介護の窓口ひとりで悩まない、施設探しを。

最終更新: 2026-07-04

介護保険制度とは

介護保険制度とは、40歳以上の方が加入し、介護が必要になったときに費用の7〜9割が給付される公的な社会保険です。被保険者の区分や保険料のしくみ、利用までの5ステップ、自己負担と支給限度額、サービスの全体像まで、はじめてのご家族向けにやさしく解説します。

この記事の要点

  • 介護保険制度とは、40歳以上の方が加入し、介護が必要になったときに費用の7〜9割が給付される公的な社会保険です(2000年開始)
  • 65歳以上(第1号被保険者)は原因を問わず、40〜64歳(第2号被保険者)は16の特定疾病が原因の場合に利用できます
  • 利用には市区町村への申請と要介護認定が必要で、申請から認定結果の通知までは原則30日以内が目安です
  • 自己負担は所得に応じて1〜3割で、要介護度ごとの支給限度額を超えた分は全額自己負担になります
  • 制度は3年を1期として見直され、直近の改定は2024年度、次回は2027年度の予定です

介護保険制度とは?どんな仕組みの保険?

結論介護保険制度とは、40歳以上の方が保険料を出し合い、介護が必要になったときにサービス費用の7〜9割の給付を受けられる公的な社会保険制度です。2000年4月に始まり、市区町村が運営しています。

高齢化や核家族化が進み、家族だけで介護を担うことが難しくなったことを背景に、介護を社会全体で支える仕組みとして2000年4月にスタートしました。運営主体(保険者)は市区町村と特別区で、私たちは40歳になると自動的に被保険者となり、保険料を納め始めます。

最大の特徴は、サービスを利用したときに費用の7〜9割が保険から給付され、自己負担は1〜3割で済むことです。たとえば1万円分の訪問介護(ホームヘルプ)を利用した場合、1割負担の方の支払いは1,000円です。原則としてサービスそのものを受け取る現物給付の仕組みで、現金が振り込まれる制度ではありません。

また、健康保険のように保険証があればすぐ使えるわけではなく、市区町村に申請して要介護認定を受けてはじめて利用できる点も大切なポイントです。利用までの流れは後の章でくわしく説明します。

介護保険の財源は、おおまかに国・都道府県・市区町村が負担する公費(税金)が5割、40歳以上の方が納める保険料が5割で構成されています。少子高齢化で介護にかかる費用は年々増えており、保険料や負担のあり方が定期的に見直される背景となっています。

介護保険には誰が加入する?第1号・第2号被保険者の違い

結論65歳以上の方が第1号被保険者、40〜64歳の医療保険加入者が第2号被保険者です。第1号は原因を問わず、第2号は16の特定疾病が原因の場合に限りサービスを利用できます。

同じ加入者でも、年齢によって保険料の納め方と、サービスを利用できる条件が異なります。65歳になると介護保険被保険者証が全員に交付されますが、証を持っているだけではサービスは使えず、要介護認定が必要です。まずは表で違いを確認しましょう。

特定疾病とは、加齢と関係が深く要介護状態につながりやすいとして国が定めた16種類の病気のことです。末期のがん、関節リウマチ、脳血管疾患(脳梗塞・脳出血など)、初老期における認知症、パーキンソン病関連疾患などが含まれます(厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」)。裏を返すと、40〜64歳の方は、交通事故によるけがなど特定疾病以外が原因の場合、介護保険の対象になりません

区分対象となる方サービスを利用できる条件保険料の納め方
第1号被保険者65歳以上のすべての方原因を問わず、要支援・要介護と認定されたとき年金からの天引き(特別徴収)が基本
第2号被保険者40〜64歳の医療保険加入者16の特定疾病が原因で要支援・要介護と認定されたとき医療保険の保険料と一体で納付(会社員は給与天引き)

出典: 厚生労働省「介護保険制度の概要」(2026年時点)

保険料はいつから、どのように納める?

結論保険料は40歳になった月から納め始めます。40〜64歳は医療保険の保険料と一緒に給与天引きなどで納め、65歳以上は年金からの天引き(特別徴収)が基本になります。

40〜64歳(第2号被保険者)の保険料は、加入している健康保険や国民健康保険の保険料と一体で徴収されます。会社員・公務員の方は給与天引きで、原則として会社と本人が半分ずつ負担します。金額は加入する医療保険や給与の水準によって異なります。

65歳以上(第1号被保険者)の保険料は市区町村ごとに決まり、本人や世帯の所得に応じた段階制です。年額18万円以上の年金を受け取っている方は年金からの天引きが基本で、それ以外の方は納付書や口座振替で納めます。基準額は全国平均で月額6,225円(第9期・2024〜2026年度)です(厚生労働省発表)。市区町村による差が大きく、第9期で最も高い大阪市は月額9,249円となっています。なお、2024年度からは国の標準で13段階の所得段階制となり、所得の低い方には公費による軽減措置もあります。

保険料の支払いに終わりはなく、介護サービスを利用している間も納め続けます。年金生活に入っても負担が続く点は覚えておきましょう。

介護保険を利用するまでの5つのステップ

結論利用開始までは、申請、認定調査、認定、ケアプラン作成、利用開始の5ステップで進みます。最初の窓口は市区町村の介護保険担当課か、お近くの地域包括支援センターです。

申請から認定結果の通知までは原則30日以内とされていますが、実際には1か月半ほどかかる地域もあるため、早めの申請が安心です。全体では、申請からサービス利用開始まで1〜2か月ほど見ておくとよいでしょう。流れと期間の目安を表にまとめました。

要支援1・2と判定された方は地域包括支援センターが、要介護1〜5の方は居宅介護支援事業所のケアマネジャー(介護支援専門員)がケアプランを作成します。作成費用は全額給付されるため、自己負担はありません(2026年時点)。また、認定には有効期間があり、新規は原則6か月、更新では最長48か月です。期限が近づくと市区町村から案内が届くので、忘れずに更新手続きを行いましょう。なお、要支援・要介護それぞれの区分がどのような状態の目安なのかは、別記事の要介護認定の区分早わかり表でくわしく解説しています。

ステップ内容期間の目安
1 申請市区町村の窓口や地域包括支援センターで要介護認定を申請(ご家族による代行も可能)即日
2 認定調査・主治医意見書調査員が自宅や入院先を訪問して心身の状態を調査(基本調査74項目)。あわせて市区町村が主治医に意見書を依頼申請から1〜2週間ほどで調査
3 審査・認定コンピュータによる一次判定と介護認定審査会の二次判定で、要支援1〜要介護5または非該当を判定申請から原則30日以内に通知
4 ケアプラン作成ケアマネジャー(介護支援専門員)などと相談し、サービスの種類や回数を計画1〜2週間ほど
5 利用開始サービス事業者と契約して利用スタートケアプラン完成後すぐ

期間は一般的な目安です(2026年時点)。地域や時期により認定まで1か月以上かかる場合があります。

自己負担は何割?支給限度額の考え方

結論自己負担は所得に応じて1〜3割で、多くの方は1割です。在宅サービスには要介護度ごとに1か月あたりの支給限度額があり、超えた分は全額自己負担になります。

65歳以上の方の負担割合は本人の所得などで決まり、毎年交付される介護保険負担割合証で確認できます。単身の場合、年金収入とその他の所得の合計がおおむね280万円以上で2割、340万円以上で3割が目安です(2026年時点)。40〜64歳の方は所得にかかわらず1割です。

在宅(居宅)サービスには、要介護度ごとに保険給付の上限となる区分支給限度基準額が定められています。注意したいのは、支給限度額を超えて利用した分は全額(10割)自己負担になることです。一方で、ひと月の自己負担が一定額を超えた場合は、高額介護サービス費として超過分が払い戻される仕組みもあります。1単位=10円で計算した限度額の目安は次のとおりです。

なお、特別養護老人ホーム(特養)などの施設サービスやショートステイでは、介護サービス費の1〜3割負担とは別に食費・居住費がかかります。所得の低い方には、この食費・居住費を軽減する負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)という仕組みも用意されています(2026年時点)。

要介護度1か月の支給限度額(目安)1割負担の場合の自己負担の目安
要支援15,032単位(約50,320円)約5,032円
要支援210,531単位(約105,310円)約10,531円
要介護116,765単位(約167,650円)約16,765円
要介護219,705単位(約197,050円)約19,705円
要介護327,048単位(約270,480円)約27,048円
要介護430,938単位(約309,380円)約30,938円
要介護536,217単位(約362,170円)約36,217円

出典: 厚生労働省「介護保険制度の概要」(2026年時点)。1単位=10円で計算した概算で、地域やサービスの種類により単価は変わります。施設の食費・居住費などは別途自己負担です。

介護保険で使えるサービスの全体像

結論サービスは大きく、自宅で受ける在宅(居宅)サービス、施設に入所する施設サービス、市区町村単位で提供される地域密着型サービスの3つに分かれます。

サービスの種類は20以上ありますが、まずは3つの分類をつかんでおくと、ケアマネジャーとの相談がスムーズになります。このほか、腰掛便座などの特定福祉用具の購入費や、手すりの設置・段差解消といった住宅改修費の支給(いずれも上限あり)も介護保険の対象です。また、要支援の方などは、市区町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の訪問型・通所型サービスを利用できる場合もあります。

分類主なサービス例こんなときに
在宅(居宅)サービス訪問介護(ホームヘルプ)、訪問看護、通所介護(デイサービス)、通所リハビリ(デイケア)、短期入所生活介護(ショートステイ)、福祉用具貸与 など自宅で暮らしながら支援を受けたい
施設サービス特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院常時介護が必要になり、施設で生活したい
地域密着型サービスグループホーム(認知症対応型共同生活介護)、小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護 など住み慣れた市区町村で柔軟な支援を受けたい

代表的なサービスのみ掲載(2026年時点)。要支援の方は介護予防サービスとして利用します。

老人ホームへの入居にも介護保険は使える?

結論使えます。特別養護老人ホーム(特養)などの介護保険施設だけでなく、介護付き有料老人ホームやグループホームでも、介護サービス費の部分に介護保険が適用されます。

公的な介護保険施設は、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院の3種類です。特養への入所は原則として要介護3以上が条件で、老健は在宅復帰を目指すリハビリ中心の施設、介護医療院は長期の医療と介護を一体的に受けられる施設です。

民間施設でも、特定施設の指定を受けた介護付き有料老人ホームや軽費老人ホーム(ケアハウス)の一部、認知症の方が少人数で暮らすグループホーム(認知症対応型共同生活介護)では介護保険が使えます。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)では、外部の在宅サービスを組み合わせて利用する形が一般的です。

ただし、どの施設でも家賃・食費・日常生活費などは介護保険の対象外で自己負担です。施設ごとの費用や入居条件は地域差が大きいため、関西で施設をお探しの場合は、介護の窓口の相談員が無料でお調べします。

制度はずっと同じ?3年ごとの見直しを知っておこう

結論介護保険は3年を1期として運営され、保険料やサービスの公定価格(介護報酬)もこの周期で見直されます。直近の改定は2024年度で、次回は2027年度の予定です。

市区町村は3年ごとに介護保険事業計画を策定し、それに合わせて65歳以上の保険料を改定します。現在は第9期(2024〜2026年度)の計画期間にあたり、直近では2024年度に介護報酬の改定が行われました(厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」)。

次の見直しは2027年度の予定で、ケアプラン作成の有料化や2割負担の対象拡大などが引き続き議論されています(2026年時点では未決定)。負担割合や限度額などの数字は改定で変わる可能性があるため、実際に利用するときは市区町村の最新情報をあわせてご確認ください。

介護保険のよくある誤解

結論保険料を払っていれば自動的に使える、現金がもらえる、といった誤解がよくあります。正しく知っておくと、いざというときに迷わず動けます。

  • 「申請しなくても使える」は誤解です。市区町村への申請と要介護認定を受けてはじめて利用できます。
  • 「現金が支給される」は誤解です。原則はサービスそのものを受ける現物給付で、生活費が振り込まれる制度ではありません。
  • 「65歳になれば誰でも使える」は誤解です。年齢だけでは利用できず、要支援・要介護の認定が条件です。
  • 「老人ホームの費用がすべてまかなえる」は誤解です。保険の対象は介護サービス費で、家賃や食費は自己負担です。
  • 「同居家族がいるとヘルパーを頼めない」は半分誤解です。入浴や排せつなどの身体介護は利用でき、調理や掃除などの生活援助のみ同居家族の状況により制限される場合があります。
  • 「介護保険は65歳以上の高齢者だけの制度」は誤解です。40歳から全員が保険料を納める加入者で、40〜64歳でも特定疾病が原因であれば利用できます。

迷ったときはどこに相談すればいい?

結論まずはお住まいの市区町村の介護保険窓口か、地域包括支援センターへの相談が基本です。無料で申請の手続きから支えてもらえます。

地域包括支援センターは、おおむね中学校区に1か所設置されている高齢者の総合相談窓口です。保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーなどの専門職が在籍し、相談は無料です。ご本人が動けない場合は、ご家族だけで相談することもできます。要介護認定の申請窓口としてだけでなく、介護予防教室や見守り、成年後見などの権利擁護の相談にも対応しています。

相談現場では、まだ元気だからと申請をためらううちに、転倒や入院をきっかけに慌てて手続きを始めるご家族が少なくありません。認定までは約1か月かかるため、歩行や物忘れに不安を感じた段階で早めに相談・申請しておくと、いざというときに落ち着いてサービスを選べます。

介護保険の使い方から施設選びまで含めて相談したい方は、介護の窓口でもご案内しています。関西4府県の施設情報を相談員が無料でお調べしますので、お気軽にご利用ください。

このテーマの詳しいガイド

よくある質問

介護保険料は何歳から、いつまで払いますか?

40歳になった月から納め始め、原則として生涯納め続けます。40〜64歳は医療保険の保険料と一緒に、65歳以上は年金からの天引きが基本です。介護サービスを利用している方も保険料の支払いは続きます。

40代や50代でも介護保険サービスを使えますか?

使える場合があります。40〜64歳の方は、末期のがんや脳血管疾患、若年性認知症など16の特定疾病が原因で介護が必要になった場合に限り対象です。交通事故のけがなどが原因の場合は、障害福祉サービスなど別の制度を検討します。

介護保険を使うと、自己負担は月いくらぐらいですか?

在宅サービスを支給限度額いっぱいまで使った場合、1割負担なら月およそ5,000円〜36,000円が自己負担の目安です(2026年時点)。実際には限度額まで使わない方も多く、要介護度や利用内容で大きく変わります。施設に入居する場合は、家賃や食費が別途かかります。

元気なうちに要介護認定を申請しておくことはできますか?

介護の必要がない状態では認定されず、非該当(自立)と判定されます。ただし歩行の不安や物忘れなど生活のしづらさが出てきた段階であれば、早めの申請がおすすめです。非該当でも、市区町村の介護予防事業などを利用できる場合があります。

保険料を滞納するとどうなりますか?

滞納期間に応じて段階的に制限があります。1年以上滞納すると、いったん費用の全額を支払って後から払い戻しを受ける方式になり、2年以上では時効となった期間に応じて自己負担が3割(3割負担の方は4割)に引き上げられます。支払いが難しいときは早めに市区町村へ相談しましょう。

介護保険と医療保険は何が違いますか?

医療保険は病気やけがの治療が対象で、保険証があればすぐ使えます。介護保険は日常生活の介護を支える制度で、市区町村の要介護認定を受けてはじめて利用できます。訪問看護のように両方に関わるサービスは、要介護認定を受けている方は原則として介護保険が優先されます。

参考(一次情報)

記事を読んでも迷ったら、相談できます

ご家族の状況に当てはめてどうなのかは、相談員が一緒に整理します。無料です。

無料相談はこちら

関連する施設を探す

あわせて読みたい

📍 近くで探す無料で相談