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最終更新: 2026-07-19

健康型有料老人ホームとは

健康型有料老人ホームとは、自立した高齢者向けの有料老人ホームで、介護サービスの提供がなく要介護になると原則退去が必要な住まいです。介護付・住宅型との違いや費用相場、施設数が少ない実態、向いている人の特徴をわかりやすく解説します。

この記事の要点

  • 健康型有料老人ホームとは、老人福祉法第29条にもとづく有料老人ホーム3分類(介護付・住宅型・健康型)の1つで、施設による介護サービスの提供がない住まいです
  • 要介護になると原則として契約解除・退去が必要になる点が最大の特徴で、介護付・住宅型のように同じ施設で介護を受け続けることはできません
  • 月額費用の目安は約15〜40万円、入居一時金は0〜数千万円と、介護付(約15〜30万円)・住宅型(約10〜25万円+介護サービス費)より高くなりやすい傾向があります
  • 厚生労働省の資料では2015年度時点で全国16施設にとどまるとされ、9種類ある老人ホームの中でも選択肢が非常に少ないタイプです
  • 心身共に自立し、費用より設備や生活の自由度を重視できる方に向いており、将来の要介護化まで見据えて住宅型やサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と比較することが大切です

健康型有料老人ホームとは何ですか?

結論健康型有料老人ホームとは、老人福祉法第29条にもとづく有料老人ホームのうち自立した高齢者だけを対象とし、要介護になると原則として契約解除・退去が必要になるタイプの住まいのことです。

有料老人ホームは、老人福祉法第29条にもとづき、食事の提供や介護、家事援助、健康管理のいずれかのサービスを行う施設として都道府県知事等への届出が義務づけられた高齢者向け住まいです。介護サービスの提供方法によって介護付有料老人ホーム(介護付)住宅型有料老人ホーム(住宅型)健康型有料老人ホーム(健康型)の3種類に分かれ、健康型はこの3分類の中でもっとも入居条件が限定されたタイプにあたります。

健康型有料老人ホームは、家事援助や食事の提供、温泉やスポーツジムなどのレクリエーション施設を中心とした住まいで、介護サービスそのものは提供していません。入居時に自立していることが条件となっており、要支援・要介護の認定を受けた時点で、原則として契約解除の対象になります。名前に「健康」とつくとおり、心身共に元気な時期の住み替え先として位置づけられている点が、他の2タイプとの根本的な違いです。

この記事では、健康型有料老人ホームの特徴を、介護付・住宅型との違い、入居条件、費用相場、メリット・デメリット、施設数が少ない実態、向いている人の見分け方まで順に解説します。老人ホーム9種類全体の位置づけは、老人ホームの種類一覧の記事もあわせてご覧ください。

介護付・住宅型とはどう違いますか?

結論健康型は、介護サービスそのものを提供しない点が介護付・住宅型との最大の違いです。有料老人ホーム3分類のうち、要介護になったら退去が前提となるのは健康型だけです。

介護付有料老人ホームは、都道府県などから特定施設入居者生活介護の指定を受け、施設の職員が食事・入浴・排せつの介助を提供します。要介護度が上がっても、基本的には同じ施設で介護を受け続けられるのが特徴です。住宅型有料老人ホームは住まいと生活支援が中心で、介護が必要になったら訪問介護など外部の介護保険サービスを個別に契約して使います。自立の方から要介護の方まで、施設によって幅広く受け入れています。

これに対し健康型は、契約自体に介護サービスが含まれていません。生活相談や食事の提供、緊急時の対応といった生活支援サービスは受けられますが、入浴や排せつの介助のような身体介護は、施設のサービスとして用意されていないのが一般的です。3タイプの違いを表で整理します。

項目介護付有料老人ホーム住宅型有料老人ホーム健康型有料老人ホーム
サービス内容施設の職員が食事・入浴・排せつなどの介護を提供住まいと生活支援が中心。介護は外部の訪問介護などと個別契約食事提供や家事援助が中心。介護サービスの提供はなし
対象となる要介護度自立〜要介護5(施設による)自立〜要介護(施設による)自立している方に限る
介護保険の指定特定施設入居者生活介護の指定ありホーム自体は指定なし(外部サービスを利用)指定なし(介護サービスを提供しないため)
要介護になった場合同じ施設で介護を受け続けられることが多い外部サービスを組み合わせて対応原則として契約解除・住み替えが必要

2026年時点の一般的な傾向の整理です。実際のサービス内容や退去要件は施設ごとの契約により異なります。

健康型有料老人ホームの入居条件は?

結論健康型有料老人ホームの入居条件は、自立していることが絶対条件で、年齢基準は60歳以上・65歳以上など施設によって異なります。

健康型は、身の回りのことを自分でできる自立した方だけを対象としています。要支援1・2や要介護1〜5の認定を受けている方は、原則として新規の入居対象になりません。年齢の基準は施設によって差があり、60歳以上としているところもあれば65歳以上としているところもあります。夫婦での入居では、どちらか一方が基準年齢を満たしていれば申し込める施設もあります。

多くの施設では、申込み時に健康診断書の提出や面談を求め、認知症の症状や医療的ケアの必要性がないかを確認します。持病があっても、日常生活に支障がなく自己管理できる状態であれば入居できるとする施設が一般的ですが、判断基準は施設ごとに異なるため、事前の確認が欠かせません。

確認項目健康型有料老人ホームの主な条件
年齢60歳以上・65歳以上など施設による(夫婦はどちらか一方が基準年齢以上で可の場合も)
身体状況食事・入浴・排せつなど身の回りのことが自分でできる自立した状態
要介護認定非該当(自立)が原則。要支援・要介護の認定があると新規入居は難しい
認知症診断がないこと、判断能力に問題がないことが前提
入居時の確認健康診断書の提出や面談を求める施設が多い

一般的な傾向の整理です(2026年時点)。具体的な基準は施設ごとの重要事項説明書で必ず確認してください。

健康型有料老人ホームの費用相場はいくらですか?

結論健康型有料老人ホームの月額費用の目安は約15〜40万円で、3分類の中で最も高くなりやすい傾向があります。入居一時金も0〜数千万円と幅が大きいのが特徴です。

健康型の月額費用は、家賃相当額・管理費・食費に加え、レクリエーション施設の維持費や充実したスタッフ体制のコストが上乗せされやすく、目安は約15〜40万円です。介護付の約15〜30万円、住宅型の約10〜25万円+介護サービス費と比べても、上限が高くなりやすい傾向があります。入居一時金も0円のプランから数千万円規模の施設まで幅が大きく、立地やホテルのような設備を備えた施設ほど高額になりやすい傾向です。

費用が高くなりやすい背景には、介護保険サービスを使わないため、運営コストのほとんどが利用者の自己負担でまかなわれるという構造があります。介護付・住宅型では介護保険からの給付が施設の収入の一部を占めますが、健康型にはその収入がなく、月額費用や入居一時金に運営費が直接反映されます。住民税非課税世帯の食費・居住費を軽減する補足給付も、健康型を含む有料老人ホームは対象外です。

入居一時金が高額になりやすい健康型だからこそ、老人福祉法にもとづく前払金の保全措置(目安500万円)が講じられているか、入居後90日程度以内に契約を解除した場合の返還ルール(短期解約特例)があるかを、契約前に重要事項説明書で確認しておくと安心です。

費用項目介護付有料老人ホーム住宅型有料老人ホーム健康型有料老人ホーム
入居一時金の目安0〜数百万円(施設による)0〜数百万円(施設による)0〜数千万円(高額な施設もある)
月額費用の目安約15〜30万円約10〜25万円+介護サービス費約15〜40万円
費用が上がりやすい要因要介護度が上がると介護保険の自己負担が増える訪問介護等の利用量が増えると自己負担が増える介護保険の給付がなく運営費が費用に直接反映されやすい

2026年時点の一般的な傾向です(関西エリアの相場を含む)。実際の金額は施設ごとに大きく異なるため、複数施設での比較をおすすめします。

健康型有料老人ホームのメリットは何ですか?

結論健康型有料老人ホームのメリットは、温泉やスポーツジムなど充実した設備と、自分の生活リズムで過ごせる自由度の高さです。有料老人ホーム3分類の中で唯一、介護保険サービスを使わない住まいだからこその魅力といえます。

元気なうちに身軽な生活へ切り替えたい方や、自宅の管理・家事の負担から解放されたい方にとって、健康型は選択肢の一つになります。ただし、次に説明する要介護化のリスクとあわせて検討することが欠かせません。

  • 充実したレクリエーション設備: 温泉やプール、シアタールーム、スポーツジムなど、介護施設というよりホテルやリゾートに近い設備を備えた施設があります
  • 生活の自由度の高さ: 門限や食事の時間を細かく管理されず、外出や外泊も比較的自由にできる施設が多く、現役時代に近い生活リズムを保ちやすい環境です
  • 同世代との交流機会: 趣味のサークルやイベントが充実している施設が多く、自宅では得にくい新しい人間関係や生きがいにつながりやすい環境です
  • 「介護施設」という印象が薄い: 身の回りのことは自分で行う暮らしのため、本人・家族ともに介護のイメージを持たずに住み替えを検討しやすい住まいです

健康型有料老人ホームのデメリットは何ですか?

結論健康型有料老人ホームの最大のデメリットは、要介護になると契約解除となり住み替えが必要になることです。月額費用も約15〜40万円と他の2タイプより高めになりやすく、経済的な負担も軽くありません。

多くの健康型の契約書には、要支援・要介護の認定を受けた場合や、心身の状態が自立した生活を送ることが困難と判断された場合に契約を解除できる条項が定められています。要介護になった時点で退去を求められ、新たな住み替え先を探す必要が生じるのが、健康型に特有のリスクです。長年慣れ親しんだ環境や人間関係を、介護が必要になったタイミングで手放すことになる点は、事前に十分理解しておく必要があります。

施設によっては、同じ運営会社が併設・提携する介護付有料老人ホームへの優先的な住み替え制度を用意している場合もありますが、対応は施設ごとに差が大きく、必ず用意されているわけではありません。住み替え先の有無や条件は、契約前に重要事項説明書と担当者への質問で必ず確認しておきたいポイントです。

介護の窓口の相談現場では、「元気なうちにと健康型を検討していたが、将来また住み替えが必要になると聞いて迷っている」というご相談をいただくことがあります。要介護になったときにどう動くかをあらかじめご本人・ご家族で話し合っておくと、いざというときに慌てずに済みます。

なぜ全国的に施設数が少ないのですか?

結論健康型有料老人ホームは、厚生労働省の資料で2015年度時点で全国16施設にとどまるとされるなど、全国的に施設数が非常に少ないタイプです。

厚生労働省老健局の資料「有料老人ホームの現状と課題・論点について」では、健康型有料老人ホームは2015年度時点で全国16施設にとどまるという調査結果が示されています。介護付・住宅型を合わせた有料老人ホームの施設数が全国で1万件を超える規模であることと比べると、健康型は極めて少数派であることがわかります。

施設数が増えにくい背景には、要介護になったら退去という運営の仕組みが、事業者にとって長期的な需要を見込みにくいという事情があります。介護保険からの給付収入もないため、収益は入居一時金と月額費用に頼らざるを得ず、事業として成立させるハードルが高いことも一因と考えられています。実際の施設探しで健康型が候補に挙がる場面は少なく、自立した時期の住み替え先としては、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住、安否確認と生活相談が付いた自立〜軽度の要介護向けの賃貸住宅)やケアハウス(軽費老人ホーム、60歳以上で自立生活に不安のある方向けの施設)と合わせて検討されることが多くなっています。

厚生労働省老健局の資料「有料老人ホームの現状と課題・論点について」による2015年度時点の件数です。近年の全国的な集計は確認できていませんが、新規開設の動きはごくわずかとみられます。

健康型有料老人ホームはどんな人に向いていますか?

結論健康型有料老人ホームが向いているのは、心身共に自立し、費用より自由度や設備を重視できる方です。反対に、将来の要介護化が心配な方には住宅型やサ高住など他タイプとの比較をおすすめします。

将来の住み替えを前提として受け止められるかどうかが、健康型に向くかどうかの分かれ目です。「今の自由な暮らし」を最優先するご本人と、「先々の介護まで見据えたい」というご家族との間で意見が分かれることもあるため、契約前によく話し合っておくことをおすすめします。

向いている人向いていない人
心身共に自立し、当面は介護の必要がないすでに要支援・要介護の認定を受けている
費用よりも設備や生活の自由度を重視したいできるだけ費用を抑えたい
趣味や交流を楽しむ暮らしを求めている住み替えの回数をできるだけ減らしたい
要介護になった場合の住み替えを前向きに受け止められる要介護になったときの環境変化に不安が大きい

一般的な傾向の整理です(2026年時点)。実際に合うかどうかは、ご本人の性格や体力、家族の状況によっても変わります。

他のタイプとはどう比較検討すればよいですか?

結論健康型有料老人ホームを検討するときは、将来の要介護化まで見据えて介護付・住宅型と比較することが失敗しにくい進め方です。

健康型は施設数がごくわずかなため、実際の比較検討では、住まいと生活支援が中心で自立〜要介護まで幅広く受け入れる住宅型有料老人ホームや、安否確認・生活相談が付いた賃貸住宅であるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)もあわせて選択肢に入れるご家族が少なくありません。介護付有料老人ホームとの違いは、介護付と住宅型の違いの記事でも詳しく解説しています。

介護の窓口では、健康型に加えて自由度の高い住宅型やサ高住も含め、関西4府県(大阪・兵庫・京都・奈良)でご本人の状態と希望に合う住まいの空き状況を相談員が無料でお調べしています。エリア外にお住まいの方は、お近くの地域包括支援センターにご相談ください。有料老人ホーム全体の位置づけは、老人ホームの種類一覧の記事もあわせてご覧ください。

よくある質問

健康型有料老人ホームを一言でいうとどんな施設ですか?

一言でいうと、介護サービスの提供がなく自立した方だけが入居できる有料老人ホームで、要介護になると原則退去が必要になる住まいです。有料老人ホームの3分類(介護付・住宅型・健康型)の中で、最も施設数が少ないタイプでもあります。

健康型有料老人ホームで要介護になったらどうなりますか?

多くの施設で契約解除の対象となり、住み替えが必要です。施設によっては提携する介護付有料老人ホームなどへの住み替え支援を用意している場合もありますが、対応は施設ごとに異なるため、契約前に重要事項説明書で退去要件と住み替え先の有無を確認しておくことが大切です。

健康型有料老人ホームの費用はなぜ高くなりやすいのですか?

温泉やスポーツジムなど充実したレクリエーション設備を備える施設が多いことに加え、介護保険サービスを使わない分、施設の運営費が月額費用や入居一時金にそのまま反映されやすいためです。目安として月額費用は約15〜40万円、入居一時金は0〜数千万円と幅があります。

健康型有料老人ホームは全国にどのくらいありますか?

厚生労働省の資料では、2015年度時点で全国16施設にとどまるという調査結果が示されています。介護付・住宅型を合わせた施設数が全国で1万件を超える規模であるのに比べると、極めて少数派です。近年の新規開設もごくわずかとみられます。

健康型有料老人ホームと住宅型有料老人ホームはどちらを選べばよいですか?

心身が自立していて自由度の高い生活を楽しみたい方は健康型、将来の介護に備えて住み替えの回数を減らしたい方は要介護になっても外部サービスで対応しやすい住宅型が向く傾向があります。将来の介護度の変化まで踏まえて比較することが大切です。

健康型有料老人ホームにケアマネジャーはつきますか?

自立した方が対象のため、入居時点では要介護認定を受けていないケースが大半で、ケアマネジャーは基本的につきません。心身の変化が気になり始めたら、お住まいの地域包括支援センターに相談し、必要に応じて要介護認定の申請につなげることができます。

参考(一次情報)

  • 厚生労働省「有料老人ホームの概要」
  • 老人福祉法第29条
  • 厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」
  • 厚生労働省老健局「有料老人ホームの現状と課題・論点について」

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