最終更新: 2026-07-05
要支援1・要支援2とは
要支援1・要支援2とは、介護予防を目的とした介護保険の軽度の区分です。要支援1と2の違い、要支援2と要介護1の分かれ目、使えるサービスと月の限度額の目安、入居できる住まい、悪化を防ぐ暮らし方まで、はじめてのご家族にもやさしく解説します。
この記事の要点
- 要支援1・2は、生活の一部に支援が必要な軽度の区分で、悪化を防ぐ介護予防が目的です
- 月の限度額は要支援1が約5万円分、要支援2が約10.5万円分(自己負担は所得により1〜3割)が目安です
- 要支援2と要介護1は基準時間が同じ帯にあり、状態の安定性と認知機能の低下の有無で分かれます
- ケアプランは地域包括支援センターが無料で作成します。まずは担当センターへの連絡から始めましょう
- 住まいはサ高住・住宅型・ケアハウスが中心。グループホームは要支援2+認知症の診断が条件です
要支援1・要支援2とは?介護予防が目的の区分
結論要支援1・要支援2とは、日常生活の基本動作はおおむね自分で行えるものの、生活の一部に支援が必要と判定された介護保険の区分です。介護が必要な状態になることを防ぐ「介護予防」を目的に、予防のためのサービスを利用できます。
介護保険の要介護認定では、支援や介護の必要度に応じて、非該当(自立)・要支援1・要支援2・要介護1〜5の8区分に分けられます。要支援1・2はこのうち軽度にあたる区分で、介護予防、つまり「これ以上悪くしない・できれば改善する」ことを目的にサービスを使う点が、要介護1〜5との大きな違いです。
区分の判定には「要介護認定等基準時間」という指標が使われます。これは介助などの手間を1日あたりの時間に換算したもので、要支援1は1日25分以上32分未満、要支援2は32分以上50分未満が該当します。実際に介護している時間そのものではなく、判定のための物差しである点に注意してください。
状態のイメージとしては、要支援1は「食事やトイレはほぼ自分でできるが、掃除や買い物など家事の一部に手助けが必要」、要支援2は「それに加えて、立ち上がりや歩行にふらつきがあり、身体面の支えがもう少し必要」といった状態が一般的です。実際の区分は、市区町村の認定調査と主治医意見書をもとに、介護認定審査会が判定します。
要支援1と要支援2の違いは?早見表で比較
結論主な違いは、支援の必要度(要介護認定等基準時間)と、月に使えるサービス量(区分支給限度基準額)です。要支援2は要支援1の約2倍のサービスを使うことができ、認知症の診断があればグループホームの入居対象にもなります。
ふたつの区分の違いを表にまとめると、次のようになります。
月の限度額でみると、要支援2は要支援1の約2倍のサービス量を使える計算です。とはいえ要支援の段階では限度額いっぱいまで使うことは少なく、週1〜2回のデイサービスやリハビリ、福祉用具のレンタルなど、目的を絞った使い方が一般的です。どちらの区分でも、ケアプランの作成は地域包括支援センターが担当します。
| 項目 | 要支援1 | 要支援2 |
|---|---|---|
| 要介護認定等基準時間 | 1日25分以上32分未満 | 1日32分以上50分未満 |
| 状態の目安 | 家事など生活の一部に手助けが必要 | 生活の一部に加え、立ち上がりや歩行にも支えが必要 |
| 区分支給限度基準額(月) | 約5万円分(5,032単位) | 約10.5万円分(10,531単位) |
| 自己負担1割の場合の上限目安 | 約5,000円 | 約1万500円 |
| グループホームへの入居 | 対象外 | 認知症の診断があれば対象 |
出典: 厚生労働省の区分支給限度基準額をもとに1単位=10円で概算(2026年時点)。地域区分やサービスの種類により実際の単価は前後します。
要支援2と要介護1の分かれ目はどこ?
結論要支援2と要介護1は、要介護認定等基準時間が同じ「1日32分以上50分未満」の帯にある、隣り合わせの区分です。状態の安定性と認知機能の状態というふたつの観点で、どちらの区分になるかが分かれるのが基本的な考え方です。
同じ手間の量と判定されても、病状が不安定で短期間に状態が変わるおそれがある場合や、認知機能の低下により介護予防の取り組みの理解が難しい場合は要介護1と判定されるのが一般的です。反対に、状態が安定していて、リハビリなどによる維持・改善が見込める場合は要支援2となります。
境目にある区分のため、更新認定のたびに要支援2と要介護1を行き来する方も少なくありません。結果に疑問があるときは、まず市区町村の窓口で判定の理由を確認し、状態に合っていないと感じる場合は区分変更申請などを検討する方法もあります。
| 項目 | 要支援2 | 要介護1 |
|---|---|---|
| 要介護認定等基準時間 | 1日32分以上50分未満 | 1日32分以上50分未満(同じ帯) |
| 状態の安定性 | おおむね安定している | 不安定で変化しやすい状態も含む |
| 認知機能 | 低下がない〜ごく軽度が中心 | 低下がみられる場合がある |
| ケアプランの作成者 | 地域包括支援センター | 居宅介護支援事業所のケアマネジャー |
| 区分支給限度基準額(月) | 約10.5万円分 | 約16.8万円分 |
限度額は1単位=10円での概算(2026年時点)。区分の分かれ方は、厚生労働省の要介護認定に関する資料の考え方をもとにした一般的な整理です。
要支援1・2で使えるサービスと支給限度額
結論要支援では、介護予防訪問看護や介護予防通所リハビリテーションなどの「介護予防サービス」と、市区町村が実施する「総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)」を利用できます。月の限度額は要支援1が約5万円分、要支援2が約10.5万円分が目安です。
かつて介護予防訪問介護(ホームヘルプ)・介護予防通所介護(デイサービス)と呼ばれていたサービスは、現在は市区町村ごとの総合事業に移行しています。同じデイサービスでも内容や料金、利用できる回数は市区町村によって異なるため、担当の地域包括支援センターに確認するのが確実です。主なサービスには次のようなものがあります。
月の支給限度額は、要支援1が約5万円分、要支援2が約10.5万円分で、この範囲内であれば所得に応じた1〜3割の自己負担でサービスを利用できます。自己負担が高額になった月には払い戻しを受けられる高額介護サービス費という仕組みもありますが、要支援の利用範囲では一般的な世帯の月上限(44,400円)に達することはまれです。
なお、手すりの設置や段差解消などの住宅改修費(上限20万円)と、ポータブルトイレなど特定福祉用具の購入費(年間上限10万円)は、月々の限度額とは別枠で支給されるのが一般的です(いずれも自己負担1〜3割・2026年時点)。
- 介護予防通所リハビリテーション(デイケア): リハビリ専門職による機能訓練
- 介護予防訪問看護: 看護師による健康チェックや療養上の支援
- 介護予防福祉用具貸与: 手すりや歩行器などのレンタル
- 総合事業の訪問型サービス: ヘルパーによる掃除・買い物などの生活援助
- 総合事業の通所型サービス: デイサービスでの運動や交流のプログラム
| 区分 | 支給限度基準額(月) | 自己負担1割の場合の上限目安 |
|---|---|---|
| 要支援1 | 5,032単位(約5万円分) | 約5,000円 |
| 要支援2 | 10,531単位(約10.5万円分) | 約1万500円 |
出典: 厚生労働省の区分支給限度基準額。1単位=10円で概算(2026年時点)。限度額を超えた分は全額自己負担となり、自己負担割合は所得により1〜3割です。
ケアプランは誰が作る?地域包括支援センターの役割
結論要支援1・2の方のケアプラン(介護予防サービス・支援計画)は、地域包括支援センターが中心となって作成します。作成費用の自己負担はありません。
地域包括支援センターは、保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーなどの専門職が配置された高齢者の総合相談窓口で、おおむね中学校区にひとつ程度設置されているのが一般的です。認定結果が要支援1・2だった場合は、お住まいの地域を担当する地域包括支援センターに連絡するところから始めましょう。担当のセンターが分からないときは、市区町村の介護保険窓口で教えてもらえます。
ケアプランは、「近所のスーパーまで自分の足で買い物に行き続けたい」といったご本人の目標をもとに、必要なサービスを組み合わせて作られます。実際の作成業務は、センターから委託を受けた居宅介護支援事業所のケアマネジャーが担うこともありますが、相談の窓口はセンターと考えておけば大丈夫です。
なお、要介護認定を受けていなくても、基本チェックリストで「事業対象者」に該当すれば、総合事業のサービスを利用できる場合があります。認定を受けるほどではないと感じる段階でも、気になることがあればセンターに相談してみましょう。
要支援1・2で入居できる住まいは?
結論サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)・住宅型有料老人ホーム・ケアハウス(軽費老人ホーム)が主な選択肢です。グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は要支援2から、特別養護老人ホーム(特養)は原則要介護3以上のため対象外です。
要支援の段階での住み替えは、「介護施設に入る」というより「見守りや食事のサポートが付いた住まいに移る」イメージに近く、自立度の高い方向けの住まいが中心になります。主な住まいと入居できるかどうかの目安は次のとおりです。
グループホームは要支援2からが対象で、医師による認知症の診断と、原則として施設と同一市区町村の住民票が必要です。どの住まいが合うか迷うときは、介護の窓口の相談員が、ご本人の状態やご予算に合わせて関西4府県の施設を無料でお調べしますので、お気軽にご相談ください。
| 住まいの種類 | 要支援1 | 要支援2 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 入居可 | 入居可 | 安否確認と生活相談が付いた賃貸住宅。生活の自由度が高い |
| 住宅型有料老人ホーム | 入居可 | 入居可 | 食事や生活支援付き。介護が必要になったら外部サービスを利用 |
| ケアハウス(軽費老人ホーム) | 入居可 | 入居可 | 所得に応じた比較的低めの費用で、食事などの支援付き |
| 介護付き有料老人ホーム | 施設による | 施設による | 自立や要支援から入居できる施設もあり、条件は施設ごとに異なる |
| グループホーム(認知症対応型共同生活介護) | 入居不可 | 認知症の診断があれば可 | 原則、施設と同じ市区町村に住民票がある方が対象 |
| 特別養護老人ホーム(特養) | 入居不可 | 入居不可 | 原則要介護3以上(要介護1・2は特例入所のみ) |
2026年時点の一般的な入居条件の目安です。実際の受け入れ可否や空き状況は施設ごとに異なります。
悪化を防ぐためにできることは?
結論要支援の段階で意識したいのは、運動・社会参加・住環境の見直しの3つです。介護予防サービスを上手に使いながらこの3つを整えることが、要介護状態への進行を防ぐ近道とされています。
1つめは運動です。加齢により心身の働きが弱くなった状態は「フレイル(虚弱)」と呼ばれ、適切な運動と栄養で改善が見込めるとされています。介護予防通所リハビリテーション(デイケア)や総合事業の運動教室などを活用して、筋力とバランスを保つ習慣をつくりましょう。
2つめは社会参加です。外出や人との交流が減ると、心身の機能低下が早まりやすいといわれています。地域のサロンや趣味の集まり、デイサービスでの交流など、週に数回は家の外で人と会う機会を保つことが大切です。
3つめは住環境です。転倒による骨折は、要介護状態に進む大きなきっかけのひとつとされています。手すりの設置や段差の解消といった住宅改修、滑りにくい履き物、福祉用具のレンタルなどを組み合わせて、転倒しにくい住まいに整えておきましょう。
状態が変わったときは?区分変更と早めの情報収集
結論認定には有効期間がありますが、期間の途中でも状態が変わったときは市区町村に区分変更申請ができます。あわせて、要支援のうちから住まいや費用の情報を集めておくと、いざというときに落ち着いて選べます。
転倒や入院、認知症の進行などをきっかけに支援の手間が増えたときは、有効期間の満了を待たずに区分変更申請を行いましょう。結果の通知は申請から原則30日以内とされており、認定は申請日にさかのぼって有効になります。手続きに不安があるときは、地域包括支援センターに相談すれば、申請の代行や助言を受けられます。
相談現場では、要支援のうちに施設の見学や資料集めを始めたご家族ほど、実際に介護度が上がったときに落ち着いて住まいを選べている印象があります。反対に、退院の期限に追われて数日で決めることになり、選択肢を十分に比べられなかったというご相談も少なくありません。
「まだ大丈夫」と思える今こそ、情報収集に向いた時期です。要支援の段階でも施設の資料請求や見学は可能ですし、費用の相場感を知っておくだけでも将来の安心につながります。介護の窓口では、将来に備えた情報収集のご相談も含めて、相談員が無料でお手伝いします。
よくある質問
要支援1とはどのような状態ですか?
食事やトイレなどの基本動作はほぼ自分ででき、掃除や買い物など生活の一部に手助けが必要な状態が目安です。要介護認定等基準時間では1日25分以上32分未満に相当し、介護保険の認定区分の中では最も軽い支援区分です。
要支援1と要支援2の違いは何ですか?
支援の必要度と、月に使えるサービス量が異なります。要支援2は立ち上がりや歩行など身体面の支えがより必要な状態で、月の限度額は要支援1の約5万円分に対して約10.5万円分と約2倍です。また、認知症の診断があればグループホームの入居対象になる点も違いです。
要支援2と要介護1はどちらが重いのですか?
要介護1のほうが重い区分です。ただし要介護認定等基準時間は同じ32〜50分の帯にあり、状態が不安定な場合や認知機能の低下がみられる場合に要介護1と判定されるのが一般的です。更新認定のたびに両者を行き来する方もいます。
要支援でもデイサービスやヘルパーは利用できますか?
利用できます。現在は市区町村の総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)として提供されており、内容や料金、回数の上限は市区町村ごとに異なります。詳しくは担当の地域包括支援センターにご確認ください。
要支援1・2でも老人ホームに入れますか?
入居できる住まいはあります。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や住宅型有料老人ホーム、ケアハウス(軽費老人ホーム)が主な選択肢です。グループホームは要支援2かつ認知症の診断がある方から、特別養護老人ホーム(特養)は原則要介護3以上のため対象外です。
要支援の認定を受けるにはどこに申請すればよいですか?
お住まいの市区町村の介護保険窓口に申請します。地域包括支援センターに申請の代行を依頼することも可能です。結果の通知は申請から原則30日以内とされています。
参考(一次情報)
- 厚生労働省 要介護認定はどのように行われるか
- 厚生労働省 区分支給限度基準額に関する資料(社会保障審議会介護給付費分科会)
- 厚生労働省 介護保険における住宅改修・特定福祉用具購入費の概要
- 厚生労働省 介護予防・日常生活支援総合事業の概要
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