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最終更新: 2026-07-07

床ずれ(褥瘡)とは

床ずれ(褥瘡)とは、同じ姿勢が続いて皮膚や皮下組織の血流が悪くなり、皮膚が傷ついた状態のことです。できやすい部位やステージの目安、体位変換・体圧分散マットレスなどの予防法、施設ごとの看護体制の違いまで、はじめて介護するご家族にやさしく解説します。

この記事の要点

  • 床ずれ(褥瘡)とは、体重で圧迫され続けた皮膚や皮下組織の血流が悪くなり、皮膚や組織が損傷した状態のことです
  • 床ずれは仙骨部やかかとなど骨が突き出た部分にできやすく、あお向け・横向き・座った姿勢など体勢によってできやすい場所が変わります
  • 床ずれの予防は、体位変換・体圧分散マットレス・スキンケア・栄養管理の4つを組み合わせることが基本とされています
  • 体圧分散マットレスや介護ベッド(特殊寝台)の福祉用具貸与は、原則として要介護2以上の方が対象です(例外給付あり)
  • 床ずれの処置は医療行為にあたるため、自己判断で市販薬を使わず、医療機関や訪問看護に相談することが大切です

床ずれ(褥瘡)とは?同じ姿勢が続くことで起こる皮膚のトラブル

結論床ずれ(褥瘡)とは、体重で圧迫され続けた皮膚や皮下組織の血流が悪くなり、皮膚や、時には皮下の組織まで損傷を受けた状態のことです。医療現場では褥瘡(じょくそう)と呼ばれます。

床ずれ(褥瘡)とは、同じ姿勢が長く続くことで骨が突き出た部分の皮膚が圧迫され続け、血液の流れが悪くなって皮膚や皮下の組織に酸素や栄養が届かなくなり、傷ができてしまう状態のことです。医療現場では「褥瘡(じょくそう)」と呼ばれ、ご家庭では「床ずれ」という呼び方でよく知られています。

皮膚は強い圧力がかかり続けると、数時間というごく短い時間でも血流が滞ってしまうことがあるとされています。とくに、寝たきりに近い状態の方や車椅子で座っている時間が長い方は、同じ場所に圧力がかかり続けやすく、床ずれのリスクが高いとされています。

床ずれは、初期のうちは皮膚の赤みだけで気づきにくいこともありますが、進行すると皮膚の下の組織にまで傷が広がることがあります。早めに気づいて圧迫を取り除くことが、何よりの対策とされています。この記事では、できやすい部位や予防の基本、施設によるケア体制の違いまで、はじめて介護に向き合うご家族に向けて整理しました。

なお、床ずれの評価や処置は医療行為にあたります。この記事の内容は一般的な情報の整理であり、実際の状態の判断や治療方法については、主治医・かかりつけ医や訪問看護師にご相談ください。

床ずれはなぜ起こる?主な原因とできやすい人の特徴

結論床ずれは、圧迫・ずれや摩擦・湿った状態・栄養不足という4つの要因が重なるほど起こりやすくなるとされています。自分で体位を変えられない方や、やせて骨が突き出ている方は、とくに注意が必要です。

床ずれができる直接の原因は圧迫ですが、実際にはいくつかの要因が重なって起こりやすくなるとされています。介護の現場では、次の4つが代表的な要因として挙げられます。

  • 圧迫:同じ部位に体重がかかり続け、血流が悪くなること
  • ずれ・摩擦:体がずり落ちるときに皮膚と骨がずれて、内部の組織が引っ張られること
  • 湿潤(しっけ):汗や尿・便による蒸れで皮膚がふやけ、傷つきやすくなること
  • 栄養不足:たんぱく質やエネルギーが不足し、皮膚や組織の回復力が落ちること

こうした要因に加えて、自分で体の向きを変えられない、やせて骨が突き出ている、皮膚が乾燥して弱くなっている、麻痺やしびれで痛みに気づきにくいといった方は、床ずれのリスクがとくに高いとされています。糖尿病や血流が悪くなる病気がある方も、注意が必要な方に含まれるとされています。床ずれは「介護の仕方が悪いから起こる」ものではありません。体の状態によっては、丁寧に介護をしていても起こりやすいことがあるため、できやすい部位や予防のポイントを知っておくことが早期の気づきにつながります。

床ずれができやすい部位はどこ?寝る姿勢別に解説

結論床ずれは骨が皮膚のすぐ下に突き出ている部分にできやすく、あお向けでは仙骨部(お尻の中心)やかかと、横向きでは腰の外側の骨の出っ張りにできやすいとされています。

床ずれは、皮膚と骨の間に脂肪や筋肉が少なく、体重がかかりやすい部分にできやすいとされています。どの部位にできやすいかは、あお向け・横向き・座った姿勢など、日常過ごす姿勢によって変わります。姿勢ごとのできやすい部位を知っておくと、体位変換のときに注意すべき場所がわかりやすくなります。

とくに、あお向けで寝ている時間が長い方の仙骨部(お尻の中心、背骨の下)とかかとは、床ずれがもっともできやすい部位として知られています。

主な姿勢できやすい部位
あお向け(仰臥位)仙骨部(お尻の中心)、かかと、後頭部、肩甲骨のあたり
横向き(側臥位)腰の外側の骨の出っ張り(大転子部)、くるぶしの外側、耳のあたり
座った姿勢(車椅子など)お尻の骨の出っ張り(坐骨結節部)、尾骨部、背中

日本褥瘡学会の資料などをもとにした一般的な傾向です(2026年時点)。体格や麻痺の状態によって、できやすい部位には個人差があります。

床ずれの重症度はどう見る?ステージ(深達度)の目安

結論床ずれの重症度は、皮膚の赤みだけの軽いものから、皮下組織や筋肉・骨に近いところまで傷が達する重いものまで、段階(ステージ)で目安が示されています。実際の評価は医療者が専門的な基準で行います。

床ずれの重さは、傷の深さによって大まかな段階に分けて考えられています。医療現場では、日本褥瘡学会が開発したDESIGN-R(デザインアール)という評価方法など、より詳しい基準を使って専門的に評価されますが、ご家族が状態をイメージしやすいように、傷の深さのおおまかな目安を表にまとめました。

自己判断で「このくらいなら大丈夫」と様子を見続けることは避け、皮膚の赤みに気づいた時点で、早めに医療機関や訪問看護に相談することが勧められています。とくに、圧迫を取り除いても赤みが消えない場合は、すでに床ずれが始まっているサインとされています。

深さの目安皮膚の状態の目安
ごく浅い(発赤)皮膚に赤みがあり、指で押しても赤みが消えない状態
浅い傷水ぶくれやただれができ、皮膚の表面(表皮・真皮)が傷ついた状態
やや深い傷皮膚の下の脂肪などの組織まで傷が達した状態
深い傷筋肉や腱、骨に近いところまで傷が達した状態

国際的な分類(NPUAP分類など)を参考にした一般的な目安であり、診断ではありません。壊死した組織で覆われて深さを判断しにくい場合や、皮膚の下で損傷が広がっている場合もあるとされています。実際の評価・治療は医師・看護師にご相談ください(2026年時点)。

床ずれを予防するにはどうすればいい?4つの基本

結論床ずれの予防は、体位変換・体圧分散マットレス・スキンケア・栄養管理の4つを組み合わせることが基本とされています。どれか一つではなく、組み合わせて続けることが大切です。

床ずれは、原因となる圧迫・ずれ・湿潤・栄養不足のそれぞれに対策をとることで、予防できる可能性が高まるとされています。代表的な予防法を表にまとめました。

予防法具体的な内容
体位変換(体位交換)2時間おきが一つの目安とされてきましたが、体圧分散マットレスの性能によっては間隔を調整することもあるとされています
体圧分散マットレスエアマットレスやウレタンマットレスなどで体重を広く分散させ、一点にかかる圧力を減らします
スキンケア皮膚を清潔に保ち保湿します。摩擦やずれを減らすため、シーツのしわを伸ばし、体を引きずらず持ち上げて動かします
栄養管理たんぱく質やエネルギー、水分を十分にとり、皮膚や組織の回復力を保ちます

日本褥瘡学会「褥瘡予防・管理ガイドライン」などをもとにした一般的な目安です(2026年時点)。体位変換の間隔や適したマットレスの種類は体の状態によって異なるため、看護師や福祉用具専門相談員に相談しながら決めることが勧められています。なお、体圧分散マットレスは介護ベッド(特殊寝台)の付属品として介護保険の福祉用具貸与でレンタルでき、原則として要介護2以上の方が対象です(例外給付あり)。要介護の方はケアマネジャー、要支援の方は地域包括支援センターに相談すると、体の状態に合った用具を選ぶ手伝いをしてもらえます。

自宅でのケアが難しくなってきたサインとは?

結論床ずれの傷が広がる・深くなる、浸出液やにおいが強くなる、発熱がある、体重が減ってきたといった変化は、自宅でのケアだけでは対応が難しくなってきたサインとされています。

ご家族が自宅で体位変換やスキンケアを続けていても、体の状態や介護の負担によっては、専門的なケアが必要になる時期がきます。次のようなサインが見られたら、早めに医療機関や訪問看護、ケアマネジャーに相談することが勧められています。

  • 傷が以前より広がっている、深くなっている、または治りが遅い
  • 傷から出る液(浸出液)の量が増えた、色やにおいが強くなった
  • 傷のまわりが熱を持っている、腫れている、発熱がある
  • 食欲が落ちて体重が減り、栄養状態が心配になってきた
  • 夜間も含めた体位変換の回数が多く、介護者の睡眠や体力が限界に近づいている

床ずれの処置(傷の洗浄や薬の使用、ガーゼ交換など)は医療行為にあたるため、市販薬を使うなど自己判断で処置をすることは避け、医療機関の受診や訪問看護の利用につなげることが大切です。介護と医療の両方の負担が大きくなってきたと感じたら、在宅での介護を続けるか、施設への入居を検討するかを考えるタイミングでもあります。

施設によって床ずれのケア体制はどう違う?

結論施設の床ずれケア体制は、看護職員が日中のみか24時間に近い体制かという看護配置と、体圧分散マットレスや特殊寝台がどれだけ整っているかによって差があります。同じ施設種別でも体制は施設ごとに異なります。

床ずれのリスクが高い方や、すでに床ずれがある方の施設探しでは、看護職員の配置と、体圧分散マットレス・特殊寝台の整備状況の両方を確認することが欠かせません。傷の処置は看護師が担うため、看護師が何時までいるか、夜間はどのような体制かによって、対応できる範囲が変わります。

なお、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)やサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)には、施設としての看護職員の配置義務は基本的にありません。床ずれの処置が必要になった場合は、訪問看護ステーションと契約し、看護師に定期的に訪問してもらいながら対応するのが一般的です。入居を検討する際は、施設が訪問看護とどの程度連携できているかも、あわせて確認したいポイントです。

相談現場では、「床ずれがあると施設に入れないのでは」と不安に思うご家族によく出会います。実際には、傷の程度や処置の頻度によって対応できる施設は変わるものの、看護体制が整った施設であれば受け入れられるケースは少なくありません。傷の状態や処置の内容を医療情報として整理し、施設に具体的に伝えることが、受け入れ判断をスムーズにする近道です。

介護の窓口では、床ずれのケアに対応できる関西の施設を、相談員が無料でお調べします。看護体制や設備は外からわかりにくい部分だからこそ、お気軽にご相談ください。

介護保険施設と主な民間施設の一般的な傾向を表にまとめました。傾向はあくまで目安であり、実際の体制は施設ごとの確認が必要です。

施設種別看護職員配置の傾向床ずれケアの傾向
特別養護老人ホーム(特養)日中を中心に配置。夜間は介護職員が中心でオンコール対応が一般的原則要介護3以上が対象(特例入所を除く)。体圧分散マットレスなどの用具が設備として整っていることが多い
介護老人保健施設(老健)特養より手厚く、夜間も配置している施設が多い在宅復帰を目指すリハビリ中心の施設。医療的なケアも比較的行いやすい
介護医療院医師・看護職員を配置し、夜間も医療職がいる体制が基本医療依存度の高い方の床ずれ処置にも対応しやすい
介護付き有料老人ホーム日中の配置が基準。夜間の看護配置は施設により差が大きい体圧分散マットレスの整備状況や、夜間の看護体制の確認が必要

厚生労働省が定める人員配置基準などをもとにした一般的な傾向です(2026年時点)。同じ種別でも施設ごとの看護体制・設備の差が大きいため、個別の確認が必要です。

床ずれの処置・治療は誰に相談すればいい?

結論床ずれの処置や治療は医療行為にあたるため、自己判断で市販薬を使ったり様子を見続けたりせず、主治医やかかりつけ医、訪問看護に相談することが基本とされています。

床ずれの処置には、傷の洗浄や消毒、軟膏の使用、ガーゼやドレッシング材(傷を保護する専用の当て材)の交換などが含まれ、いずれも医療行為にあたるとされています。介護職員が自己判断で処置を行うことはできず、看護師や医師が中心となって進めます。

在宅で介護をしている場合は、訪問看護を利用することで、自宅にいながら看護師に傷の状態を定期的に診てもらえます。訪問診療と組み合わせれば、通院が難しい場合でも医師の診察を受けやすくなります。傷が急に悪化した場合や発熱をともなう場合は、早めに主治医や訪問看護ステーションに連絡することが勧められています。

市販の軟膏や消毒液を自己判断で使うことは避け、まずは医療機関や訪問看護に相談してください。傷の深さや状態によって適した処置は異なり、誤った自己流のケアがかえって治りを遅らせてしまうこともあるとされています。繰り返しになりますが、この記事の内容は一般的な情報の整理です。実際の処置や治療方針については、主治医・かかりつけ医にご相談ください。

まとめ|床ずれは早めの気づきと相談が予防の第一歩

結論床ずれは圧迫による皮膚・組織のトラブルで、体位変換や体圧分散マットレスなどの予防と、早めの気づきが何より大切です。自宅でのケアが難しいと感じたら、一人で抱え込まずに専門職へ相談してください。

床ずれ(褥瘡)は、同じ姿勢が続くことで血流が悪くなり、皮膚や組織が傷ついてしまう状態です。できやすい部位や予防の基本を知っておくことは、進行を防ぐための大きな助けになります。すでに床ずれができている場合も、早めに医療機関や訪問看護につながることで、悪化を防ぎやすくなるとされています。

介護の窓口では、看護体制や設備の整った関西の施設探しを、相談員が無料でお手伝いしています。自宅でのケアと施設への入居のどちらがよいか迷ったときも、状況に合わせてご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。

よくある質問

一言でいうと、床ずれ(褥瘡)とは何ですか?

一言でいうと、床ずれ(褥瘡)とは、同じ姿勢が続くことで皮膚や皮下の組織の血流が悪くなり、皮膚が傷ついてしまった状態のことです。仙骨部やかかとなど、骨が突き出た部分にできやすいとされています。体位変換や体圧分散マットレスなどで予防に取り組むことができます。

床ずれはどのくらいの時間でできてしまいますか?

強い圧迫が続くと、数時間というごく短い時間でも皮膚の血流が悪くなり、床ずれの始まりである赤みが出ることがあるとされています。とくに自分で体位を変えられない方は注意が必要です。赤みに気づいたら、圧迫を取り除いたうえで早めに医療機関や訪問看護に相談することが勧められています。

体位変換はどのくらいの間隔で行えばよいですか?

2時間おきが一つの目安とされてきましたが、体圧分散マットレスを使う場合はもう少し間隔をあけられることもあるとされています。適切な間隔は体の状態によって異なるため、看護師やケアマネジャーに相談しながら決めることが勧められています。

体圧分散マットレスは介護保険でレンタルできますか?

介護保険の福祉用具貸与でレンタルできます。ただし原則として要介護2以上の方が対象で、要介護1以下の方は医師の所見などにより例外的に借りられる場合があります(例外給付)。要介護の方はケアマネジャー、要支援の方は地域包括支援センターに相談してください。

床ずれができても老人ホームに入居できますか?

入居できないわけではありません。傷の程度や処置の頻度にもよりますが、看護職員が配置され体圧分散マットレスなどの設備が整った施設であれば、受け入れられるケースは少なくないとされています。傷の状態を医療情報として整理し、施設に具体的に伝えることが受け入れ判断の助けになります。

床ずれの処置に市販薬を使ってもよいですか?

自己判断での使用は避けることが勧められています。床ずれの処置は医療行為にあたり、傷の状態によって適した薬や方法が異なるため、医療機関や訪問看護に相談してから進めることが大切です。実際の処置方針は主治医・かかりつけ医にご確認ください。

参考(一次情報)

  • 日本褥瘡学会「褥瘡予防・管理ガイドライン」
  • 国立長寿医療研究センター「寝たきりと褥瘡・褥創への対処」(もの忘れ・生活の相談Q&A)
  • 公益社団法人全国老人保健施設協会「施設で取り組む褥瘡管理―褥瘡管理の基本と褥瘡マネジメント加算の手引き」(厚生労働省内容確認)
  • 厚生労働省「福祉用具貸与」制度の概要

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