
施設探しと並行して、動物病院や地域の動物愛護団体に相談すると、預け先の情報が見つかることもあります(2026年7月時点)。
ペットを飼うと追加でどのくらい費用がかかりますか?
結論ペット飼育に伴う追加費用は、施設によって差が大きいものの、入居時の申込金・保証金が3万円〜10万円程度、月額の飼育費が3,000円〜8,000円程度上乗せされる例が多いとされています。
ペット可の老人ホームでは、通常の入居費用(入居一時金・月額利用料)に加えて、ペット飼育に関する費用が別途かかることが一般的です。金額は施設ごとの規定によって差が大きいため、重要事項説明書やペット飼育契約の内容を必ず確認しましょう。
| 費用の項目 | 目安 |
|---|---|
| 入居時のペット飼育申込金・保証金 | 3万円〜10万円程度かかる施設が多いとされていますが、不要な施設もあります |
| 月額のペット飼育費(管理費への上乗せなど) | 3,000円〜8,000円程度が目安とされています |
| トリミング・ワクチン接種・通院などの実費 | 通常のペット飼育と同様に、必要なタイミングで別途かかります |
| 退去時の原状回復費用 | ペットによる居室の傷や汚れがある場合、補修費用を求められることがあります |
各施設のペット飼育規定・重要事項説明書をもとにした一般的な目安です(2026年7月時点)。金額は施設や動物の種類・頭数により異なるため、契約前に見積もりを確認してください。
後悔しないペット可老人ホームの選び方とは?
結論後悔しないための選び方のポイントは、この記事で紹介した4つの入居条件と将来の対応まで含めて確認することです。今の状態だけでなく、世話が難しくなった場合の取り決めまで事前に確認しておくと、安心して入居を決めやすくなります。
ペットとの同居は、入居後の毎日の暮らしに大きな安心感をもたらします。一方で、入居できることだけを優先して条件を十分確認しないまま契約すると、後になってもっと確認しておけばよかったと感じることにもなりかねません。入居条件・見学のチェックポイント・追加費用を、契約前にもう一度整理しておきましょう。
そもそも近くにペット可の施設があるか分からないという段階でも構いません。関西4府県(大阪・兵庫・京都・奈良)にお住まいの場合は、相談員が無料で対応可能な施設をお調べします。まずは今のお悩みをお聞かせください。
よくある質問
一言でいうと、ペット可の老人ホームとはどんな施設ですか?
一言でいうと、入居後も飼育中の犬や猫などと同じ居室で一緒に暮らせる老人ホームのことです。ただし老人ホームの主な9種類のうち対応しやすいのは一部の種類にとどまり、条件も施設ごとに細かく異なります。
ペット可の老人ホームでは大型犬も一緒に入居できますか?
大型犬の受け入れに対応する施設は多くありません。小型犬・猫を対象とし、体重やサイズの上限を設けている施設がほとんどのため、事前に個別の確認が必要です。
自分でペットの世話ができなくなったら、施設を退去しないといけませんか?
施設によって対応は異なりますが、世話が難しくなってすぐに退去になるとは限りません。家族が引き取る、施設のスタッフが一時的に手伝う範囲を決めておくなど、事前の取り決めを確認しておくと安心です。
ペットの飼育にはどのくらい費用がかかりますか?
施設によって差はありますが、入居時の申込金・保証金が3万円〜10万円程度、月額の飼育費が3,000円〜8,000円程度上乗せされる例が多いとされています。詳しい内訳は重要事項説明書で確認しましょう。
近くにペット可の老人ホームが見つからない場合はどうすればいいですか?
ペットの一時預かりサービスを利用する方法や、ペットは自宅や家族のもとに残しつつ、通いやすい近隣の施設に入居して面会で会う方法などがあります。関西4府県にお住まいの場合は相談員にご相談ください。
ペット可の施設を探すには、どこに相談すればいいですか?
市区町村の高齢福祉の窓口や、老人ホームの紹介・仲介サービス、施設検索サイトなどに相談する方法があります。条件が細かい分野のため、複数の窓口を並行して使うと見つかりやすくなります。
参考(一次情報)
- 環境省「住宅における犬猫の適正飼養ガイドライン」
- 環境省「動物の愛護及び管理に関する法律」
- 厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」
- 老人福祉法(有料老人ホームに関する規定)
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