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最終更新: 2026-07-20

介護保険料を滞納した場合の段階的ペナルティと対処法

介護保険料の滞納とは、納付期限までに保険料を納められていない状態のことです。1年以上で費用がいったん10割負担になり、2年以上で自己負担割合が引き上げられるなど段階的に重くなるペナルティと、減免・分割納付の相談先をやさしく解説します。

この記事の要点

  • 介護保険料の滞納が1年以上続くと、サービス利用時にいったん費用の全額(10割)を自己負担し、あとで払い戻しを受ける「償還払い」に切り替わります
  • 滞納が1年6か月以上になると、その払い戻し(保険給付)が一時的に差し止められ、滞納している保険料に充当される場合があります
  • 滞納が2年以上になると未納期間に応じて自己負担割合が3割(すでに3割の方は4割)に引き上げられ、高額介護サービス費などの負担軽減も受けられなくなります
  • 介護保険料は納付期限の翌日から2年で時効になり、時効成立後は未納分を納められない一方、給付制限などの不利益はその後も一定期間続きます

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介護保険料を滞納すると、ペナルティはどのように重くなりますか?

結論介護保険料を滞納すると、滞納1年以上で支払い方法の変更、1年6か月以上で給付の一時差し止め、2年以上で自己負担割合の引き上げというように、期間の長さに応じて段階的にペナルティが重くなっていきます。

介護保険料とは、40歳以上のすべての方に納付義務があり、将来介護が必要になったときにサービス費用の7〜9割の給付を受けるための土台となる、公的な保険の保険料です。65歳以上の方(第1号被保険者)の保険料は市区町村ごとに所得段階別で決まり、全国平均は月6,000円台(第9期・2024〜2026年度)です。年金からの天引きが基本ですが、年金額が少ない方などは納付書や口座振替で自分で納めます。

滞納とは、この保険料を納付期限までに納められていない状態のことです。1回や2回支払いが遅れただけで即座に重いペナルティが科されるわけではありませんが、納付できない状態が長く続くほど、段階的に措置が重くなっていく仕組みになっています。

次の章から、滞納1年・1年6か月・2年という3つの節目で何が起こるのか、そして2年経過後に時効が成立するとその後どうなるのかを、順番に見ていきます。重い段階に進む前に対処できることも多いため、落ち着いて確認していきましょう。

滞納期間の目安主な措置内容
1年以上支払い方法の変更(償還払い化)サービス利用時にいったん費用の全額(10割)を自己負担し、申請により後日、保険給付分の払い戻しを受ける方式になります
1年6か月以上保険給付の一時差し止め本来払い戻されるはずの保険給付が一時的に差し止められ、滞納している保険料に充当されることがあります
2年以上自己負担割合の引き上げ・給付制限未納期間に応じて自己負担割合が3割(すでに3割の方は4割)に引き上げられ、高額介護サービス費などの軽減制度も利用できなくなります
2年経過後(時効成立)未納保険料の納付不可・不利益の継続時効により滞納分は納付できなくなり、引き上げられた自己負担などの措置はその後も一定期間続きます

第1号被保険者(65歳以上)を想定した一般的な流れです(出典: 介護保険法・厚生労働省の制度資料、参照時点: 2026年7月)。運用の詳細は市区町村により異なる場合があるため、正確な時期や内容はお住まいの市区町村介護保険担当課にご確認ください。

滞納が1年以上続くと、介護サービスの支払い方法はどう変わりますか?

結論介護保険料の滞納が1年以上続くと、いったん費用の全額(10割)を自己負担し、あとで申請して保険給付分の払い戻しを受ける「償還払い」という方式に切り替わるのが一般的です。

通常、介護サービスを利用する際は、利用者が窓口で自己負担分(1〜3割)だけを支払い、残りの7〜9割は市区町村から事業者へ直接支払われます。滞納が1年以上に及ぶと、この仕組みが止められ、いったん全額を利用者が事業者に支払ったうえで、市区町村に申請してはじめて保険給付分が戻ってくる「償還払い」に切り替わるのが一般的な扱いです。

償還払いになると、月々の支払いが一時的に大きく膨らみます。たとえば1割負担で月2万円のサービスを利用していた方は、サービス費用の全額(10割)にあたる月20万円前後をいったん用意しなければならない計算になり、家計への影響は小さくありません。この段階に至る前に、市区町村へ相談して分割納付などの対応を取ることが何より重要です

なお、この措置は主に65歳以上の第1号被保険者が対象です。滞納が始まってすぐに適用されるわけではなく、納付期限を過ぎると督促状や催告書が届き、それでも未納が続いた場合に段階が進んでいきます。通知が届いた時点でまず窓口に相談すれば、分割納付などでこの段階を回避できることも多くあります。

滞納が1年6か月以上続くと、保険給付はどうなりますか?

結論介護保険料の滞納が1年6か月以上続くと、本来払い戻されるはずの保険給付の一部または全部が一時的に差し止められ、滞納している保険料に充当される場合があります。

1年6か月以上の滞納になると、前の章で説明した償還払いの一歩先が進みます。償還払いで申請すれば戻ってくるはずだった保険給付分(7〜9割)の支払いが一時的に差し止められ、実質的に手元に戻ってこない状態になるのが一般的です。

差し止められた給付は、市区町村の判断により、滞納している保険料の納付に充てられることがあります。サービス利用のために立て替えた費用が、そのまま未納保険料の穴埋めに回ってしまう形です。利用者にとっては、全額自己負担のまま払い戻しも受けられない状態が続くため、家計への影響はこの段階でさらに大きくなります。

この段階まで来ると、生活資金そのものが厳しくなっているケースも少なくありません。「もう手遅れかもしれない」とあきらめず、この後で説明する減免制度や分割納付の相談を、できるだけ早いタイミングで行うことが大切です。

滞納が2年以上続くと、自己負担割合はどこまで引き上げられますか?

結論介護保険料の滞納が2年以上続くと、時効になった未納期間に応じて本来1〜2割の自己負担が3割に、すでに3割の方は4割に引き上げられ、高額介護サービス費などの負担軽減も受けられなくなります。

2年以上の滞納があると、時効が成立した期間の長さに応じて、自己負担割合の引き上げという、これまでで最も重い措置が適用されるのが一般的です。本来1割負担の方も2割負担の方も3割に、もともと3割負担だった方は4割に引き上げられ、介護サービスを使うたびに通常より重い自己負担がのしかかることになります。

あわせて、月々の自己負担に上限を設ける高額介護サービス費や、施設サービスの食費・居住費を軽くする補足給付(特定入所者介護サービス費)といった負担軽減の制度も、この期間は利用できなくなるのが一般的です。補足給付はもともと、住民税非課税世帯であることに加えて預貯金などの資産が一定額以下であることも条件になっており、対象となる施設も特別養護老人ホーム(特養、原則要介護3以上)、介護老人保健施設(老健、要介護1以上)、介護医療院、ショートステイ(短期入所生活介護など)に限られます。これらの施設を利用中・利用予定で対象条件を満たしている方にとっては、特に影響の大きい措置といえます。

この引き上げが適用される期間は、時効になった未納期間の長さに応じて決まる仕組みです。次の章では、時効そのものの考え方と、その後も不利益が続く理由を詳しく見ていきます。

項目通常の場合滞納2年以上(給付制限適用時)
自己負担割合所得に応じて1〜3割本来1〜2割の方は3割に、本来3割の方は4割に引き上げ
高額介護サービス費(自己負担の上限)上限を超えた分が払い戻される(一般的な所得区分で月44,400円が目安)適用されなくなる
補足給付(食費・居住費の軽減)住民税非課税世帯かつ資産要件を満たす場合が対象(特養・老健・介護医療院・ショートステイ)対象外になる

高額介護サービス費の上限額(月44,400円)は一般的な所得区分の目安で、所得段階により異なります(厚生労働省の制度資料をもとにした金額、参照時点: 2026年7月)。制度が改定される場合があるため、最新の内容は市区町村にご確認ください。

なぜ2年で時効になり、その後も不利益が続くのですか?

結論介護保険料は、納付期限の翌日から2年が経過すると時効が成立し、それ以降は納めたくても納付できなくなる仕組みです。時効になった期間の分だけ、前の章で説明した給付制限がその後も続きます。

税金など多くの公的な債権と同じように、介護保険料にも時効があります。市区町村が保険料を請求できる権利は、納付期限の翌日から2年で消滅するのが原則です。時効が成立すると、市区町村はその分の保険料を徴収できなくなりますが、同時に被保険者側も、あとから納めたいと思っても受け付けてもらえなくなります。

ここは、滞納を放置する場合にとくに注意しておきたいポイントです。時効になった期間があると、その期間に応じた給付制限(自己負担割合の引き上げなど)が、時効成立後も一定期間続く仕組みになっているため、「2年経ったからもう関係ない」ではなく、むしろそこから不利益が続いていくと考えたほうが実情に近いといえます。

とはいえ、過去に時効となった分をどうにかすることはできなくても、「これから先の保険料をこれ以上滞納しない」ことが、不利益をこれ以上長引かせないための最も確実な一歩です。次の章から、滞納を防ぐ・止めるために使える制度と相談先を具体的に見ていきます。

40〜64歳の方(第2号被保険者)も、同じペナルティを受けますか?

結論40〜64歳の第2号被保険者は、介護保険料が加入する医療保険の保険料と一体で徴収されるため、ここまで説明した償還払い化や給付制限の仕組みは、主に65歳以上の第1号被保険者に適用されるものです。

介護保険料の納め方は、年齢によって仕組みが異なります。65歳以上の方(第1号被保険者)は市区町村が個別に保険料を決定・徴収するのに対し、40〜64歳の方(第2号被保険者)は、加入している医療保険(健康保険組合・協会けんぽ・国民健康保険など)の保険料に上乗せする形で、介護分もまとめて徴収されます。会社員・公務員の方は給与天引き、自営業や無職の方などは国民健康保険料の一部として納めます。

40〜64歳の方が実際に介護保険サービスを利用できるのは、末期がんや脳血管疾患など、国が定めた16の特定疾病により要支援・要介護と認定された場合に限られます。医療保険料(介護分を含む)を滞納した場合の扱いは、加入している医療保険制度のルールに沿って判断されるのが一般的で、ここまで説明してきた第1号被保険者向けの給付制限とは仕組みが異なります。心当たりがある場合は、加入している医療保険の窓口(健康保険組合・協会けんぽの支部、市区町村の国民健康保険担当課など)に相談してみましょう。

収入減少や災害のときに使える減免や徴収猶予の制度はありますか?

結論はい。失業や収入の急な減少、災害などやむを得ない事情がある場合は、介護保険料の減免・徴収猶予・分割納付といった軽減の仕組みを利用できる場合があります。

多くの市区町村では、次のような事情がある方を対象に、保険料の減免(保険料そのものを軽くする)や徴収猶予(一定期間、支払いを待ってもらう)の制度を設けています。対象となる基準や軽減の内容は市区町村の条例によって定められているため、下の表はあくまで想定される例です。

減免や徴収猶予は、原則として自分から申請しなければ適用されません。「うちは対象外かもしれない」と自己判断せず、まずは事情を市区町村の窓口に伝えてみることが大切です。すでに滞納してしまっている場合でも、その時点から使える制度が残っていることがあります。

また、年金収入が少ない方については、所得段階に応じた保険料の軽減(公費による負担軽減)が、そもそもの保険料額にあらかじめ反映されている場合もあります。今の保険料額に疑問がある場合は、この点もあわせて市区町村に確認してみるとよいでしょう。

想定される事情利用できる可能性がある制度相談・申請先
失業・休業・事業不振などで収入が大きく減った保険料の減免お住まいの市区町村 介護保険担当課
震災や火災などの災害で住居や財産に大きな被害を受けた保険料の減免・徴収猶予お住まいの市区町村 介護保険担当課
一時的に一括では納めにくい(分割で納めたい)分割納付の相談お住まいの市区町村 介護保険担当課

対象となる基準や制度の名称・内容は市区町村の条例により異なります(参照時点: 2026年7月)。ここに挙げた事情はあくまで想定される例のため、該当するかどうかはお住まいの市区町村介護保険担当課にご確認ください。

滞納に気づいた今日、まず何をすればよいですか?

結論滞納に気づいたら、今日中にお住まいの市区町村の介護保険担当課へ連絡することが、2年の時効を迎える前にペナルティの進行を止める一番の近道です。

電話1本でその日のうちにできることがあります。次の順番で進めてみてください。

介護の窓口の相談現場では、「滞納していることが恥ずかしくて、誰にも言えないまま半年以上が過ぎていた」というお話を伺うことがあります。しかし市区町村の窓口は取り立てだけを行う場所ではなく、事情に応じた減免や分割納付をいっしょに考えてくれる相談窓口です。早めに連絡した方ほど、重い段階に進む前に対処できています。ひとりで抱え込まず、まずは電話をかけてみることから始めてみてください。

介護保険料の心配とあわせて、将来の施設入居や費用面全体の見通しについても相談したい場合は、介護の窓口(関西4府県対応)でも無料でご相談いただけます。エリア外の方は、お近くの地域包括支援センターにご相談ください。

  • 手元にある納付書・督促状・催告書を確認し、いつの分がいくら未納になっているかを把握する
  • お住まいの市区町村の介護保険担当課(自治体によっては国民健康保険担当課などと兼務)に電話し、支払いが難しい事情を正直に伝える
  • 年金振込通知書や給与明細、離職票など収入がわかる書類を用意し、減免や徴収猶予の対象になるか確認する
  • 一括での納付が難しければ、無理のない金額と回数での分割納付を相談する
  • すでに要介護認定を受けている場合は、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターにも状況を共有しておく

よくある質問

一言でいうと、介護保険料を滞納するとどうなりますか?

一言でいうと、介護保険料の滞納は、滞納した期間が長くなるほど段階的にペナルティが重くなる仕組みです。目安として1年以上で支払い方法が償還払いに変わり、1年6か月以上で保険給付が一時差し止められ、2年以上で自己負担割合が引き上げられます。

40〜64歳の第2号被保険者も、65歳以上と同じペナルティの対象になりますか?

40〜64歳の第2号被保険者は、介護保険料が加入する医療保険の保険料と一体で徴収されるため、ここまで説明した償還払い化や給付制限は、主に65歳以上の第1号被保険者に適用される仕組みです。特定疾病で認定を受けサービスを利用する場合の滞納の扱いは、加入している医療保険の窓口に確認しましょう。

滞納している間に急にサービスが必要になったら、利用できませんか?

滞納している間でも、要介護認定を受ければサービス自体は利用できます。ただし滞納の期間に応じて、費用をいったん全額自己負担する償還払いになったり、自己負担割合が引き上げられたりする場合があるため、利用前に市区町村へ滞納状況を確認しておくと安心です。

収入が少なく保険料を払うのが難しいときは、誰に相談すればよいですか?

収入が少なく保険料の支払いが難しいときは、お住まいの市区町村の介護保険担当課に相談するのが基本です。収入の減少や災害など事情に応じて、減免や徴収猶予、分割納付の相談に応じてもらえる場合があります。

すでに2年以上滞納しています。今からできることはありますか?

2年以上の滞納があっても、今からできることはあります。時効が成立した分の保険料は納められませんが、今後の保険料をこれ以上滞納しないこと、そして市区町村に相談して分割納付や減免を活用することで、不利益がこれ以上長引くのを防げます。一人で抱え込まず、早めに窓口へ連絡しましょう。

家族が本人に代わって滞納分の保険料を納めることはできますか?

はい、家族が本人に代わって保険料を納付すること自体は可能です。ただし、償還払い化や給付制限といった措置は、実際に納付が完了した時点や滞納期間の状況に応じて市区町村が判断するため、家族が肩代わりする場合も早めに市区町村の介護保険担当課へ相談し、今後の見通しを確認しておくと安心です。

参考(一次情報)

  • 厚生労働省「介護保険料の滞納者に対する給付制限等について」
  • 厚生労働省「介護保険制度の概要」
  • 市区町村 介護保険担当課(保険料の減免・徴収猶予・分割納付に関する案内)

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