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最終更新: 2026-07-06

グループホームとは

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは、認知症の方が1ユニット5〜9人の少人数で暮らす地域密着型の施設です。入居条件(要支援2以上・認知症の診断・住民票の壁)、役割を持つ共同生活の中身、月額12〜18万円前後という費用の目安、看取り・医療対応の実情、向いている人、空きの探し方まで、はじめての方にやさしく解説します。

この記事の要点

  • グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは、認知症の診断を受けた方が1ユニット5〜9人の少人数で、職員の支援を受けながら共同生活を送る地域密着型の施設です。全国に約1万4,000事業所があります(2023年時点)
  • 入居条件は、要支援2または要介護1以上+医師による認知症の診断+原則として施設のある市区町村に住民票があること。呼び寄せの際はこの住民票の壁が最大の注意点です
  • 家事などの役割を職員と一緒に続ける暮らしそのものがケアという考え方で、環境の変化に敏感な認知症の方が落ち着いて過ごしやすい住まいです
  • 費用は月額12〜18万円前後+初期費用0〜30万円程度が目安(2026年時点)。特別養護老人ホーム(特養)などで使える補足給付(食費・居住費の軽減)は対象外です
  • 看護職員の配置義務がなく医療対応は施設差が大きいため、対応できる医療的ケアの範囲・看取りの方針・退去条件の確認が施設選びのポイントです

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは?どんな施設?

結論グループホームとは、正式名称を認知症対応型共同生活介護といい、認知症の診断を受けた方が1ユニット5〜9人の少人数で、職員の支援を受けながら共同生活を送る介護保険の施設です。

グループホームは、介護保険制度の地域密着型サービスのひとつで、市区町村が事業所を指定・監督しています。認知症になっても住み慣れた地域で暮らし続けられるように、という考え方でつくられた仕組みで、全国に約1万4,000事業所があります(2023年時点・厚生労働省)。認知症の診断があることが入居の前提になる、認知症ケアに特化した住まいである点が、ほかの施設との一番の違いです。

生活の単位は「ユニット」と呼ばれ、1ユニットの定員は5〜9人です。1つの事業所は1〜3ユニット(1〜2ユニットが大半)と小規模で、居室は原則個室、リビングや台所はユニットの仲間と共有します。環境の変化や大人数のにぎやかさが苦手になりやすい認知症の方でも、少人数で顔ぶれの変わらない家庭的な環境なら落ち着いて過ごしやすい、という認知症ケアの考え方が土台にあります。

職員は日中おおむね利用者3人に1人以上が配置され、夜間も各ユニットに職員が常駐します。介護スタッフのほかにケアプランをつくる計画作成担当者が置かれ、管理者にも認知症介護の実務経験と研修修了が求められるなど、「その人らしい生活の継続」を支える専門性を制度として担保しているのが特長です。

項目内容
正式名称認知症対応型共同生活介護(要支援2の方は介護予防認知症対応型共同生活介護)
制度上の位置づけ介護保険の地域密着型サービス(市区町村が指定・監督)
定員1ユニット5〜9人。1事業所は1〜3ユニットで、1〜2ユニットが大半
居室原則個室。リビング・台所・浴室などは共用
職員体制日中はおおむね利用者3人に職員1人以上。夜間も各ユニットに常駐
事業所数全国約1万4,000事業所(2023年時点)

厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」および社会保障審議会介護給付費分科会資料をもとにした整理(2026年時点)。

入居条件は?要支援2以上・認知症の診断・住民票の3つがポイント

結論入居できるのは、原則として、要支援2または要介護1以上の認定を受け、医師による認知症の診断があり、施設と同じ市区町村に住民票がある方です。

最大の注意点が住民票の要件です。グループホームは地域密着型サービスのため、原則として施設のある市区町村に住民票がある方しか入居できません。たとえば豊中市のグループホームに入居できるのは、原則として豊中市に住民票のある方だけです。

離れて暮らす親御さんをご自身の近くのグループホームに呼び寄せたい場合は、先に住民票を移してから申し込むのが一般的な方法です。ただし、転入して間もない方の申込みをどう扱うかなど、運用は市区町村によって異なるため、施設のある市区町村の介護保険窓口へ事前に確認しておくと安心です。また、要介護認定をまだ受けていない場合は、申請から結果が出るまで原則30日以内の期間がかかります。認定の効力は申請日にさかのぼるため、呼び寄せの計画にはこの期間も見込んでおきましょう。

相談現場では、「大阪で働く自分のそばに実家の母を呼び寄せたい」というご相談を毎月のようにお受けします。住民票を移す時期、要介護認定の引き継ぎ、施設への申込みの順番を先に整理しておくと、呼び寄せはぐっとスムーズになります。介護の窓口では、呼び寄せの段取りづくりからグループホーム探しまで無料でお手伝いしています。

条件内容
要介護度要支援2または要介護1〜5(要支援1の方は対象外)
認知症の診断医師による認知症の診断があること(診断書の提出を求められるのが一般的)
年齢原則65歳以上。40〜64歳でも若年性認知症などで要介護認定を受けていれば対象
住民票原則として施設のある市区町村に住民票があること
生活面少人数での共同生活に大きな支障がないこと(施設ごとに面談などで判断)

介護保険法にもとづく認知症対応型共同生活介護の利用要件の整理(2026年時点)。細かな運用は市区町村・施設により異なります。

共同生活の中身|「役割を持つこと」がそのままケアになります

結論グループホームでは、食事の支度や洗濯物たたみなどの家事を職員と一緒に行います。できることを役割として続けること自体が、症状の安定につながるケアと位置づけられています。

大人数の施設では、食事も掃除もすべて「してもらう」側になりがちです。一方グループホームでは、できることまで取り上げず、役割として続けてもらうこと自体がケアという考え方に立ちます。長年家事をしてきた方が野菜の皮むきや洗濯物たたみを担うと、生活にリズムと出番が生まれ、自信や落ち着きを取り戻すきっかけになるとされています。

こうした関わりは、不安やいらだちからくる行動・心理症状(BPSD)を和らげるうえでも大切にされています。少人数だからこそ、一人ひとりの生活歴(してきた仕事、得意なこと、好きなもの)に合わせた関わりがしやすく、職員も入居者も顔ぶれが大きく変わらない「なじみの関係」の中で安心して過ごせるのが、この施設ならではの良さです。

1日の流れは、起床後に朝食の準備を一緒にして、午前は掃除や洗濯、午後は散歩や買い物、レクリエーション、夕方は夕食づくり、というように家庭の暮らしに近いリズムで進みます。もちろん、役割は義務ではありません。その日の体調や気分に合わせて無理なく参加できるよう職員が調整し、できないことが増えても本人を責めない関わりが基本です。近所への買い物や地域の行事への参加などを通じて、地域とのつながりを保つ事業所も多くあります。

場面入居者の役割の例職員のかかわり方
食事野菜の下ごしらえ・盛り付け・食器拭き献立や火のもとの管理など、安全面を支えます
家事洗濯物たたみ・掃除・植物の水やりできる工程だけを一緒に行い、さりげなく補います
外出近所への買い物・散歩見守りながら、地域とのつながりを保ちます
余暇料理・裁縫・囲碁将棋など得意なことを披露生活歴を聞き取り、その方の出番をつくります

費用の目安は?月額12〜18万円前後が中心です

結論費用は、家賃・食費などの生活費と介護保険の自己負担をあわせて月額12〜18万円前後、初期費用は保証金・敷金型で0〜30万円程度が目安です(2026年時点)。

注意したいのは、特別養護老人ホーム(特養)などで住民税非課税世帯の食費・居住費を軽減する補足給付(負担限度額認定)が、グループホームでは対象外という点です。一方、介護保険の自己負担部分には高額介護サービス費が適用され、一般的な課税世帯では月44,400円を超えた分が払い戻されます。

要介護度別の自己負担額、加算のしくみ、自治体独自の家賃助成など、費用の詳しい内訳と抑え方は「グループホームの費用」の記事で解説しています。資金計画に不安がある方は、あわせてご覧ください。

費用項目目安備考
初期費用(保証金・敷金など)0〜30万円程度高額な入居一時金は少なめ。退去時の返還条件を確認
家賃・食費・管理費など月9万〜15万円程度全額自己負担。地域・施設による差が大きい
介護保険の自己負担月2万3,000円〜3万円程度(1割の場合)1日あたりの定額制+加算。所得により2〜3割
月額の合計おおむね12万〜18万円前後おむつ代・医療費などの実費が別途かかります

厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」等をもとに、1単位=10円・30日・1割負担で計算した概算です(2026年7月時点)。実際の金額は各施設の重要事項説明書でご確認ください。

医療対応と看取りの実情|できること・できないことを確認しましょう

結論グループホームには看護職員の配置義務がないため、医療対応の力は施設差が大きいのが実情です。一方で、訪問看護と連携して看取りまで対応する事業所も増えています。

グループホームはあくまで生活の場であり、看護職員の配置義務がありません。日常の健康管理は協力医療機関や訪問看護ステーションとの連携で支える仕組みで、看護体制を整えた事業所は医療連携体制加算という形で評価されています。そのため、インスリン注射・胃ろう・たんの吸引といった医療的ケアに対応できるかどうかは、事業所の体制によって大きく異なります。

看取りについては看取り介護加算が制度化され、医師や訪問看護と連携しながら、住み慣れたユニットで最期まで過ごすことを支える事業所が増えています。看取りを行う施設では、看取りに関する指針を定め、本人・ご家族と話し合いを重ねながら進めることとされています。一方で、常時の医療処置や夜間も含む頻回な吸引が必要になった場合には、介護医療院や、医療体制の手厚い介護付有料老人ホームなどへの住み替えを相談することもあります。

認知症の進行そのものは退去理由になりにくい施設ですが、医療面でどこまで支えられるかは事業所ごとに違います。見学の際は、次の点を確認しておきましょう。

  • 協力医療機関・訪問看護との連携内容(訪問の頻度、夜間や急変時の対応)
  • 対応できる医療的ケアの範囲(インスリン注射・胃ろう・たんの吸引など)
  • 看取りの方針と実績(看取りに関する指針があるか、ご家族への説明の進め方)
  • 入院したときに居室がどのくらいの期間確保されるか
  • 状態が重くなったときに退去を求められる条件(契約書・重要事項説明書の記載)

グループホームが向いている人・向きにくい人

結論認知症があり、家庭的な環境で役割を持ちながら暮らしたい方に向いています。常時の医療処置が必要な方や、共同生活が強いストレスになる方には向きにくい場合があります。

迷ったときは、「医療の必要度」「住み慣れた地域で探せるか」「毎月の費用を続けられるか」の3つの軸で考えると整理しやすくなります。医療対応を重視する場合は、認知症の方を受け入れている介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホーム)や、要介護3以上の方なら特別養護老人ホーム(特養)も比較対象になります。施設ごとの違いは「グループホームと老人ホームの違い」の記事で詳しく整理しています。

  • 向いている方: 認知症の診断があり、大人数の施設では混乱しやすい方/家事など体を動かす習慣を続けたい方/住み慣れた市区町村を離れたくない方/環境の変化で症状が揺らぎやすい方
  • 向きにくい方: 常時の医療処置(頻回なたんの吸引など)が必要な方/要支援1の方や認知症の診断がない方(制度上の対象外)/集団での生活が強いストレスになる方/施設のある市区町村へ住民票を移すことが難しい方

空きの探し方と入居までの流れ|定員が少ないからこそ早めの準備を

結論1ユニット9人までと定員が少なく、空きはタイミング次第です。地域包括支援センターや介護サービス情報公表システムで候補を調べ、複数の施設に早めに見学・申込みをしておきましょう。

グループホームは小規模なため、1つの施設で空いているのは0〜数室ということが珍しくありません。空きが出るのを待つ「空き待ち(待機)登録」の仕組みをとる施設が多く、気になる施設には空きがなくても申し込んでおき、空きが出たらすぐ動ける状態にしておくことが現実的な探し方です。

候補探しには、市区町村の介護保険窓口や地域包括支援センターのほか、厚生労働省の介護サービス情報公表システム(事業所の所在地・体制・運営状況を無料で公開)が役立ちます。在宅で介護保険サービスをすでに使っている方は担当のケアマネジャー(介護支援専門員)に、要支援の方は地域包括支援センターに相談すると、地域の実情に合った情報が得られます。

介護の窓口では、大阪・兵庫・京都・奈良のグループホームの空き状況や受け入れ体制をふまえた施設探しを無料でお手伝いしています。「今すぐではないけれど、そろそろ準備を始めたい」という段階のご相談もお気軽にどうぞ。

ステップやることポイント
1. 候補探し市区町村・地域包括支援センター・介護サービス情報公表システムで情報を集める住民票のある市区町村内で探すのが原則です
2. 見学2〜3か所を見学し、雰囲気・医療連携・看取りの方針を確認するご本人と一緒に見学し、相性を確かめましょう
3. 申込み・待機空きがなくても申込書を出し、空き待ち登録をする複数施設への申込みが一般的です
4. 面談・入居判定施設がご本人の状態を確認(主治医の診断書などを提出)共同生活が可能かどうかを施設が判断します
5. 契約・入居重要事項説明書を確認して契約し、入居日を調整する初期費用の返還条件も忘れずに確認を

一般的な流れの例です(2026年時点)。順番や必要書類は施設・市区町村により異なります。

よくある質問

認知症の診断がなくても入居できますか?

できません。グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、医師による認知症の診断があることが介護保険上の利用要件です。もの忘れが気になっているものの受診がまだという場合は、かかりつけ医や認知症疾患医療センターなどで診断を受けることが、入居準備の第一歩になります。

要支援1でも入居できますか?

入居できません。グループホームの対象は要支援2または要介護1〜5の方です。要支援1の方は、デイサービス(通所介護)などの在宅サービスを使いながら様子をみて、状態が変わったときに区分変更を申請し、要支援2以上と認定されれば対象になります。

住民票が別の市区町村にある親を呼び寄せて入居させられますか?

原則として、施設のある市区町村に住民票を移してからの申込みになります。地域密着型サービスのための決まりで、転入後すぐの申込みをどう扱うかなどの運用は自治体により異なります。施設のある市区町村の介護保険窓口に事前に確認し、住民票の異動と申込みの順番を整理してから動くとスムーズです。

認知症が進行したら退去になりますか?

グループホームは認知症ケアの専門施設のため、症状の進行そのものは退去理由になりにくいです。ただし、常時の医療処置が必要になった場合や、共同生活の継続が著しく難しくなった場合には、住み替えの相談になることがあります。どのような場合に退去を求められるかは契約書・重要事項説明書に記載されているため、入居前に確認しておきましょう。

入院したら退去になりますか?

すぐに退去になるわけではなく、一定期間は居室を確保しておく契約が一般的です(その間も家賃などの負担は続くことが多いです)。ただし、入院が長引く場合や、退院後に常時の医療が必要になった場合は、契約に沿って住み替えを相談することがあります。居室の確保期間と費用の扱いを契約前に確認しておくと安心です。

夫婦で一緒に入居できますか?

ご夫婦それぞれが入居条件(要支援2以上・認知症の診断など)を満たしていれば、同じ事業所に入居できる場合があります。ただし居室は原則個室で、夫婦同室に対応できる施設は限られます。どちらか一方だけが認知症の場合は、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や有料老人ホームなど、お二人で入れる住まいもあわせて検討することになります。

参考(一次情報)

  • 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの?(認知症対応型共同生活介護)」
  • 厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」
  • 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」資料
  • 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」

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