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最終更新: 2026-07-11

認認介護とは

認認介護とは、老老介護がさらに進み、介護する側とされる側の双方またはどちらかに認知症の症状がある状態です。服薬ミスや火の消し忘れなどのリスク、気づくためのチェックリスト、地域包括支援センターへの相談方法や今すぐ使える対策をやさしく解説します。

この記事の要点

  • 認認介護とは、老老介護がさらに進み、介護する側とされる側の双方またはどちらかに認知症の症状がある状態です。在宅介護の63.5%を占める老老介護(2022年国民生活基礎調査)の中でも、とくに注意が必要とされています
  • 65歳以上の人がいる世帯のうち、夫婦のみ世帯と一人暮らし世帯はそれぞれ約3割を占め(2022年)、三世代同居は1割を下回っています。日常的に異変へ気づく人がいない環境で認認介護は進みやすくなります
  • 服薬の飲み忘れ・二重服用、火の消し忘れ、通帳や鍵の紛失、徘徊による事故など、認認介護の在宅生活では6つの代表的なリスクが起こりやすくなります
  • 地域包括支援センターへの相談は無料で、保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーの3職種が対応します。ご本人の同意が得られなくても、家族や近隣の方から相談できます
  • 特別養護老人ホーム(特養)は原則要介護3以上が対象ですが、要介護1・2でも認認介護などやむを得ない事情があれば特例入所の対象になり得ます。ショートステイは連続30日まで利用できます

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認認介護とはどのような状態を指しますか?

結論認認介護とは、老老介護(65歳以上同士の介護)がさらに進み、介護する側とされる側の双方、またはどちらか一方に認知症の症状がある状態です。在宅介護の63.5%を占める老老介護(2022年国民生活基礎調査)の中でも、とくに注意が必要な状態です。

認認介護とは、介護する家族と介護されるご本人の双方、またはどちらか一方に認知症の症状がある状態を指す言葉です。老老介護と同じく法律で定められた用語ではありませんが、介護の現場や報道で広く使われています。

老老介護は「介護する人とされる人がともに65歳以上」という年齢の組み合わせに着目した言葉です。一方、認認介護は認知症の症状の有無に着目した言葉で、老老介護の状態が続くうちに、どちらか一方(または両方)に認知症の症状が現れることで生じます。すべての老老介護が認認介護に進むわけではありませんが、加齢に伴って認知症の症状が現れる可能性は、どなたにもあるとされています。

認認介護がどのくらいの世帯で起きているかを示す全国的な公的統計は、2026年時点ではまだ整備されていません。ただし、在宅で要介護者を介護する世帯の63.5%が老老介護であるという厚生労働省の調査結果(2022年)を踏まえると、高齢化が進むにつれて認認介護も増えていくと考えられます。

比較の視点老老介護認認介護
着目している点年齢の組み合わせ(ともに65歳以上)認知症の症状の有無(双方またはどちらか一方)
在宅介護に占める割合63.5%(2022年・厚生労働省調査)全国的な公的統計は未整備(2026年時点)
主なリスク介護者の体調悪化による共倒れ服薬・金銭・火の管理など生活の安全そのもの
対応の目安早めの介護サービス導入が望ましい気づいた時点で速やかな相談が必要

出典: 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」。認認介護は老老介護のうち認知症の症状が加わった状態を指すため、両者は重なり合うことがあります。

認認介護は、どのような世帯で起こりやすいですか?

結論認認介護は、高齢夫婦のみで暮らす世帯や、子ども世代が遠方に住んでいる世帯で起こりやすい状態です。65歳以上の人がいる世帯のうち、夫婦のみ世帯と一人暮らし世帯はそれぞれ約3割を占めています(2022年国民生活基礎調査)。

認認介護が進みやすいのは、日常的に第三者の目が入りにくい世帯です。代表的なのは、高齢のご夫婦だけで暮らしている世帯と、子ども世代が遠方に住んでいて電話や帰省でしか様子が分からない世帯です。

2022年の国民生活基礎調査では、65歳以上の人がいる世帯のうち、夫婦のみ世帯と一人暮らし世帯がそれぞれ約3割を占め、三世代同居は1割を下回っています。同居する子ども世代がいれば気づけたはずの異変も、高齢の夫婦2人だけの生活では見過ごされやすくなります。

とくに注意したいのは、これまで家計や通院の付き添い、近所づきあいを一手に担ってきた側に認知症の症状が現れるケースです。もう一方の配偶者が今までどおり頼り切ってしまい、異変への気づきが遅れることがあります。

  • 高齢夫婦のみ世帯で、同居する子ども世代がいない
  • 子ども世代が遠方に住み、帰省が年に数回程度にとどまる
  • きょうだいが少ない、または近隣に頼れる親族がいない
  • 家計・通院・書類のやり取りを担ってきた側に認知症の症状が出ている
  • もともと近所づきあいが少なく、外部の目が入りにくい

在宅生活では、どのような危険が起こりやすいですか?

結論認認介護の在宅生活では、服薬管理のミスや火の消し忘れ、通帳や鍵の紛失、徘徊による事故など、生活の安全に直結する6つのリスクが起こりやすくなります。

認認介護では、介護する側もされる側も、うっかりミスに気づいたり正したりする力が弱くなっています。一つひとつは小さな見落としでも、積み重なると事故や体調悪化につながる点に注意が必要です。

命に関わる可能性がある場合(意識がない、大きなケガをしている、火が燃え広がっているなど)は、ためらわず119番へ連絡してください。持病の悪化や体調の変化が心配なときは、まず主治医にご相談ください。

起こりやすいリスク具体例考えられる結果
服薬管理のミス飲み忘れ、二重服用、違う人の薬を飲んでしまう体調悪化や意識障害につながることがあります
火の消し忘れコンロやストーブの消し忘れ、鍋の空焚き火災ややけどの危険があります
通帳・鍵・重要書類の紛失通帳や印鑑、自宅の鍵をどこに置いたか分からなくなる支払いの滞納や、自宅に入れなくなることがあります
徘徊・道に迷う外出先から自宅に戻れなくなる交通事故や転倒、行方不明につながることがあります
栄養・水分不足食事をとったこと自体を忘れる、同じものばかり食べる脱水や低栄養を招くことがあります
支払い・契約トラブル同じ商品を繰り返し購入する、訪問販売と契約してしまう金銭的な被害につながることがあります

在宅での認認介護においてよく見られるリスクを整理したもので、すべての世帯に当てはまるわけではありません。気になる症状があるときは、自己判断せずかかりつけ医にご相談ください。

家族が異変に気づくには、どこを確認すればよいですか?

結論家族が異変に気づく手がかりは、冷蔵庫の中身や薬の残数、通帳の管理状況など12項目のチェックリストで確認できます。3つ以上当てはまる場合は、地域包括支援センターへの相談を検討するタイミングです

認認介護のご本人たちには、困っている自覚がないことも少なくありません。本人からの「大丈夫」という言葉をそのまま受け取らず、生活の様子を具体的に確認することが大切です。帰省したときや電話で話すときに、次のチェックリストを参考にしてみてください。

  • 冷蔵庫に同じ食材や賞味期限切れの食品がたまっている
  • お薬カレンダーや薬の残数が、実際の服薬状況と合わない
  • 通帳や印鑑、鍵など大切な物の置き場所が毎回変わる、または見つからない
  • 支払いや振込を忘れている、または同じ支払いを何度もしている
  • ガスコンロや鍋に焦げ跡がある
  • 同じ話や質問を何度も繰り返す
  • 以前はできていた料理や家事の手順が混乱している
  • 外出先から帰り道が分からなくなったことがある
  • 通院や約束の日時を忘れることが増えた
  • 郵便物や書類が未開封のまま積み重なっている
  • 衣類や身だしなみの乱れが目立つようになった
  • 会話がかみ合わない、同じ内容を繰り返し伝えている

1つだけでも「毎回同じことが起きている」場合は、数にかかわらず早めに相談することをおすすめします。

まず、どこに相談すればよいですか?

結論認認介護に気づいたら、まずお住まいの地域包括支援センターに相談することが最優先です。保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーの3職種が常駐し、相談は無料で、ご本人の同意が得られなくても家族や近隣の方から連絡できます。

地域包括支援センターは、高齢者の暮らしに関する相談を無料で受け付ける公的な窓口です。「まだ本人が困っていると言わないから相談しづらい」と感じる必要はありません。家族や近隣の方からの相談だけでも、生活状況の確認や訪問につなげてもらえます。

電話一本でも構いません。「認知症の症状があるかもしれない」「服薬や金銭管理が心配」「夫婦とも高齢で不安がある」など、気づいたことをそのまま伝えれば十分です。必要に応じて要介護認定の申請や、かかりつけ医・もの忘れ外来の受診につないでもらえます。

相談先できること費用の目安ポイント
地域包括支援センター生活状況の確認、要介護認定申請のサポート、各種サービスへの橋渡し無料ご本人の同意がなくても家族や近隣の方から相談できます
ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)ケアプランの作成・見直し、サービスの調整要介護の方は自己負担なし認定済みの場合は、まず担当のケアマネジャーに現状を伝えます
かかりつけ医・もの忘れ外来診断、治療、症状の経過観察医療保険の範囲内で自己負担あり認知症の診断や薬の相談は主治医にご確認ください
介護の窓口(施設紹介の相談窓口)施設の空き状況の確認、見学の手配無料ショートステイや特養など、入居先の候補を探すときに利用できます

2026年時点の一般的な仕組みです。相談窓口の名称や体制は自治体によって多少異なる場合があります。

今すぐ使える施設サービスには、どのようなものがありますか?

結論在宅生活が難しいと感じたときは、ショートステイ(短期入所生活介護)なら数日から連続30日まで、特別養護老人ホーム(特養)の特例入所なら要介護1・2でも入居を検討できる場合があります。

「施設入居はまだ先の話」と考えていても、認認介護では在宅生活の安全が急に崩れることがあります。いきなり本入居を決めなくても、緊急避難的に使えるサービスがあります

もっとも使いやすいのはショートステイ(短期入所生活介護)です。介護者の体調不良やご本人の状態が不安定なときに、数日から利用できます。介護保険で利用できるのは連続30日までで、担当のケアマネジャーに相談すると比較的早く手配できることがあります。

特別養護老人ホーム(特養)は原則要介護3以上が入居の対象ですが、認認介護のように在宅生活の継続が困難でやむを得ない事情がある場合は、要介護1・2でも特例入所の対象になることがあります。地域によって入居までの待機が生じることもあるため、早めに市区町村や地域包括支援センターに相談しておくと安心です。

サービス対象・入居条件使える場面主な相談先
ショートステイ(短期入所生活介護)要支援・要介護の認定を受けている方(介護保険では連続30日まで利用可)介護者の休息や体調不良、緊急の宿泊先の確保ケアマネジャー
特別養護老人ホーム(特養)の特例入所原則要介護3以上。要介護1・2でも、認認介護などやむを得ない事情があれば対象になり得る在宅生活の継続が難しく、長期の入居を検討する場合市区町村・地域包括支援センター
介護老人保健施設(老健)要介護1以上。リハビリと医学管理を行いながら短期〜中期の入所が可能退院直後や、在宅復帰を目指しながら一時的に過ごす場合ケアマネジャー・病院の相談員
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)要支援2以上、認知症の診断があり、原則として施設と同一市区町村に住民票がある方認知症の症状に応じた少人数のケアを受けながら長期的に暮らす場合地域包括支援センター・ケアマネジャー

2026年時点の介護保険制度にもとづく一般的な整理です。空き状況や受け入れ基準は施設ごとに異なるため、個別の確認が必要です。関西で施設をお探しの場合は、介護の窓口の相談員が空き状況を無料でお調べします。

ケアマネジャーとは、どのように連携すればよいですか?

結論すでに要介護1〜5の認定を受けている場合は、担当のケアマネジャーに「認知症の症状が心配」「介護する側も不安がある」と率直に伝えることで、ケアプラン全体を見直してもらえます。ケアマネジャーへの相談は自己負担0円です。

ケアマネジャーは、ご本人とご家族の状況に合わせてケアプランを作成・調整する専門職です。「まだ大丈夫」と遠慮せず、気づいた変化をそのまま伝えることが連携の第一歩です。

伝える内容は、専門的な言葉でなくて構いません。「薬を飲み忘れることが増えた」「鍋を焦がすことがあった」「配偶者も物忘れが増えてきた」など、具体的な出来事をメモしておいて伝えると、状況が正確に伝わりやすくなります。

要支援1・2の方の場合は、担当が地域包括支援センターになります。窓口が分からないときも、まずは地域包括支援センターに問い合わせれば、適切な担当につないでもらえます。

  • 気になる出来事(いつ・何が起きたか)を具体的に伝える
  • 介護する側の体調や気持ちの変化も、遠慮せずあわせて伝える
  • デイサービス(通所介護)や訪問介護の回数を増やせないか相談する
  • ショートステイの定期利用や、緊急時の受け入れ先を確認しておく
  • 次回の訪問を待たず、心配なときはその都度連絡する

「まだ大丈夫」と思ってしまうときは、どう考えればよいですか?

結論「まだ大丈夫」と感じる背景には、家族に迷惑をかけたくないという気持ちや、症状を認めたくない気持ちがあります。ただし、要介護認定は申請から結果が出るまで原則30日以内かかるため、迷ったら申請だけでも早めに済ませておくと安心です。

認認介護のご家庭では、「まだ大丈夫」「もう少し自分たちで頑張れる」という言葉がよく聞かれます。長年連れ添った配偶者や、育ててもらった親のことを「認知症かもしれない」と認めるのは、家族にとって精神的につらい作業です。先延ばしにしてしまう気持ちは、自然な反応であり、決して怠慢ではありません。

介護の窓口の相談現場では、「様子がおかしいと感じてから半年以上、誰にも相談できずに一人で抱え込んでいた」というご家族のお話を数多く伺います。その間に通帳が見つからなくなったり、鍋を焦がして小さなボヤになりかけたりと、ヒヤリとする出来事が重なっていたケースも少なくありません。早めに相談したご家族の多くが、「もっと早く連絡すればよかった」と話されます

相談したからといって、その場ですぐに施設入居が決まるわけではありません。まずは状況を整理し、使える制度やサービスを知ることから始められます。要介護認定は申請から結果が出るまで原則30日以内で、効力は申請日にさかのぼるため、迷ったときほど申請だけでも早めに済ませておくと、その後の選択肢が広がります。

今日、何から始めればよいですか?

結論認認介護が心配なときに今日中にできる行動は、主に3つです。地域包括支援センターへの電話、気になる出来事の記録、そして遠方の家族との情報共有です。

認認介護は、気づいた時点で一つずつ手を打てば、共倒れや大きな事故を防げる可能性が高まります。「情報を集めるだけ」の相談も歓迎されますので、身構えずに、まず動いてみることが大切です

ステップやること所要時間の目安
1. 状況を記録する気になる出来事(飲み忘れ、鍋の焦げ跡など)をメモや写真に残す5分程度
2. 地域包括支援センターに電話するお住まいの地域の窓口に、心配な状況をそのまま伝える10〜15分程度
3. 要介護認定の申請状況を確認する未申請なら申請を検討し、申請済みならケアマネジャーに現状を伝える電話一本から
4. 家族と情報を共有する遠方のきょうだいや親族に状況を伝え、緊急連絡先を地域包括支援センターに登録する5分程度

所要時間はあくまで目安です。まずは電話一本からで大丈夫です。施設の情報収集を先に進めたい場合は、介護の窓口の相談員が、ご予算やご本人の状態に合う施設を無料でお調べします。

よくある質問

認認介護を一言でいうと、どのような状態ですか?

介護する人とされる人の両方、またはどちらか一方に認知症の症状がある状態のことです。老老介護がさらに進んだ状態を指す言葉として使われており、法律上の正式な定義ではありません。

認認介護と老老介護はどう違いますか?

老老介護は介護する人とされる人がともに65歳以上という年齢の組み合わせを表す言葉で、2022年の調査では在宅介護の63.5%を占めています。認認介護は年齢にかかわらず認知症の有無に着目した言葉で、老老介護の一部が時間の経過とともに認認介護に移行することがあります。

認認介護に気づいたら、まず何をすればいいですか?

お住まいの地域包括支援センターに連絡し、生活状況を見てもらうことが第一歩です。相談は無料で、ご本人の同意が得られなくても家族や近隣の方から相談できます。要介護認定がまだの場合は、申請もあわせて進めましょう。

認知症の症状がある家族を一人にしておくのは危険ですか?

火の不始末や服薬ミス、徘徊による事故のリスクがあるため、目を離す時間が長くなる場合は注意が必要です。日中の見守りが心配なときはデイサービス(通所介護)や訪問介護、見守り機器の利用を検討し、体調や症状で気になる点があるときは主治医にご相談ください。

特養にはすぐ入居できますか?

特別養護老人ホーム(特養)は原則要介護3以上が対象で、地域によって入居までの待機が生じることがあります。要介護1・2でも認認介護などやむを得ない事情があれば特例入所の対象になり得るため、まずはケアマネジャーや地域包括支援センターに相談することが第一歩です。

遠方に住んでいても対応できますか?

対応できます。地域包括支援センターに家族の連絡先を登録しておくと、異変があったときに連絡してもらえます。頻繁に帰省できない場合でも、電話や見守り機器の活用、ショートステイの手配などを地域包括支援センターやケアマネジャーと一緒に進められます。

参考(一次情報)

  • 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
  • 厚生労働省「地域包括支援センターの設置運営について」
  • 厚生労働省「介護保険制度の概要」

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