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最終更新: 2026-07-11

訪問看護とは?訪問介護との違い

訪問看護とは、看護師などの医療専門職が自宅を訪問し、医療処置やリハビリ、服薬管理、看取り支援などを行う医療系のケアサービスです。訪問介護との違いや、医療保険・介護保険どちらが適用されるかの判断基準、費用の目安と利用の流れをやさしく解説します。

この記事の要点

  • 訪問看護とは、看護師など医療専門職が自宅を訪問し、バイタルチェック・医療処置・リハビリ・服薬管理・看取り支援・家族への介護指導という6つの支援を行う医療系のケアサービスです
  • 訪問看護は看護師などの医療資格者が医師の指示で医療処置を行える点が訪問介護との大きな違いで、2024年度介護報酬では訪問看護30分未満が471単位、訪問介護の生活援助45分以上が220単位です
  • 要介護認定を受けている方は原則介護保険が優先されますが、主治医が交付する特別訪問看護指示書がある期間(原則14日間)は医療保険が適用されます
  • 利用にはどの場合も主治医が交付する訪問看護指示書(有効期間は最長6か月が目安)が必須で、介護保険では1回30分〜1時間30分・週1〜3回程度の利用が目安です
  • 介護保険が適用される場合の自己負担目安は1割で1回314円〜1,128円程度(20分未満〜1時間30分未満)で、医療保険は基本療養費などの組み合わせで金額が決まるため計算方法が異なります

訪問看護とは?看護師が自宅で医療的なケアを行うサービスです

結論訪問看護とは、看護師などの医療専門職が自宅を訪問し、主治医の指示のもとで病状の観察や医療処置、リハビリ、服薬管理などを行う医療系の在宅ケアサービスです。バイタルチェックから看取り支援まで6つの支援を柱に、要介護認定の有無や病状に応じて医療保険または介護保険が適用されます。

訪問看護とは、看護師や保健師、理学療法士などが自宅を訪問し、主治医の指示にもとづいて療養上の世話や医療処置を行う、医療と生活の両方を支えるサービスです。退院直後で通院が難しい方や、持病があっても自宅で医療的な管理を受けながら暮らしたい方など、幅広い場面で利用されています。

「訪問看護」と「訪問介護」は名前が似ているため混同されやすいのですが、資格も、できることも、適用される保険も異なります。訪問看護は看護師など医療系の専門職が医療処置を中心に行うのに対し、訪問介護はホームヘルパーが食事・入浴などの身体介護や掃除・調理などの生活援助を行います。違いのくわしい内容は、この後の章で比較表にまとめます。

訪問看護は、訪問看護ステーション(民間企業や医療法人などが運営する事業所)、または病院・診療所から看護師などが派遣される形で提供されます。介護がはじめてのご家族にとっては、「入院中に受けていた看護師によるケアが、退院後も自宅で受けられる」とイメージすると理解しやすいサービスです。

訪問看護で受けられるサービスの内容は?

結論訪問看護では、バイタルチェックなどの健康観察、点滴や褥瘡処置などの医療処置、リハビリ、服薬管理、看取り支援、家族への介護指導という6つの支援を、主治医の指示にもとづいて受けられます。

訪問看護の内容は、病状の観察から医療処置、リハビリ、そして家族支援まで多岐にわたります。主治医が作成する訪問看護指示書にもとづき、看護師などが一人ひとりの状態に合わせて計画を立てます。主な支援内容を表にまとめました。

支援内容具体例
バイタルチェック・健康観察体温・血圧・脈拍・呼吸状態の確認と、病状の変化の早期発見
医療処置点滴の管理、褥瘡(床ずれ)の処置、カテーテルやストーマの管理、たんの吸引、酸素療法の管理など
リハビリテーション理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による機能訓練や日常動作の練習
服薬管理飲み忘れを防ぐ声かけ、副作用の確認、飲み合わせについての相談
看取り支援終末期の症状をやわらげるケアと、ご本人・ご家族の心身の支え
家族への介護指導たんの吸引や体位変換など、ご家族が行う医療的なケアの手技指導・相談

内容はご本人の病状や主治医の指示により異なります。実施できる処置の範囲は主治医にご相談ください(2026年時点の一般的な例です)。

訪問看護と訪問介護はどう違う?資格・医療行為・保険適用を比較

結論訪問看護と訪問介護の最大の違いは資格と医療行為の可否です。2024年度の介護報酬で比べると、訪問看護30分未満は471単位、訪問介護の生活援助45分以上は220単位と、単価にも差があります。

在宅療養を勧められたご家族の多くが最初に迷うのが、訪問看護と訪問介護の違いです。保有資格・できること・適用される保険・利用回数の目安という4つの観点で比較すると、役割の違いが整理しやすくなります。

訪問介護でできること・できないことの具体例や料金の目安は、関連記事「訪問介護とは」で詳しく解説しています。あわせてご覧いただくと、在宅療養で使える2つのサービスの全体像がつかみやすくなります。

比較項目訪問看護訪問介護
主な担い手看護師・准看護師・保健師・理学療法士など医療系の専門職訪問介護員(ホームヘルパー。介護職員初任者研修修了者など)
できること医師の指示にもとづく医療処置、バイタルチェック、リハビリ、服薬管理、看取り支援など食事・入浴・排せつなどの身体介護、掃除・調理などの生活援助
医療行為医師の指示書があれば実施できる原則実施できない(体温・血圧測定など一部の行為や、研修を修了した職員によるたんの吸引等は例外)
適用される保険医療保険または介護保険(要介護認定の有無などで判断)介護保険(要支援の方は市区町村の総合事業)
利用回数の目安介護保険は週1〜3回程度、医療保険は原則週3日までが目安支給限度額の範囲内で1日複数回も可能(目安は週2〜5回程度)
必要な書類主治医が交付する訪問看護指示書ケアマネジャーが作成するケアプラン

2026年時点の一般的な整理です。単位数は厚生労働省の2024年度介護報酬改定(訪問看護ステーションの場合)にもとづく概算で、回数や内容は病状・要介護度により個人差があります。

医療保険と介護保険、どちらが使われる?判断基準を表で確認

結論要介護認定を受けている方は原則として介護保険が優先されますが、主治医が交付する特別訪問看護指示書がある期間(原則14日間)や、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合は医療保険が適用されます。

訪問看護は、医療保険と介護保険のどちらでも利用できるサービスです。どちらが適用されるかは、本人が選べるものではなく、要介護認定の有無や病状によって決まります。主な判断基準を表にまとめました。

特に迷いやすいのが、要介護認定を受けている方が退院直後などで頻回な訪問が必要になったケースです。この場合、主治医が特別訪問看護指示書を交付すると、その期間中(原則14日間。気管カニューレを使用している方や真皮を超える褥瘡がある方は月2回まで交付可能)は一時的に医療保険へ切り替わるとされています。

判断基準医療保険が適用される主なケース介護保険が適用される主なケース
要介護・要支援認定の有無認定を受けていない、または申請前要支援1〜要介護5の認定を受けている
急性増悪・特別な指示の有無主治医が特別訪問看護指示書を交付した期間中(原則14日間)通常の訪問看護指示書にもとづく、状態が比較的安定した期間
対象となる病状がん末期や神経難病など、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合上記に該当しない、要介護認定を受けた方の日常的な療養
年齢・加入制度40歳未満の方、または40〜64歳で16の特定疾病に該当しない方65歳以上で要介護・要支援認定、または40〜64歳で16の特定疾病に該当し認定を受けている方

厚生労働省の資料等にもとづく一般的な判断基準です(2026年時点)。実際の適用は病状により個別に判断されるため、正確な取り扱いは主治医や訪問看護ステーションにご確認ください。

訪問看護は週に何回、何分利用できる?

結論介護保険では要介護度ごとの支給限度額の範囲内で週1〜3回程度、医療保険では原則週3日までが利用回数の目安です。特別訪問看護指示書の期間中(原則14日間)は回数の制限がなくなるとされています。

利用できる回数は、適用される保険の種類によって仕組みが異なります。介護保険では、訪問介護など他の在宅サービスと合わせて、要介護度ごとの区分支給限度基準額の範囲内で回数を調整します。たとえば要介護3であれば月およそ27万円分の限度額の中で、訪問看護・訪問介護・デイサービスなどを組み合わせる形です。

医療保険では、原則として週3日までという回数の上限があります。ただし、特別訪問看護指示書が交付されている期間中は、週3日という回数の上限がなくなり、1日に複数回の訪問を受けられる場合もあるとされています。回数や時間の詳細は病状によって個別に判断されるため、事前の相談が欠かせません。

  • 介護保険: 要介護度ごとの支給限度額の範囲内で、目安は週1〜3回・1回30分〜1時間30分程度
  • 医療保険(通常時): 原則週3日まで、1日1回が目安
  • 医療保険(特別訪問看護指示書の期間中): 原則14日間、回数の制限なく利用できるとされています
  • 医療保険(厚生労働大臣が定める疾病等に該当): 週4日以上や1日複数回の利用も可能とされています

訪問看護の費用はいくら?保険別の自己負担目安

結論介護保険が適用される場合、自己負担1割なら1回30分未満で約471円、30分〜1時間未満で約823円が目安です(2024年度介護報酬)。医療保険は基本療養費などの組み合わせで金額が決まり、計算方法が異なります。

訪問看護の料金は、適用される保険によって計算のしくみが異なります。介護保険は全国共通の「単位」(1単位あたり10円が基本)で料金が決まり、医療保険とは計算のしくみが異なります。2024年度の介護報酬にもとづく、訪問看護ステーションからの訪問の場合の目安は次の表のとおりです。

時間の目安単位数自己負担1割の目安自己負担3割の目安
20分未満314単位約314円約942円
30分未満471単位約471円約1,413円
30分〜1時間未満823単位約823円約2,469円
1時間〜1時間30分未満1,128単位約1,128円約3,384円
理学療法士等による訪問(1回)294単位約294円約882円

厚生労働省の2024年度介護報酬改定にもとづく、訪問看護ステーションからの訪問・1単位=10円で計算した概算です(2026年時点)。早朝・夜間・深夜の加算や看護体制強化加算などは含みません。医療保険は基本療養費などの組み合わせで金額が決まるため計算方法が異なり、正確な金額は訪問看護ステーションにご確認ください。

訪問看護を利用するまでの流れは?主治医の指示書が必要です

結論訪問看護の利用には、必ず主治医が交付する訪問看護指示書(有効期間は最長6か月が目安)が必要です。介護保険を使う場合はケアマネジャー、要支援の方は地域包括支援センターへの相談が最初のステップになります。

訪問看護は、訪問介護のように事業所へ直接申し込むだけでは始められません。どのような場合でも、主治医が交付する「訪問看護指示書」がなければ、保険を使った訪問看護は始められません。利用開始までの流れを表にまとめました。

要介護認定を受けている方の場合、訪問看護もケアプランの一部として組み込まれ、窓口になるのはケアマネジャーです。ケアマネジャーの役割や探し方、費用については、関連記事「ケアマネジャーとは」で詳しく解説しています。要支援1・2の方は、お住まいの地域包括支援センターが窓口になります。

ステップすることポイント
1. 主治医に相談する入院中や通院時に、在宅での看護が必要か相談し、訪問看護指示書の交付を依頼します有効期間は最長6か月が目安です
2. 窓口に相談する要介護1〜5の方はケアマネジャー、要支援1・2の方は地域包括支援センターに相談します医療保険のみの場合は訪問看護ステーションへの直接相談も可能です
3. 訪問看護ステーション・医療機関を選ぶ候補の事業所に連絡し、対応可能かを確認します自宅からの距離や24時間対応の有無も確認しておくと安心です
4. 契約・初回訪問看護師などが自宅を訪問し、心身の状態や生活環境を確認して訪問看護計画書を作成しますご本人・ご家族の要望を伝えておきましょう
5. サービス開始計画にもとづき、定期的な訪問が始まります主治医が指示書を定期的に見直し、必要に応じて更新します

一般的な流れの例です(2026年時点)。退院直後で急ぐ場合は、入院先の病院の地域連携室(医療相談室)が訪問看護ステーションとの調整を手伝ってくれることもあります。

家族への介護指導や看取り支援もお願いできる?

結論はい。看護師がたんの吸引や体位変換などの手技をご家族に指導するほか、24時間対応の訪問看護ステーションなら夜間の急な変化にも電話相談や臨時訪問で対応してもらえる場合があります。

訪問看護は、ご本人だけでなくご家族への支援も大きな役割のひとつです。たんの吸引や経管栄養、床ずれの予防など、退院後に家庭で必要になる医療的なケアについて、看護師が実際の手技を見せながらご家族に指導してくれるため、はじめてでも少しずつ自信を持って対応できるようになります。

終末期には、症状をやわらげる緩和的なケアを行いながら、ご本人とご家族の不安に寄り添うのも訪問看護の大切な役割です24時間対応の訪問看護ステーションであれば、夜間の急な変化にも電話相談や臨時訪問で対応してもらえる場合があり、自宅での看取りを選ぶご家族にとって心強い存在です。

相談現場では、「医療的なケアが必要になったら、もう自宅では暮らせないと思っていた」と話すご家族に出会うことがよくあります。実際には、訪問看護と訪問介護、そして家族への指導を組み合わせることで、たんの吸引や経管栄養が必要な状態でも自宅での生活を続けられるケースは少なくありません。自宅での介護に限界を感じたときは、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のように、外部の訪問看護と連携しながら暮らせる住まいに切り替える方法もあります。

まとめ|訪問看護は在宅療養を支える医療と介護の橋渡し役です

結論訪問看護は、看護師などの医療専門職が自宅で医療的なケアを行うサービスで、要介護認定の有無や病状によって医療保険・介護保険の2つの制度のどちらかが適用されます。まずは主治医への相談から始めましょう。

訪問看護は、退院後の在宅療養や、持病がありながら自宅で暮らし続けたい方にとって、医療と生活をつなぐ心強い存在です。訪問介護との役割の違いや、医療保険・介護保険どちらが適用されるかの仕組みを知っておくと、いざというときに落ち着いて相談できます。

在宅での介護と医療的なケアの両立に不安を感じたときは、ケアマネジャーや地域包括支援センターに加えて、介護の窓口の相談員にもお気軽にご相談ください。関西4府県の情報をもとに、訪問看護と組み合わせやすい住まいや、将来施設へ住み替えを考えるときの選択肢を無料でお調べしています。

  • サービス内容や制度について詳しく知りたいとき: 訪問看護指示書を交付した主治医、または訪問看護ステーションへ
  • ケアプランへの組み込みを相談したいとき: ケアマネジャー(要支援の方は地域包括支援センター)へ
  • 訪問介護との違いや併用を検討したいとき: 関連記事「訪問介護とは」もあわせてご覧ください

よくある質問

訪問看護を一言でいうとどんなサービスですか?

一言でいうと、看護師などの医療専門職が自宅を訪問し、医師の指示のもとで医療処置や健康観察を行う在宅ケアサービスです。要介護認定の有無や病状により、医療保険または介護保険のどちらかが適用されます。

訪問看護と訪問介護は同時に利用できますか?

はい、同時に利用できます。医療的なケアは訪問看護、食事や入浴などの生活面の支援は訪問介護、と役割を分けて併用するご家庭は少なくありません。介護保険を使う場合は、どちらもケアマネジャーが作成するケアプランに位置づけられます。

要介護認定を受けていなくても訪問看護は利用できますか?

利用できます。要介護認定を受けていない方や40歳未満の方は、主治医の指示書にもとづき医療保険で訪問看護を利用します。要介護・要支援の認定を受けている方は、急性増悪時などを除き原則として介護保険が優先されます。

特別訪問看護指示書とはどのようなものですか?

急性増悪や退院直後などで頻回な訪問看護が必要と主治医が判断した際に交付される指示書です。原則月1回・14日間を限度に医療保険が適用され、その間は回数の制限なく訪問を受けられるとされています。交付が必要かどうかは、主治医にご相談ください。

訪問看護は夜間や休日も利用できますか?

24時間対応の訪問看護ステーションであれば、夜間や休日の電話相談や緊急訪問に対応してもらえる場合があります。対応体制は事業所によって差があるため、契約前に24時間対応の有無を確認しておくと安心です。

訪問看護の利用にケアマネジャーへの相談は必須ですか?

介護保険を使って利用する場合は、ケアマネジャー(要支援の方は地域包括支援センター)がケアプランに位置づける必要があります。医療保険のみで利用する場合は、主治医と訪問看護ステーションの間で調整できることもあります。ケアマネジャーの役割は、関連記事「ケアマネジャーとは」で詳しく解説しています。

参考(一次情報)

  • 厚生労働省「訪問看護の現状について」
  • 厚生労働省 令和6年度介護報酬改定について
  • 公益財団法人日本訪問看護財団
  • 全国訪問看護事業協会

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