最終更新: 2026-07-04
要介護3とはどんな状態?
要介護3は日常生活のほぼ全般に介助が必要な状態の目安。要介護2・4との違い、在宅サービスの週間プラン例と費用、一人暮らしの現実、特養など入れる施設と待機対策まで相談員が解説します。
この記事の要点
- 要介護3は日常生活のほぼ全般に介助が必要な状態。介護時間の目安は1日70〜90分
- 特別養護老人ホーム(特養)に申し込めるのは原則要介護3から。施設選びの大きな節目
- 在宅サービスの限度額は月約27万円分。自己負担は1〜3割(1割なら月最大約2.7万円)
- 夜間の排泄介助や見守りが必要になりやすく、一人暮らし・老々介護では在宅の限界が近づきやすい段階
- 特養は待機が発生しやすいため、申込みと並行して民間施設も検討しておくと安心
要介護3とはどんな状態?(定義と目安)
結論要介護3とは、立ち上がりや歩行が自力では難しく、排泄・入浴・着替えなど日常生活のほぼ全般に介助が必要な状態の目安です。介護に必要な時間(要介護認定等基準時間)が1日70〜90分に相当する区分とされています。
ひとくちに要介護3といっても、「身体は弱っているが認知症は軽い」タイプと、「身体はある程度動くが認知症が重く目が離せない」タイプがあり、必要な介護の内容は大きく異なります。どちらのタイプかによって、合う施設・サービスも変わります。
また要介護3は施設選びの面で大きな節目です。この区分から特別養護老人ホーム(特養)への申込みが原則可能になり、費用を抑えた施設入居が現実的な選択肢に入ってきます。
- 立ち上がり・歩行が自力では難しく、支えや車椅子が必要
- 排泄・入浴・着替えに全面的な介助が必要なことが多い
- 食事は見守り〜一部介助でできる方もいる(状態の個人差が大きい)
- 認知症の症状(もの忘れ・見当識の低下・昼夜逆転など)がみられる場合も多い
- 夜間もトイレ誘導やおむつ交換などの対応が必要になりやすい
要介護2・要介護4との違い
結論要介護2は「部分的な介助」、要介護3は「ほぼ全面的な介助」、要介護4は「介護なしでは生活できない」が目安です。要介護3は部分介助から全面介助への転換点にあたります。
要介護2から3に上がると、限度額が月7万円分ほど増え、使えるサービス量が大きく変わります。一方で介護する家族の負担も「時々手伝う」から「常に支える」に近づくため、在宅を続けるかどうかの検討が始まりやすいのがこの段階です。
| 項目 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 |
|---|---|---|---|
| 状態の目安 | 起き上がり・歩行に支えが必要。排泄などに一部介助 | 立ち上がり・歩行が自力で困難。ほぼ全般に介助 | 介護なしでは日常生活が困難。移動はほぼ全介助 |
| 介護時間の目安 | 1日50〜70分 | 1日70〜90分 | 1日90〜110分 |
| 在宅の限度額(月) | 約19.7万円分 | 約27万円分 | 約30.9万円分 |
| 特養への申込み | 原則不可(特例入所のみ) | 可能 | 可能 |
認知症がある場合の要介護3
結論身体の介助量が少なくても、認知症による見守り・対応の手間が大きい場合は要介護3と判定されることがあります。この場合は認知症ケアに強い施設・サービス選びが軸になります。
徘徊や昼夜逆転、介護への抵抗などの症状(BPSD)があると、家族は24時間気が抜けない状態になります。介護時間の合計では測りきれない負担がかかるのが、認知症を伴う要介護3の特徴です。
施設を検討する場合は、少人数で認知症ケアを行うグループホーム(認知症の診断が条件)や、認知症対応フロアのある介護付有料老人ホームが候補になります。同じ「認知症可」の施設でも症状によって受け入れ可否が分かれるため、現在の症状を具体的に伝えて確認することが大切です。
在宅で使えるサービスと限度額(週間プラン例)
結論要介護3の在宅サービスの支給限度額は月およそ27万円分(厚生労働省の区分支給限度基準額を1単位=10円で概算)。自己負担は所得に応じて1〜3割で、1割負担なら月最大約2.7万円が目安です。
限度額の範囲で、デイサービス・訪問介護・ショートステイ・福祉用具レンタルなどを組み合わせます。要介護3の標準的な週間プランのイメージは次のとおりです。
| 曜日 | サービスの組み合わせ例 |
|---|---|
| 月・水・金 | デイサービス(入浴・機能訓練つき、朝〜夕方) |
| 火・木 | 訪問介護(朝: 排泄・着替え/夕: 食事準備) |
| 土 | 訪問看護(健康チェック)+訪問介護 |
| 日 | 家族対応(負担が大きい月はショートステイを追加) |
| 毎日 | 福祉用具レンタル(介護ベッド・車椅子)、必要に応じて配食サービス |
あくまで一例です。実際のプランはケアマネジャーが本人の状態・家族の就労状況・住まいに合わせて設計します。ショートステイを月数日組み込むと、家族の休息(レスパイト)を確保しやすくなります。
在宅介護にかかる費用の目安
結論介護保険の自己負担に加えて、おむつ代や配食などの実費がかかります。要介護3の在宅介護では月3〜6万円前後が一つの目安です(1割負担・実費含む)。
公的な調査(生命保険文化センター)では、介護にかかる費用は月平均8万円前後と報告されていますが、これは施設入居者も含めた平均です。在宅は金額面では抑えやすい一方、家族の時間と体力という見えない負担が大きくなります。金額だけでなく「家族が続けられるか」で判断することをおすすめします。
- 介護保険サービスの自己負担 — 限度額まで使って月約2.7万円(1割負担の場合)
- おむつ・パッドなどの消耗品 — 月5,000円〜1.5万円程度
- 配食サービス・宅配食 — 利用する場合は1食500〜800円程度
- その他 — 通院・薬代、介護用の日用品、住宅改修(手すり等は保険の補助あり)
要介護3の一人暮らし・老々介護は続けられる?
結論制度上はサービスを組み合わせて続けられますが、夜間の介助と緊急時の対応をサービスだけでまかなうのが難しく、一人暮らし・老々介護では限界が近づきやすい段階です。
上のサインが2つ以上当てはまる場合は、在宅の継続と施設入居を並行して検討する時期といえます。定期巡回・随時対応型訪問介護看護(夜間も短時間の訪問を組み合わせられるサービス)など在宅を粘る選択肢もありますが、地域によって事業所が限られます。
「まだ大丈夫」と我慢を重ねて共倒れになるケースを、相談現場では数多く見てきました。限界が来る前に、ケアマネジャーと「ここまでになったら施設を考える」というラインを共有しておくと、いざというとき慌てずにすみます。
- 夜間のトイレ誘導・おむつ交換で介護者が眠れない日が続いている
- 転倒や誤嚥(むせ込み)が増えてきた
- サービスのない時間帯(夜間・早朝)に一人になる時間がある
- 介護する配偶者・家族自身の体調が悪化してきた
- 介護のために仕事を休む日が増えた
要介護3で入れる施設と費用感
結論要介護3からは特養を含むほぼすべての介護施設が選択肢になります。費用を抑えるなら特養、入居を急ぐなら民間施設との並行検討が現実的です。
| 施設の種類 | 月額の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 約9〜15万円 | 要介護3から申込み可。費用は抑えめだが待機が発生しやすい |
| 介護付有料老人ホーム | 約15〜30万円 | 24時間の介護体制。介護費用が定額で見通しやすい |
| 住宅型有料老人ホーム | 約12〜25万円 | 訪問介護を組み合わせる。施設による幅が大きい |
| グループホーム | 約12〜18万円 | 認知症の診断がある場合。少人数の家庭的なケア |
| 老健(介護老人保健施設) | 約9〜14万円 | リハビリ中心・原則3〜6ヶ月。特養待機の橋渡しにも |
月額は関西エリアの一般的な目安(居住費・食費・介護保険自己負担を含む概算)。特養・老健は所得に応じた軽減制度(補足給付)で下がる場合があります。入居一時金が必要な施設もあります。
特養入所を早めるためにできること
結論特養の入所は申込順ではなく必要性の高い方が優先されます。「待つだけ」にせず、必要性が正しく伝わる申込みと、待機中の備えを並行するのが実務的なコツです。
実際の相談では「特養一本で1年待っていたが在宅が限界になった」というケースが少なくありません。特養に申し込みつつ、予算に合う民間施設を2〜3件押さえておくと、いざというときに動けます。ご予算に合わせた待機中の選択肢は、相談員が無料でお調べします。
- 複数の特養に並行して申し込む(申込先の数に制限はありません)
- 申込書・面談で介護の困難さを具体的に伝える(夜間対応の回数、介護者の状況など)
- 状態が変わったら施設に連絡して申込内容を更新する(緊急性の変化は優先度に影響)
- 老健やショートステイの連続利用で「在宅が持たない期間」の橋渡しをする
- 月額の近い民間施設(住宅型など)も並行して見学しておく
施設を考えるタイミング(相談員の現場から)
結論要介護3は、在宅の費用+家族の負担と、施設の費用の差が縮まってくる段階です。「限界が来てから」ではなく「限界が見えてきたら」動くのが、結果的に本人にも家族にも良い選択につながります。
介護の窓口への相談で最も多いのは、実は「もう在宅が限界を超えてしまった」という段階でのご相談です。その場合、空室のある施設から急いで選ぶことになり、選択肢が狭まりがちです。
一方、余裕のある段階で見学や情報収集を始めたご家族は、費用・場所・雰囲気を比較して納得のいく施設を選べています。「入居するかどうかは決めていないが、いざというときの候補だけ知っておきたい」という段階のご相談も歓迎です。
よくある質問
要介護3と要介護4の違いは何ですか?
どちらも全面的な介助が必要な段階ですが、要介護4は介護時間の目安が1日90〜110分とさらに長く、「介護なしでは日常生活が送れない」状態の目安です。移動がほぼ全介助になる、意思疎通が難しくなるなどの違いがあります。
要介護3なら特養にすぐ入れますか?
申込みは可能ですが、入所は申込順ではなく必要性の高い方が優先されるため、地域や施設によっては待機期間が発生します。複数施設への申込みと、民間施設の並行検討が現実的です。
施設に入った場合、月々いくらかかりますか?
特養なら月9〜15万円前後、民間施設なら月12〜30万円前後が目安です。所得による軽減制度や施設ごとの料金差が大きいため、ご予算に合う候補は相談員が無料でお調べします。
在宅と施設、費用はどちらが安いですか?
金額だけなら在宅のほうが抑えやすいのが一般的です(要介護3で月3〜6万円前後 vs 施設9万円〜)。ただし在宅は家族の時間・体力の負担が大きく、介護離職につながると世帯収入への影響が費用差を上回ることもあります。総合的な比較がおすすめです。
認知症の症状(暴言・徘徊)が強くても施設に入れますか?
受け入れ可否は施設によって異なります。グループホームや認知症ケアに実績のある介護付有料老人ホームが候補になりますが、症状の内容を事前に具体的に伝えて確認することが重要です。相談員が症状をうかがったうえで受け入れ実績のある施設をお探しします。
年金だけで入れる施設はありますか?
特養(軽減制度の利用)や低価格帯の住宅型有料老人ホームなど、年金の範囲に収まる施設はあります。年金月額とご状態を教えていただければ、現実的な候補を無料でご提案します。
参考(一次情報)
- 厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」(要介護認定等基準時間)
- 厚生労働省「区分支給限度基準額について」(2019年10月改定の単位数を参照)
- 厚生労働省「指定介護老人福祉施設の入所に関する指針」(特養の入所要件・特例入所)
- 生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(介護費用の平均)
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