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最終更新: 2026-07-06

リハビリできる老人ホームは?

リハビリができる老人ホームを探すご家族向けに、リハビリと機能訓練の違い、老健・特養・有料老人ホームなど種類別の体制比較、老健の入所後3ヶ月の集中リハビリ、訪問リハ・デイケアとの使い分け、見学時の確認ポイントをやさしく解説します。

この記事の要点

  • リハビリテーションは医師の指示のもと理学療法士(PT)などの専門職が行う訓練、機能訓練は機能訓練指導員による機能の維持・向上の取り組みという整理が一般的です
  • 施設の中でリハビリ体制が最も手厚いのは介護老人保健施設(老健)で、入所後3ヶ月以内は週おおむね3日以上の個別リハビリが目安です
  • 特別養護老人ホーム(特養)や有料老人ホームは機能訓練・生活リハビリが中心で、専門職の人数や頻度は施設ごとの差が大きいのが実情です
  • 自宅で暮らしながら訪問リハビリや通所リハビリ(デイケア)でリハビリを続ける選択肢もあります
  • 維持期はご本人の意欲と毎日の活動量が鍵です。見学では専門職の職種・人数、頻度、個別か集団かを数字で確認しましょう

リハビリができる老人ホーム・介護施設とは?

結論リハビリができる老人ホームとは、理学療法士(PT)などのリハビリ専門職や機能訓練指導員が配置され、体の機能の回復・維持を目指す訓練を受けられる施設のことです。代表は介護老人保健施設(老健)です。

リハビリができる老人ホーム・介護施設とは、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)といったリハビリ専門職や機能訓練指導員が配置され、歩く・立ち上がる・飲み込むといった機能の回復・維持に向けた訓練を受けられる施設のことです。ただし、ひとくちに「リハビリあり」といっても、専門職が毎週個別に関わる施設から、集団体操が中心の施設まで、内容には大きな幅があります。

前提として、病院で受けられるリハビリ(医療保険)には日数の目安があります。疾患に応じておおむね90〜180日といった標準的算定日数が定められているとされ、その後の「維持期・生活期」と呼ばれる時期のリハビリは、介護保険のサービスで続けていくのが基本の流れです。

この記事では、介護がはじめてのご家族に向けて、リハビリと機能訓練の違い、施設の種類ごとの体制の差、自宅で受けるリハビリとの使い分けをやさしく整理します。

リハビリと機能訓練の違いとは?

結論介護保険では、医師の指示のもと理学療法士(PT)などの専門職が行うものをリハビリテーション、機能訓練指導員が担う機能の維持・向上の取り組みを機能訓練と整理するのが一般的です。

「リハビリ」と「機能訓練」は同じような意味で使われがちですが、制度上は前提と担い手が異なります。医師の指示のもとで専門職が行うのがリハビリテーション、機能訓練指導員が担うのが機能訓練という整理が基本です。

リハビリテーションは、医師が心身の状態を評価し、その指示に基づいて理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が実施します。介護保険では、老健や介護医療院への入所のほか、通所リハビリテーション(デイケア)や訪問リハビリテーションで提供されます。

一方の機能訓練は、機能訓練指導員が日常生活に必要な機能の維持・向上を目的に行う取り組みです。機能訓練指導員になれるのは、PT・OT・ST、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、一定の実務経験のあるはり師・きゅう師とされています。特別養護老人ホーム(特養)や介護付き有料老人ホーム、デイサービスには1人以上の配置が求められています。

項目リハビリテーション機能訓練
医師の指示必要とされています必須ではありません
主な担い手理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)機能訓練指導員(PT・OT・ST・看護職員・柔道整復師など)
主な目的心身機能の回復・改善生活に必要な機能の維持・向上
主な提供の場老健・介護医療院・デイケア・訪問リハビリ特養・介護付き有料老人ホーム・デイサービス

厚生労働省の人員基準・介護報酬資料をもとにした一般的な整理です(2026年時点)。実際の名称の使い方には施設ごとに幅があります。

施設の種類別リハビリ体制の比較

結論リハビリ専門職の配置が義務づけられ体制が最も手厚いのは老健で、特養は機能訓練が中心、有料老人ホームは施設ごとの差が大きいのが実情です。

主な施設のリハビリ・機能訓練の体制を比べると、次の表のようになります。人員基準はあくまで最低ラインのため、実際の手厚さは施設ごとの確認が必要です。

表のとおり、医師の指示による本格的なリハビリを施設内で受けられるのは、老健と介護医療院が中心です。介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームは、専門職を手厚く置く施設からほとんど関与のない施設まで幅広く、名称だけでは判断できません。

施設の種類専門職の配置(基準の目安)体制の特徴(一般的な傾向)
介護老人保健施設(老健)PT・OT・STのいずれかを入所者100人に1人以上医師の指示による個別リハビリ。在宅復帰を目指し最も手厚い
介護医療院PT・OT・ST等を適当数長期の医療ケアと並行して実施。体制は施設による
特別養護老人ホーム(特養)機能訓練指導員1人以上機能訓練と生活リハビリが中心
介護付き有料老人ホーム機能訓練指導員1人以上機能訓練が中心。専門職の配置は施設差が大きい
住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)配置義務なし外部の訪問リハビリやデイケアを組み合わせて利用
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)配置義務なし家事への参加などを通じた生活リハビリが中心

厚生労働省の人員基準等をもとにした概要です(2026年時点)。加算の算定や施設独自の配置により、実際の体制は異なります。

老健の集中リハビリとは?入所後3ヶ月が手厚い理由

結論老健には入所日から3ヶ月以内を対象とする短期集中リハビリテーション実施加算の仕組みがあり、週おおむね3日以上・1回20分以上の個別リハビリがこの期間の目安とされています。

介護老人保健施設(老健)は、在宅復帰と在宅療養支援を役割とする施設で、リハビリを目的に入所できる代表的な施設です。医師が常勤し、リハビリ専門職の配置も義務づけられているため、体の状態に合わせた個別リハビリを施設の中で受けられます。

特に手厚いのが入所直後です。短期集中リハビリテーション実施加算という仕組みがあり、入所日から3ヶ月以内の期間に、医師または医師の指示を受けたPT・OT・STが、1週につきおおむね3日以上、1回20分以上の個別リハビリを集中的に行うことが要件とされています。2024年度(令和6年度)介護報酬改定では、入所時と月1回以上の生活動作の評価などを行う加算(I)が1日258単位、加算(II)が1日200単位と定められています。

認知症のある方には、認知症短期集中リハビリテーション実施加算(入所後3ヶ月以内・週3日を限度が目安)という仕組みもあり、記憶や意欲への働きかけを含めたリハビリが行われます。

注意点は、老健が原則として長期入所を前提としない施設であることです。おおむね3ヶ月ごとに入所を続けるかどうかの検討が行われ、集中期間の後はリハビリの頻度が下がって、集団リハビリや生活リハビリ中心に移行するのが一般的です。

時期リハビリ内容の目安
入所〜3ヶ月頃短期集中リハビリ。週おおむね3日以上・1回20分以上の個別リハビリ
3ヶ月以降維持期に移行。頻度は下がり、集団リハビリや生活リハビリが中心になる施設が一般的
退所前在宅復帰に向けた動作確認、住宅改修や福祉用具の助言、ご家族への介助方法の説明など

厚生労働省の令和6年度介護報酬改定資料等をもとにした目安です(2026年時点)。加算の算定状況や実際の頻度は、施設とご本人の状態により異なります。

特養・有料老人ホームのリハビリはどこまで期待できますか?

結論生活の場である特養や有料老人ホームでは、機能訓練指導員による機能訓練や生活リハビリが中心で、専門職による個別訓練の頻度は施設ごとに大きく異なります。

特別養護老人ホーム(特養)は原則要介護3以上の方が長く暮らす施設で、機能訓練指導員が1人以上配置されています。個別機能訓練加算を算定する施設では計画に基づく訓練が行われますが、看護職員が機能訓練指導員を兼ねる施設も少なくなく、訓練の回数は限られるのが一般的です。その分、着替えやトイレへの移動といった日常の動作そのものを訓練の機会とする生活リハビリを大切にする施設が増えています。

介護付き有料老人ホームも基準上は機能訓練指導員の配置ですが、PT・OTを複数常勤させてリハビリ重視を掲げる施設もあります。同じ介護付きでも、専門職の人数や訓練の頻度は施設ごとにまったく違うため、体制の中身の確認が欠かせません。住宅型有料老人ホームやサ高住では、外部の訪問リハビリやデイケアを介護保険の区分支給限度額の範囲で組み合わせるのが基本です。

医療ニーズの高い方が長期療養する介護医療院でもPT等によるリハビリは行われますが、生活期の機能維持が主な目的になります。いずれの施設も、重要事項説明書で専門職の職種・人数を確認できるため、見学前に取り寄せると比較しやすくなります。

自宅で受けるリハビリとの使い分け(訪問リハビリ・デイケア)

結論施設に入所しなくても、訪問リハビリテーションや通所リハビリテーション(デイケア)でリハビリは続けられます。外出が難しい方は訪問、通える方はデイケアが目安です。

リハビリのために入所すべきか迷われる方は多いのですが、在宅サービスでも継続は可能です。訪問リハビリテーションは、医師の指示を受けたPT・OT・STが自宅を訪ね、1回20分を単位として(週6回相当が上限の目安)訓練を行うサービスです。玄関の段差やお風呂など、自宅の環境そのものを使った実践的な練習ができる点が強みです。

通所リハビリテーション(デイケア)は、老健や病院・診療所に通って医師の指示のもとリハビリを受けるサービスで、入浴や食事、他の利用者との交流も兼ねられます。デイサービス(通所介護)にも機能訓練指導員による個別機能訓練を行う事業所があり、リハビリ特化型・運動特化型(半日型)と呼ばれる事業所も選択肢になります(制度上は機能訓練にあたります)。

なお、要介護認定を受けている方は、同じ目的のリハビリについて医療保険より介護保険が優先されるのが原則とされています。どのサービスをどの頻度で使えるかは体の状態によって変わりますので、実際の判断は主治医・かかりつけ医やケアマネジャーにご相談ください。

サービス場所主な担い手向いているケース(目安)
訪問リハビリテーション自宅医師の指示を受けたPT・OT・ST外出が難しい方、自宅での動作を練習したい方
通所リハビリテーション(デイケア)老健・病院・診療所医師の指示を受けたPT・OT・ST等通う体力があり、交流や入浴も兼ねたい方
通所介護(デイサービス)の機能訓練デイサービス事業所機能訓練指導員運動の習慣づけや機能の維持を図りたい方

一般的な使い分けの目安です(2026年時点)。利用回数は要介護度ごとの区分支給限度額とケアプランの範囲で調整します。

見学でリハビリ体制を確認する6つのポイント

結論リハビリ充実といった言葉ではなく、専門職の職種と人数、週何回・1回何分か、個別か集団かといった具体的な数字で確認するのがポイントです。

リハビリ体制は、パンフレットの表現だけでは実態がつかめません。見学や問い合わせの際は、言葉ではなく数字で確認するのがコツです。次の6点を質問してみてください。

職員体制や加算の算定状況は、重要事項説明書や、厚生労働省の介護サービス情報公表システムでも確認できます。見学日程の調整や体制の事前確認は、介護の窓口の相談員が無料で代行しますので、お気軽にお申し付けください。

  • 専門職の職種と人数(PT・OT・STの誰が何人いるか、常勤か週何日の非常勤か)
  • 訓練の頻度と時間(週何回・1回何分か、入所からの時期でどう変わるか)
  • 個別か集団か(マンツーマンの個別訓練か、体操など集団プログラムが中心か)
  • 計画の作成と見直し(リハビリ計画・機能訓練計画をどの頻度で見直すか)
  • 生活リハビリの考え方(食事・着替え・移動を職員がどこまで本人に任せているか)
  • 加算の算定状況(個別機能訓練加算や短期集中リハビリテーション実施加算の有無)

リハビリ重視の施設選びで知っておきたい現実

結論維持期・生活期のリハビリは短期間で劇的に回復するものではなく、ご本人の意欲と、生活の中で体を使い続けられる環境が効果を左右するのが実情です。

退院後や要介護になってからの維持期・生活期のリハビリは、機能を大きく取り戻すことよりも、今できることを保ち、生活の中で活かすことが主な目的とされています。専門職の訓練が週2〜3回あっても、1週間の時間全体から見ればごくわずかです。リハビリの時間そのものより、残りの時間の活動量、つまり離床の機会や歩く距離、施設内での役割の有無が状態を左右するといわれています。

もうひとつの鍵は、ご本人の意欲です。「ひ孫に会いに行けるまで歩けるようになりたい」のような本人なりの目標があると訓練は続きやすく、目標づくりを一緒に考えてくれる施設かどうかも大切な視点です。

相談現場では、リハビリの手厚さだけを基準に施設を選び、集中期間が終わった後の暮らしのイメージまでは考えていなかった、というご相談をいただくことがあります。老健で集中的に体力を取り戻してから住まいをあらためて検討する、生活の場としての居心地もリハビリ体制と同じ比重で見る、といった順番の整理をおすすめしています。

なお、リハビリや運動の内容・強度は体の状態によって適否が異なります。実際の判断は主治医・かかりつけ医にご相談ください。介護の窓口では、関西4府県の施設のリハビリ専門職の人数や訓練の頻度を相談員が無料でお調べします。胃ろうや看取りなどご事情がある場合は、状況別のご案内ページもあわせてご活用ください。

よくある質問

老人ホームに入るとリハビリは受けられなくなりますか?

いいえ、施設の種類によって形は変わりますが継続できます。老健では医師の指示による個別リハビリ、特養や介護付き有料老人ホームでは機能訓練指導員による機能訓練が受けられます。住宅型有料老人ホームやサ高住では、外部の訪問リハビリやデイケアを組み合わせる方法が一般的です。

リハビリ目的で入所するなら、どの施設が向いていますか?

在宅復帰を目的とした介護老人保健施設(老健)が代表的です。リハビリ専門職の配置が義務づけられ、入所後3ヶ月以内は週おおむね3日以上の個別リハビリ(短期集中リハビリテーション実施加算)が目安として受けられます。ただし、原則として長期入所を前提としない施設である点には注意が必要です。

機能訓練とリハビリはどちらが効果的ですか?

目的が異なるため、単純な優劣では比較できません。医学的な回復を目指す時期は医師の指示によるリハビリテーションが、状態が安定した維持期には生活に沿った機能訓練や生活リハビリが役割を担うのが一般的です。どちらも、ご本人の意欲と継続が効果を左右するとされています。

特別養護老人ホーム(特養)でもリハビリは受けられますか?

特養には機能訓練指導員が1人以上配置されており、機能訓練や生活リハビリが中心に行われます。医師の指示に基づく専門職の個別リハビリを頻回に受けられる施設は限られるため、職種や頻度を施設ごとに確認することが大切です。

医療保険のリハビリと介護保険のリハビリは併用できますか?

要介護認定を受けている方は、同じ目的のリハビリでは介護保険が優先されるのが原則とされています。移行期間など例外的な取り扱いもあるため、実際の判断は主治医やケアマネジャーにご確認ください。

老健にはどのくらいの期間入所できますか?

法律上の一律の期限はありませんが、在宅復帰を目的とする施設のため、おおむね3ヶ月ごとに入所継続の検討が行われます。実際には3〜6ヶ月程度で退所し、自宅や次の住まいを考えるケースが多いのが実情です。

参考(一次情報)

  • 厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について
  • 厚生労働省 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準
  • 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会資料(介護老人保健施設)
  • 厚生労働省 介護サービス情報公表システム

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