最終更新: 2026-07-20
訪問リハビリとは?訪問看護との違い・料金・対象者をわかりやすく解説
訪問リハビリとは、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)などが自宅を訪問し、心身機能の維持・回復のための機能訓練を行う介護保険サービスです。対象者や訪問看護との違い、1回あたりの料金の目安、利用を始めるまでの流れをやさしく解説します。
この記事の要点
- 訪問リハビリテーションとは、病院・診療所や介護老人保健施設(老健)、介護医療院に所属する理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が自宅を訪問し、機能訓練を行う介護保険サービスです
- 対象は要介護1〜5または要支援1・2の認定を受け、主治医が交付する指示書がある方で、1回20分以上・原則週6回を限度に利用できます
- 退院・退所した日から3か月以内に医師の指示にもとづき行う場合は、週12回まで利用できる特例があります
- 2024年度介護報酬改定にもとづく基本報酬は1回308単位で、自己負担1割なら約308円、2割で約616円、3割で約924円が目安です
- 同じ専門職が担当する訪問看護のリハビリ(1回294単位)や、施設に通う通所リハビリ・デイケア(要介護1で1回762単位)とは、提供元や場所が異なります
訪問リハビリテーションとは、どのようなサービスですか?
結論訪問リハビリテーションとは、病院・診療所や介護老人保健施設(老健)などに所属する理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)という3つの専門職が自宅を訪問し、心身機能の維持・回復のための機能訓練を行う介護保険サービスです。1回20分を基本単位に、要介護・要支援認定と主治医の指示書があれば利用できます。
訪問リハビリとは、退院後も自宅で歩行や日常生活動作の練習を続けたい方や、加齢や病気により体力・身体機能が低下してきた方のために、理学療法士などの専門職が自宅を訪ねてマンツーマンで機能訓練を行うサービスです。「入院中に受けていたリハビリを、退院後も自宅で続けられる」とイメージすると分かりやすいサービスです。
訪問リハビリテーションを提供できるのは、病院・診療所、介護老人保健施設(老健、要介護1以上の方を対象に在宅復帰を目指す介護保険施設)、介護医療院(要介護1以上の方を対象に、医療的なケアと生活の場を長期的に提供する施設)のいずれかに所属する専門職に限られます。訪問看護ステーションに所属する理学療法士等が行うリハビリとは、根拠となる制度が異なります。違いはこの後の章で比較表にまとめます。
| 専門職 | 自宅で行う機能訓練の例 |
|---|---|
| 理学療法士(PT) | 起き上がり・立ち上がり・歩行など、体を動かす基本的な動作の練習 |
| 作業療法士(OT) | 着替え・トイレ・入浴など、日常生活動作(ADL)や家事動作の練習 |
| 言語聴覚士(ST) | 言葉によるコミュニケーションや、飲み込み(嚥下)機能の練習 |
厚生労働省の資料等にもとづく一般的な整理です(2026年7月時点)。実際に配置される職種は事業所により異なり、3職種がそろっているとは限りません。
訪問リハビリテーションは誰が対象になりますか?
結論訪問リハビリテーションの対象は、要介護1〜5または要支援1・2の認定を受け、主治医が訪問リハビリテーションの必要性を認めて指示書を交付した方です。要支援の方は介護予防訪問リハビリテーションという区分で利用します。
対象になるのは、要介護1〜5、要支援1・2のいずれかの認定を受けている方です。ただし認定を受けているだけでは利用できず、退院後の在宅復帰や身体機能の維持などリハビリの必要性を主治医が判断し、指示書を交付することが前提になります。
40〜64歳の方(第2号被保険者)は、末期がんや関節リウマチなど、老化に起因するとされる16の特定疾病により要介護・要支援状態になった場合に限り、認定の申請対象になります。
要支援1・2の方は、デイサービスの生活援助のように市区町村ごとの総合事業には移されておらず、全国共通の予防給付である介護予防訪問リハビリテーションとして利用します。ケアプランの作成窓口も、要介護の方と要支援の方で異なります。
- 要介護1〜5の方: ケアマネジャー(居宅介護支援・自己負担なし)が作成するケアプランに位置づけて利用します
- 要支援1・2の方: 地域包括支援センターが作成する介護予防ケアプランにもとづき、介護予防訪問リハビリテーションとして利用します
訪問リハビリテーションは1回何分、週に何回利用できますか?
結論訪問リハビリテーションは、1回20分以上を基本単位に、原則週6回を限度として利用できます。退院・退所した日から3か月以内で医師の指示がある場合は、週12回まで利用できる場合があります。
訪問リハビリテーションの基準では、理学療法士などが1回あたり20分以上機能訓練を行った場合を1回として算定し、1週間に6回を限度に利用できるとされています。たとえば週3回、1回20分の利用であれば、月あたりの利用回数はおよそ12〜13回が目安です。
退院・退所した日から起算して3か月以内に、医師の指示にもとづきリハビリを行う場合は、週12回まで利用できる特例が設けられています。退院直後などリハビリの必要性が特に高い時期に、集中して機能訓練を受けられるようにするための仕組みです。実際の回数はご本人の状態やケアプランの内容によって個別に調整されるため、詳しくはケアマネジャーや事業所にご確認ください。
| 利用のタイミング | 週あたりの利用回数の目安 |
|---|---|
| 通常の場合 | 週6回が限度(1回20分以上を1回として算定) |
| 退院・退所日から3か月以内で医師の指示がある場合 | 週12回まで利用できる場合があります |
厚生労働省が定める訪問リハビリテーションの基準にもとづく一般的な整理です(2026年7月時点)。実際の利用回数は心身の状態やケアプランの内容により異なります。
訪問リハビリテーションの料金はいくらですか?
結論訪問リハビリテーションの料金は、1回(20分以上)308単位を基準に、自己負担1割なら約308円が目安です(2024年度介護報酬改定にもとづく概算)。2割負担なら約616円、3割負担なら約924円になります。
訪問リハビリテーションの料金は、全国共通の「単位」で決まり、1単位=10円が基本です(都市部などでは1単位が最大11.40円程度になる地域もあります)。2024年度の介護報酬改定にもとづく基本報酬は、1回(20分以上)につき308単位です。
自己負担割合は所得に応じて1〜3割です。たとえば週2回、月8回程度利用した場合、自己負担1割ならひと月の自己負担はおよそ2,460円が目安になります(基本報酬のみの概算で、加算は含みません)。
この金額はあくまで基本報酬の概算です。実際には、リハビリテーション計画の説明や定期的な見直しを評価する加算などが上乗せされるのが一般的です。正確な金額は、ケアプランを作成するケアマネジャーや事業所にご確認ください。
| 自己負担割合 | 1回(20分以上)あたりの目安 |
|---|---|
| 1割 | 約308円 |
| 2割 | 約616円 |
| 3割 | 約924円 |
厚生労働省の2024年度(令和6年度)介護報酬改定にもとづく基本報酬(1単位=10円)で計算した概算です(2026年7月時点)。地域区分による加算やリハビリテーションマネジメント加算などは含まないため、実際の請求額はこれより高くなるのが一般的です。
訪問リハビリテーションと訪問看護のリハビリはどう違いますか?
結論訪問リハビリテーションと訪問看護のリハビリの違いは、提供元と、根拠になる指示書の種類です。訪問リハビリは病院や老健などが1回308単位で、訪問看護のリハビリは訪問看護ステーションが1回294単位で提供します。
自宅でリハビリを受けられるサービスには、この記事で解説している訪問リハビリテーションのほかに、訪問看護ステーションに所属する理学療法士等が訪問看護の一部として行うリハビリがあります。どちらも理学療法士などが担当するため区別がつきにくいのですが、根拠となる制度と交付される指示書の種類が異なります。
訪問看護ステーションからのリハビリは、看護によるケアの一部という位置づけで提供されるため、基本報酬は訪問リハビリテーションよりやや低い1回294単位に設定されています。訪問看護の内容や料金全体については、関連記事「訪問看護とは」で詳しく解説しています。
| 比較項目 | 訪問リハビリテーション | 訪問看護のリハビリ |
|---|---|---|
| 提供元 | 病院・診療所、介護老人保健施設(老健)、介護医療院 | 訪問看護ステーション |
| 必要な指示書 | 主治医が交付する指示書 | 医師が交付する訪問看護指示書 |
| 基本報酬(1回)の目安 | 308単位 | 294単位 |
| 利用回数の目安 | 原則週6回が限度(退院後3か月以内は週12回まで) | 他の訪問看護と合わせて週1〜3回程度が目安 |
| 制度上の位置づけ | 介護保険の訪問リハビリテーションという独立したサービス | 訪問看護の一部として提供されるリハビリ |
厚生労働省の2024年度介護報酬改定にもとづく概算です(2026年7月時点)。同じ時期に両方を併用できるかどうかは個別の状況により異なるため、ケアマネジャーにご確認ください。
訪問リハビリテーションと通所リハビリ(デイケア)はどう違いますか?
結論訪問リハビリテーションと通所リハビリ(デイケア)の違いは、自宅で個別に受けるか、施設に通って受けるかです。デイケアは要介護1で1回762単位と、訪問リハビリの308単位より基本報酬が高めです。
通所リハビリテーション(デイケア)は、医療機関や介護老人保健施設(老健)に日帰りで通い、理学療法士などから機能訓練を受ける介護保険サービスです。同じ専門職がリハビリを担当する点は共通していますが、自宅に来てもらうか施設に出向くかという提供場所が大きく異なります。デイケアの内容や費用については、関連記事「デイケアとは」で詳しく解説しています。
通院や外出そのものが難しい方には訪問リハビリテーションが向いており、他の利用者との交流や外出の機会もあわせて持ちたい方にはデイケアが向いている傾向があります。どちらか一方を選ぶ以外に、退院直後は訪問リハビリで自宅での生活に慣れ、体力がついてきたらデイケアに切り替えるといった使い分けも可能です。
| 比較項目 | 訪問リハビリテーション | 通所リハビリ(デイケア) |
|---|---|---|
| 提供場所 | 自宅 | 医療機関・介護老人保健施設(老健) |
| 受け方 | 理学療法士などとの個別対応が中心 | 個別・集団でのリハビリを組み合わせて実施 |
| 送迎 | 不要 | 事業所の送迎車を利用するのが一般的 |
| 基本報酬(1回)の目安 | 20分以上で308単位 | 要介護1・7時間以上8時間未満で762単位 |
| 向いている場面 | 外出が難しい、通院の負担を減らしたい | 他の利用者との交流や外出の機会も持ちたい |
厚生労働省の2024年度介護報酬改定にもとづく概算です(2026年7月時点)。デイケアの費用は時間区分や事業所の規模により変わるため、詳しくは関連記事「デイケアとは」やケアマネジャーにご確認ください。
訪問リハビリテーションは医療保険と介護保険、どちらが優先されますか?
結論訪問リハビリテーションは、要介護・要支援認定を受けている方であれば原則として介護保険が優先され、料金は2024年度の介護報酬改定にもとづき決まります。退院直後などは、一時的に医療保険の訪問リハビリが案内される場合もあります。
訪問リハビリテーションは介護保険サービスですが、医療機関は医療保険でも在宅でのリハビリ指導を提供できる場合があります。要介護・要支援の認定を受けている方は、原則として介護保険が優先されるという給付調整の考え方があるため、通常は介護保険の訪問リハビリテーションを利用します。
退院直後は、要介護認定の申請中であったり、ケアマネジャーとの調整に時間がかかったりして、介護保険の訪問リハビリテーションをすぐに開始できないことがあります。こうした場合に、一時的に医療保険での訪問リハビリテーションが案内されることがあるとされていますが、実際にどちらが適用されるかは病状や手続きの状況によって個別に判断されます。
介護報酬はおおむね3年に一度見直されており、直近では2024年度(令和6年度)に改定されました。この記事の単位数や料金は2024年度の基準にもとづく概算のため、次回の改定以降は変更される見込みです。最新の単位数や制度の詳細は、次の確認先を目安にしてください。
- 介護報酬の単位数や制度の詳細: 厚生労働省の公表資料
- 個別の適用や手続き: お住まいの市区町村の介護保険担当窓口
- 今の状態にどちらが合うか: ケアマネジャーや主治医
訪問リハビリテーションを利用するまでの流れは、どうなっていますか?
結論訪問リハビリテーションの利用は、主治医への相談から指示書の交付、ケアマネジャーとの調整を経て、5つのステップで開始します。要支援の方は地域包括支援センターが最初の窓口になります。
訪問リハビリテーションは、事業所に直接申し込むのではなく、主治医の指示書とケアプランへの位置づけが前提になります。利用開始までの流れを表にまとめました。
訪問リハビリテーションは自宅でリハビリを続けられる心強い方法ですが、身体機能の低下が進み、夜間の見守りや医療的なケアの必要性が高まってきた場合は、住まいを見直すタイミングかもしれません。在宅復帰へ向けたリハビリを行う介護老人保健施設(老健)への入所や、訪問リハビリテーションと連携しながら暮らせる住宅型有料老人ホーム(施設により自立〜要介護5の方まで受け入れ)、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住、自立〜軽度の要介護の方向け)への住み替えも選択肢のひとつです。
介護の窓口の相談現場では、「退院後もリハビリを続けたいが、この先ひとり暮らしを続けられるか不安」というご家族のご相談をお受けすることがあります。まずは訪問リハビリテーションで自宅での生活を続けながら、必要に応じて住まいの選択肢も検討するという順番がおすすめです。関西4府県(大阪・兵庫・京都・奈良)にお住まいの方は、介護の窓口の相談員が訪問リハビリテーションと組み合わせやすい住まいを無料でお調べします。エリア外にお住まいの方は、お近くの地域包括支援センターにご相談ください。
| ステップ | すること・ポイント |
|---|---|
| 1. 主治医に相談する | 入院中や通院時に、自宅でのリハビリの必要性を伝え、主治医から指示書を交付してもらいます |
| 2. ケアマネジャーに相談する | 要介護1〜5はケアマネジャー(居宅介護支援・自己負担なし)、要支援1・2は地域包括支援センターが窓口です |
| 3. 事業所を選ぶ | 指示書を交付できる病院・診療所・介護老人保健施設(老健)・介護医療院の中から候補を選びます |
| 4. 計画を作成する | 理学療法士などが自宅を訪問して心身の状態や生活環境を確認し、訪問リハビリテーション計画を作成します |
| 5. サービス開始 | 計画にもとづき定期的な訪問が始まります。状態の変化に応じて計画も見直されます |
厚生労働省の資料等にもとづく一般的な流れです(2026年7月時点)。実際の手順や必要書類は事業所により多少異なります。
よくある質問
訪問リハビリテーションを一言でいうとどんなサービスですか?
一言でいうと、訪問リハビリテーションとは、理学療法士(PT)などの専門職が自宅を訪問し、1回20分を基本単位に機能訓練を行う介護保険サービスです。要介護・要支援認定と主治医の指示書があれば利用でき、原則週6回が利用回数の目安です。
訪問リハビリテーションは要支援でも利用できますか?
訪問リハビリテーションは、要支援1・2の方も介護予防訪問リハビリテーションという区分で利用できます。要介護の方の訪問リハビリテーションとは区分が異なりますが、内容や1回20分という基本単位はほぼ同じで、窓口は地域包括支援センターになります。
訪問リハビリテーションと訪問看護のリハビリは併用できますか?
訪問リハビリテーションと訪問看護のリハビリは、同時に利用できる場合がありますが、目的が重なる部分もあるため、ケアマネジャーが区分支給限度額の範囲内で調整します。まずはどちらが今の状態に合っているか、ケアマネジャーや主治医にご相談ください。
退院直後は医療保険と介護保険どちらが使われますか?
退院直後の訪問リハビリテーションは、要介護認定の手続きやケアプランの調整が間に合わない場合など、一時的に医療保険が使われることがあります。ただし要介護・要支援認定を受けている方は、原則として介護保険の訪問リハビリテーションが優先されます。
訪問リハビリテーションの利用にケアマネジャーへの相談は必須ですか?
訪問リハビリテーションの利用には、ケアマネジャー(要支援の方は地域包括支援センター)への相談が必須です。主治医の指示書に加えてケアプランへの位置づけが必要なため、事業所に直接申し込むことはできません。
訪問リハビリテーションはどれくらいの期間利用できますか?
訪問リハビリテーションの利用期間に上限は定められていません。要介護認定の更新が続く限り、主治医が必要と判断すれば利用を継続できるため、心身の状態に応じてケアマネジャーや主治医と見直しながら続けることができます。
参考(一次情報)
- 厚生労働省 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(訪問リハビリテーション関係)
- 厚生労働省 令和6年度介護報酬改定の概要
- 独立行政法人福祉医療機構(WAM NET) サービス紹介 訪問リハビリテーション
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