最終更新: 2026-07-13
認知症の帰宅願望への対応
帰宅願望とは、認知症のある方が今いる場所を自分の家と認識できず「家に帰りたい」と繰り返し訴える行動・心理症状(BPSD)です。夕暮れ症候群とも呼ばれるこの症状が起こる理由と、否定せずに気持ちを受け止める声かけの具体例、施設という選択肢までやさしく解説します。
この記事の要点
- 帰宅願望とは、今いる場所を自分の家と認識できず「家に帰りたい」と繰り返し訴えるBPSD(行動・心理症状)で、夕方に強まりやすいことから「夕暮れ症候群」とも呼ばれます
- 見当識障害によって今の環境に安心感を持てないことが背景にあるとされ、「ここはあなたの家です」と正面から否定すると不安や興奮を強めやすいといわれています
- 声かけの基本は、否定せずにいったん気持ちを受け止めてから、飲み物や役割のある作業など別のことに気持ちをそらす2段階の対応です
- 警察庁の統計では、認知症が原因の行方不明者の届出は2024年に18,121人にのぼり、無理に引き止めることが転倒や外出中の行方不明につながる危険もあります
- 頻度や興奮の強さが増して在宅での対応が難しくなった場合は、要支援2以上・認知症の診断があれば入居できるグループホーム(認知症対応型共同生活介護、月12〜18万円前後が目安)も選択肢になります
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帰宅願望とはどのような症状ですか?
結論帰宅願望とは、認知症のある方が、今いる場所を自分の家と認識できず、「家に帰りたい」と繰り返し訴えたり、荷物をまとめて出て行こうとしたりする行動・心理症状(BPSD)のひとつです。夕方に強まりやすいことから「夕暮れ症候群」とも呼ばれています。
帰宅願望(帰宅要求)とは、認知症にともなうBPSD(行動・心理症状)の代表的な症状のひとつです。自宅にいても施設にいても起こることがあり、「そろそろ家に帰ります」「子どもが待っているので帰らないと」と訴えて、玄関で靴を履こうとしたり、身の回りの物をかばんに詰めて出かける支度を始めたりする姿がよく見られます。
自宅で長年暮らしてきたご本人でも、「家に帰りたい」と訴えることがあります。今の自宅を、記憶の中にある別の時期の家(結婚前の実家や、子育て中に住んでいた家など)と混同していたり、今が何十年も前の時期だと感じていたりするために起こると考えられています。「今のあなたの家はここです」という説明が本人には伝わりにくいのは、こうした背景があるためです。
帰宅願望が夕方の時間帯に強まりやすい状態は「夕暮れ症候群」と呼ばれ、日中の疲れや、日没にともなう部屋の明るさの変化が影響しているとされています。家庭や社会での役割を担っていた時代に戻りたいという気持ちの表れと考えられることもあり、わがままや気まぐれで言っているわけではありません。
帰宅願望はなぜ起こるのですか?
結論帰宅願望の背景には見当識障害があるとされ、今いる時間や場所を正しくとらえられないために、今の環境に安心感を持てず、安心できる場所として「家」を求めていると考えられています。
帰宅願望の背景には、認知症の中核症状のひとつである見当識障害(今の時間・場所・人物を正しく認識できなくなる症状)があるとされています。見当識障害があると、今日が何年の何月か、今いる建物がどこかといった感覚があいまいになり、見慣れたはずの居間や自室であっても「知らない場所」のように感じられてしまうことがあります。
見知らぬ場所にいると感じれば、不安になって安心できる場所を探すのは自然な反応です。多くの場合、その「安心できる場所」として思い浮かぶのが、心に強く残っている過去のある時期の家や、家族の役割を担っていた頃の暮らしだと考えられています。「夕食の支度をしなければ」「子どもを迎えに行かないと」といった訴えも、この時期の記憶と結びついていることが少なくありません。
夕方に近づくと、日中の活動による疲労や、部屋が薄暗くなることで見え方や物の判別がしづらくなることが加わり、見当識障害による混乱がさらに強まりやすいといわれています。トイレに行きたい、お腹がすいた、体のどこかに痛みがあるといった身体的な不快感が引き金になっていることもあるため、訴えが増えたときは体調の変化がないかも確認してみてください。
「ここはあなたの家です」と否定するとどうなりますか?
結論「ここはあなたの家です」と正面から否定する対応は、本人の不安や混乱をかえって強め、興奮や強い抵抗につながりやすいとされています。正しさよりも安心を優先する対応が基本です。
「何を言っているの、ここがあなたの家でしょう」と説得したくなる気持ちはとてもよく分かります。しかし本人にとっては、今いる場所が家だと感じられていないことが現実であり、正論で説明しても納得にはつながりにくいとされています。それどころか、「分かってもらえない」という孤立感や不信感が強まり、不安や興奮がかえって大きくなることがあります。
無理に引き止められたと感じると、大声を出す、家族の腕を振り払おうとするなど、抵抗が強くなることも報告されています。「間違いを正す」よりも「気持ちを受け止める」ことを優先するのが、帰宅願望への対応の基本的な考え方です。
とはいえ、つい否定してしまったからといって、それまでの介護が間違っていたわけではありません。多くのご家族が、最初は説得しようとして疲れてしまった経験をお持ちです。次の章で紹介する声かけの型を知っておくだけでも、とっさの対応がぐっと楽になります。
「家に帰りたい」と言われたら何と声をかければいいですか?
結論帰宅願望への声かけは、否定せずにいったん気持ちを受け止めてから、飲み物や作業など別のことに気持ちをそらす2段階が基本です。「そうですね、帰りましょうか」と応じてから話題を変えると、落ち着きやすいとされています。
声かけのコツは、「受け止める」→「共感する」→「気持ちをそらす」という流れを意識することです。いきなり説得や誘導に入るのではなく、まず「帰りたいのですね」「ご心配ですね」と気持ちを言葉にして受け止めるだけで、本人の緊張がやわらぐことがあります。
そのうえで、「もう遅いので、今夜はここに泊まっていただけますか」「お迎えが来るまで、お茶を飲んで待ちましょう」など、今すぐ帰らなくても大丈夫だと感じられる理由を添えます。危険がなければ、実際に玄関まで一緒に歩いてから「今日はもう暗いので、明日にしましょうか」と切り上げる方法も、多くのご家庭で使われています。
洗濯物をたたむ、野菜の皮をむくといった、本人が得意だった家事をお願いするのも効果的とされています。「帰る前に、これだけ手伝ってもらえますか」と役割をお願いすることで、自然に気持ちが今の作業へ切り替わることがあります。うまくいった声かけは、家族間やケアマネジャー・施設の職員とメモを共有しておくと、対応がぶれずに済みます。
| 場面 | 避けたい対応 | おすすめの声かけ |
|---|---|---|
| 「家に帰ります」と荷物をまとめ始めた | 「ここがあなたの家でしょう」と正面から否定する | 「そうなんですね、帰りましょうか」といったん受け止める |
| 「子どもを迎えに行かないと」と焦っている | 「もう子どもは大人でしょう」と事実を突きつける | 「今日は私が迎えに行っておきましたよ」と安心させる |
| 夕方になると特に落ち着かなくなる | 「さっきも同じこと言ったでしょ」と指摘する | 「もうすぐ夕食ですから、一緒に準備しましょう」と役割に誘う |
| 説得しても納得せず、外に出ようとする | 力ずくで引き止める、通路をふさぐ | 危険がなければ少し一緒に歩き、「暗いので明日にしましょう」と切り上げる |
対応の一例です。効果や反応には個人差があります。うまくいかない日があってもご自身を責めすぎないでください。
夕方に強くなる「夕暮れ症候群」には何に気をつければいいですか?
結論夕暮れ症候群とは、日没前後(おおむね午後3時〜6時頃)に不安や帰宅要求、そわそわした様子が強まりやすい状態のことです。部屋を早めに明るくする、夕方の予定を決めておくなどの工夫で、落ち着きやすくなるといわれています。
夕暮れ症候群は、夕方から夜にかけて症状が強まりやすい状態全般を指す言葉で、帰宅願望のほか、そわそわと落ち着かない様子や、興奮・不安の高まりとしても現れます。日中の疲労が蓄積してくることに加えて、部屋が薄暗くなることで物の輪郭や人の顔が見分けにくくなり、見当識障害による混乱がさらに強まることが関係しているとされています。
対策としては、日が暮れる前に部屋の照明を早めにつけ、薄暗い時間帯を作らないことが基本です。あわせて、夕方の時間帯にあえて役割のある「予定」を作っておくと、気持ちの切り替えにつながりやすくなります。
| 時間帯の目安 | 起こりやすい様子 | 対応の工夫 |
|---|---|---|
| 午後3時頃まで | 比較的落ち着いていることが多い | 散歩や体操など、日中に体を動かす活動を入れる |
| 午後3時〜6時頃 | そわそわし始める、「帰る」と言い出す | 部屋の照明を早めにつける、おやつや飲み物で一区切りつける |
| 午後6時以降 | 不安や帰宅要求が強まりやすい | 夕食の支度や配膳など、役割のある作業に誘う |
| 就寝前 | 疲れから比較的落ち着きやすい | 静かな音楽や、使い慣れた寝具で入眠しやすい環境を整える |
時間帯の目安は一般的な傾向で、個人差があります。カフェインを含む飲み物は午後以降控えめにすると、夜間の不眠対策にもつながるといわれています。
安心できる写真や思い出の品はどう活用すればいいですか?
結論写真や思い出の品を身近に置く工夫は、安心感につながり、気持ちがそれやすくなるといわれています。家族の写真や使い慣れた道具などが活用できます。
見慣れた物に囲まれていることは、見当識障害による不安をやわらげるうえで助けになるとされています。家族の写真、若い頃に使っていた裁縫道具や工具、長年愛用していた湯呑みなど、本人の記憶とつながる品を手の届く場所に置いておくと、気持ちが落ち着くきっかけになることがあります。
「これ、お母様が大切にされていたお茶碗ですよね」というように、思い出の品を話題にして過去の楽しかった出来事を振り返る関わり方は回想法とも呼ばれ、気持ちを穏やかにする効果が期待できるといわれています。帰宅願望が出たときに、アルバムを一緒に眺めながら「この写真の頃のお話を聞かせてください」と話をそらすのもひとつの方法です。
施設への入居直後など、環境が大きく変わった時期は特に不安が強まりやすい時期です。使い慣れた枕やひざ掛け、家族の写真を部屋に持ち込んでおくと、新しい環境に慣れるまでの支えになります。
- 家族との集合写真をリビングや本人の部屋の目につく場所に飾る
- 若い頃に使っていた道具や趣味の道具を近くに置いておく
- 思い出の曲を流す、アルバムを一緒にめくりながら話しかける
- 施設入居直後は、使い慣れた寝具やひざ掛けを持ち込んで環境の変化をやわらげる
無理に引き止めると、転倒や行方不明などどんな危険がありますか?
結論体を強く引っ張ったり、通路をふさいだりして無理に引き止めると、転倒や骨折につながるおそれがあります。警察庁の統計では、認知症が原因の行方不明者の届出が2024年に18,121人にのぼり、外出中に行方不明になる危険も無視できません。
腕をつかんで無理に引き戻そうとすると、本人が振り払おうとした拍子にバランスを崩し、転倒や骨折につながることがあります。力で抑え込む対応は本人の恐怖心や抵抗をさらに強め、次に同じ場面が起きたときにより興奮しやすくなる悪循環も心配されます。
転んで頭を打った、手足が動かせない、意識がはっきりしないといった様子があるときは、ためらわず119番へ連絡してください。頭を打った場合は、その場で症状がなくても、念のため主治医に相談しておくと安心です。
制止を振り切って実際に外へ出てしまい、姿が見えなくなった場合は、家の中や敷地内を短時間確認したうえで、見つからなければすぐに110番通報してかまいません。警察庁の統計では、認知症が原因の行方不明者の届出は2024年(令和6年)に18,121人にのぼり、統計を始めた2012年(9,607人)の約2倍の水準が続いています。決して珍しいことでも、恥ずかしいことでもありません。
日頃から、玄関に人の出入りを知らせるセンサーや、靴・衣類に入れるGPS端末を用意しておくと、外へ出たことに早く気づいたり、居場所を確認したりできます。多くの市区町村がGPS端末の貸与や補助、認知症高齢者の見守りネットワークを用意しているので、地域包括支援センターに問い合わせてみてください。
| ステップ | 行動 |
|---|---|
| 1. 家の中と敷地を確認(5〜10分) | トイレ・浴室・庭・車の中などを確認し、いなくなった時刻と服装をメモします |
| 2. 見つからなければ110番 | 認知症であること、服装や特徴、持ち物を伝えます。ためらう必要はありません |
| 3. 家族・ケアマネジャーへ連絡 | 手分けして、自宅周辺や本人にゆかりのある場所を探します |
外出中の事故やけがで動けない、意識がはっきりしないなどの場合は119番へ連絡してください。行方不明時の対応は警察庁「令和6年における行方不明者届出等の状況」をもとにした一般的な手順です。
帰宅願望の頻度や興奮が強まってきたら、在宅介護の限界のサインは何ですか?
結論帰宅願望がほぼ毎日起こる、夜間にも見られる、興奮や抵抗が強い、ご家族が眠れず心身ともに疲れ切っている、といった状態は、在宅介護が限界に近づいているサインです。
帰宅願望への対応は、うまくいく日もあれば、何をしても落ち着かない日もあります。うまくいかなかったからといって、ご自身を責める必要はありません。ただし、帰宅願望がほぼ毎日、あるいは1日に何度も起こる、日中だけでなく夜間にも「帰る」と言って起き出す、大声や強い抵抗など興奮の程度が強まってきた、実際に家から出てしまった、またはご家族が眠れない日が続いているといった状態が重なってきたときは、家庭だけで抱え込まずに次のステップを考えるタイミングです。
介護の窓口の相談現場では、「毎日夕方になると『帰る』と言われ、気づけば自分も疲れ切っていた」というご家族の声をよく伺います。がんばり続けた結果、共倒れになってしまっては、ご本人にとっても望ましいことではありません。
普段と様子が違う、体調不良や痛みが疑われる、いつもと違う薬を飲み始めてから様子が変わったといったときは、自己判断で対応を変える前に、まず主治医にご相談ください。便秘や脱水、発熱などの体調不良がBPSDを強めていることもあるとされています。
在宅での工夫を続けながら、ケアマネジャーや地域包括支援センターに今の状況を伝え、デイサービス(通所介護)やショートステイ(短期入所生活介護)の利用を増やすなど、ケアプランの見直しを相談することも選択肢です。ご家族の休息を確保すること自体が、結果的に在宅介護を長続きさせることにつながります。
グループホームなど施設入居を検討する場合、費用や入居条件はどうなっていますか?
結論家庭での対応が難しくなった場合、認知症ケアに慣れたグループホーム(認知症対応型共同生活介護)などへの入居も選択肢のひとつです。要支援2以上で認知症の診断があれば入居対象となり、費用の目安は月12〜18万円前後です。
施設への入居は、介護を諦めることでも、ご本人を見捨てることでもありません。専門的なケアと安定した生活リズムの中で、かえって症状が落ち着くケースも少なくないといわれています。少人数の家庭的な環境で、認知症ケアの研修を受けた職員に囲まれることで、ご本人が「安心できる居場所」を新たに見つけられることもあります。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、要支援2以上で認知症の診断があり、原則として施設と同一市区町村に住民票がある方が対象です。1ユニット9人以下の少人数制で、家庭に近い生活リズムの中で過ごせることが特長で、帰宅願望を含むBPSDへの対応経験が豊富な施設が多くあります。ほかにも、原則要介護3以上(要介護1・2は特例入所)で費用を抑えやすい特別養護老人ホーム(特養)や、24時間職員が常駐し自立から要介護5まで幅広く受け入れる介護付き有料老人ホームも選択肢になります。
「帰宅願望があると施設に断られるのでは」と心配されるご家族は少なくありません。実際には、日々の様子を具体的に伝えることで、受け入れ実績のある施設と出会いやすくなります。「夕方になると毎日『帰る』と言って荷物をまとめる」「説得しても納得せず、外に出ようとしたことがある」など、頻度や場面を具体的に伝えることが、合う施設探しの近道です。
介護の窓口では、関西エリアで認知症ケアの受け入れ実績が豊富な施設を、相談員が無料でお調べしています。入居はまだ先という段階でも、情報収集だけで構いませんので、お気軽にご相談ください。
| 施設種別 | 入居の目安 | 帰宅願望・BPSDへの対応 | 費用の目安(月額) |
|---|---|---|---|
| グループホーム(認知症対応型共同生活介護) | 要支援2以上+認知症の診断(原則、施設と同一市区町村に住民票) | 少人数制で認知症ケアに特化。対応経験が豊富な施設が多い | 12〜18万円前後 |
| 特別養護老人ホーム(特養) | 原則要介護3以上(要介護1・2は特例入所のみ) | 認知症の入居者が多く、対応に慣れた施設が多い | 9〜15万円程度 |
| 介護付き有料老人ホーム | 施設により自立〜要介護5まで幅広い | 24時間職員が常駐。認知症専用フロアがある施設も | 15〜30万円前後 |
費用は生活費と介護保険自己負担(1割の場合)をあわせた2026年時点の目安で、地域や施設により差があります。グループホームは食費・居住費を軽減する補足給付の対象外のため、居住費・食費は原則全額自己負担になる点が特養との違いです。
よくある質問
帰宅願望とは、一言でいうとどのような症状ですか?
帰宅願望とは、認知症のある方が今いる場所を自分の家と認識できず、「家に帰りたい」と繰り返し訴えたり、外へ出ようとしたりするBPSD(行動・心理症状)のひとつです。夕方に強まりやすいことから「夕暮れ症候群」とも呼ばれ、自宅で暮らしている方にも起こることがあります。
「ここはあなたの家です」と伝えてはいけませんか?
正面から否定すると、本人にとっては「分かってもらえない」という不安や孤立感につながり、興奮や抵抗が強まりやすいとされています。まずは「そうなんですね、帰りましょうか」と気持ちを受け止めてから、飲み物やお手伝いなど別のことに気持ちをそらす対応が基本です。
夕方になると特に「帰る」と言い出すのはなぜですか?
夕方から夜にかけて症状が強まりやすい状態は「夕暮れ症候群」と呼ばれ、日中の疲労の蓄積と、部屋が薄暗くなることによる見当識障害の悪化が関係しているとされています。日が暮れる前に部屋の照明を早めにつけ、夕方の時間帯に役割のある作業をお願いすると、落ち着きやすくなるといわれています。
無理に引き止めても大丈夫ですか?
力ずくで引き止めると、本人が抵抗した拍子に転倒したり、不安や興奮がさらに強まったりするおそれがあるため、おすすめできません。転倒して頭を打った、動けないといった場合は119番へ、制止を振り切って外へ出て姿が見えなくなった場合は110番へ、ためらわず連絡してください。
写真や思い出の品は、どのように活用すればいいですか?
家族の写真や長年使っていた道具など、本人の記憶とつながる品を身近に置くと、安心感につながるといわれています。「これはどなたの写真ですか」などと話しかけながら一緒に眺めることで、帰宅願望から気持ちをそらすきっかけにもなります。
帰宅願望の頻度が増えてきたら、施設入居を考えたほうがいいですか?
ほぼ毎日起こる、夜間にも見られる、興奮が強い、ご家族が眠れず疲れ切っているといった状態が続くときは、在宅介護の限界サインといえます。グループホーム(認知症対応型共同生活介護、要支援2以上+認知症の診断が目安)など、認知症ケアに慣れた施設への入居も前向きな選択肢のひとつです。
参考(一次情報)
- 厚生労働省「認知症施策推進大綱」
- 認知症介護研究・研修センター「認知症介護情報ネットワーク(DCnet)」
- 公益社団法人 認知症の人と家族の会
- 警察庁「令和6年における行方不明者届出等の状況」
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