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最終更新: 2026-07-04

住宅型有料老人ホームとサ高住の違い

住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、どちらも介護を外部サービスで補う住まいです。契約形態や初期費用、食事・見守り、生活の自由度の違いを比較表で整理し、ケース別の向き不向きと見学時の確認ポイントをやさしく解説します。

この記事の要点

  • 住宅型有料老人ホームとサ高住は、どちらも介護を外部の介護保険サービスで補う「住まい」で、介護サービスの使い方の構造は同じです
  • 大きな違いは契約形態(利用権方式か賃貸借契約か)と生活の自由度で、サ高住は一般の賃貸住宅に近く、外出・外泊が比較的自由です
  • 初期費用は、住宅型が入居一時金(0円〜数百万円)、サ高住が敷金(家賃の2〜3か月分が目安)という違いがあります
  • 「サ高住=介護付き」は誤解です。必須のサービスは安否確認と生活相談で、定額の介護が付く介護型(特定施設)は全体の1割程度にとどまります(2025年時点)
  • 食事・生活支援の範囲、退去時のお金の精算、介護が重くなったときの対応を、重要事項説明書で確認してから契約することが大切です

住宅型有料老人ホームとサ高住の違いをひとことで言うと?

結論どちらも介護が必要になったら外部の介護サービスを利用する高齢者向けの住まいで、大きな違いは契約形態(利用権方式か賃貸借契約か)と生活の自由度です。

住宅型有料老人ホームとは、食事の提供や見守りなどの生活支援を受けながら暮らし、介護が必要になったときは外部の介護サービスを自分で選んで利用する、有料老人ホームの一類型です。一方、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、安否確認(状況把握)と生活相談のサービスが付いた、バリアフリー構造の高齢者向け賃貸住宅です。

名前も見た目も似ているため混同されがちですが、どちらも介護スタッフが常駐して介護を行う「施設」ではなく、介護サービスは外部の事業者と個別に契約して利用する「住まい」という点は共通しています。この点で、施設の職員が定額で介護を提供する介護付有料老人ホーム(介護付)や特別養護老人ホーム(特養)とは仕組みが異なります。

そのうえで、住宅型有料老人ホームは食事や生活支援が標準的に組み込まれた「施設寄り」の住まい、サ高住は自由度の高い「賃貸住宅寄り」の住まい、と整理すると選びやすくなります。高齢者向けの住まい全体の位置づけは、関連記事「老人ホームの種類一覧」もあわせてご覧ください。

7つの違いがわかる比較表

結論契約形態・初期費用・食事や生活支援・見守り体制・外出外泊の自由度・住み替えやすさ・費用感の7項目で比べると、違いがはっきりします。

まずは全体像を比較表で確認しましょう。最も大きな違いは、住宅型有料老人ホームが「利用権方式」、サ高住が「賃貸借契約」を採用していることが多い点です。契約の違いは、初期費用の性格や退去時の精算、住み替えのしやすさに影響します。

利用権方式は、居室や共用設備を利用する権利と生活支援サービスをまとめて契約する方式で、入居一時金を支払う場合があります。賃貸借契約は一般のアパートと同じ借家契約で、借地借家法により入居者の居住の権利が守られ、初期費用は敷金が中心です。サ高住では、敷金・家賃・サービスの対価以外のお金(権利金や礼金など)を受け取ることが法律で禁止されています。

比較項目住宅型有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
契約形態利用権方式が中心賃貸借契約が中心
初期費用入居一時金(0円〜数百万円)敷金(家賃の2〜3か月分が目安)
食事・生活支援食事提供や生活支援が標準的に組み込まれた施設が多い必須は安否確認と生活相談。食事は任意のオプションが多い
見守り体制職員による日常的な見守り・生活支援が中心日中はケアの専門家が常駐し安否確認を実施
外出・外泊の自由度施設のルールに沿う(届け出制が多い)一般の賃貸住宅に近く、比較的自由
住み替えのしやすさ一時金の償却・返還条件の確認が必要敷金の精算が中心で、住み替えやすい
費用感(月額)およそ10〜25万円+介護サービス自己負担およそ10〜20万円+介護サービス自己負担

制度上の位置づけと一般的な傾向をまとめた目安です(2026年時点、厚生労働省・国土交通省の制度資料をもとに作成)。月額は関西圏の民間施設の概算で、サービス内容や費用は施設・住宅ごとに大きく異なります。

制度のしくみはどう違う?根拠法と基準

結論住宅型有料老人ホームは老人福祉法に基づく届出制の施設、サ高住は高齢者住まい法に基づく登録制の賃貸住宅で、求められる基準が異なります。

住宅型有料老人ホームは、老人福祉法第29条に基づいて都道府県等へ届け出て運営される施設です。高齢者を入居させ、食事の提供、介護(入浴・排せつ・食事)、家事、健康管理のいずれかを提供する住まいが有料老人ホームにあたり、介護付・住宅型・健康型の3類型に分かれます(厚生労働省の資料による)。

サ高住は、高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)に基づき2011年に創設された登録制度で、国土交通省と厚生労働省が共同で所管しています。居室は原則25㎡以上、バリアフリー構造、安否確認(状況把握)と生活相談サービスの提供が登録の必須条件です。全国で約8,300棟・約29万戸が登録されており(2025年時点、高齢者住宅協会の登録状況による)、高齢者の住まいとして広く普及しています。

なお、サ高住でも食事の提供などを行う場合は、法律上は有料老人ホームにも該当し、行政の指導監督の対象になります。制度が二重に見えるのはこのためですが、入居するご本人・ご家族にとって大切なのは、名称よりも「どのサービスがどこまで契約に含まれているか」を確認することです。

項目住宅型有料老人ホームサ高住
根拠法老人福祉法(第29条)高齢者住まい法
位置づけ都道府県等への届出制の「施設」都道府県等への登録制の「賃貸住宅」
所管厚生労働省国土交通省・厚生労働省(共管)
居室の広さ個室13㎡以上が目安(標準指導指針)原則25㎡以上(共用部分が充実している場合は18㎡以上)
必須サービス食事・介護・家事・健康管理のいずれか安否確認(状況把握)と生活相談

出典: 厚生労働省「有料老人ホームの概要」「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」、国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅の登録制度」の公表資料をもとに作成(2026年時点)。

介護サービスの使い方は同じ?外部サービスを組み合わせる仕組み

結論はい、どちらも訪問介護や通所介護(デイサービス)など介護保険の在宅サービスを自分で選んで組み合わせる、同じ構造です。

住宅型有料老人ホームもサ高住(一般型)も、建物の職員が介護保険の介護を提供するのではなく、入居後も「自宅で暮らす」のと同じ扱いで、訪問介護(ホームヘルプ)・通所介護(デイサービス)・訪問看護などを個別に契約して利用します。ケアマネジャー(介護支援専門員)がケアプランを作成し、要介護度ごとの区分支給限度基準額の範囲内であれば、自己負担は所得に応じて原則1〜3割です(2026年時点)。要介護認定がまだの方は、関連記事「要介護認定の区分早わかり表」も参考になさってください。

同じ建物や隣接地に訪問介護事業所やデイサービスが併設されていることも多く、その場合は移動の負担が少なく、顔なじみの職員に支援してもらいやすい安心感があります。一方で、併設事業所の利用は義務ではなく、外部の事業所を自由に選べます。契約時に特定の事業所の利用が前提になっていないかは、確認しておきたいポイントです。

なお、介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設)は、施設の職員が定額で介護を提供する別の仕組みです。サ高住にも特定施設の指定を受けた「介護型」が一部ありますが、指定を受けているのは全体の1割程度にとどまり(2025年時点、高齢者住宅協会の資料による)、大多数のサ高住は外部サービス利用型(一般型)です。

費用はどちらが安い?初期費用と月額の目安

結論初期費用はサ高住のほうが抑えやすい傾向があります。月額はどちらも家賃水準とサービス内容しだいで、介護費用は利用した分だけ別途かかります。

費用の最大の違いは初期費用の性格です。住宅型有料老人ホームは「入居一時金」(0円〜数百万円)、サ高住は「敷金」(家賃の2〜3か月分が目安)という違いがあり、金額の幅も住宅型のほうが大きくなりがちです。

月額費用は、家賃相当額・管理費(共益費)・食費などの合計で決まります。関西圏の民間施設では、住宅型有料老人ホームで月額およそ10〜25万円、サ高住(一般型)で月額およそ10〜20万円が一つの目安ですが、立地や設備によって幅があります。ここに介護保険の自己負担、医療費、日用品費などが加わります。費用の全体像は関連記事「老人ホームの費用」で詳しく解説しています。

住宅型の入居一時金には「初期償却」や「償却期間」という考え方があり、早く退去した場合にいくら戻るかに直結します。契約前に、償却の割合・期間と返還金の計算方法を必ず確認しましょう。

費用項目住宅型有料老人ホームサ高住(一般型)
初期費用入居一時金0円〜数百万円(0円プランの施設もあり)敷金0〜30万円程度(家賃の2〜3か月分が目安)
月額費用の目安およそ10〜25万円およそ10〜20万円
月額の主な内訳家賃相当額・管理費・食費・生活支援サービス費家賃・共益費・状況把握等サービス費(食事は別途契約が多い)
介護サービス費外部サービスを利用した分だけ自己負担(原則1〜3割)同じ仕組み(利用した分だけ自己負担)

金額は関西圏の民間施設の一般的な目安(2026年時点)で、地域・建物・部屋タイプにより大きく異なります。介護保険の自己負担割合は所得に応じて1〜3割(厚生労働省の制度による)。契約前に重要事項説明書で総額をご確認ください。

どちらが向いている?ケース別の目安

結論自立〜要支援で自由な暮らしを重視する方はサ高住、食事や生活支援を標準で受けたい方や介護度が上がる見込みのある方は住宅型有料老人ホームが候補になりやすいです。

実際の向き不向きは、いまの心身の状態と「これからどう暮らしたいか」で変わります。次のような目安で考えると整理しやすくなります。

相談現場では、「サ高住に入居したものの食事の提供がなく、自炊が負担になって早めに住み替えることになった」「住宅型の入居一時金の償却条件を確認しないまま契約し、短期間で退去したら返還金が思ったより少なかった」というご相談が少なくありません。パンフレットの月額だけで決めず、食事・生活支援がどこまで契約に含まれるか退去時のお金の扱いを先に確認しておくと、こうした行き違いを防ぎやすくなります。

介護の窓口では、関西4府県の住宅型有料老人ホーム・サ高住の空き状況や費用感を、相談員が無料でお調べします。候補選びに迷ったら、お気軽にご相談ください。

  • サ高住が向きやすい方: 身の回りのことはおおむね自分ででき、買い物や外出などこれまでに近い生活リズムを続けたい方
  • サ高住が向きやすい方: 初期費用を抑えたい方、将来の住み替えの選択肢を残しておきたい方
  • 住宅型有料老人ホームが向きやすい方: 毎日の食事の提供や見守り・生活支援を最初からしっかり受けたい方、一人暮らしの不安が大きい方
  • 住宅型有料老人ホームが向きやすい方: すでに要介護認定を受けていて、併設の介護サービスを組み合わせながら暮らしたい方
  • 介護度が重い方・医療ケアが多い方: 介護付有料老人ホーム(介護付)や特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)も含めて検討するのが一般的です

選ぶときの確認ポイントは?見学・契約前チェック

結論契約形態とお金の条件、生活サービスの範囲、介護が重くなったときの対応の3点を、見学と重要事項説明書で確認するのが基本です。

住宅型有料老人ホームとサ高住は、同じ類型の名称でも建物ごとにサービスの中身が大きく異なります。見学の際は、次のポイントをそのまま質問してみてください。

とくに「介護が重くなったときに住み続けられるか」は、住宅型・サ高住のどちらを選ぶ場合でも最重要の確認事項です。外部サービス型の住まいは、状態が大きく変わると介護付有料老人ホーム(介護付)や特別養護老人ホーム(特養)などへの住み替えが必要になる場合があります。将来の選択肢まで含めて比較しておくと安心です。

  • 契約形態はどちらか(利用権方式か賃貸借契約か)。入居一時金・敷金の金額と、退去時の返還・精算のルール
  • 月額費用の内訳(家賃・管理費・食費・サービス費)と、食事を利用しない場合の扱い
  • 安否確認・見守りの具体的な方法と、夜間の職員体制・緊急時の対応手順
  • 介護が必要になったとき、どの事業所をどのように選べるか。併設事業所の利用が前提になっていないか
  • 要介護度が上がったり、認知症や医療ケアが必要になったりしたときに住み続けられるか。退去要件の定め方
  • 外出・外泊、面会、来訪者のルールなど、生活の自由度

よくある誤解: サ高住は介護が付いている?

結論いいえ。サ高住に必ず付いているのは安否確認と生活相談で、介護サービスそのものは付いていないのが基本です。

「サービス付き」という名称から、「サ高住なら介護もすべてお任せできる」と考えるのは誤解です。登録基準で義務付けられているのは安否確認(状況把握)と生活相談であり、入浴や排せつの介助といった介護は、外部の介護保険サービスを個別に契約して利用します(特定施設の指定を受けた一部の介護型を除く)。

反対に、「住宅型有料老人ホームには介護が何もない」というのも正確ではありません。施設職員による定額の介護は付きませんが、多くの施設に見守りや生活支援があり、併設の訪問介護などを組み合わせて要介護の方が暮らしているのが実情です。

また、「サ高住は元気なうちしか入れない」「住宅型なら終身住める」といった思い込みにも注意が必要です。入居条件や退去要件は建物ごとに異なるため、名称のイメージではなく、契約書と重要事項説明書(サ高住では登録事項やサービス内容の説明)で個別に確認することが、後悔しない選び方の近道です。迷ったときは、相談員が無料で候補の比較をお手伝いします。

よくある質問

住宅型有料老人ホームとサ高住はどちらが安いですか?

初期費用はサ高住のほうが抑えやすい傾向があります。サ高住は敷金(家賃の2〜3か月分が目安)が中心なのに対し、住宅型は入居一時金がかかる場合があるためです。月額はどちらも家賃水準と食事などのサービス利用量で決まり、介護費用は別途かかるため、総額で比較することが大切です。

要介護でもサ高住に入居できますか?

入居できる住宅は多くあります。入居対象は原則60歳以上の方、または要支援・要介護認定を受けた方などとされており、実際には要介護の入居者も訪問介護などを組み合わせて生活しています。ただし、受け入れ可能な介護度や医療ケアは建物ごとに異なるため、個別の確認が必要です。

サ高住には介護サービスが付いていますか?

必ず付いているのは安否確認(状況把握)と生活相談の2つで、介護そのものは付いていないのが基本です。介護が必要な場合は、外部の介護保険サービスを個別に契約して利用します。特定施設入居者生活介護の指定を受けた「介護型」のサ高住は定額の介護を提供しますが、全体の1割程度にとどまります(2025年時点)。

住宅型有料老人ホームで介護度が上がったら退去になりますか?

一律に退去になるわけではありません。外部サービスの組み合わせで支えられる間は住み続けられる施設が多い一方、常時の介護や医療ケアが必要になると住み替えを提案される場合があります。重要事項説明書の退去要件と、看取りや医療対応の実績を契約前に確認しておくと安心です。

夫婦で一緒に入居できますか?

どちらも2人で入居できる居室があれば可能です。サ高住には夫婦向けの広めの居室を設けた住宅があり、住宅型有料老人ホームにも2人部屋を持つ施設があります。ただし数は多くないため、早めに空き状況を確認するのがおすすめです。

見学では何を確認すればよいですか?

契約形態と初期費用・退去時の精算、月額費用の内訳、食事や見守りの範囲、夜間の職員体制、介護が重くなったときの対応の5点が基本です。できれば食事の時間帯に見学し、入居者の表情や職員の対応も見ておくと、暮らしのイメージがつかみやすくなります。

参考(一次情報)

  • 厚生労働省 有料老人ホームの概要
  • 厚生労働省 有料老人ホーム設置運営標準指導指針
  • 国土交通省 サービス付き高齢者向け住宅の登録制度(高齢者住まい法)
  • サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム(一般社団法人高齢者住宅協会) 登録状況

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