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最終更新: 2026-07-05

訪問介護とは?できること・できないこと

訪問介護とは、ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事・入浴などの身体介護や掃除・調理などの生活援助を行う介護保険サービスです。できること・できないことの一覧、身体介護と生活援助の料金差、月額費用の目安、利用の流れまでやさしく解説します。

この記事の要点

  • 訪問介護とは、ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事・入浴・排せつなどの身体介護と、掃除・調理などの生活援助を行う介護保険サービスです
  • 料金は内容と時間で決まり、自己負担1割なら1回約100〜570円、週2〜5回の利用で月2,000〜8,500円程度が目安です(2024年度報酬ベースの概算)
  • 家族の分の家事、庭の草むしり、ペットの世話、大掃除、医療行為などは介護保険の訪問介護では頼めません
  • 同居家族がいると生活援助は原則使えませんが、障害・疾病などやむを得ない事情があれば例外的に利用できます
  • 利用の入口はケアマネジャー(要支援の方は地域包括支援センター)への相談です。訪問介護だけで難しくなったら、他のサービスや施設との併用を検討しましょう

訪問介護とは?ホームヘルパーが自宅で支援してくれる介護保険サービス

結論訪問介護とは、訪問介護員(ホームヘルパー)がご自宅を訪問し、入浴・排せつ・食事などの身体介護や、掃除・洗濯・調理などの生活援助を行う介護保険サービスです。住み慣れた自宅での暮らしを続けるための、在宅介護の中心となるサービスです。

訪問介護はホームヘルプサービスとも呼ばれ、介護の研修を修了した訪問介護員(ホームヘルパー)が定期的に自宅へ来て、日常生活を支えてくれます。サービスの内容は「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3つに分かれており、どれを何分利用するかで料金が決まる仕組みです。

対象になるのは、原則として要介護1〜5の認定を受けた方です。要支援1・2の方は、介護保険の訪問介護ではなく、市区町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の訪問型サービスを利用する形になり、内容や料金は市区町村ごとに異なります。

訪問するのは、介護職員初任者研修などを修了した介護のプロです。ただし医師や看護師ではないため、医療行為はできません。どこまで頼めるのかは、この後の章でくわしく見ていきます。

サービスの種類主な内容
身体介護食事・入浴・排せつの介助など、体に直接ふれて行う援助
生活援助掃除・洗濯・調理・買い物など、本人のための家事の援助
通院等乗降介助通院などの際の車の乗り降りや移動の介助(いわゆる介護タクシー)

身体介護と生活援助の違いは?料金の差を一覧表で確認

結論身体介護は体に直接ふれる介助、生活援助は本人のための家事の援助で、単価は身体介護のほうが高く設定されています。自己負担1割の場合、1回あたり身体介護は約160〜570円、生活援助は約180〜220円が目安です。

身体介護は、食事介助や入浴介助のように利用者の体に直接ふれて行う援助です。専門性が求められるぶん、単価は高めに設定されています。生活援助は、掃除や調理など体にはふれない家事の援助で、対象になるのは利用者ご本人の分の家事だけです。同じ調理でも、ご本人の食事づくりは生活援助、ご家族の分は対象外という区別になります。

料金は全国共通の「単位」で決められており、1単位=10円が基本です(都市部では最大11.40円など地域差があります)。2024年度の介護報酬にもとづく主な単位数は次のとおりです。

同じ1時間ほどの利用でも、身体介護(387単位)と生活援助(220単位)では1.7倍ほどの差があります。入浴介助のついでに掃除も頼むというように内容が混ざる場合は、身体介護に生活援助分を加えた料金になります。

区分時間単位数自己負担(1割)の目安
身体介護20分未満163単位約163円
身体介護20分以上30分未満244単位約244円
身体介護30分以上1時間未満387単位約387円
身体介護1時間以上1時間半未満567単位(以降30分ごとに+82単位)約567円〜
生活援助20分以上45分未満179単位約179円
生活援助45分以上220単位約220円
通院等乗降介助1回(片道)97単位約97円

厚生労働省の2024年度介護報酬改定にもとづく、1単位=10円・自己負担1割で計算した概算です(2026年時点)。実際には処遇改善加算などの各種加算や地域区分が加わり、表の金額より1〜2割ほど高くなるのが一般的です。

訪問介護でできることは?具体例の一覧

結論身体介護では食事・入浴・排せつの介助や外出の付き添いなど、生活援助ではご本人のための調理・掃除・洗濯・買い物などを頼めます。いずれも、ご本人の日常生活に欠かせない援助であることが条件です。

できることの例を表にまとめました。ご本人の毎日の生活に必要かどうかが対象・対象外を分ける基準で、厚生労働省の通知(老計第10号)でサービス行為の区分が細かく整理されています。

区分できることの例
身体介護食事介助、入浴介助・体をふく清拭、排せつ介助・おむつ交換、着替え・洗面・口腔ケア、ベッドから車いすへの移乗や体位変換、室内の移動や日常生活に必要な外出の介助、服薬の声かけ・見守り
生活援助本人の食事の調理・配膳・後片付け、本人が使う部屋の掃除やゴミ出し、本人の衣類の洗濯・整理、日用品や食材の買い物、処方薬の受け取り、ベッドメイク
通院等乗降介助通院などのための車への乗り降り、乗車前・降車後の移動の介助

厚生労働省の通知(老計第10号)にもとづく代表例です。実際にどこまで行うかは、ケアプランと訪問介護計画で個別に決まります。

訪問介護でできないことは?頼めないことの一覧

結論ご本人以外のための家事、日常の家事の範囲を超える作業、医療行為は、介護保険の訪問介護では頼めません。家族の分の食事づくりや庭の草むしり、ペットの世話などが代表例です。

訪問介護は介護保険料と公費でまかなわれるサービスのため、保険の対象になるのは利用者ご本人の日常生活の援助だけと決められています。相談の多い「頼めないこと」を表にまとめました。

家族の分の家事・大掃除・庭の手入れ・ペットの世話は介護保険では頼めないと覚えておくと、ヘルパーとの行き違いを防げます。どうしても必要な場合は、介護保険外の自費サービス(保険外サービス)やシルバー人材センター、家事代行などを組み合わせる方法があります。同じ事業所が自費プランを用意していることも多いので、ケアマネジャーに相談してみてください。

頼めないことの例理由と代わりの方法
家族の食事づくり・洗濯・家族の部屋の掃除本人以外への援助は対象外です。家事代行サービスなどで対応します
庭の草むしり・庭掃除・植木の水やり日常の家事の範囲外です。シルバー人材センターなどが選択肢になります
ペットの世話・散歩日常生活の援助に当たらないため対象外です。ペットシッターなどで対応します
大掃除・窓ふき・ワックスがけ・家具の移動日常的な掃除の範囲を超えるため対象外です。自費サービスを利用します
おせち料理など手間のかかる特別な調理、来客対応日常の家事に当たらないため対象外です
インスリン注射・点滴の管理・床ずれの処置などの医療行為ヘルパーは行えません。訪問看護や主治医に相談します
預貯金の引き出しなどお金の管理、契約手続きの代行トラブル防止のため対象外です。成年後見制度などを検討します

訪問介護の料金はいくら?週2回〜毎日利用した場合の月額目安

結論自己負担1割なら、週2回の生活援助で月2,000円前後、週3回の身体介護で月3,200円前後、毎日1回の身体介護でも月7,000円台が目安です。要介護度ごとの限度額の範囲内なら、所得に応じて1〜3割の自己負担で利用できます。

訪問介護の料金は月額制ではなく、1回の単位数×利用回数の積み上げで決まります。代表的な使い方での概算例をまとめました(1か月=約4.3週で計算)。

上の例はいずれも、要介護1の支給限度額(月およそ16.8万円分)の中に収まる水準です。訪問介護は在宅サービスの中でも費用を抑えやすく、通所介護(デイサービス)などと組み合わせても限度額内に収まるケースが多いのが特徴です。限度額を超えた分は全額自己負担になる点だけ注意しましょう。

自己負担が高額になった月は、高額介護サービス費により、一般的な所得の世帯で月44,400円を超えた分が払い戻されます。在宅と施設のどちらが負担を抑えられるか迷ったときは、介護の窓口の相談員が無料で概算をお調べしますので、お気軽にご相談ください。

利用パターン月の回数の目安自己負担(1割)の月額目安
生活援助(45分以上)を週2回約9回約2,000円
身体介護(20〜30分)を週3回約13回約3,200円
身体介護(30分〜1時間)を週5回約22回約8,500円
身体介護(20〜30分)を毎日1回約30回約7,300円

2024年度介護報酬・1単位=10円で計算した、加算を含まない概算です(2026年時点)。処遇改善加算などで実際は1〜2割ほど高くなるのが一般的で、2割・3割負担の方は表の2〜3倍になります。

訪問介護を利用するには?申し込みからサービス開始までの流れ

結論訪問介護は、要介護認定を受けたうえでケアプランに位置づけて利用します。事業所に直接申し込むのではなく、ケアマネジャー(要支援の方は地域包括支援センター)への相談が入口になります。

利用開始までのおおまかな流れは次のとおりです。入口はケアマネジャーへの相談で、ケアプランの作成やサービスの調整に自己負担はかかりません。

事業所はケアマネジャーが候補を挙げてくれますが、最終的にどこと契約するかはご本人・ご家族が決められます。急いでサービスが必要な場合は、認定結果が出る前に暫定的なケアプランで利用を始められることもあるので、窓口で相談してみてください。

ステップすること・ポイント
1. 要介護認定を申請する市区町村の窓口や地域包括支援センターで申請します。認定までは1か月程度が目安です
2. ケアマネジャーに相談する要介護1〜5の方はケアマネジャー(居宅介護支援・自己負担なし)、要支援1・2の方は地域包括支援センターが窓口です
3. ケアプランを作成する訪問介護の内容・回数・時間帯を、ほかのサービスと合わせてプランに位置づけます
4. 事業所を選び契約するサービス提供責任者が自宅を訪問し、体の状態や住環境を確認して訪問介護計画を作ります
5. サービス開始利用開始後も定期的に内容を見直し、体調や生活の変化に合わせて調整します

同居家族がいると生活援助は使えない?原則と例外

結論同居のご家族がいる場合、掃除や調理などの生活援助は原則として利用できません。ただし、ご家族に障害や疾病があるなど、やむを得ない事情がある場合は例外的に利用できます。身体介護は同居家族がいても利用できます。

生活援助は、本人が家事を行えず、代わってくれる家族もいない状態を想定したサービスです。そのため同居家族がいると原則は対象外ですが、障害・疾病その他やむを得ない事情があれば、同居家族がいても認められるとされています。例として次のようなケースがあります。

相談現場では、「同居しているから生活援助は頼めない」と最初からあきらめているご家族によくお会いします。実際には、日中独居や老老介護などの事情をケアマネジャーが市区町村に確認し、利用につながることも少なくありません。認められる範囲は市区町村によって異なるため、まずはご家庭の事情をそのままケアマネジャーに伝えてみてください。

  • 同居するご家族に障害や病気があり、家事を行うのが難しい
  • ご家族も高齢で体力が落ちており、重い物の買い物や布団干しなどが難しい(いわゆる老老介護)
  • ご家族が仕事で長時間不在になり、日中はご本人だけで過ごしている(日中独居)
  • ご家族の介護疲れが深刻で、共倒れのおそれがある

ヘルパーさんとの上手な付き合い方は?マナーとコツ

結論お茶出しや心づけは不要で、要望や不満は担当ヘルパーに直接ではなく、事業所のサービス提供責任者やケアマネジャーに伝えるのが基本です。気をつかいすぎず、長く続けられる関係づくりを心がけましょう。

ヘルパーはケアプランと訪問介護計画に書かれたサービスを、決められた時間内で行います。その場で別の仕事を頼まれても対応できないため、次からこれも頼みたいと思ったら、ケアマネジャーを通じて計画の見直しを相談しましょう。

  • お茶やお菓子、心づけ(チップ)は不要です。事業所の規則で受け取れないことがほとんどです
  • 掃除道具や調理器具、洗剤などは利用者宅のものを使います。置き場所を最初に伝えておくとスムーズです
  • 要望や不満は担当ヘルパー本人ではなく、サービス提供責任者やケアマネジャーへ伝えると、角が立たず改善も早くなります
  • 相性が合わないと感じたら、担当ヘルパーの変更を相談できます。がまんを続ける必要はありません
  • 日時の変更やキャンセルは早めに連絡しましょう。当日キャンセルには料金がかかる場合があります
  • 現金や貴重品の管理はご自身・ご家族で行い、買い物を頼んだときはレシートと残金を毎回確認するのが基本です

訪問介護だけで在宅介護を続けられる?限界と組み合わせ方

結論訪問介護は滞在時間が決まった「点」の支援のため、単独で在宅介護のすべてを支えるのは難しく、他のサービスとの組み合わせが前提になります。夜間の対応や見守りの必要が増えてきたら、施設も含めた検討が現実的です。

要介護度が上がると、訪問介護だけではカバーしきれない時間帯が増えていきます。次のようなサービスと組み合わせるのが一般的です。

それでも、夜間の排せつ介助が頻回になる、認知症で目が離せない、介護するご家族が限界に近いといったサインが重なってきたら、在宅にこだわりすぎない判断も大切です。特別養護老人ホーム(特養。原則要介護3以上)や介護付き有料老人ホームのほか、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に住み替えて、そこで訪問介護を使い続けるという形もあります。

介護の窓口では、訪問介護と併用しやすい住まいや、在宅が難しくなったときの施設の選択肢を、関西4府県の情報をもとに相談員が無料でお調べしています。入居はまだ先という段階のご相談も歓迎です。

  • 通所介護(デイサービス): 日中の入浴・食事・機能訓練と、ご家族の休息づくり
  • 短期入所生活介護(ショートステイ): 数日〜1週間程度の宿泊で、ご家族の負担を軽減
  • 訪問看護: 状態の観察や医療的なケアなど、看護師による医療面の支援
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護: 1日複数回の短時間訪問と、24時間の呼び出し対応
  • 小規模多機能型居宅介護: 通い・泊まり・訪問を月額定額で組み合わせて利用

よくある質問

訪問介護は要支援1・2でも利用できますか?

要支援の方は介護保険の訪問介護ではなく、市区町村が実施する総合事業の訪問型サービスを利用します。内容や料金は市区町村ごとに異なります。窓口は地域包括支援センターですので、まずはお住まいの地域のセンターに相談してみてください。

病院への付き添いは訪問介護で頼めますか?

通院のための移動や車の乗り降りの介助は、身体介護や通院等乗降介助として利用できます。ただし病院の中での付き添いは原則として病院スタッフの役割とされ、介護保険の対象になるのは例外的な場合に限られます。事前にケアマネジャーへ相談しておくと安心です。

訪問介護は1日に何回まで利用できますか?

制度上の回数制限はなく、要介護度ごとの支給限度額の範囲内で1日複数回の利用もできます。ただし前の訪問からおおむね2時間以上あけるルールがあり、短い間隔での訪問は1回にまとめて計算されるのが原則です。1日に何度も介助が必要な場合は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護という選択肢もあります。

ヘルパーさんにお茶やお礼の品を出したほうがよいですか?

不要です。多くの事業所では、規則としてお茶や品物、心づけを受け取れないことになっています。感謝の気持ちは言葉で伝えれば十分です。

インスリン注射やたんの吸引などの医療行為は頼めますか?

ヘルパーは原則として医療行為を行えません。医療的なケアは訪問看護の役割です。ただし体温・血圧の測定や軟膏塗布などは医療行為に当たらないものとして対応でき、たんの吸引や経管栄養に限っては、研修を修了した介護職員が一定の条件のもとで行える場合があります。

訪問介護のキャンセル料はかかりますか?

前日までの連絡なら無料、当日キャンセルには利用料の一部を負担、といった規定を設けている事業所が一般的です。金額や締め切りは事業所ごとに異なり、契約時の重要事項説明書に記載されています。入院などやむを得ない事情の場合の扱いも、契約時に確認しておくと安心です。

参考(一次情報)

  • 厚生労働省 令和6年度介護報酬改定について
  • 厚生労働省 介護給付費単位数等サービスコード表(令和6年度)
  • 厚生労働省 老計第10号 訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について
  • 厚生労働省 介護保険制度の概要

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