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最終更新: 2026-07-06

介護タクシーとは?料金と使い方

介護タクシーとは、車椅子やストレッチャーのまま乗れる移送サービスの通称です。介護保険が使える通院等乗降介助と保険外の福祉タクシーの違い、運賃・介助料・機材料の3階建ての料金目安、予約の流れ、自治体の助成制度までやさしく解説します。

この記事の要点

  • 介護タクシーとは、車椅子やストレッチャーのまま乗れて、乗務員が乗り降りの介助までしてくれる移送サービスの通称です
  • 介護保険が使える「通院等乗降介助」と、自由に使える保険外の福祉タクシーの2種類があり、対象者や使える目的が異なります
  • 介護保険型は原則要介護1以上で通院などに目的が限定され、家族の同乗は原則できません。介助部分は1割負担で片道約100円が目安です
  • 料金は運賃+介助料+機材レンタル料の3階建てが一般的で、保険で安くなるのは介助料の部分だけです
  • 買い物や冠婚葬祭、入退院、施設入居後の通院には保険外型が使え、自治体の福祉タクシー券で負担を抑えられる場合があります

介護タクシーとは?車椅子のまま乗れる移送サービス

結論介護タクシーとは、車椅子やストレッチャーに乗ったまま移動でき、乗務員が乗り降りの介助までしてくれる移送サービスの通称です。通院や外出がむずかしくなった方の移動を支えてくれます。

介護タクシーとは、車椅子やストレッチャー(寝台)のまま乗車できる専用車両を使い、運転手が乗り降りの介助まで担ってくれるタクシーの通称です。法律上の正式な名称ではなく、国土交通省の制度では、車椅子対応車両などで高齢者や障害のある方の輸送を行うタクシーは「福祉タクシー」と位置づけられています。運転だけでなく、ベッドサイドから車両までの移動や、病院の受付までの付き添いも任せられる点が、一般のタクシーとの大きな違いです。

乗務員の多くは介護職員初任者研修などの介護資格を持ち、リフトやスロープ付きの車両で、お体の状態に合わせた移動ができます。「家族だけでは車に乗せられない」「車椅子のまま乗れる車がない」というご家庭で広く使われています。

なお、街なかで見かけるユニバーサルデザインタクシー(UDタクシー)も車椅子のまま乗車できますが、乗り降りの介助はドライバーの業務に含まれないのが基本です。移動の介助まで頼みたい場合は、介護タクシーを選ぶと安心です。

大切なのは、同じ介護タクシーと呼ばれていても、介護保険が使えるタイプ保険外で自由に使えるタイプの2種類があることです。どちらに当てはまるかで、対象者・使える目的・料金のしくみが大きく変わります。

介護タクシーの2つの種類|介護保険型と保険外型の違い

結論介護タクシーには、介護保険の「通院等乗降介助」として使うタイプと、保険を使わず自由に利用できる保険外の福祉タクシーがあります。対象者や使える目的、家族の同乗可否が異なります。

介護保険型は、訪問介護のサービスの1つである通院等乗降介助を指し、ケアマネジャー(ケアマネ)が作成するケアプランに位置づけて利用します。一方、保険外型はいわゆる福祉タクシーで、要介護認定の有無にかかわらず、どなたでも自由な目的で利用できます。2つの違いを表で整理します。

項目介護保険型(通院等乗降介助)保険外型(福祉タクシー)
介護保険介助部分に適用(自己負担1〜3割)適用なし(全額自己負担)
対象者原則要介護1以上制限なし(要支援・認定なしの方も可)
利用目的通院など日常・社会生活上必要な外出に限定自由(買い物・冠婚葬祭・旅行なども可)
家族の同乗原則できない可能
手続きケアマネに相談しケアプランに位置づけ事業者へ直接予約
運賃部分実費(保険対象外)実費

通院等乗降介助の細かな取り扱いは市区町村(保険者)によって異なります。2026年時点の一般的な取り扱いをもとにした整理です。どちらを使うかは目的しだいで、通院が中心なら介護保険型、それ以外の外出や家族の同乗が必要な場面なら保険外型が基本の考え方です。同じ事業者が両方を扱っていることも多く、迷ったときは担当のケアマネジャーに相談すると、ケアプラン全体を踏まえて判断してもらえます。

介護保険が使える「通院等乗降介助」の条件とは?

結論介護保険型の対象は原則要介護1以上の方で、通院など日常生活・社会生活に必要な外出に限られます。ケアプランへの位置づけが必要で、家族の同乗は原則認められていません。

通院等乗降介助は、介護資格を持つ乗務員が、乗車前後の移動や乗り降り、受診の手続きなどを一連の流れで介助するサービスです。乗車前の準備(着替えや戸締まりなど)から、受診の手続き、帰宅後に室内へ戻るまでの介助が含まれます。要支援1・2の方は対象外とされており、原則として要介護1〜5の認定を受けたうえで、ケアマネジャーがケアプランに位置づけた場合に利用できます。介護保険で認められる主な外出目的は次のとおりです。

  • 病院・診療所への通院(受診・リハビリテーション)
  • 本人が出向く必要のある補聴器やメガネなどの調整・購入
  • 日常生活に必要な買い物(本人が行く必要がある場合)
  • 預貯金の引き出しや、役所での公的な手続き
  • 選挙の投票

趣味の外出や冠婚葬祭、お墓参りなどは対象外とされています。また、家族が同乗して介助できる場合は、原則として介護保険の対象になりません。乗務員が介助を担う前提のサービスのため、家族の同乗自体を認めていない保険者が多い点も知っておきましょう(可否の判断は市区町村により異なります)。

介護タクシーの料金のしくみ|運賃+介助料+機材料の3階建て

結論介護タクシーの料金は、タクシーの運賃に介助料と機材レンタル料を積み上げる3階建てが一般的です。おおよその目安を知っておくと、事業者ごとの見積もりを比較しやすくなります。

料金の内訳は大きく3つに分かれます。移動距離に応じた運賃、介助の内容に応じた介助料、車椅子やストレッチャーを借りる場合の機材レンタル料です。たとえば自宅から3kmほど先の病院まで車椅子を借りて片道移動する場合、運賃1,300円+介助料1,000円+車椅子レンタル300円=片道2,600円前後がひとつの計算例です。同じ地域でも介助料や機材料の設定には事業者ごとの差があるため、定期的に使う予定があるなら、2〜3社に同じ条件で見積もりを取って比べると安心です。

料金の階層内容目安額
1階:運賃距離制(メーター制)または時間制一般のタクシーとほぼ同水準(初乗り500〜700円程度+距離加算)
2階:介助料乗降介助・外出付き添い・階段の介助など乗降介助1回500〜1,500円程度(階段介助などは追加)
3階:機材レンタル料車椅子・リクライニング車椅子・ストレッチャーなど車椅子0〜500円程度、リクライニング1,500〜2,000円程度、ストレッチャー4,000〜6,000円程度

料金は各事業者が届け出た運賃・料金によって異なります。上記は2026年時点の一般的な目安で、正確な金額は予約時の見積もりでご確認ください。

介護保険型の自己負担はいくら?単位数と計算例

結論介護保険型では、介助部分が通院等乗降介助として1回(片道)97単位で算定され、1割負担なら片道約100円が目安です。ただし運賃と機材レンタル料は保険の対象外で、実費がかかります。

介護保険型のメリットは、3階建てのうち介助料の部分が保険給付の対象になることです。通院等乗降介助は1回(片道)97単位(2024年度介護報酬改定後)で、1単位=約10円で計算すると、自己負担1割の方は片道約100円、往復でも約200円で介助を受けられます。

なお、介護保険型を頼めるのは、訪問介護事業所などの指定を受けた事業者に限られます。保険外専門で営業している介護タクシーでは通院等乗降介助を算定できないため、介護保険で使いたい場合は、ケアマネジャーに対応できる事業者を探してもらうのが近道です。

項目取り扱い自己負担の目安(1割の場合)
介助料(通院等乗降介助)1回(片道)97単位で算定片道約100円
往復で利用した場合2回分(194単位)で算定約200円
運賃保険対象外(実費)距離に応じて全額
機材レンタル料保険対象外(実費)事業者の設定額の全額

単位数は厚生労働省の2024年度介護報酬改定にもとづく2026年時点の値です。1単位あたりの単価は地域区分によって多少変わり、自己負担2〜3割の方は約2〜3倍になります。なお、保険で安くなるのはあくまで介助料の部分だけで、タクシー代全体が1割になるわけではありません。通院等乗降介助は区分支給限度額(要介護1で月約16.8万円分など)の枠内でほかのサービスと合算されます。

保険外の介護タクシーはどんなときに使う?

結論買い物や冠婚葬祭、入退院や転院、施設見学など、介護保険では認められない外出に使えるのが保険外型です。要支援の方や認定を受けていない方、家族の同乗が必要な場面でも利用できます。

保険外型は全額自己負担ですが、目的を問わず思い立ったときに使える自由さが最大の強みです。要支援1・2の方や要介護認定を受けていない方の外出、入院中の一時外出や転院など、介護保険が使えない状況での移動手段としても受け皿になります。次のような場面でよく利用されています。

  • 買い物・美容院・お墓参り・趣味の外出
  • 結婚式や法事などの冠婚葬祭
  • 入院・退院・転院のときの移動(ストレッチャー対応も可)
  • 老人ホームの見学や、入居当日の移動
  • 帰省や旅行などの長距離移動

とくに退院時の移動は、入院中は在宅の介護保険サービスが使えないこともあり、保険外型を使うのが一般的です。家族が一緒に乗って付き添える安心感も保険外型ならではです。施設見学の際の移動手段に迷ったときは、介護の窓口の相談員にもお気軽にお尋ねください。

介護タクシーの使い方|予約から当日までの流れ

結論介護保険型はケアマネジャーへの相談から、保険外型は事業者への直接予約から始まります。対応できる車両の数が限られるため、日時が決まりしだい早めに予約するのが安心です。

予約のときは、車椅子の種類や座位を保てるか、住まいの階段やエレベーターの有無、当日必要な介助を具体的に伝えるとスムーズです。階段の介助や2人体制での対応が必要な場合は、追加料金や対応の可否に関わります。それぞれの利用の流れは次のとおりです。

手順介護保険型保険外型
1. 相談・予約ケアマネに通院などの困りごとを相談事業者を探して電話などで直接予約
2. 事前準備ケアプランに位置づけて事業者と契約日時・行き先・体の状態・必要な機材を伝える
3. 当日乗務員が自宅内から一連の介助をして送迎希望に応じた介助・付き添い
4. 支払い介助料の1〜3割+運賃などの実費全額自己負担(自治体のタクシー券が使える場合あり)

通院が集中する平日午前は予約が取りにくい時間帯です。ストレッチャー対応車両は台数が少ないため、日程が決まったら1週間以上前をめどに早めに予約すると安心です。相談現場では「通院のたびに家族が仕事を休んで送迎している」というお悩みをよくお聞きします。週1回の通院に介護タクシーを取り入れただけで送迎の負担が大きく減り、在宅介護を続けやすくなったというご家庭は少なくありません。移動の悩みは抱え込まず、ケアマネジャーや地域包括支援センターに早めに相談してみてください。

自治体の福祉タクシー券・移送サービスもあわせて確認

結論多くの市区町村では、障害者手帳をお持ちの方などを対象にタクシー料金の助成券を交付しています。NPOなどによる低額の福祉有償運送もあり、自己負担を抑える選択肢になります。

介護タクシーの自己負担を軽くする方法として、自治体の助成制度があります。多くの市区町村では、身体障害者手帳などをお持ちの方に、初乗り運賃相当のタクシー利用券を年間数十枚交付する福祉タクシー券(タクシー料金助成)の制度を設けています。要介護度などを条件に、高齢者向けの外出支援を行う自治体もあります。

制度・サービス内容主な窓口
福祉タクシー券(料金助成)障害者手帳をお持ちの方などに利用券を交付市区町村の障害福祉・高齢福祉の窓口
福祉有償運送NPOや社会福祉協議会などが行う低額の移送(タクシーのおおむね半額程度が目安)市区町村・社会福祉協議会
通所サービスなどの送迎デイサービスなどの利用時は送迎込みが基本担当のケアマネジャー

制度の名称・対象・助成額は市区町村ごとに異なります(2026年時点)。大阪府・京都府・兵庫県・奈良県でも内容はさまざまなので、お住まいの自治体の窓口や地域包括支援センターで最新情報をご確認ください。手帳をお持ちでない場合も、使える制度が見つかることがあります。

施設に入居したあとも介護タクシーは使える?

結論保険外の介護タクシーは、老人ホーム入居後の通院や外出にもそのまま利用できます。一方、介護保険の通院等乗降介助は、施設の種類によって使えない場合があるため確認が必要です。

老人ホームに入居しても、専門的な検査や持病の受診などで外部の病院に通う場面は意外と多くあります。そんなとき、保険外の介護タクシーは入居後も変わらず利用できます。家族が付き添えない日の通院を介護タクシーに任せているご家庭も多くみられます。

一方、介護保険の通院等乗降介助は訪問介護の一種のため、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)、介護付き有料老人ホームのように介護サービスが一体で提供される施設では利用できません。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は在宅扱いのため、条件を満たせば利用できる場合があります。

通院が多い方の施設選びでは、協力医療機関への通院支援や付き添いの体制、外部受診時の費用まで確認しておくと安心です。介護の窓口では、通院のしやすさも踏まえた施設探しを相談員が無料でお調べしますので、お気軽にご相談ください。

よくある質問

介護タクシーは要支援1・2でも利用できますか?

介護保険の通院等乗降介助は原則要介護1以上が対象のため、要支援1・2の方は利用できません。保険外の福祉タクシーであれば、要支援の方や認定を受けていない方も自由に利用できます。自治体の福祉タクシー券や福祉有償運送が使える場合もあるため、地域包括支援センターに確認してみてください。

介護タクシーに家族は同乗できますか?

介護保険型(通院等乗降介助)では、乗務員が介助を行う前提のサービスのため、家族の同乗は原則認められていません(取り扱いは市区町村により異なります)。家族も一緒に移動したい場合は、保険外の福祉タクシーを選ぶのが一般的です。

介護タクシーの料金はいくらくらいかかりますか?

運賃+介助料+機材レンタル料の3階建てが一般的で、車椅子での近距離の通院なら片道2,000〜3,000円前後、ストレッチャー利用では片道5,000円〜1万円程度が目安です。介護保険型なら介助料の部分が1〜3割負担になります。正確な料金は事業者の見積もりで確認しましょう。

介護タクシーは病院の中まで付き添ってくれますか?

介護保険型では、受付までの介助は通院等乗降介助に含まれますが、院内の介助は原則として病院のスタッフが対応するものとされています。待ち時間の見守りや院内の移動介助が必要な場合は、保険外のサービスとして自費で付き添いを頼める事業者もあるため、予約時に相談してみてください。

ストレッチャー(寝たきり)のまま乗れる介護タクシーはありますか?

あります。寝台対応の車両を持つ事業者なら、寝たままの姿勢で移動できます。機材レンタル料として4,000〜6,000円程度が運賃・介助料に加わるのが目安です。対応車両は数が限られるため、入退院や転院で使う場合は1週間以上前など早めの予約が安心です。

介護タクシーと福祉タクシーはどう違いますか?

国土交通省の制度上は、車椅子対応車両などで高齢者や障害のある方を運ぶタクシーを福祉タクシーと呼び、介護タクシーはその通称として使われています。実際の場面では、介護保険が使える通院等乗降介助を介護タクシー、保険外の自由な移送を福祉タクシーと呼び分けることもありますが、明確な線引きはありません。

参考(一次情報)

  • 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」
  • 国土交通省「福祉タクシー」
  • 国土交通省「高齢者の移動手段を確保するためのパンフレット」

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