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最終更新: 2026-07-20

リバースモーゲージとは?介護費用への活用とデメリットを解説

リバースモーゲージとは、自宅を担保に借り入れ、生存中は利息のみを返済し、契約者の死亡後に自宅の売却などで元金を一括返済する仕組みのローンです。介護費用への活用法や取り扱う金融機関、メリットとデメリット、リースバックとの違いをやさしく解説します。

この記事の要点

  • リバースモーゲージとは、自宅などの不動産を担保に借り入れ、生存中は利息のみを返済し、死亡後に元金を一括返済する仕組みのローンで、融資限度額は不動産評価額のおおむね50〜60%程度が目安です
  • 取り扱いは、都市銀行や地方銀行など民間金融機関、満60歳以上を対象とする住宅金融支援機構「リ・バース60」、市区町村の社会福祉協議会という3つの窓口に大きく分かれます
  • 最大のメリットは自宅に住み続けながら資金を調達できることですが、金利上昇・担保割れ・推定相続人の同意・対象エリアや物件種別の制限という4つの点がデメリットとしてよく指摘されます
  • 社会福祉協議会の不動産担保型生活資金は、土地評価額のおおむね70%を上限に月30万円以内を貸し付ける制度で、貸付利率は年3%または長期プライムレートの低いほうが適用されます
  • 対象年齢の目安は、民間金融機関の商品でおおむね50歳台から、リ・バース60は満60歳以上、不動産担保型生活資金はおおむね65歳以上と、窓口によって異なります

リバースモーゲージとは、どのような仕組みのローンですか?

結論リバースモーゲージとは、自宅などの不動産を担保にお金を借り、契約者が生きている間は利息のみを返済し、死亡後に自宅の売却などで元金を一括返済する仕組みのローンです。融資限度額は不動産評価額のおおむね50〜60%程度が目安とされています。

リバースモーゲージとは、直訳すると逆の住宅ローンという意味を持つ仕組みです。毎月の返済で借入残高を減らしていく通常の住宅ローンとは反対に、契約時に借りたお金の元金部分は返済せず、利息分だけを毎月支払い続ける点が特徴です。契約者が亡くなったあと、相続人が自宅を売却するなどして、その代金で元金をまとめて返済するのが基本的な流れになります。

仕組みを時系列で整理すると、大きく3つの段階に分かれます。担保設定と借り入れの開始、存命中の利息のみの返済、そして死亡後の元金一括返済という流れです。それぞれの段階を整理すると、次の表のようになります。

契約の型には、死亡後の売却代金だけで完済できなかった場合に相続人へ追加の返済を求めない「ノンリコース型」と、不足分の返済を求める「リコース型」があります。ノンリコース型のほうが相続人の負担は軽くなりますが、その分金利はやや高めに設定されるのが一般的です。

段階誰が何をするかお金の動き
1. 契約時自宅などの不動産を担保に契約を結び、借入枠を設定します初回の借り入れ、または利用の開始
2. 存命中自宅に住み続けながら、借りた元金はそのままに利息分だけを支払います毎月(または一定期間ごと)の利息の支払いのみ
3. 契約終了時(死亡後)相続人が自宅を売却する、または現金で一括返済して契約を清算します元金の一括返済

住宅金融支援機構「リ・バース60」及び厚生労働省「不動産担保型生活資金貸付制度」の一般的な仕組みをもとにした概要です。2025年1月からは全期間固定金利タイプを導入する金融機関も出てきています(参照時点: 2026年7月)。流れや条件は契約する金融機関・制度により異なります。

リバースモーゲージが介護費用や老後資金の調達手段として注目されるのは、なぜですか?

結論リバースモーゲージが介護費用や老後資金の調達手段として注目される背景には、自宅はあっても現金は少ないという高齢者世帯が多いことがあります。有料老人ホームの入居一時金は施設によって0円から数千万円までと幅があり、資金確保の選択肢として関心が高まっています。

平均寿命が延びて老後の期間が長くなる一方、年金収入だけでは老後の生活費や介護費用をまかないきれないと感じる方は少なくありません。高齢者世帯の資産は預貯金より自宅などの不動産に偏っていることが多く、自宅を手放さずに現金を確保できる手段として関心が高まっています。

老人ホームに入居する場合、施設の種類によって入居時にまとまった一時金が必要になることがあります。介護スタッフが24時間常駐する介護付有料老人ホーム(介護付、要介護度に応じた施設で入居一時金は0円〜数百万円以上と幅がある)や、生活支援サービス中心の住宅型有料老人ホーム(住宅型、入居一時金は施設ごとに異なる)では、数百万円規模の一時金が設定されている場合もあり、預貯金だけでは用意しづらいと感じたときの選択肢として検討されます。

一方、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住、安否確認と生活相談のサービスがつき自立〜軽介護の方が入居できる賃貸住宅)は敷金が家賃の2〜3ヶ月分程度、原則要介護3以上の方が対象の特別養護老人ホーム(特養、公的施設で入居一時金は原則不要)は一時金が不要と、施設によって初期費用の有無は大きく異なります。自宅での生活を続ける場合でも、介護保険サービスの自己負担やリフォーム費用に資金をあてるケースがあります。

リバースモーゲージは、どこで申し込むことができますか?

結論リバースモーゲージは、都市銀行や地方銀行などの民間金融機関、住宅金融支援機構「リ・バース60」、市区町村の社会福祉協議会という3つの窓口で取り扱われており、対象年齢や資金の使いみちの条件がそれぞれ異なります。

1つ目は、都市銀行や地方銀行、信託銀行などの民間金融機関です。資金の使いみちを幅広く設定できる商品が多い一方、取扱いエリアを都市部に限定していることが多く、金利は変動金利が中心です。全国銀行協会では、商品を検討する際の一般的な注意点が公表されています。

2つ目は、住宅金融支援機構が取り扱う「リ・バース60」です。満60歳以上の方が対象で、新築・購入やリフォーム、サ高住などの入居一時金にあてられる商品もあります。毎月の支払いを利息のみに抑えられる公的な住宅ローンで、全国の提携金融機関を通じて申し込みます。

3つ目は、市区町村の社会福祉協議会が窓口の「不動産担保型生活資金」です。低所得の高齢者世帯の生活を支える公的な貸付制度で、貸付限度額は土地評価額のおおむね70%、貸付月額は30万円以内を3ヶ月ごとに貸し付け、貸付利率は年3%または長期プライムレートの低いほうが適用されます。

窓口対象となる方の目安資金の使いみち・特徴
民間金融機関(都市銀行・地方銀行・信託銀行など)金融機関ごとに定める年齢(目安50歳台〜60歳以上)の方使いみちの幅が広い商品が多く、金利・融資限度額・対象エリアは金融機関ごとに異なります
住宅金融支援機構「リ・バース60」(提携金融機関で取扱い)満60歳以上の方(満50歳台の方は融資限度額が低く設定される場合があります)新築・購入やリフォーム、住み替えなど用途を定めた公的住宅ローンです
市区町村の社会福祉協議会「不動産担保型生活資金」住民税非課税程度の低所得高齢者世帯(おおむね65歳以上)生活費として月30万円以内を3ヶ月ごとに貸し付ける制度です

住宅金融支援機構、全国銀行協会、厚生労働省の公表資料をもとにした2026年7月時点の一般的な目安です。対象年齢・融資条件・取扱エリアは金融機関や制度、時期により異なるため、詳細は各窓口への確認が必要です。

リバースモーゲージには、どのようなメリットがありますか?

結論リバースモーゲージの最大のメリットは、自宅に住み続けながらまとまった資金を調達できることです。仮に借入残高500万円・金利年3%とすると、毎月の返済(利息分)はおよそ12,500円が目安です。

リバースモーゲージのメリットは、資金を得られること自体だけでなく、これまでどおりの暮らし方の選択肢を保てる点にもあります。代表的なメリットを整理すると、次のとおりです。

  • 住み慣れた自宅に住み続けられる: 売却や賃貸への切り替えをせずに、これまでどおりの生活を続けながら資金を確保できます
  • 毎月の返済負担を抑えやすい: 支払うのは利息分だけで、通常の住宅ローンのように毎月の元金返済を積み重ねる必要がありません
  • まとまった資金をタイミングよく受け取れる: 一括で受け取る方式のほか、融資枠の範囲内で必要なときに借りられる方式もあります
  • 老後の選択肢を広げられる: 施設の入居一時金やリフォームの費用など、預貯金だけでは用意しづらい資金にあてられます

リバースモーゲージには、どのようなデメリットやリスクがありますか?

結論リバースモーゲージのデメリットとしては、金利上昇・担保割れ・推定相続人の同意・対象エリアや物件種別の制限という4つの点がよく指摘されます。契約前にそれぞれの内容を確認しておくことが大切です。

リバースモーゲージは、生存中の返済負担を抑えられる一方、契約が長期間にわたる仕組みだからこそ確認しておきたい点もあります。いずれも必ず起こるものではありませんが、内容を理解したうえで検討することが安心につながります。

リスク内容備考
金利上昇リスク多くの商品が変動金利のため、契約後に市場金利が上昇すると、毎月支払う利息の額が増えます元金は減らないため、生存期間が長くなるほど支払う利息の総額も増えていきます
担保割れのリスク地価の下落や借入期間の長期化により、将来の借入残高が担保となる不動産の評価額を上回ることがありますリコース型では不足分の返済を求められる場合がありますが、ノンリコース型では求められないのが一般的です
推定相続人の同意が必要になる場合が多い契約時に、将来相続人となる予定の方(推定相続人)の同意や連帯保証を求める商品・制度が多くあります同意が得られないと契約できない場合があるため、早めに家族で話し合っておくことが望まれます
対象エリアや物件種別が限られる一戸建てが中心で、マンションは対象外や低い評価になる場合があり、取扱いエリアも都市部中心の商品が多くあります希望する自宅が対象になるかどうかは、事前に金融機関や社会福祉協議会への確認が必要です

住宅金融支援機構、全国銀行協会、厚生労働省の公表資料をもとにした一般的な傾向です(参照時点: 2026年7月)。実際の条件や取扱いの可否は、契約する金融機関・制度、担保となる不動産の状況によって異なります。

リバースモーゲージとリースバックは、何が違いますか?

結論リバースモーゲージは自宅の所有権を保ったまま借り入れる仕組みであるのに対し、リースバックは自宅を売却して所有権を手放す仕組みで、資金の受け取り方など5つの点で違いがあります。

リバースモーゲージとリースバックは、どちらも自宅を活用して資金を調達する方法ですが、仕組みは大きく異なります。違いを整理すると、次の表のとおりです。

所有権を手放したくない、将来的に子や孫に自宅を引き継ぎたいという意向が強い場合はリバースモーゲージ、まとまった資金を早く受け取りたい場合や月々の利息負担より家賃のほうがわかりやすい場合はリースバックが検討されることがあります。

比較する点リバースモーゲージリースバック
自宅の所有権契約者本人が保有し続けます売却によって買主(リースバック事業者など)に移ります
資金の受け取り方融資枠の範囲内での借り入れで、利息の支払いが必要です売却代金として、契約時にまとまった金額を一括で受け取れます
住み続けるための支払い生存中は利息のみの返済です売却後は買主に家賃を払い続ける必要があります
契約終了・清算のタイミング契約者の死亡後、相続人が売却などで元金を一括返済します売買契約の時点で清算が完了し、死亡時の精算は発生しません
将来の自宅の扱い売却していないため、買い戻しという概念はありません商品によっては、将来買い戻せる特約が用意されている場合があります

一般的な商品性を比較した2026年7月時点の目安です。実際の条件(所有権移転の有無、家賃や金利の水準、買い戻し特約の有無など)は、契約する金融機関・事業者により異なります。

リバースモーゲージが向いているのは、どのような人ですか?

結論リバースモーゲージが向いているかどうかは、6つのポイントで整理できます。自宅に住み続けたい意向が強く、自宅以外にも相続させられる資産がある方には向いていますが、自宅をそのままの形で子や孫に残したい方には不向きな場合があります。

リバースモーゲージは、誰にとっても万能な資金調達方法というわけではありません。仕組みへの理解に加えて、ご自身の希望やご家族の状況によって向き不向きが分かれます。

  • 向いている人: 住み慣れた自宅に、できるだけ長く住み続けたいと考えている方
  • 向いている人: 資産の中心が自宅で、預貯金だけではまとまった資金を用意しづらい方
  • 向いている人: 自宅以外にも相続させたい資産があり、家族の理解を得やすい方
  • 向いていない人: 自宅をそのままの形で子や孫に残したいという意向が強い方
  • 向いていない人: 将来、施設への入居などで自宅を離れる可能性が高く、住み続ける前提が崩れやすい方
  • 向いていない人: 相続人となる家族の同意を得るのが難しい事情がある方

リバースモーゲージを検討するときは、どこに相談すればよいですか?

結論リバースモーゲージを検討するときは、契約を決める前に2つ以上の窓口で条件を比較することが大切です。取扱金融機関のほか、市区町村の社会福祉協議会や地域包括支援センターでも制度の説明を受けられます。

民間金融機関の商品を検討する場合は、複数の金融機関で金利や融資限度額、使いみちの条件を比較し、重要事項説明の内容をご家族と確認することをおすすめします。契約内容や返済シミュレーションは、ファイナンシャルプランナーや弁護士(法テラスなど)にも相談できます。

社会福祉協議会の不動産担保型生活資金を検討する場合は、お住まいの市区町村の社会福祉協議会が相談窓口です。対象要件や必要書類、連帯借受人・連帯保証人の選任は、申し込み前に確認しておくと安心です。

介護の窓口の相談現場では、親の介護費用や自分の老後資金への不安から、自宅を活用した資金調達に関心を持たれるご家族からのご相談を数多くお受けします。資金調達そのものだけでなく、施設の費用や年金収入とあわせた資金計画を一緒に整理することもできますので、ひとつの方法に絞り込む前に、まずは全体の見通しから相談してみることをおすすめします。

介護施設の費用とあわせてご自宅の活用方法を相談したい場合は、介護の窓口(関西4府県・大阪、京都、兵庫、奈良対応)の相談員が、ご予算に合う施設探しや資金計画のご相談を無料でお受けしています。エリア外にお住まいの方は、お近くの地域包括支援センターにご相談ください。

よくある質問

一言でいうと、リバースモーゲージとはどのような仕組みですか?

一言でいうと、リバースモーゲージとは、自宅などの不動産を担保に借り入れ、生存中は利息のみを返済し、契約者の死亡後に元金を一括返済する仕組みのローンです。融資限度額は不動産評価額のおおむね50〜60%程度が目安で、自宅に住み続けながら資金を調達できる点が特徴です。

リバースモーゲージは、何歳から利用できますか?

リバースモーゲージを利用できる年齢は窓口によって異なります。住宅金融支援機構の「リ・バース60」は満60歳以上が対象で、満50歳台の方は融資限度額が担保評価額の30%程度に抑えられる場合があります。不動産担保型生活資金は、おおむね65歳以上の低所得高齢者世帯が対象です。

マンションでもリバースモーゲージを利用できますか?

マンション(区分所有建物)は対象外の商品や評価額が低く算定される場合が多く、土地の評価額がある一戸建てを中心に取り扱われるのが一般的です。利用可否は金融機関や制度ごとに確認が必要です。

契約には、家族の同意が必要ですか?

リバースモーゲージの契約では、多くの商品・制度で、将来相続人となる予定の方(推定相続人)の同意や連帯保証を求められるのが一般的です。相続人が複数いる場合は、契約前に家族で話し合っておくとトラブルを防ぎやすくなります。

リバースモーゲージとリースバックは、どちらを選べばよいですか?

リバースモーゲージとリースバックのどちらがよいかは、一律には決められません。自宅の所有権を保ちながら住み続けたい場合はリバースモーゲージ、まとまった資金を早く一括で受け取りたい場合はリースバックが選択肢になります。

将来、借入残高が自宅の評価額を上回ったらどうなりますか?

借入残高が自宅の評価額を上回る担保割れが起きた場合、対応は契約の型によって異なります。ノンリコース型では相続人に不足分の返済を求めないのが一般的ですが、リコース型では不足分の返済が必要になる場合があります。契約前に金融機関や社会福祉協議会へ確認しておくと安心です。

参考(一次情報)

  • 住宅金融支援機構「リ・バース60」
  • 一般社団法人全国銀行協会
  • 厚生労働省「生活福祉資金貸付制度(不動産担保型生活資金)」
  • 厚生労働省「介護保険制度の概要」

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