最終更新: 2026-07-04
ケアハウスとは
ケアハウスとは、軽費老人ホームの一類型で、低料金で食事や見守りを受けられる高齢者の住まいです。一般型(自立型)と介護型の違い、入居条件、所得に応じた費用のしくみ、デメリットや申込み方法まで、はじめてのご家族にやさしく解説します。
この記事の要点
- ケアハウスは軽費老人ホームの一類型で、比較的低い料金で食事や見守りを受けられる公的色の強い住まいです。
- 一般型(自立型)は60歳以上、介護型(特定施設)は原則65歳以上・要介護1以上が対象という違いがあります。
- 費用は所得に応じた事務費の段階制で、月7万〜15万円前後が目安です。所得が低いほど負担が軽くなります。
- 施設数が少なく待機が出やすいこと、一般型は介護度が上がると住み替えの可能性があることが主なデメリットです。
- 申込みは各施設へ直接行うのが基本です。複数施設への申込みと早めの見学がおすすめです。
ケアハウスとは?軽費老人ホームとの関係
結論ケアハウスとは、軽費老人ホームの一類型で、比較的低い料金で食事や見守りを受けながら個室で暮らせる、公的な性格の強い高齢者向けの住まいです。
ケアハウスとは、老人福祉法に基づく軽費老人ホームの一類型で、身体機能の低下などにより自立した生活に不安があり、家族による援助を受けることが難しい高齢者が、比較的低額な料金で入居できる施設です。食事の提供、生活相談、安否確認(見守り)といった日常生活のサポートを受けながら、原則個室で自分らしい暮らしを続けられます。軽費老人ホームには従来、食事付きのA型や自炊が基本のB型といった類型もありましたが、現在は新設がケアハウスに一本化される流れが続いており、「軽費老人ホームといえばケアハウス」と考えて差し支えない場面が多くなっています。
設置・運営の主体は地方公共団体や社会福祉法人が中心(ケアハウスは医療法人などにも認められています)で、国が定める基準(軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準・平成20年厚生労働省令第107号)に沿って運営されます。利用料の一部である事務費に所得に応じた公的な補助が入るしくみのため、収入が少ない方でも入居しやすいのが最大の特徴です。
居室は単身用でおおむね21.6平方メートル以上が基準とされ、ミニキッチンやトイレ、緊急通報装置が付いていることが一般的です。館内はバリアフリー設計で、食事は食堂でとるスタイルが基本です。高齢者施設全体の中での位置づけを知りたい方は、関連記事「老人ホームの種類一覧」もあわせてご覧ください。
一般型(自立型)と介護型の違いは?
結論ケアハウスには一般型(自立型)と介護型(特定施設)の2タイプがあり、介護の受け方と入居対象が大きく異なります。
一般型(自立型)は、食事や見守りなど生活支援が中心のタイプです。介護が必要になった場合は、外部の訪問介護(ホームヘルプ)や通所介護(デイサービス)などの在宅サービスを、ご自身で契約して利用します。介護型は、介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受けたケアハウスで、施設の職員から入浴・排せつ・機能訓練などの介護を一体的に受けられます。介護型は要介護度が上がっても住み続けやすい一方で、施設数が少ないのが実情です。
| 項目 | 一般型(自立型) | 介護型(特定施設) |
|---|---|---|
| 主な対象 | 60歳以上で自立〜軽度の方 | 原則65歳以上・要介護1以上の方 |
| 介護の受け方 | 外部の在宅サービスを個別に契約 | 施設の職員が一体的に提供 |
| 介護度が上がったとき | 住み替えが必要になる場合がある | 継続して住みやすい(看取り対応の施設もある) |
| 入居時の費用 | 保証金0〜30万円程度が多い | 入居一時金が必要な場合がある(0〜数百万円) |
| 月額の目安 | 約7万〜13万円 | 約9万〜15万円+介護保険の自己負担 |
| 施設数 | ケアハウスの大半を占める | 数が少なく待機が出やすい |
月額は2026年時点の一般的な目安で、所得・地域・施設により変動します。対象年齢などは厚生労働省の基準・介護保険制度をもとに作成しています。
ケアハウスの入居条件は?
結論一般型は60歳以上(夫婦の場合はどちらか一方が60歳以上)で、自炊など自立した生活に不安がある方が対象です。介護型は原則65歳以上・要介護1以上が目安です。
一般型の入居条件は、60歳以上であること(夫婦で入居する場合はどちらか一方が60歳以上であれば可)に加えて、身体機能の低下などにより自炊等の自立した日常生活に不安があり、家族による援助を受けることが難しい状態であることが基本とされています。あわせて、共同生活に適応できることや、常時の医療・介護を必要としないことを条件とする施設も多くみられます。
介護型は原則65歳以上で、要介護1以上の認定を受けている方が対象です(要支援の方の受け入れは施設により異なります)。まだ認定を受けていない場合は、関連記事「要介護認定の区分早わかり表」で申請の流れを確認しておくとスムーズです。なお、ケアハウスに所得制限はありません。所得は入居できるかどうかではなく、毎月の事務費の金額に反映されるしくみです。
| 条件 | 一般型(自立型) | 介護型(特定施設) |
|---|---|---|
| 年齢 | 60歳以上(夫婦はどちらか一方が60歳以上) | 原則65歳以上 |
| 心身の状態 | 自炊など自立した生活に不安がある | 要介護1以上(要支援の可否は施設による) |
| 家族の状況 | 家族による援助を受けることが難しい | 一般型と同様 |
| 所得 | 制限なし(事務費が所得に応じて変動) | 一般型と同様 |
厚生労働省「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準」などをもとに作成(2026年時点)。細かな要件は施設・自治体により異なります。
ケアハウスの費用はいくら?月額のしくみ
結論月額費用は事務費+生活費+居住費で構成され、合計で月7万〜15万円前後が目安です(2026年時点)。所得が低いほど事務費が軽くなります。
ケアハウスの月額費用は、大きく事務費(サービスの提供に要する費用)、生活費(食費など)、居住費(家賃相当)の3つで構成されます。このうち事務費に所得に応じた公的補助が入るため、収入が少ない方ほど合計額が下がります。入居時には、一般型では保証金(家賃の数か月分程度)、介護型では入居一時金を求められる場合があります。
| 費用項目 | 内容 | 月額の目安 |
|---|---|---|
| 事務費(サービス提供費) | 職員の人件費や管理運営費。所得に応じた段階制 | 約1万〜9万円台(所得により変動) |
| 生活費 | 食費や共用部分の光熱水費など | 約4万〜5万円台 |
| 居住費(管理費) | 家賃相当。地域の家賃相場に連動 | 約1万〜5万円 |
| 介護サービス費 | 一般型は外部サービスの自己負担、介護型は特定施設入居者生活介護の自己負担(1〜3割) | 数千円〜3万円程度 |
2026年時点の一般的な目安(厚生労働省の徴収基準などをもとにした概算)。冬季の暖房費加算や光熱費別払いの施設もあり、実額は施設・地域・所得・介護度により変わります。
事務費は所得でどれくらい変わる?
結論事務費は前年の対象収入(収入から税金や社会保険料などを差し引いた額)に応じて決まり、対象収入150万円以下なら月1万円程度が目安です。
事務費の算定に使われる対象収入とは、前年の収入(年金収入を含む)から租税や社会保険料、医療費などの必要経費を差し引いた金額のことです。入居時と入居後の毎年、収入申告をもとに認定が行われ、その結果で事務費が決まります。収入が少ない方ほど月々の負担が軽くなる、福祉的な色合いの強いしくみです。
対象収入が310万円を超える方は補助がなくなるため、有料老人ホームなどと費用があまり変わらないケースもあります。逆に、年金が月10万円前後の方でも検討しやすいのがケアハウスの強みです。費用全体の考え方や他の施設との比較は、関連記事「老人ホームの費用」でも詳しく整理しています。
| 対象収入(年額) | 事務費の月額の目安 |
|---|---|
| 150万円以下 | 約1万円 |
| 150万円超〜200万円以下 | 約1.3万〜2.5万円 |
| 200万円超〜250万円以下 | 約3万〜5万円 |
| 250万円超〜310万円以下 | 約5.7万〜9.2万円 |
| 310万円超 | 全額自己負担(補助なし) |
国の徴収基準(厚生労働省の軽費老人ホーム関係通知)をもとにした2026年時点の目安。実際の額は都道府県・施設が定める額によるため、多少前後します。
ケアハウスのメリット
結論費用を抑えながら、食事・見守り・生活相談のそろった住環境に移れることが大きなメリットです。
「元気なうちに、見守りのある住まいへ移っておきたい」という方にとって、費用と安心のバランスを取りやすい選択肢といえます。特に年金収入が中心の方には、数少ない現実的な住み替え先のひとつです。
- 所得に応じた補助があり、月7万円台からなど民間の施設より費用を抑えやすい
- 原則個室でプライバシーが守られ、バリアフリー設計で安全に暮らせる
- 毎日の食事提供と安否確認・生活相談があり、ひとり暮らしの不安を減らせる
- 社会福祉法人や自治体など公的色の強い運営主体が中心で、料金体系が明朗
- 一般型でも外部の介護保険サービスを組み合わせて長く暮らせる場合がある
ケアハウスのデメリット・注意点は?
結論施設数が少なく待機が出やすいこと、一般型は介護度が上がると住み替えが必要になる場合があることが主なデメリットです。
待機のリスクには、複数施設への同時申込みや、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)・住宅型有料老人ホームとの併行検討で備えるのが現実的です。「ケアハウス一本」に絞り込みすぎず、費用感の近い住まいを幅広く見ておくと、いざというときに慌てずにすみます。
- 施設数が少なく、人気の地域では入居待ち(待機)が出やすい(軽費老人ホームは全国で2,000施設余りとされ、1万施設を大きく超える有料老人ホームより大幅に少ない)
- 一般型は、常時介護や医療的ケアが必要になると退居・住み替えを求められる場合がある
- 介護型はさらに施設数が少なく、入居一時金がかかる場合がある
- 浴室が共用であるなど、設備やアメニティは有料老人ホームに比べて簡素なことがある
- 対象収入310万円超の方は補助が付かず、割安感が小さくなる
- 食事時間など共同生活のルールがあり、自由度は自宅より下がる
施設数は厚生労働省「社会福祉施設等調査」をもとにした2026年時点の概数です。
申込み方法と入居までの流れ
結論申込みは入居したい施設へ直接行うのが基本です。空きがあれば1〜2か月程度で入居できることもありますが、待機になる場合もあります。
ケアハウスは、特別養護老人ホーム(特養)のように市町村の窓口を通す方式ではなく、各施設への直接申込みが基本です。お住まいの自治体の高齢者福祉窓口や地域包括支援センターでも、地域の施設情報を教えてもらえます。
空き状況の確認や書類の準備に不安があるときは、相談員が無料でお調べしますので、お気軽にご相談ください。
| 手順 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 情報収集 | 自治体窓口・地域包括支援センター・紹介センターで候補を探す | 一般型か介護型かを先に整理する |
| 2. 見学・面談 | 居室や食事、館内の雰囲気を確認する | できれば複数施設を比較する |
| 3. 申込み | 申込書・健康診断書・収入申告の書類などを施設へ提出 | 年金額の分かる書類を準備しておく |
| 4. 面接・入居判定 | ご本人との面接や判定会議で生活状況を確認 | 空きがない場合は待機登録になる |
| 5. 契約・入居 | 保証金などを納めて契約し、入居日を決める | 身元引受人(保証人)が必要な施設が多い |
2026年時点の一般的な流れです。必要書類や判定方法は施設・自治体により異なります。
ケアハウスが向いているのはどんな人?
結論年金中心の収入で費用を抑えたい方や、ひとり暮らしに不安が出てきた自立〜軽介護の方に向いています。
相談現場では、「ケアハウスを希望していたものの、近隣に空きがなく数年待ちだった」というご相談が少なくありません。その場合でも、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や住宅型有料老人ホームまで候補を広げると、費用感の近い住まいが早く見つかることがあります。待機期間やご本人の状態変化も見据えて、第2候補まで用意しておくと安心です。
関西4府県のケアハウスの空き状況や費用感は、相談員が無料でお調べします。「うちの収入だと月いくらになる?」といった段階のご質問からでも、どうぞお気軽にご相談ください。
- 年金収入が中心で、できるだけ費用を抑えて施設に移りたい方
- 炊事や買い物など身の回りのことに不安が出てきた、ひとり暮らしの方
- 家族が遠方に住んでいるなどの事情で、日常的な援助を受けにくい方
- 元気なうちに住み替えて、見守りのある環境で暮らしたい方
- 要介護1以上で、費用を抑えつつ介護体制のある住まいを探している方(介護型)
よくある質問
ケアハウスに所得制限はありますか?
所得制限はありません。ただし利用料のうち事務費は、前年の対象収入に応じた段階制になっており、所得が低いほど安くなります。対象収入が310万円を超えると補助がなく全額負担となるため(2026年時点)、高所得の方は他の施設と費用があまり変わらないこともあります。
ケアハウスは何歳から入居できますか?
一般型(自立型)は60歳以上が対象で、夫婦で入居する場合はどちらか一方が60歳以上であれば申込めるのが一般的です。介護型(特定施設)は原則65歳以上で、要介護1以上の認定を受けている方が対象です。
生活保護を受けていてもケアハウスに入居できますか?
入居できる場合があります。ケアハウスは収入の少ない方を支える公的色の強い施設で、生活保護受給中の方の入居実績がある施設もあります。可否や費用の扱いは施設と福祉事務所(担当のケースワーカー)への確認が必要です。
ケアハウスと特別養護老人ホーム(特養)の違いは何ですか?
特別養護老人ホーム(特養)は原則要介護3以上の方が対象の介護保険施設で、常時の介護が前提です。ケアハウスは自立〜軽度の方向けの住まい(介護型は要介護1以上)で、食事や見守りなどの生活支援が中心という違いがあります。介護の必要度が高い方は特養や介護付有料老人ホームが候補になります。
一般型ケアハウスで要介護になったら退居しなければいけませんか?
すぐに退居となるわけではありません。外部の訪問介護(ホームヘルプ)や通所介護(デイサービス)を利用しながら住み続ける方も多くいます。ただし常時の介護や医療的ケアが必要になると、介護型ケアハウスや特養などへの住み替えを求められる場合があるため、契約前に継続入居の条件を確認しておくと安心です。
ケアハウスの待機期間はどのくらいですか?
地域や施設によって大きく異なります。比較的早く入れる施設もあれば、都市部の人気施設では数か月〜数年待ちになることもあります。複数施設への申込みや、サ高住など費用感の近い住まいの併行検討で、待機のリスクを下げるのが現実的です。
参考(一次情報)
- 厚生労働省「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準」(平成20年厚生労働省令第107号)
- 厚生労働省「軽費老人ホームの設備及び運営について」(事務費の徴収基準に関する通知)
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「特定施設入居者生活介護」
- 厚生労働省「社会福祉施設等調査」
記事を読んでも迷ったら、相談できます
ご家族の状況に当てはめてどうなのかは、相談員が一緒に整理します。無料です。
無料相談はこちら