最終更新: 2026-07-05
介護費用の平均はいくら?
介護費用の平均は月9.0万円・一時費用47.2万円・介護期間約4年7ヶ月が目安です(生命保険文化センター2024年度調査)。在宅と施設の費用差や要介護度別の月額、生涯総額の計算例、高額介護サービス費など負担を抑える制度までやさしく解説します。
この記事の要点
- 介護費用の平均は月9.0万円・一時費用47.2万円・介護期間55.0ヶ月(約4年7ヶ月)です(生命保険文化センター2024年度調査)
- 在宅介護は月平均5.3万円、施設介護は月平均13.8万円と、介護の場所によって費用は2倍以上変わります
- 要介護度が重いほど介護保険で使える上限(区分支給限度基準額)が増え、費用も高くなる傾向があります
- 生涯の総額は「月額×期間+一時費用」で概算でき、平均値では約542万円が一つの目安です
- 高額介護サービス費などの軽減制度を活用し、親の年金・資産の範囲で続けられるプランを立てることが大切です
介護費用の平均はいくら?最新調査でみる結論
結論介護費用の平均は、月々9.0万円・一時的な費用47.2万円・介護期間55.0ヶ月(約4年7ヶ月)が目安です(生命保険文化センター2024年度調査)。
介護費用とは、介護保険サービスを利用したときの自己負担額や、おむつ代・施設の居住費・食費など、介護のために家計から支払うお金の総称です。公的な介護保険を使っても自己負担がゼロになるわけではないため、まず平均的な水準を知っておくと備えの計画が立てやすくなります。
生命保険文化センターの2024(令和6)年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、過去3年間に介護経験がある人が介護に要した費用は、月々の費用が平均9.0万円、住宅改修や介護用ベッドの購入などの一時的な費用が平均47.2万円でした。この金額には介護保険サービスの自己負担分も含まれています。
また、介護を行った期間は平均55.0ヶ月(約4年7ヶ月)でした。前回の2021(令和3)年度調査では月平均8.3万円・一時費用平均74万円・期間平均61.1ヶ月(約5年1ヶ月)だったため、月々の負担はやや増え、一時費用は減る傾向がみられます。いずれも平均値であり、実際の費用は介護の場所や要介護度によって大きく変わる点に注意が必要です。
| 項目 | 平均 | 補足 |
|---|---|---|
| 月々の費用 | 9.0万円 | 介護保険サービスの自己負担を含む |
| 一時的な費用 | 47.2万円 | 住宅改修・介護用ベッドの購入など |
| 介護期間 | 55.0ヶ月(約4年7ヶ月) | 介護中の人は開始からの経過期間 |
| 在宅介護の月額 | 5.3万円 | 介護を行った場所別の平均 |
| 施設介護の月額 | 13.8万円 | 介護を行った場所別の平均 |
出典:生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」。過去3年間に介護経験がある人の平均値で、2026年時点で最新の公表データです。
在宅介護と施設介護で費用はどれくらい違う?
結論同じ調査で、在宅介護は月平均5.3万円、施設介護は月平均13.8万円です。施設は種類により月10〜25万円程度が目安で、在宅より高くなるのが一般的です。
在宅介護は月平均5.3万円、施設介護は月平均13.8万円と、どこで介護をするかで毎月の負担は2倍以上変わります。在宅では介護保険の自己負担とおむつ代などの実費が中心で月数万円台に収まることが多い一方、施設では家賃にあたる居住費や食費がまるごとかかるためです。
ひとくちに施設といっても、特別養護老人ホーム(特養)のような公的施設か、有料老人ホームのような民間施設かで水準は異なります。代表的な施設の月額の目安は次のとおりです。
| 介護の場所・施設 | 月額の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 在宅介護 | 約1〜6万円 | 調査の平均は5.3万円。要介護度が上がると増える傾向 |
| 特別養護老人ホーム(特養) | 約9〜15万円 | 公的施設。原則要介護3以上。所得に応じた軽減あり |
| 介護老人保健施設(老健) | 約9〜16万円 | 公的施設。在宅復帰を目指すリハビリ中心の施設 |
| グループホーム(認知症対応型共同生活介護) | 約12〜18万円 | 認知症の方向け。要支援2以上で原則同一市区町村の方が対象 |
| 介護付き有料老人ホーム | 約15〜25万円 | 民間施設。入居一時金が必要な場合あり |
| サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 約13〜20万円 | 民間の賃貸住宅。外部の介護サービスを組み合わせて利用 |
月額は居住費・食費・介護保険自己負担などを含むおおよその目安(2026年時点の一般的な水準)。地域・部屋タイプ・所得によって大きく変わります。費用の全体像は親記事「老人ホームの費用」でも解説しています。
要介護度別の介護費用はどのくらい?
結論要介護度が重いほど介護保険で使えるサービス量の上限(区分支給限度基準額)が増え、実際にかかる費用も高くなる傾向があります。
在宅で介護保険サービスを使う場合、要介護度ごとに1ヶ月に保険が適用される上限額(区分支給限度基準額)が決まっています。上限の範囲内なら自己負担は所得に応じて1〜3割で済み、上限を超えた分は全額自己負担になります。
施設に入居する場合は限度額の考え方が在宅と異なり、要介護度ごとに決められた介護サービス費を負担する仕組みで、こちらも要介護度が上がるほど段階的に高くなります。さらに重度になるほどおむつ代や医療関連の実費も増えやすいため、要介護度が重いほど総費用は膨らみやすいと考えておくと安心です。各区分の状態像は「要介護認定の区分早わかり表」の記事で確認できます。
| 区分 | 支給限度基準額(月) | 自己負担額(1割の場合) |
|---|---|---|
| 要支援1 | 約5.0万円分(5,032単位) | 約5,000円 |
| 要支援2 | 約10.5万円分(10,531単位) | 約10,500円 |
| 要介護1 | 約16.8万円分(16,765単位) | 約16,800円 |
| 要介護2 | 約19.7万円分(19,705単位) | 約19,700円 |
| 要介護3 | 約27.0万円分(27,048単位) | 約27,000円 |
| 要介護4 | 約30.9万円分(30,938単位) | 約30,900円 |
| 要介護5 | 約36.2万円分(36,217単位) | 約36,200円 |
1単位=10円で概算(単価は地域により異なります)。自己負担は所得により1〜3割。出典:厚生労働省の区分支給限度基準額(2026年時点)。
介護費用の内訳は?何にいくらかかるのか
結論介護費用は「介護保険サービスの自己負担」「保険外の実費」「一時的な費用」の3つに大きく分かれます。
毎月かかる費用と、最初にまとまってかかる費用を分けて考えると、全体像がつかみやすくなります。
一時的な費用のうち、手すりの設置や段差解消などの住宅改修は、介護保険から20万円を上限に費用の7〜9割が支給されるのが一般的です。ポータブルトイレや入浴用いすなど特定福祉用具の購入も年間10万円まで保険の対象になります。ケアマネジャー(介護支援専門員)に相談してから工事・購入すると手続きがスムーズです。
| 分類 | 主な内容 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 介護保険サービスの自己負担 | 訪問介護(ホームヘルプ)・デイサービス・施設の介護サービス費など | 月数千円〜約3.6万円(1割負担で限度額まで使った場合) |
| 保険外の実費 | 食費・居住費・水道光熱費・おむつ代・日用品・保険外サービスなど | 在宅で月1〜3万円程度、施設で月7〜20万円程度 |
| 一時的な費用 | 住宅改修・介護用ベッドなどの購入・施設の入居一時金など | 調査の平均は47.2万円。入居一時金は0円〜数百万円と幅が大きい |
金額は一般的な目安(2026年時点)。一時費用の平均は生命保険文化センター2024年度調査によります。
生涯でいくらかかる?介護費用の総額シミュレーション
結論総額は「月々の費用×介護期間+一時費用」で概算できます。平均値をあてはめると約542万円が一つの目安です。
2024年度調査の平均値をあてはめると、計算式は「月9.0万円×55.0ヶ月+一時費用47.2万円」となり、総額はおよそ542万円が一つの目安です。介護の場所や期間を変えたシミュレーションは次のとおりです。
介護期間はあくまで平均で、10年以上続くケースもあります。大きな金額に見えますが、一度に支払うわけではなく、実際に大切なのは毎月の収支が回るかどうかです。本人の年金収入で足りない差額が月いくらになるのかを把握することから始めましょう。
| ケース | 計算式 | 総額の目安 |
|---|---|---|
| 平均的なケース | 9.0万円×55ヶ月+47.2万円 | 約542万円 |
| 在宅中心のケース | 5.3万円×55ヶ月+47.2万円 | 約339万円 |
| 施設中心のケース | 13.8万円×55ヶ月+47.2万円 | 約806万円 |
| 介護が10年続いた場合 | 9.0万円×120ヶ月+47.2万円 | 約1,127万円 |
生命保険文化センター2024年度調査の平均値をもとにした概算(2026年時点)。実際の総額は要介護度・施設の種類・介護期間によって大きく変わります。
介護費用の負担を抑える制度まとめ
結論高額介護サービス費や補足給付(特定入所者介護サービス費)など、自己負担を軽くする公的制度が複数あります。多くは申請しないと適用されません。
代表的な軽減制度を一覧にまとめました。一般的な所得の世帯なら、介護保険の自己負担が月44,400円を超えた分は高額介護サービス費として払い戻されます。
これらの制度は申請して初めて適用されるものが多いのが注意点です。市区町村の介護保険窓口や地域包括支援センター、担当のケアマネジャーに「使える制度はないですか」と確認する習慣をつけましょう。
| 制度 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 高額介護サービス費 | 介護保険の自己負担が月の上限額を超えた分を払い戻し | 一般的な所得の世帯の上限は月44,400円 |
| 特定入所者介護サービス費(補足給付) | 特別養護老人ホーム(特養)など介護保険施設やショートステイの食費・居住費を軽減 | 住民税非課税世帯が対象。預貯金などの資産要件あり |
| 高額医療・高額介護合算療養費制度 | 医療と介護の1年間の自己負担合計が上限を超えた分を払い戻し | 所得区分ごとに年間の上限額を設定 |
| 医療費控除 | 医師の証明があるおむつ代や一部の介護サービス自己負担を所得控除 | 確定申告が必要。領収書を保管しておく |
| 世帯分離 | 住民票の世帯を分けることで負担上限や保険料の判定区分が変わる場合がある | 市区町村への届出が必要。効果は世帯の状況により異なる |
2026年時点の一般的な内容です。金額や要件は所得・市区町村により異なります。各制度のくわしい条件は費用の関連記事で解説しています。
親の介護費用は誰が払う?
結論親自身の年金や貯蓄から支払うのが原則、という考え方が一般的です。子ども世帯の家計を崩さないことが共倒れの防止につながります。
介護費用は親のお金(年金・預貯金・資産)でまかなうのが原則です。介護は何年続くか分からないため、子どもが毎月負担する形にすると途中で立ち行かなくなるおそれがあります。まずは親の年金月額と預貯金を確認し、その範囲で続けられるサービスや施設を選ぶのが基本です。
相談現場では、子ども世帯が月数万円の仕送りや立て替えを続けて家計が苦しくなってから相談に来られるケースが少なくありません。親の年金額から逆算して施設の予算を決め直すと、無理なく続けられるプランに見直せることが多いです。お金の話は切り出しにくいものですが、親が元気なうちに共有しておくことをおすすめします。
きょうだいがいる場合は、次の点を早めに話し合っておくとトラブルの予防になります。
- 親の年金月額・預貯金・加入している保険を共有する
- お金の管理者を決め、立て替えは記録を残すルールにする
- お金・手続き・日常の見守りなど役割を分担する
- 判断能力の低下に備えて成年後見制度や家族信託の情報を集めておく
介護費用にどう備える?今からできる準備
結論親の収支の把握、介護保険制度の理解、早めの相談が基本です。平均額はあくまで目安とし、わが家の予算で考えましょう。
備えは「情報」と「お金」の両輪です。特に施設選びでは、入居一時金の有無や月額に含まれる費用の範囲が施設ごとに異なるため、同じ予算でも選べる選択肢は大きく変わります。次の5つから始めてみてください。
施設探しを予算から考えたいときは、介護の窓口の相談員が、関西4府県の施設情報からご予算・ご希望に合う候補を無料でお調べします。「月12万円まで」といった予算ベースのご相談も可能です。
- 親の年金額・預貯金・民間保険(介護保険や医療保険)の加入状況を確認する
- 介護保険の仕組みと区分支給限度基準額を知っておく
- 月いくらまでなら続けられるか、家計の上限を決めておく
- お住まいの地域包括支援センターに早めに相談する
- 施設を検討する場合は、予算に合う施設を複数比較する
まとめ:平均はあくまで出発点、わが家の数字で計画を
結論介護費用の平均は月9.0万円・一時費用47.2万円・期間約4年7ヶ月ですが、実際の費用は介護の場所と要介護度で大きく変わります。
介護費用は、平均でみると月9.0万円・一時費用47.2万円・期間約4年7ヶ月、総額では約542万円が目安です。ただし在宅なら月数万円台、施設なら月10〜25万円程度と幅が大きく、要介護度が重くなるほど費用は増える傾向があります。高額介護サービス費などの軽減制度を活用しながら、親の年金・資産の範囲で続けられる形を整えることが、家族みんなの生活を守る近道です。
費用の見通しに不安があるときは、一人で抱え込まず、お住まいの地域包括支援センターや介護の窓口の相談員にご相談ください。ご相談は無料で、ご予算に合わせた施設探しのお手伝いもできます。
よくある質問
介護費用は月いくらかかりますか?
生命保険文化センターの2024(令和6)年度調査では、月々の費用は平均9.0万円です(介護保険サービスの自己負担を含む)。在宅介護は平均5.3万円、施設介護は平均13.8万円と、介護の場所によって大きく異なります。
介護費用は総額でいくらかかりますか?
平均値で計算すると、月9.0万円×介護期間55.0ヶ月+一時費用47.2万円で約542万円が目安です。ただし施設に入居したり期間が10年以上に及んだりすると、1,000万円近くになる場合もあります。平均をもとにした概算として、幅を持って考えることが大切です。
在宅介護と施設介護はどちらが安いですか?
毎月の費用だけを比べると、在宅介護(平均5.3万円)のほうが施設介護(平均13.8万円)より安い傾向があります。ただし在宅は家族の時間的・体力的な負担が大きく、要介護度が上がるとサービス利用が増えて差が縮まることもあります。費用と家族の負担のバランスで選ぶことが大切です。
介護費用が払えないときはどうすればよいですか?
まず高額介護サービス費や補足給付(特定入所者介護サービス費)など、負担を軽くする制度を申請できないか確認しましょう。費用を抑えやすい特別養護老人ホーム(特養)への住み替えや、サービス量の見直しも選択肢です。市区町村の介護保険窓口や地域包括支援センター、担当のケアマネジャーに早めに相談してください。
親の介護費用は子どもが払わないといけませんか?
民法上、親子には扶養義務がありますが、実務では親自身の年金や資産から支払うのが原則という考え方が一般的です。子どもが無理に負担を続けると、子ども世帯の家計や老後資金が立ち行かなくなるおそれがあります。親のお金で続けられる範囲のサービスや施設を選び、足りない部分は軽減制度の活用で補いましょう。
介護費用は医療費控除の対象になりますか?
一部が対象になります。医師のおむつ使用証明書があるおむつ代、訪問看護など医療系サービスの自己負担、施設サービス費の一部などが代表例です。対象額は領収書に記載されていることが多いため、領収書を保管して確定申告で申告しましょう。
参考(一次情報)
- 生命保険文化センター 2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査
- 厚生労働省 介護保険制度の概要(区分支給限度基準額)
- 厚生労働省 高額介護サービス費・特定入所者介護サービス費(補足給付)関係資料
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