最終更新: 2026-07-20
介護保険料はいくら
介護保険料とは、40歳以上のすべての方が納める公的介護保険の財源です。40〜64歳と65歳以上で徴収のしくみが異なり、所得やお住まいの市区町村によっても金額が変わります。年齢別・所得段階別の決まり方と金額の目安、確認方法までやさしく解説します。
この記事の要点
- 介護保険料とは、40歳以上のすべての方が納める公的介護保険の財源で、40〜64歳(第2号被保険者)は医療保険料と一体で、65歳以上(第1号被保険者)は原則年金からの天引きで納めます
- 65歳以上の保険料の全国平均(基準額)は月6,225円(第9期・2024〜2026年度)で、制度が始まった2000年度の2,911円と比べて約2.1倍に上昇しています
- 65歳以上の保険料は所得段階によって金額が変わり、国の標準モデル(13段階)では基準額の0.285倍から2.4倍までの差があります
- 保険料の基準額は市区町村ごとに異なり、第9期でもっとも高い大阪市(月9,249円)ともっとも低い東京都小笠原村(月3,374円)では約2.7倍の差があります
- 40〜64歳の保険料は加入する医療保険の算定方法で決まり、自分の正確な金額は給与明細や納入通知書、市区町村の窓口で確認できます
介護保険料とは、どのような仕組みで納める保険料ですか?
結論介護保険料とは、40歳以上のすべての方が納める公的介護保険の財源で、65歳以上と40〜64歳とで徴収の方法が異なります。財源は公費(税金)と保険料がほぼ半分ずつで、サービスを利用していない月も納め続けます。
介護保険料とは、介護保険制度を支えるために、40歳になったすべての方が加入者(被保険者)として納める保険料のことです。介護保険は2000年4月に始まった公的な社会保険で、財源は国・都道府県・市区町村が負担する公費(税金)が5割、40歳以上の方が納める保険料が5割というおおまかな割合で成り立っています。
ここで押さえておきたいのが、介護保険料と、サービスを利用したときの自己負担は別物だという点です。介護保険料は、実際にサービスを使っているかどうかにかかわらず毎月納め続けるお金で、サービスを利用したときにかかる費用の1〜3割の自己負担とは、性質も金額も異なります。この記事では、保険料そのものの金額と決まり方に絞って解説します。
介護保険料の決まり方は、年齢によって大きく2つに分かれます。40〜64歳の方(第2号被保険者)は加入している医療保険の保険料と一体で徴収され、65歳以上の方(第1号被保険者)は市区町村ごとに決まる基準額をもとに、原則として年金から天引きされます。まずは全体像を表で確認しましょう。
| 区分 | 対象となる方 | 保険料の決まり方 | 主な納め方 |
|---|---|---|---|
| 第2号被保険者 | 40〜64歳の医療保険加入者 | 加入する医療保険の算定方法(標準報酬月額など)で決定 | 医療保険料と一体で徴収(給与天引きが基本) |
| 第1号被保険者 | 65歳以上のすべての方 | 市区町村ごとの基準額×所得段階別の乗率で決定 | 年金からの天引き(特別徴収)が原則 |
出典: 厚生労働省「介護保険制度の概要」(2026年時点)。第2号被保険者の保険料率は加入する医療保険や年度によって異なります。
40〜64歳(第2号被保険者)の保険料は、どのように決まりますか?
結論40〜64歳(第2号被保険者)の保険料は、加入している医療保険の算定方法にしたがって決まり、給与天引きの場合は会社と本人が半分ずつ負担するのが一般的です。金額は所得(標準報酬月額)によって一人ひとり異なります。
第2号被保険者の介護保険料には、65歳以上のような全国共通の基準額がなく、加入している医療保険の仕組みにそのまま乗る形で決まります。会社員・公務員の方は協会けんぽや健康保険組合、自営業やフリーランスの方は市区町村の国民健康保険に加入していることが多く、それぞれ計算方法が異なります。
会社員の方が加入することの多い協会けんぽの場合、介護保険料は標準報酬月額に全国一律の介護保険料率を掛けて計算されます。2024年度の協会けんぽの介護保険料率は1.60%で、標準報酬月額28万円の方であれば月4,480円が目安となり、会社と本人が折半するため、本人の給与天引きは月2,240円程度が一般的でした。介護保険料率は毎年見直されるため、最新の料率や自分の標準報酬月額は、給与明細や勤め先の担当窓口、加入する医療保険者に確認するのが確実です。
国民健康保険に加入する自営業・フリーランスの方などは、所得割・均等割などを組み合わせて世帯ごとに算定され、市区町村によって金額や計算方法が異なります。健康保険組合によっては、協会けんぽと異なる独自の料率を設定している場合もあります。
| 加入する医療保険 | 主な対象 | 決まり方の目安 |
|---|---|---|
| 協会けんぽ | 中小企業の会社員など | 標準報酬月額×全国一律の介護保険料率(労使折半) |
| 健康保険組合 | 大企業の会社員など | 組合ごとに定める料率で算定(労使折半、協会けんぽと異なる場合あり) |
| 国民健康保険 | 自営業・フリーランスなど | 所得割・均等割などを組み合わせ世帯単位で算定(市区町村ごとに異なる) |
2024年度の協会けんぽの例をもとにした2026年時点の目安です(出典: 全国健康保険協会)。介護保険料率は年度により改定されるため、最新の料率は加入する医療保険者にご確認ください。
65歳以上(第1号被保険者)の保険料は、どのように決まりますか?
結論65歳以上(第1号被保険者)の保険料は、市区町村が3年ごとに定める基準額に所得段階別の乗率をかけて決まり、年額18万円以上の年金を受給している方は年金からの天引きが原則です。
65歳になると、それまでの医療保険と一体だった納め方から切り替わり、市区町村から個別に保険料が決まります。市区町村ごとに、介護保険事業計画の給付見込み額をもとにした基準額(所得段階の中で標準となる金額)が3年に一度定められ、そこに本人や世帯の所得に応じた所得段階別の乗率をかけて、一人ひとりの年間保険料が決まる仕組みです。所得段階についてはあとの章でくわしく説明します。
納め方は2種類あります。老齢年金・遺族年金・障害年金などの年額が18万円以上の方は、年金から自動的に天引きされる特別徴収が原則です。年額18万円未満の方や、65歳になったばかりで年金天引きの準備が整っていない方などは、市区町村から送られる納付書や口座振替で納める普通徴収になります。
特別徴収は年6回(偶数月)の年金支払いのたびに天引きされ、普通徴収は市区町村が指定する納期(多くは年8〜10回程度)に分けて納めます。65歳になった月や、他の市区町村から転入した直後は、特別徴収への切り替えに数か月かかることがあり、その間は一時的に普通徴収で納めることになります。
介護保険料の全国平均(基準額)は、いくらですか?
結論介護保険料の全国平均(基準額・65歳以上)は、第9期(2024〜2026年度)で月6,225円です。2000年度の制度開始時の月2,911円と比べて、約2.1倍に上昇しています。
65歳以上の保険料のベースになる基準額は、全市区町村の金額を第1号被保険者数で加重平均すると、第9期(2024〜2026年度)で月6,225円です。介護保険は3年を1期として見直されており、期を追うごとに基準額はほぼ一貫して上昇してきました。制度が始まった第1期からの推移を見てみましょう。
上昇の主な理由は、高齢化の進展により介護サービスを利用する方が増え、給付にかかる費用の総額が膨らんでいることです。今後も高齢者人口の増加が見込まれているため、基準額は長期的に上昇傾向が続くとみられています。
| 期 | 期間 | 全国平均の基準額(月額) |
|---|---|---|
| 第1期 | 2000〜2002年度 | 2,911円 |
| 第2期 | 2003〜2005年度 | 3,293円 |
| 第3期 | 2006〜2008年度 | 4,090円 |
| 第4期 | 2009〜2011年度 | 4,160円 |
| 第5期 | 2012〜2014年度 | 4,972円 |
| 第6期 | 2015〜2017年度 | 5,514円 |
| 第7期 | 2018〜2020年度 | 5,869円 |
| 第8期 | 2021〜2023年度 | 6,014円 |
| 第9期 | 2024〜2026年度 | 6,225円 |
出典: 厚生労働省「第9期計画期間における介護保険の第1号保険料について」等(2026年時点)。全国の市区町村の基準額を第1号被保険者数で加重平均した金額です。
所得段階が違うと、65歳以上の保険料はいくらになりますか?
結論所得段階が変わると保険料は、国が示す標準的な13段階モデルで基準額の0.285倍から2.4倍まで幅があります。全国平均の基準額(6,225円)にあてはめると、月1,774円から14,940円までの差が生まれる計算です。
65歳以上の保険料は、本人や世帯の住民税の課税状況、年金収入などにもとづく所得段階によって金額が変わります。国が示す標準的なモデルは2024年度の改定で13段階となり、所得の低い方の乗率がさらに引き下げられる一方、所得の高い方の乗率は引き上げられました。段階が1つ上がるごとに、負担する保険料も重くなっていく仕組みです。
下の表は、全国平均の基準額(6,225円)に、国の標準モデルのうちもっとも低い段階、基準となる段階(1.00倍)、もっとも高い段階の乗率をあてはめた3つの計算例です。実際の金額は、お住まいの市区町村が定める基準額そのものが異なるため、この表とは違う金額になります。大都市を中心に、13段階よりさらに細かく段階を分けている市区町村もあります。
| 所得段階(標準モデル) | 対象の目安 | 基準額に対する乗率 | 月額の計算例 |
|---|---|---|---|
| 第1段階(もっとも低い段階) | 生活保護受給者、住民税非課税世帯で老齢福祉年金を受給している方など | 0.285倍 | 約1,774円 |
| 基準となる段階 | 本人が住民税非課税で、年金収入等が一定額を超える方など | 1.00倍 | 6,225円 |
| 第13段階(もっとも高い段階) | 本人が住民税課税で、合計所得金額がもっとも高い層にある方 | 2.40倍 | 約14,940円 |
国が示す標準的な13段階モデル(2024年度改定)のうち代表的な3段階を、第9期の全国平均基準額(6,225円)にあてはめた2026年時点の試算です(出典: 厚生労働省)。実際の段階数・金額は市区町村により異なります。
住んでいる市区町村によって、なぜ保険料額が違うのですか?
結論市区町村によって基準額が違うのは、給付にかかる費用の水準や高齢化率、施設整備の状況が地域ごとに異なるためです。第9期では最も高い大阪市(月9,249円)と最も低い東京都小笠原村(月3,374円)で約2.7倍の差があります。
介護保険料の基準額は、都道府県ではなく市区町村ごとに決まります。介護保険を運営する保険者が市区町村(一部は広域連合)であり、3年ごとの介護保険事業計画で、地域の高齢者数やサービスの利用見込み量を積み上げて基準額を算定しているためです。介護施設や訪問介護などのサービス基盤が充実している地域、高齢化率が高くサービス利用者が多い地域ほど、必要な給付費が増え、基準額も高くなる傾向があります。
厚生労働省の発表によると、第9期(2024〜2026年度)でもっとも基準額が高いのは大阪市の月9,249円、もっとも低いのは東京都小笠原村の月3,374円で、全国の市区町村の間で約2.7倍の開きがあります。関西圏でも自治体によって基準額に差があるため、引っ越しをすると保険料の金額が変わることがある点は覚えておくとよいでしょう。
| 区分 | 自治体の例 | 基準額(月額・第9期) |
|---|---|---|
| 全国平均 | ― | 6,225円 |
| もっとも高い自治体 | 大阪市(大阪府) | 9,249円 |
| もっとも低い自治体 | 小笠原村(東京都) | 3,374円 |
出典: 厚生労働省の発表資料(第9期・2024年度公表)にもとづく2026年時点の目安です。基準額は3年ごとに見直されるため、次期(第10期・2027〜2029年度)には金額が変わる見込みです。
今後、介護保険料はどうなっていく見通しですか?
結論今後の介護保険料は、高齢化の進展にともない上昇が続く見通しです。基準額は制度開始から9期連続でほぼ右肩上がりに推移しており、次の見直しは第10期(2027〜2029年度)の予定です。
介護保険は3年を1期として運営されており、基準額や制度の内容もこの周期で見直されます。前の章で見たとおり、基準額は第1期から第9期まで一貫して上昇を続けてきました。高齢者人口、とくに75歳以上の人口の増加と、それにともなう介護サービス利用者・給付費の増加が続く限り、この傾向は今後も続くと見込まれています。
現在は第9期(2024〜2026年度)の計画期間にあたり、次の見直しは第10期(2027〜2029年度)の予定です。第2号被保険者(40〜64歳)の保険料についても、加入する医療保険の財政状況や現役世代の人口減少の影響を受けて、料率が見直される可能性があります。制度の詳細は今後の国の議論によって変わる可能性があるため、実際の金額は毎年、最新の情報でご確認ください。
自分が納めている正確な保険料額は、どうやって確認できますか?
結論自分の正確な保険料額は、65歳以上の方は納入通知書や年金振込通知書、40〜64歳の方は給与明細や医療保険からの通知など、4つの方法で確認できます。わからないときは市区町村の介護保険担当窓口に相談できます。
この記事で紹介した金額は、あくまで全国平均や標準モデルにもとづく目安です。実際に自分が納めている金額を正確に知るには、次のような書類やしくみを確認するのが確実です。
- 65歳以上の方: 65歳になった月や毎年6月頃に市区町村から送られる「介護保険料額決定通知書」「納入通知書」で確認できます
- 65歳以上で特別徴収(年金天引き)の方: 年6回の年金支払いのたびに届く「年金振込通知書」に、天引きされた介護保険料の金額が記載されています
- 40〜64歳の会社員・公務員の方: 給与明細の「介護保険料」の項目で、天引きされている本人負担分を確認できます
- 40〜64歳の国民健康保険加入者の方: 医療保険料と合わせて送られる「国民健康保険料(税)決定通知書」で確認できます
保険料の支払いが難しいときや、費用全体を相談したいときはどうすればいいですか?
結論保険料の支払いが難しいときは、滞納したまま放置せず早めに市区町村の窓口へ相談することが大切です。相談しないまま滞納が続くと、1年で「償還払い」への切り替え、1年半で給付の一時差し止めがあり、2年で時効となるなど段階的にペナルティが重くなります。
収入の減少や急な出費などで保険料の支払いが難しくなったときは、一人で抱え込まず、早めに市区町村の介護保険担当窓口に相談することが大切です。分割納付など、個別の事情に応じた相談に応じてもらえる場合があります。
相談をしないまま滞納を続けると、期間の長さに応じて段階的にペナルティが重くなる点にも注意が必要です。滞納が1年続くと、介護サービスを利用した費用をいったん全額自己負担し、あとから保険給付分の払い戻しを申請する「償還払い」に切り替わります。1年6か月(1年半)滞納が続くと、この払い戻しの一部または全部が一時的に差し止められることがあります。さらに2年以上滞納すると、その期間分の保険料をさかのぼって納めることができなくなる時効が成立し、未納期間に応じて自己負担割合が3割に引き上げられるなどのペナルティが科されます。
介護の窓口の相談現場では、65歳になって届いた年金振込通知書の天引き額を見て、老後の生活費全体の見通しに不安を感じたというご相談を数多くお受けします。保険料だけでなく、将来の施設費用まで含めた資金計画を一緒に整理することもできます。
介護保険料は、訪問介護やデイサービスなど在宅サービスだけでなく、特別養護老人ホーム(特養、原則要介護3以上が対象)や介護老人保健施設(老健、要介護1以上でリハビリを中心とする施設)、認知症の方が少人数で暮らすグループホーム(認知症対応型共同生活介護、要支援2以上で認知症の診断があり、原則として住民票のある市区町村内の施設に限られる)、介護付き有料老人ホーム(特定施設の指定を受けた民間施設で、入居条件は施設ごとに設定)といった施設サービスの財源にもなっています。
保険料や年金の額から、この先どのくらいの費用で施設を探せるか知りたいという場合は、介護の窓口(関西4府県・大阪、京都、兵庫、奈良対応)の相談員がご予算に合う施設を無料でお調べします。エリア外にお住まいの方は、お近くの地域包括支援センターにご相談ください。
よくある質問
一言でいうと、介護保険料とはどのような保険料ですか?
一言でいうと、介護保険料とは、40歳以上のすべての方が納める公的介護保険の財源で、65歳以上と40〜64歳で徴収の方法が異なる保険料です。65歳以上の全国平均は月6,225円(第9期・2024〜2026年度)で、所得やお住まいの市区町村によって金額が変わります。
介護保険料は何歳から、いつまで払いますか?
介護保険料は40歳になった月から納め始め、原則として生涯納め続けます。40〜64歳は医療保険料と一体で、65歳以上は原則年金からの天引きで納付し、介護サービスを利用していない期間も納付が続きます。
65歳になると、保険料はいくらになりますか?
65歳になると、それまでの医療保険と一体の納付から切り替わり、市区町村ごとの基準額に所得段階別の乗率をかけた金額になります。全国平均の基準額は月6,225円(第9期)ですが、実際の金額は市区町村や所得段階によって数千円から2万円台まで幅があります。
40〜64歳の保険料は、給与明細のどの項目で確認できますか?
40〜64歳の会社員・公務員の方は、給与明細の「介護保険料」という項目で、天引きされている本人負担分を確認できます。健康保険料とは別枠で記載されていることが多く、40歳になった月の給与から新たに追加されます。
住んでいる市区町村によって、保険料はどのくらい違いますか?
住んでいる市区町村によって、65歳以上の保険料の基準額には大きな差があります。第9期(2024〜2026年度)でもっとも高い大阪市は月9,249円、もっとも低い東京都小笠原村は月3,374円で、その差は約2.7倍です。
介護保険料の支払いが難しいときは、どうすればよいですか?
介護保険料の支払いが難しいと感じたときは、滞納したまま放置せず、早めに市区町村の介護保険担当窓口へ相談することが大切です。収入の状況によっては、分割納付など個別の事情に応じた対応をしてもらえる場合があります。
参考(一次情報)
- 厚生労働省「第9期計画期間における介護保険の第1号保険料について」
- 厚生労働省「介護保険事業状況報告」
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「介護保険料率について」
- 各市区町村 介護保険課資料
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