最終更新: 2026-07-13
ケアプランとは
ケアプランとは、要介護・要支援の方が使う介護サービスの内容や目標をまとめた計画書のことです。正式名称の居宅サービス計画書・施設サービス計画書と第1表〜第7表の構成、作成の流れ、自己負担が0円である理由、内容に納得できないときの相談方法をやさしく解説します。
この記事の要点
- ケアプランとは、要介護・要支援の方が使う介護サービスの内容や目標をまとめた計画書で、正式名称は居宅サービス計画書または施設サービス計画書です
- 居宅サービス計画書は第1表から第7表までの全7種類の書類で構成され、第1表〜第5表が計画、第6表〜第7表が費用の管理を担います
- ケアプランの作成・見直しにかかる費用の自己負担は0円で、要支援1・2の介護予防サービス計画書も同様に無料です
- 要支援1・2のケアプランは地域包括支援センターが、要介護1〜5のケアプランは居宅介護支援事業所のケアマネジャーが担当します
- 内容に納得できないときは、担当のケアマネジャーへの確認・変更依頼や、地域包括支援センターへの相談で見直せます
ケアプランとは何ですか?
結論ケアプランとは、要介護・要支援の認定を受けた方が使う介護サービスの内容や目標をまとめた計画書のことです。在宅の場合は居宅サービス計画書といい、第1表から第7表までの書類で構成されます。
ケアプランとは、正式名称を「居宅サービス計画書」(在宅の場合)または「施設サービス計画書」(施設に入所する場合)という、介護保険サービスを利用するための設計図にあたる書類のことです。要介護認定を受けたあと、ケアマネジャーが本人・家族への聞き取りをもとに作成し、どのサービスを、いつ、どれくらい使うかを1つの計画にまとめたものです。
介護保険のサービスは、原則としてこのケアプランに沿って利用します。訪問介護やデイサービスなど複数の事業者からサービスを受ける場合でも、ケアプランが1つの窓口となって、サービス全体の整合性を保つ役割を果たします。
ケアプランは、本人やご家族だけでなく、ケアマネジャーや実際にサービスを提供する事業者も、同じ内容の計画書を共有しながら動きます。関わる人たちが同じ目標を見て動けるようにする、いわば介護の共通言語のような書類です。
はじめてケアプランを受け取ると、見慣れない表と専門用語の多さに戸惑う方が少なくありません。ですが書類そのものは、本人の暮らしの目標を実現するための「計画メモ」のようなものです。次の章から、書類の種類と中身を1つずつ確認していきましょう。
ケアプランにはどんな種類がありますか?
結論ケアプランには、要介護1〜5の方が使う居宅サービス計画書、施設に入所する方が使う施設サービス計画書、要支援1・2の方が使う介護予防サービス計画書の3種類があります。
「ケアプラン」は、次の3種類をまとめた通称です。呼び方や作成する専門職は異なりますが、本人の暮らしを支える計画書という役割は共通しています。
施設サービス計画書が使われる代表的な施設が、特別養護老人ホーム(特養、原則要介護3以上が対象)と介護老人保健施設(老健、要介護1以上が対象)です。こうした施設に入所すると、居宅サービス計画書に代わって施設サービス計画書が作られ、担当も施設のケアマネジャーに引き継がれます。
| 種類 | 対象となる方 | 作成する専門職 |
|---|---|---|
| 居宅サービス計画書 | 在宅で介護サービスを利用する要介護1〜5の方 | 居宅介護支援事業所のケアマネジャー(介護支援専門員) |
| 施設サービス計画書 | 介護保険施設に入所する方 | 施設に配置されているケアマネジャー(施設ケアマネジャー) |
| 介護予防サービス計画書 | 在宅で介護予防サービスを利用する要支援1・2の方 | 地域包括支援センター(委託を受けた居宅介護支援事業所が担当する場合もあります) |
この記事では、家族が最初に受け取ることの多い居宅サービス計画書を中心に解説します(2026年時点)。
ケアプランの第1表〜第7表にはどんな内容が書かれていますか?
結論居宅サービス計画書は第1表から第7表までの全7種類の書類で構成され、第1表〜第5表が計画と記録、第6表〜第7表がサービスの利用実績と費用の管理を担います。
書類を渡されたら、まず第1表の「生活に対する意向」が本人の気持ちとずれていないかを確認するのがおすすめです。第2表の目標とサービス内容は、この意向を実現するための具体策として書かれています。
第6表・第7表は主にサービスの利用予定と費用を確認するための書類です。金額の見方に迷ったときは、担当のケアマネジャーに確認すれば説明してもらえますので、最初から細部まで読み込む必要はありません。
書類の名前だけを見ると難しく感じますが、役割ごとに整理すると理解しやすくなります。第1表から第7表までの全体像を表にまとめました。
| 表 | 名称 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 第1表 | 居宅サービス計画書(1) | 本人・家族の生活に対する意向、援助の方針、認定情報など計画全体の土台となる情報 |
| 第2表 | 居宅サービス計画書(2) | 生活上の課題(ニーズ)ごとの長期目標・短期目標と、利用するサービスの種類・頻度 |
| 第3表 | 週間サービス計画表 | 1週間のサービス利用スケジュールを、曜日と時間帯で示した表 |
| 第4表 | サービス担当者会議の要点 | サービス担当者会議で話し合った内容や出席者、結論の記録 |
| 第5表 | 居宅介護支援経過 | モニタリング訪問など、ケアマネジャーによる支援経過の記録 |
| 第6表 | サービス利用票 | 1か月に利用するサービスの予定と、介護保険から給付される金額の一覧 |
| 第7表 | サービス利用票別表 | サービスごとの単位数や費用の内訳明細 |
厚生労働省「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目について」に基づく標準様式です(2026年時点)。事業所によって書式の細部が異なる場合があります。
ケアプランはどんな流れで作られますか?
結論アセスメント(聞き取り)、原案の作成、サービス担当者会議、本人・家族の同意、交付という5つのステップで作られます。認定結果が出る前でも、暫定ケアプランを使ってサービスを始められます。
介護の窓口の相談現場では、要介護認定の結果が出るまでサービスを使えないと思い込んでいるご家族によくお会いします。実際には、認定結果が出る前でも、見込まれる要介護度をもとにした暫定ケアプランを使ってサービスを始められます。
ただし、想定より軽い認定結果が出ると、限度額を超えた分が自己負担になる可能性があります。暫定ケアプランで進めるときは、想定される要介護度の根拠もあわせて、ケアマネジャーとよく相談しておくと安心です。
正式なケアプランは、次の5つのステップを経て完成します。どの段階でも本人・家族の意見を伝える機会がありますので、遠慮せずに希望を伝えて大丈夫です。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. アセスメント | ケアマネジャーが自宅を訪問し、心身の状態や暮らしの困りごと、本人・家族の希望を聞き取ります |
| 2. 原案の作成 | 聞き取った内容をもとに、目標とサービスの組み合わせを盛り込んだ原案(第1表〜第3表)を作成します |
| 3. サービス担当者会議 | 原案をもとに、利用予定の事業者やケアマネジャーが集まり、支援の方針を確認・調整します |
| 4. 本人・家族の同意 | 内容の説明を受けたうえで本人が同意すると、正式なケアプランとして確定します |
| 5. 交付・サービス開始 | 本人・家族と、利用する事業者それぞれにケアプランが交付され、サービスが始まります |
厚生労働省の運営基準に基づく一般的な流れです(2026年時点)。体調に変化があったときも、同じステップを踏んでケアプランを見直します。
ケアプランの作成費用に自己負担はありますか?
結論ケアプランの作成・見直しにかかる費用の自己負担は0円です。居宅介護支援・介護予防支援(要支援1・2)のどちらも、費用は介護保険から全額給付されます。
ケアプランを作成してもらう費用(居宅介護支援・介護予防支援)は、利用者の自己負担が0円です。訪問介護やデイサービスなど個々のサービスには所得に応じて1〜3割の自己負担がありますが、ケアプランの作成そのものにお金はかかりません。回数の制限もなく、体調の変化に合わせて何度でも見直してもらえます。
| ケアプランの種類 | 対象 | 利用者の自己負担 |
|---|---|---|
| 居宅介護支援(ケアプラン作成) | 要介護1〜5の方 | 0円(費用は全額介護保険から給付) |
| 介護予防支援(ケアプラン作成) | 要支援1・2の方 | 0円(費用は全額介護保険から給付) |
厚生労働省の介護報酬の仕組みに基づく整理です(2026年時点)。訪問介護やデイサービスなど、実際に利用する個々のサービスには所得に応じて1〜3割の自己負担があります。
ケアプランは自分で作ることもできますか?
結論セルフケアプランとして自分で作ることも制度上は可能です。費用は同じく0円ですが、事業者調整や毎月の書類提出まですべて自分で行う必要があり、ハードルは高めです。
ケアプランは、ケアマネジャーに依頼せず、利用者本人や家族が自分で作成する「セルフケアプラン」という方法も制度上認められています。市区町村や地域包括支援センターに、居宅サービス計画作成依頼(自己作成)の届出をすることで進められます。
ただし、実際に取り組むにはいくつものハードルがあります。利用したい事業者を自分で探して交渉し、サービスごとの単位数を計算して第1表〜第7表に相当する書類を作成し、サービス担当者会議も自分で開催する必要があります。毎月、利用実績をまとめた書類を期限までに市区町村へ提出する必要もあり、毎月の事務作業を自分で継続する負担が生じます。
こうした負担から、実際にセルフケアプランを選ぶ方はごく一部にとどまります。「ケアマネジャーの提案に頼らず自分で決めたい」という考え自体は自然なことですが、まずはケアマネジャーに率直に希望を伝えて相談してみることでも、本人の意向を反映したケアプランに近づけられます。
ケアプランの内容に納得できないときはどうすればいいですか?
結論担当のケアマネジャーへの確認や変更依頼は、回数の制限なく0円で行えます。伝えにくいときや状況が変わらないときは、地域包括支援センターに相談する方法もあります。
ケアプランは、一度渡されたら変更できないものではありません。内容は本人・家族の同意があって初めて確定するものなので、「このサービスは減らしたい」「別の目標を優先したい」といった希望は、遠慮なく伝えてかまいません。
不満や疑問が生まれる背景には、初回の聞き取り(アセスメント)の時間が限られていたことや、本人が本音を伝えきれなかったことなど、伝達の行き違いによる場合も少なくありません。誰かを責める前に、まずは具体的にどの部分が気になるのかを整理して伝えると、話がスムーズに進みやすくなります。
| 困りごとの内容 | 主な相談先 |
|---|---|
| サービス内容や目標を見直したい | 担当のケアマネジャー(まずはここに伝えるのが基本です) |
| 説明に納得できない・伝えても変わらない | 居宅介護支援事業所の管理者、または地域包括支援センター |
| 担当者を変えたい | 居宅介護支援事業所の管理者、または地域包括支援センター |
| 制度や手続きについて確認したい | 市区町村の介護保険窓口 |
どの相談も無料です(2026年時点)。ケアプランの変更は、本人・家族の同意のもとで随時見直せます。
ケアプランとケアマネジャーはどう違いますか?
結論ケアプランは介護サービスの内容をまとめた計画書そのもの、ケアマネジャーは月1回以上のモニタリング訪問を通じてその計画書を作成・見直す専門職です。両者はセットで機能します。
「ケアプラン」と「ケアマネジャー」は混同されやすい言葉ですが、ケアプランは書類(計画)、ケアマネジャーはその書類を作る専門職(人)という違いがあります。ケアプランの中身だけを見ていても、なぜこの内容になったのかは分かりにくいものです。作成の経緯や今後の見直し方針は、担当のケアマネジャーに直接尋ねるのが一番の近道です。
ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事内容や探し方、費用の仕組み、担当が合わないときの変更方法は、ケアマネジャーとはの記事で詳しく解説しています。ケアプランの内容について迷ったときも、担当のケアマネジャーとの関係を整理する参考にしてみてください。
ケアプランを受け取ったら、まず何をすればいいですか?
結論本人の意向が反映されているか第1表・第2表を確認し、気になる点は担当のケアマネジャーに率直に伝えることから始めましょう。疑問が解消しないときは、地域包括支援センターに相談する方法もあります。
ケアプランは、一度作られたら固定される書類ではなく、本人の状態や希望の変化に合わせて、家族も一緒に見直していける計画書です。難しい専門用語に気後れせず、分からないところは遠慮なく質問してかまいません。
在宅での介護が難しくなり、施設への住み替えも視野に入ってきた場合は、ケアマネジャーへの相談とあわせて、介護の窓口の無料相談で施設の費用や空き状況をお調べすることもできます。ケアマネジャーと連携しながら進められますので、お気軽にご相談ください。
最後に、はじめてケアプランを受け取ったときに確認しておきたいポイントを整理しました。
- 第1表の「生活に対する意向」が本人の気持ちと合っているかを確認しましょう
- 第2表の目標とサービス内容が、その意向に沿っているかを見比べましょう
- 疑問点は費用を気にせず、担当のケアマネジャーに率直に伝えましょう
- 伝えにくい・改善しないときは、地域包括支援センターに相談しましょう
よくある質問
ケアプランを一言でいうと何ですか?
ケアプランとは、要介護・要支援の方が使う介護サービスの内容や目標を1つにまとめた計画書のことです。正式名称は居宅サービス計画書(在宅)または施設サービス計画書(施設)で、原則としてケアマネジャーが作成し、作成費用の自己負担は0円です。
ケアプランは自分で作ることもできますか?
制度上は、利用者本人や家族が作成する「セルフケアプラン」も認められています。ただし事業者との調整や単位数の計算、毎月の書類の市区町村への提出まで自分で行う必要があり、実際に選ぶ方はごく一部にとどまります。まずはケアマネジャーへの依頼を基本に考えるとよいでしょう。
ケアプランの作成に費用はかかりますか?
かかりません。居宅介護支援・介護予防支援のどちらも費用は介護保険から全額給付されるため、ケアプランの作成・見直しにかかる利用者の自己負担は0円です。
ケアプランはどのくらいの頻度で見直されますか?
月1回以上のモニタリング訪問のたびに内容が確認され、体調やサービスの利用状況に変化があれば随時見直されます。回数の制限はなく、本人・家族から見直しを希望することもできます。
ケアプランの内容に納得できないときはどうすればよいですか?
まずは担当のケアマネジャーに気になる点を具体的に伝え、説明や変更を依頼しましょう。伝えにくいときや状況が変わらないときは、地域包括支援センターや市区町村の介護保険窓口に相談する方法もあります。
居宅サービス計画書と施設サービス計画書は何が違いますか?
居宅サービス計画書は在宅で介護サービスを利用する要介護1〜5の方向け、施設サービス計画書は特別養護老人ホーム(特養、原則要介護3以上)や介護老人保健施設(老健、要介護1以上)などの介護保険施設に入所する方向けの書類です。入所すると担当が施設のケアマネジャーに引き継がれ、書類も切り替わります。
参考(一次情報)
- 厚生労働省「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目について」
- 厚生労働省「介護支援専門員(ケアマネジャー)」
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」
記事を読んでも迷ったら、相談できます
ご家族の状況に当てはめてどうなのかは、相談員が一緒に整理します。無料です。
無料相談はこちら